近藤史恵のレビュー一覧
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ネタバレ・「どちらかがどちらかを殺して、一緒に死んだの」
・「あれは心中事件であり、もしかすると殺人事件だったかもしれない。でも、わたしと妹はあの日、父と母に捨てられたの」
・「心中だとしたら、わたしと夢ちゃんはふたりから捨てられたことになる。でも殺人ならば、どちらかはわたしたちを見捨てたわけではないと信じられる」
・華子は娘を守ろうとして、プリントを水没させた。夫が命よりも大事にしていた作品よりも、娘の未来を選んだ。
無理心中ではなく殺人事件だった。でもこれは娘を思って行ったもの。愛する娘を守るために母は犯罪者になったと思うと悲しい。それにしても夫はそこまでしてヌードを撮り見てもらいたかった -
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旅と美味しいものの短編集。どれも良かったです。ビブリア古書堂の三上延「美味しいということは」が特に好きでした。これだけでいいから、読んで~って、知人達に読ませたいと思ったくらい。銀座ライオン本店や崎陽軒の焼売など小道具も良かったのと、ビブリアは身内が反目していて辛い内容多いけど、これは美味しいもので家族が繋がるのが良かった。やっぱり小説というか、フィクションは読んで面白かったり多幸感欲しいです。
「もしも神様に会えたなら」大崎梢
祖母と合流して伊勢神宮に行くつもりだった町田の小学生は祖母が来れず、一人で向かう。そこで地元の小学生に会う。
「失われた甘い時を求めて」新津きよみ
昔住んでいた松本に -
Posted by ブクログ
つまづくことは誰にだってある
成功を積み重ねてきたしっかりした人も
充実しているように見えるまぶしい人も
そして、完璧に見える人でさえも。
誰だって、手探りで毎日を生きているのに、
自分だけがなんだかうまくいかないで足踏みをしているような気持ちになる。
歌舞伎をはじめとする観劇の魅力に、
ステキな登場人物とちょっとした謎解きだけど・・・
スラスラと読める優しい文体の奥底に、そんな分厚くて頼もしいメッセージが隠れている気がする。
それにしても、それぞれ違うお話の積み重ねだと思っていたのに、ラストに向けて少しずつ、密やかに物語が収束して、最後のページまで来ると、
待って終わらないでぇ