近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
スーツケースが必要になる旅行はそれなりに大きな旅行。物語の登場人物達は、それぞれ心にモヤモヤや悩みを抱えている。それぞれの旅行での出来事がきっかけとなり、考え方や行動が変わって、新たな一歩に繋がる物語でした。
旅行は日常から少し離れて自分を見て目直す良い機会、そんなことを改めて感じる作品でした。
4人の女友達の関係性が素敵だなと思いました。適度な距離感があって、でも、お互いの幸せを素直に喜びあえる間柄。この4人だったから、「幸運のスーツケース」が巡り巡っていったんだろうと思います。
最後の大学生とおばさんの話も好きでした。青いスーツケースをプレゼントした理由がとても素敵だなと思いました。 -
Posted by ブクログ
嫌いなものは増えていくかもしれないけれど、一方で好きな物も残る。嫌いになったものをもう一度受け入れることはできなくても、嫌いなものを他の嫌いなもので薄めたり、好きなもので和らげたりしながら生きていくことはできるかもしれない。雪を道の脇に押しやって、いつか溶ける日を待つように。
いい言葉だね。
なんか私嫌いになったらなかなかもう戻って来れないけど、好きな人がこれを好きなら……とか言うなら少しなら戻ってこれたりすることもある。やっぱり人との関係性は大事……だよね。
一人旅は憧れるけど怖いが勝つんだよね。
なんか行ったことないところとか行ってみたい。知らない世界に出会いたい。それはちょっと怖いけど、でも知らない世界も見てみたい。私が思っているより世界はもっともっと広いはず。別に海外ではなく、日本でも然り。行ったことないところはたくさんあるから、また行ってみたいな。 -
Posted by ブクログ
平凡で、ドラマティックなことが起こらない人生でも、ままならないような悩みやトラブルには見舞われるもの。そんな人生とともに寄り添うのはおいしいご飯やお菓子。
かつての同僚が店主を務めるカフェでは、旅先で見つけたものを再現して出しているという少し風変りな場所。主人公の瑛子はそこを一息付ける場所として宿り木として通っている。日常のもやもやした気持ちも世界の食べ物に目を向けて、視野が広がれば何かいい道が見つかるかもしれない。まさに「ときどき旅に出る」ことができるカフェで、少しクールダウンすることがよい方向にもっていってくれる。
短編集になっており、ひとつひとつが短いのでサクサクと読めて、かつじんわりとした読後感だった。 -
Posted by ブクログ
ひとつの青いスーツケースがいろんな人と世界を周っていく。わたしたちは旅を通じて知らない世界を見て、聞いて、感じる。そうして、平穏だが凝り固まった日常では見えなかったことが見えることもあるし、それが大きな転機を与えてくれることさえある。
旅にはお金と時間がかかるので、どうしても踏ん切りがつかなくなりがちだ。しかし、何者にも決して奪われることのない、自分だけの大切な財産をもたらしてくれることこそが旅の醍醐味だと思っている。
さらに旅には危険やトラブルがつきものであるが、旅行者の安全を願う人々の想いもかけがえのないものだ。
スーツケースの半分は、そういったかたちのない大切なもので満ちているのかも。
もしスーツケースに自我があるのだとしたら、そんな旅する人々を見てなにを感じるのだろうか。
最後はやっぱり、旅に出たくなる一冊。