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Posted by ブクログ
連作短編集。
連作短編集という手法を活かしきった物語だった。
脇役として登場していた人物が、次の物語では主人公として登場する。
あちらこちらにすでに見知った人たちが配置されていて、それぞれの物語の微妙な関係性を教えてくれる。
脇役しか与えられていないときには見えていなかった部分、壊れていたり歪んでいたりする部分が、主人公となった物語では前面に押し出されてくる。
真梨さんの物語はいつもどこかグロテスクだ。
歪んだ感情に支配された人たちが織りなしていく物語。
誰もが心当たりがあるけれど、自分にはないと思いたい・・・そんな負一色に染められた感情があからさまに物語の中心にある。
好き嫌いが分かれる物語なのかもしれない。
けっして嫌いではないけれど、「好きか?」と聞かれると答えに詰まってしまいそうだ。
それでも「ちょっと読んでみようかな」と思わせる何かがある。
何かのきっかけで「狂気」の側へ行ってしまうかもしれない怖さ。
隣にいる人がもしかしたら「狂気」の側にいるかもしれない怖さ。
そして、周りにいるとても「狂気」の人たちに似ている部分のあるあの人。
「狂気」は特別な誰かだけのものではない。
普通に暮らしている人たちの中にも、そして自分の中にも、眠っているものなのだ。
それを突きつけてくる真梨さんの物語は、だからこそ「ちょっと読んでみようかな」的な位置にいるのかもしれない。
Posted by ブクログ
時系列を把握していないと頭の中がぐちゃぐちゃになる物語だった。
誰が嘘をついていて、誰が真実を話しているのか。
いや、本人に"嘘をついている"という自覚がないのであれば、それはもはや"真実"になり得るのか。
接点のない他人に知らず知らずのうちに執着される恐怖というものは、とても悍ましいものである。
「自分は他人にとって特別だ」「自分は他人に認められている」
そんな、昨今若者の中でも問題にもなりつつある、自己肯定感が心地良く感じることは厄介で、人間なら誰でも持ちうる性質だろう。
他人なんていなくても、のびのびと気楽に生きていける世の中になれば、毎日目を覆いたくなるような、悪質な事件も減るのではないだろうか。
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