近藤史恵のレビュー一覧
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訳あって小学校教師を辞めた木崎淳平。友人の杉下から勧められたハワイ島にあるホテル·ピーベリーで3カ月を過ごすことに。日本人が経営するその小さなホテルはリピーターお断り。淳平を含め5人の日本人が滞在している中、客の1人がプールで溺死した。さらに直後、もう1人がバイク事故で亡くなり···。
ハワイ島は常夏のイメージに反して11の気候区分が混在する。ひそやかな霧雨のように、次第に不信感が募る···。
溶岩地帯で生息できるオヒアという木、莢の中の同じ部屋に1つのコーヒー豆しか入れないピーベリー。
人はみな、あわせもったすべての面をさらして生きているわけではない。このホテルの客が隠している一面とは― -
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すごく良かった。
ぜひ、男性に読んでもらいたいなぁ。というか、うちの夫に読んでほしい…でも、すすめても絶対読まないだろうなぁ(特大ため息)。
男性専門の家事学校の話です。
主人公は離婚して一人暮らしをしていますが、生活は荒れています。みかねた妹に教えられて家事学校に通うようになります。
家事を学びながら主人公が次第に変わっていくところが良かったです。
料理、掃除、洗濯だけが家事ではない。予算と献立を考えて買い物をし、食べたら後片付け、ゴミを捨てるにも家中のゴミをまとめる仕事が必要…と、生活全般のことが家事なんですよね。主人公は家事を学びながら、家事労働を妻に押し付けてそれを当たり前だと思っていた自分を反省します。
また、家事はセルフケアでもあり、生活が整うことで自己肯定感が上がっていきます。しかし、一方で女性にとっての家事は呪いのようなものでもあるということが分かってきます。男性が家事をすると外野は褒めてくれますが、女性はやって当たり前だとみなされる…それが女性を苦しめることになるのです。
この家事学校は、「子供のためのヘアアレンジ」の授業など珍しい授業があるのですが、その中で「人の話を聞く」という授業があるのが良いなぁと思いました。男性が家事をやったのに家族から感謝されず不満を持つというのはあるあるではないでしょうか。それは、自分のやりたい家事だけやって満足して家族のニーズを聞いていないからなのではないか。男性って人の話を聞くことができない人が多いので、この授業はとても大事だよなぁと思います。 -
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『タルト・タタンの夢(1作目)』→『マカロンはマカロン(3作目)』の順で読んでしまったこともあり、待望の本作(2作目)!
3作目を読み終わったタイミングでドラマ『シェフは名探偵』の存在も知り、最近視聴中。
ドラマを観た後だと、それぞれの役者さんで脳内再生される。笑
本作もよかったー!
最近は気軽に読める小説を手に取ることが多いが、『パ・マル』シリーズは優しいだけではなくちょっとしたスパイスが効いているのが好き。
また、文体で引っ掛かることもなく、スラスラと読める。(意外と大事なことだなと最近感じる)
解説も秀逸。
「シリーズ前作が料理の話、本書の四作が作り手の話、二作が食べる側の話。その三つが、本書の掉尾を飾る表題作でつながる。シリーズ随一の傑作と信じる所以だ。」
作る人と食べる人がいてこそ成り立つこと、(当たり前のことではあるが)お客様の人生はお店の外でも続いていること…1作目よりさらに視点が広がり、面白さも深まっていたように思う。 -
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妊活中の夫婦が元警察犬のジャーマンシェパードのシャルロットを家族として迎える。犬を飼い始めて広がる世界と日常を丁寧に描かれた日常ミステリーの連作短編集。
犬を飼ったことのある人にしか書けないのじゃないかと思う細かないろいろ。
読みながら、ウチで飼ってたワンコを思い出して微笑ましいやら、寂しいやら。
飼い主夫婦の犬の気持ちを想像している描写に、めっちゃわかる〜ってニヤニヤして楽しみました。
シャルロットの賢さも素敵だけど、飼い主夫婦も推理働かせたり、家族を大切にする姿に普通の善良な人々の話もよきかな。
ジャーマンシェパードって大型犬だし、警察犬だし、身近で触れることもないし、可愛いっ思って見たことはなかったんですが、可愛く思えてきます。
見る目変わる。
でもペットショップにはいないよね。 -
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読んでいるうちにふっとジビエが食べたくなる。まずそこが強い。香りとか温度とか、肉の手触りまで伝わってくるようで、グルメ小説としても普通に面白い。
でも面白さは食欲だけじゃ終わらない。大高を含めた登場人物がそれぞれの人生を抱えていて、軽く見えて意外と重いところに踏み込んでくる。ジビエを「珍しいごちそう」として消費するんじゃなくて、食べる側の姿勢とか、命との距離感とか、そういう部分まで考えさせられるのが読み応えだった。
いろんな層を一つの物語にまとめて、ちゃんと深いところまで連れていく構成が見事で、読後に「いいもの読んだな」が残る。
特に刺さったのは、動物を殺して食べている以上、食べる自分たちはそれに従って生き延びるのが使命、みたいなフレーズ。正解かと言われると違う気もする。でも、綺麗事だけで済ませない考え方として腑に落ちた。食べるって行為の重さを、嫌な説教じゃなく体感として残してくる本だった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「泣きたい午後のご褒美」の続き気分で読み出したが、今回はミステリー要素もあり、なかなか楽しい。
それぞれおもしろいのだが、秀逸だったのが、「ペンション・ワケアッテ」。
いやいや、日本語って奥深いとつくづく思う。
主人公は訳あり旅行に出てきて、なんだか感じ悪さMAXだったけど、いつの間にか前を向いていた。
一方的に別れを告げた男との唯一の繋がりの象徴である手紙を、愚かだと思いつつも大事にしてしまう切なさは伝わってくる。
だけど、一番大事な話を一方的に手紙で済ませようとしたつまらない男の幻想から目が覚めて、本当によかった。
どの作品も、とてもおいしそうなお夜食ばかり。
読んでいておいしくて楽しい。最高である。
2025/09/19 11:42