近藤史恵のレビュー一覧
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「なんて美味しそうなんだ」
この小説を読んでから、テレビで熊が取り上げられる度に、そんな感想を漏らすようになった。
狩猟、ジビエを取り扱う本作。作者はミステリー作家らしいが、ミステリー要素は終盤で少し出るだけで内容はほぼ料理に終始する。
その料理がとにかく美味しそう。章のタイトルが作中で扱われる料理なのだが、読んでいるだけでお腹が空く。なんならジビエを食べに行こうかと考えてしまう。空腹時に見てはいけない小説だと思った。
考えさせる内容もあるが、とにかくジビエが食べたくなるのが本作の一番の魅力だろう。
続刊はまだ出ていないらしい。続刊、出してほしいなぁ…。 -
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ロードレースのプロチームに所属する白石は、自分を犠牲にしてエースの石尾をアシストする自分の役割が性に合っていると思いつつも、レース中に不意に訪れるチャンスにも惹かれ始めます。
そんななか、白石以前、石尾がチームメイトに故意に事故を起こさせたという噂を耳にします。
ロードレースのチーム戦の中で行われる「アシスト」という概念をテーマにしたいわば「お仕事小説」かと思いましたが、後半繰り広げられるミステリーの伏線回収が見事でした。
石尾がかつて再起不能にした篠崎によって、自分にかけたわれた罠を知った石尾が下した決断は...まさに「犠牲」というタイトルそのもの。「そこまでするか」とも思いましたがそれを通して見えた石尾のプロ意識や真っ直ぐな人柄に心がうたれました。
そもそもロードレースという個人競技のような団体競技。ルールを知らないと戸惑いますが、緻密な戦略を練り上げ、猛スピード自転車を漕ぎながらそれを実行するだけでなく、作戦の変更などの臨機応変な対応も求められます。この競技の凄さや面白さが小説から伝わってきました。
エースを勝たせるために尽くす「アシスト」なんて役割がある競技、自己犠牲の哲学が求められます。そのなかに葛藤や誘惑、裏切りなどはつきもの。人間ドラマがないわけないよなと思いました。 -
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歌舞伎はまだ一度も観に行ったことがないのだけど、これを読むと行きたくなる。主人公はひょんなことからもらった歌舞伎のチケットで興味の薄かった歌舞伎を観に行ってハマっていくのだけど、ポイントは背景を読み取る知識と、幕前に購入して読んでおく筋書にあると見た。字幕が見られるガイドもあるみたいだし、サポートがあるならチャレンジしてみたくなる。
歌舞伎やオペラを見にいくシーンがあるのだけど、決して押し付けがましくない。知らない人にも優しい説明と、興味が持てないとしても受け入れてくれる文章が心地よい。
1話ごとに日常の謎が出てきて、普通に犯罪も入ってたりするんだけど必ず解決してくれるのもスッキリ。
高校の友達と口論になった話しが、そのラストと相まってすごい印象に残った。摂食障害はキツいよね。。。
歌舞伎座の怪紳士も最後の最後に正体がわかり、エンディングも希望が見えるもので読後感爽やか〜。 -
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アミの会によるアンソロジーを読むのは4冊目ですが、これもどれもじんわり涙するお話が多かったです。特に「猫への遺言」柴田よしき著が良かったです。定年退職した老夫婦の夫がコロナに感染し、急逝してしまう。
その後、妻がみつけた3通の遺言書。妻への遺言書は、読まれるはずのないものだったのに急逝だったために読めてしまう。知らなかった夫の本心。最後に猫への遺言書で、また涙でした。
自分と重ねて何とも言えない気持ちになりました。
「青い封筒」松村比呂美著も良かったです。
あんなお手紙もらってみたい。親子、夫婦もこんなふうに、積み重ねていくものだよなと思いました。
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近藤史恵さんのちょいとイヤミスな作品、相変わらずいいですねぇ。
ライトな作品もよいですが
このなんとも言えない粘着質な女ごころ?。
しかも、昭和から平成初期のヤンキーが
もてはやされた時代を過ごした主人公たち。
ワタシには刺さりました!
表紙も内容を表現していて雰囲気◎。
作品の印象は解説から引用すると、
インフルエンスを訳すと『影響』、ピンとこないが『影が響く』と訳すと、3人がお互いの影を踏みあう絵が浮かぶ、と。 まさにそれ。
いわゆる交換殺人なんですが、3人の女子が
それぞれ仲良くなり、好きになり、でも嫌われて、また惹かれ合って?
交差していく人生、面白いのですよ。
10年以上会ってもいないのに、声を聞くと
惹かれあっちゃう。親友とかで片付けられない、
相手のために・・・。
登場する大人や、男たち、ジジイは碌な人が出てきません。この割り切りは作品を読みやすく、読者を没入させてくれますね。近藤史恵さん、素晴らしいです。
なぜか2冊文庫が本棚にあるというミスをおかしております。誰かにあげたいけどこの世界観楽しんでくれる友達がわたしにはいないなぁ。
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ネタバレ老犬ホー厶の話。
主人公は大学を出て就職したが馴染めず、会社を辞め、仕事を探して面接を何度も受けるのだが、声の小ささなどのせいで、採用されない。
そんななか、友人の紹介で、老犬ホームで住み込みで働くことになる。
犬の世話などしたことも無かったが、働くうちに徐々に慣れていく。主人公は自分に自信をつける。
そして、老犬ホーム ブランケットでなくてはならない存在となる。
老犬ホームは犬を飼えなくなってしまった人間のための施設。飼えなくなったら保健所に連れていくという選択肢しか無いことが多い現在では、老犬ホームというもうひとつの選択肢があることは素晴らしいことだと思います。こういう施設が増えて、悲しい思いをする犬が減るといいなぁと読みながら思いました。
主人公と飼い犬のララが徐々に打ち解けあっていくのも嬉しかった。
自分は家族に嫌われている、自分はどこに行ってもまともに働けない、と弱気になっていた主人公が、自分の居場所をみつけ、ララと共に生きていくという決意を持って、たくましい存在となっていくのも、読んでいて心が温まりました。
また、同僚である碧は美しく、仕事も何でもこなせてしまうすごい人であるが、妻のある人と付き合っており、苦労をしている。人は他人には分からない悩みや苦労を抱えているのだなと思いました。
この本を読んで、老犬ホームの存在を知ることができて良かったです。犬を飼う機会があったら、私も責任を持ってペットと向き合わないといけないのだなと感じました。
素敵な本に出会えて良かったです。
ありがとうございました。 -
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モップ片手に清掃作業をしながら、謎を解くお手伝いをしていくキリコシリーズ第3弾。
キリコちゃんが今回もかわいく走り回る姿が目に浮かびます。毎話違うお仕事現場で起こる、基本些細なトラブルをそのお話の中の語り手主人公がキリコちゃんのアドバイスで解決。
ただキリコちゃんの絡み方はいろいろでしたね。
あくまでサポート的に入ってくる分、語り手登場人物の魅力もあって読みやすい!
1時間のドラマでワンクールできちゃうのでは、という1話1話がライトながらテーマが深くて、飽きることなくサクサクです。
あとがき がよかった。近藤史恵さんは
小説には予定調和は大切だと。ただ主人公だって悩んだり、迷ったりするもんだと。
そこに一つの呪文でハッピーエンドへ結んでいけたらと。
そんな素敵な作品でした!
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Posted by ブクログ
近藤史恵さんの得意技
美味しそうな料理✖️ライトな日常トラブル➕犬
それが『みかんとひよどり』。
『ビストロ・パ・マル』や『カフェ・ルーズ』
みたいな居心地いいお店なんだろなぁ、の雰囲気をうまく残して、今作は[ジビエ]を使って食材へのリスペクトや食材加工に関する知識も増えちゃう作品です。
イノシシ、シカだけでなく、小鴨やヤマシギといった小さな鳥、そして今話題の『熊』までジビエとして登場。害獣駆除として狩猟が行われるがその命、無駄にしていいわけがない!しっかり食しないと申し訳がない、と読者に問う。
まさに今日食べたお肉だって、命を犠牲にしている。感謝をわすれてはいけない。
登場人物も毎度魅力的よね、近藤さん。
メインのシェフ潮田と猟師大高はさておき、
オーナーの澤山さん、女性とは思えない男前!
ホール担当若葉ちゃん、一番スキです。
ワンちゃん二匹も、近藤さんにかかれば
かわいい演者になります。
カフェで読むか、
自宅のソファやベッドでゴロンとしながら、
珈琲片手に読むといいんじゃないかなぁ