近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
人生は思い通りにならない。恋人と別れたり、盗難に遭ったり、未来が見えなかったり。そんなときに日常から離れて訪れた異国で、自分のためだけに時間を過ごし美味しいものを食べる。ささやかなご褒美感が味わえる、幸せな短編集です。ただしお腹がすいているときには要注意かも……。
個人的には旅行は苦手だし、ましてや海外に行きたいなんて思いません。それでもこの物語は素敵。むしろこういうのを読むだけで旅をしたような気分になります。そしてこの物語の主人公たちと同じように、ふっといい感じに気の抜けたような気もしました。彼らが訪れる国も、観光地としてそれほどメジャーな印象がないところばかりなので、異国感も強く味わえます -
Posted by ブクログ
今年最も読んだ作家さん近藤史恵先生の
『わたしの本の空白は』。
大変楽しませていただきました。近藤さんらしいイヤミス近辺のなんとも言えない「ぐにゅっと」とした世界観を満喫!
ある日目覚めたら病院のベッドの上、しかも記憶喪失。
誰も信じられない中で、私はあなたの夫ですと
男が現れて・・・。退院すると家では
記憶がない中で夫婦として生活をしなくてはいけないが、何かおかしい?
記憶が戻らないこともツライけど、どーやら夫を愛していないのでは?
夢の中にでてくる美しい男が気になって仕方ないのは何故?
こんな謎?が丁寧に描かれていきます。
どんでん返しもあるっちゃあるんですが、
なんとかなく匂わせ -
Posted by ブクログ
新型コロナウイルスが蔓延していたあの頃の、張りつめた空気や生きづらさを鮮明に思い起こさせる作品だった。時間の経った今だからこそ、当時の不安や息苦しさを「なかったこと」にしてはいけないのだと、静かに突きつけられる。
前作『ときどき旅に出るカフェ』に続き、ほぼ同時代的に描かれた物語であるからこそ、登場人物たちの戸惑いや緊張感は生々しい。
先の見えない日々の中で揺れる人々の心模様が、淡々と、しかし確かな温度をもって描かれている。
そんな不安定な世界の中で、カフェの存在は主人公・瑛子にとって大きな心の支えとなっている。
人と人との距離が難しくなった時代において、場所や形態を変えながらもそこに在り続