歌舞伎座の怪紳士

近藤史恵

ロングセラー
『スーツケースの半分は』の著者が贈る極上のミステリー

祖母の依頼で請け負った観劇代行アルバイト。
行く先々で奇妙な出来事が起こり――

職場でハラスメントを受け退職した岩居久澄は、
心に鬱屈を抱えながら家事手伝いとして日々を過ごしていた。

そんな彼女に観劇代行のアルバイトが舞い込む。
祖母に感想を伝えるだけで五千円くれるという。

歌舞伎、オペラ、演劇。
初めての体験に戸惑いながらも、徐々に芝居の世界に魅了され、心が晴れていく久澄だったが――。

私が行く芝居に必ず「親切な老紳士」がいるのは、なぜだろう？

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内小説
• 出版社: 徳間書店
• 掲載誌・レーベル: 徳間文庫
• ページ数: 320ページ
• 電子版発売日: 2022年03月09日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 1MB

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歌舞伎やお芝居を観るのが好きです。落語も好きで地方に住んでいるのでたまにしか観ることは出来ませんが、東京に住んでいたら沢山観る事が出来るのになと思っている時がありました。心が病んで心療内科に通院しているところも主人公と同じ、今は歌舞伎も落語も大丈夫ですが、一時期受け付けない時期がありました。しのぶさんと怪紳士のお陰て主人公が元気に前向きになっていけて良かったと心から思いました。私もお医者さんを始め周りの人達に支えられて前向きに過ごしています。特に本を読んでその世界に浸る事で心が癒されています。読書に救われてます。

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ほんの些細なきっかけで、人は確かに前に進む事が出来るんだよって教えてくれるようなお話です。歌舞伎を観たことで、気持ちが前向きになる。その歌舞伎の観劇で、たまたま出会った人と話す時間が、息抜きになる。その出会った人からのほんの一言がきっかけで、大切な人の本当の気持ちに気づく事が出来る。くすみは歌舞伎という夢中になれるものを見つけて確かに前に進み始めたけれど、その歌舞伎に出会えたのもたまたましのぶさんが券を譲ってくれたから。人生ってきっと本当にたまたまな出会いが連続していて、それが気付かぬうちに自分自身に大きな影響を及ぼしているんだなって。なんだかこれから生きて、いろんなことに出会うのが凄く楽しみになって来ました。自分自身も誰かに良い影響を与えられる、たまたまな人になれますように。本当に素敵な物語でした。

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ハラスメントにより家事手伝いとして過ごす主人公が、祖母から観劇代行のアルバイトを引き受け、そこでの交流から前を向いて歩き出せるようになるまでの物語です。

傷つけられて立ち止まってしまった主人公の久澄が、いまの自分を受け止めたうえで、このままではいられないと歩き出す姿に心打たれました。

自分一人で生きていける人ももちろん立派だけど、頼れる部分は頼ったっていい。そこに、自分の好きなことがあれば、もっと人生は楽しい。
他人の目を気にして上手く立ち回ることができず、自分の価値を見失うところが少し自分とも重なって、自分まで救われた気持ちになりました。

歌舞伎やオペラ、ストリートプレイ（歌やダンスのない普通のお芝居）など、普段触れたことのない舞台の世界にも触れられて、その部分も楽しみました。
いつか自分も行ってみたいと思います。

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暖かくてするする読めて、なんだかちょっとしたお洒落をして外に出たくなる本。
登場人物が上品だったり自分に素直に生きていたり、引きこもりである主人公の心の闇をしつこく表さないところも作品の軽やかな魅力を損なわなくて素敵。スポットが生きるうえでの何気ない幸せとか温もりとかに当てられていて、すっと心が満たされる。文句なしの良い作品でした。

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舞台が大好きなので手に取りました。

久澄が、歌舞伎を好きになって上向きになっていく様子を見て行くところがハッピーになれるんですが、久澄が感じていることは深く共感できるものばかりで、自分は紙一重で踏みとどまっているだけで、誰でもこんなこと起きそうではあるなぁと思ってしまいました。

堀口さんの「人が人を責める時は、自分が1番言われたくない言葉を放つ」というようなことを言ってたのがすごく印象深かったです。
誰かに向き合う時、自分は本当に相手を思っているのか、自分に向き合えているのか、一度立ち止まって考えなくちゃと思いました。

お母さんが、久澄に作ってもらったご飯を毎日美味しい美味しいと言って食べるのは自分も見習いたいです。当たり前だと思ってはいけませんね。

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今年読んだ中で一番人に薦めたくなった。ハラスメントにあって退職、実家に引きこもって家事•手伝い、姉の犬のお世話で月収３万の生活３年目という主人公の気持ちがとてもリアルだった。趣味や好きなことにときめく人生を肯定してくれるところも現代の人たちに刺さると思う。

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歌舞伎やオペラなど舞台のおもしろさと、劇場で起こる謎解きと、主人公・久澄が変わっていく様子が、絶妙に絡み合って進んでいく。

観劇という非日常に身を置くことで、少しずつ久澄が変わっていくのだけど、心を病んでしまった久澄が、どのように感じ、考え、変わっていく（回復していく）のかの描写もにも引き込まれた。
あちこちに心動かされるフレーズも散りばめられていて、いつか自分も疲れてしまった時には、その言葉を思い出したいな。

歌舞伎観劇中に久澄の周りで起こる出来事には虚を突かれたけれど、久澄が観劇を好きになり、前向きに変わっていくストーリーに、謎解きがエッセンスになっていて、そこもおもしろかった。

歌舞伎やオペラは、ちょっと敷居が高いと感じていたけれど、ぜひ観に行ってみたいと思った。
演目について久澄目線で描かれていて、詳しく分からなくても楽しめる部分は「ここは分からなくても大丈夫そう」など久澄の言葉で語られているのもハードルを下げてくれて、より興味を駆り立てた。

堀口さんとの結末も素敵。しのぶさんとのこれからの関係も楽しみ。
手元に残しておきたい一冊になりました。

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歌舞伎や舞台に興味が湧いてくる作品だった。
現代の女性の中には、主人公やその周囲の人が抱えている悩みや病気を身近に感じる事ができる人もいると思う。自分の事のように読めた。

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観劇が大好きなので、余計に楽しく読めた。
歌舞伎も久々に観たくなったし、オペラは観たことないので、今後挑戦してみたい。

劇場のあの独特な雰囲気、始まる前のワクワク感が好き。
主人公の久澄が観劇にハマっていく様がよくわかる。
そして久澄の繊細な心の描写もよくわかる。
無職で卑屈になり、焦る気持ち、将来の不安。
好きなものができたことで、少しずつ前向きになれる感じ。

立場は人それぞれで、幸せで充実してるように見えても、みんな抱えてるものがあって、分かり合えないこともあるけど、自分の気持ちを大切にしつつも、人を思いやれる、優しい気持ちを大切にしたい。

「誰かがあなたを責めようとして発することばは、自分が、いちばん言われたくないことばですよ」
心に刺さった言葉。覚えておきたい。

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祖母の依頼で観劇バイトを始める久澄の話。歌舞伎、オペラ、演劇を楽しみつつ謎と紳士も気になり久澄の気持ちの変化に勇気づけられ、めちゃくちゃ満足感のある一冊でした！最後の久澄の現状が嬉しかったし、久澄の頑張りをより応援したくなる！歌舞伎見てみたい！