無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで203万冊以上配信中!
「自分のことが書かれてる」小説の主人公と同姓同名の男が妄想に囚われ、作家を刺した。それに端を発し起こるデパ地下総菜売場異物混入騒ぎ、企業中傷ネット祭り、郊外マンション連続殺人。事件の陰には意外な“ふたり”の存在が。クレーマー、ストーカー、ヒステリー。私は違うと信じる人を震撼させる、一瞬で狂気に転じた人々の「あるある」ミステリ。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
連作短編集。
連作短編集という手法を活かしきった物語だった。
脇役として登場していた人物が、次の物語では主人公として登場する。
あちらこちらにすでに見知った人たちが配置されていて、それぞれの物語の微妙な関係性を教えてくれる。
脇役しか与えられていないときには見えていなかった部分、壊れていたり歪んでいたりする部分が、主人公となった物語では前面に押し出されてくる。
真梨さんの物語はいつもどこかグロテスクだ。
歪んだ感情に支配された人たちが織りなしていく物語。
誰もが心当たりがあるけれど、自分にはないと思いたい・・・そんな負一色に染められた感情があからさまに物語の中心にある。
好き嫌いが分かれる物語なのかもしれない。
けっして嫌いではないけれど、「好きか?」と聞かれると答えに詰まってしまいそうだ。
それでも「ちょっと読んでみようかな」と思わせる何かがある。
何かのきっかけで「狂気」の側へ行ってしまうかもしれない怖さ。
隣にいる人がもしかしたら「狂気」の側にいるかもしれない怖さ。
そして、周りにいるとても「狂気」の人たちに似ている部分のあるあの人。
「狂気」は特別な誰かだけのものではない。
普通に暮らしている人たちの中にも、そして自分の中にも、眠っているものなのだ。
それを突きつけてくる真梨さんの物語は、だからこそ「ちょっと読んでみようかな」的な位置にいるのかもしれない。
Posted by ブクログ
時系列を把握していないと頭の中がぐちゃぐちゃになる物語だった。
誰が嘘をついていて、誰が真実を話しているのか。
いや、本人に"嘘をついている"という自覚がないのであれば、それはもはや"真実"になり得るのか。
接点のない他人に知らず知らずのうちに執着される恐怖というものは、とても悍ましいものである。
「自分は他人にとって特別だ」「自分は他人に認められている」
そんな、昨今若者の中でも問題にもなりつつある、自己肯定感が心地良く感じることは厄介で、人間なら誰でも持ちうる性質だろう。
他人なんていなくても、のびのびと気楽に生きていける世の中になれば、毎日目を覆いたくなるような、悪質な事件も減るのではないだろうか。
Posted by ブクログ
最後が個人的には残念。。
狂った人間の起こすミステリ短編集。
短編集だけれどそれぞれの話が微妙に繋がっていて、前回のスピンオフ的な話が続く感じ。
そして狂った人間の起こす物語はミステリというより、もはやホラー。
内容は本当に狂気だしグロテスクな感じもあるのだけれど、口調や書きっぷりのおかげで何故かポップに感じられて、さくさく読めました。
最終章までは、ある事件の全容が明らかになったりですごく面白くて。
これは最終章で、この物語の全てが明らかになる感じね!と勢いよく読んだので、正直終わり方にはちょっとがっかり。
結局……?って感じで、はっきりしないからこそ恐怖が胸に残って読後気持ち悪いっていうのが良いことなんだろうけれど、ここまできたらすっきり終わって欲しかったなあ。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。