あらすじ
シェフの亮は鬱屈としていた。創作ジビエ料理を考案するも、店に客が来ないのだ。そんなある日、山で遭難しかけたところを、無愛想な猟師・大高に救われる。彼の腕を見込んだ亮は、あることを思いつく……。
...続きを読む感情タグBEST3
Posted by ブクログ
すごく良かった〜。フレンチの雇われシェフである主人公潮田。元々、手際も良くフランスに料理留学までしている彼が持つ夢とは。
そして、縁あって知り合った猟師の大高。
この2人がどんな事件に巻き込まれていくのか。
美味しそうなジビエ料理と犬たちがストーリーを和らげてくれる。
ジビエがこんなに食べたくなったのは、初めて!!
Posted by ブクログ
どう生きていくか悩んでいる時にちょうど出会った作品。飽きずに読めたし、仕事・生活・人間関係などを食を通して深く考えさせられた。読んでよかったし、もう一度読みたくなる時が訪れる気がする。
Posted by ブクログ
赤字続きのフレンチレストランの雇われシェフ・潮田は、猟に入った山で遭難したことをきっかけにハンターの大高と出会います。大高からもらった肉で試作を重ねるうちに、ジビエのアイデアが湧いてくる潮田。大高とヒヨドリを仕入れる専属契約を結びます。しかし鹿や猪の解体に関しては「これ以上自分の人生を複雑にしたくない」と大高は頑なに拒絶します。
そんななか、大高の山小屋に火事が遭い、ハンター仲間の猟銃が盗まれるなど不可解な事件が続発します。そんなストーリー。
自然の厳しさを痛いほど感じさせられた後に味わった肉。まさに生きていた命を一つの皿にする、という表現が印象的でした。スーパーで買ってきた食材を食べる都市生活者と、農業や畜産業など生産者の食物に対する解像度は違うんだろうな。
都市でシェフとして働き、自分のやり方に疑問を持ち葛藤する潮田と、ハンターとして山で暮らし害獣を駆除しながら生きる大高。大高のシンプルな価値観に触れることで、潮田は自分のこだわりを少しずつ手放していきます。
「生きることは時間がかかる」
昔の人が生きるには、農業や狩猟に時間を費やしそれだけで一日は過ぎていく。
それなのに今では生活が豊かで便利になったはずなのに、便利さと引き換えに複雑さは増すばかり。
どちらが良いとか悪いとかではないけれど、インスタント化する自分の生活を振り返って考えたいと思いました。
男性が主人公の料理系小説は意外とめずらしい?でもテーマも良かったし面白かったです!みかんの風味がするヒヨドリもいつか食べてみたいです。
Posted by ブクログ
ジビエ食べたい
猪も鹿も熊も食べたことないし
みかんを食べたひよどりもヤマシギも初めて知った
害獣と判断するのは人間側で、動物たちはただ生きてるだけなのを忘れちゃいけないな
ここから始まって行くこれからを読みたいので続編希望
Posted by ブクログ
近藤さんの作品で犬が出てくると、犬を飼いたくなるし、犬に触れてみたくなるから不思議。当方犬は飼っていないのですが。犬が好きなんだなと伝わってきます。
さて今回の作品。
主人公がことごとくレストラン働いたところ潰れた、のに、働くって料理するのが好きなんだなあと思った。三回もダメになったら流石に無理って私ならなる。
近藤さんお得意のミステリーも出てきて、ハラハラしたし、第三者でしかいれないもどかしさも感じた。
人によっては、何だこの終わり方ってなるかもだが、いいんだよ、現実ってこんなもん。それ相応にってね。
最後に再会シーンがあってそれも良かった。
犬可愛い。
後、料理!
食べたくなった。
Posted by ブクログ
みかんを添えなくても、肉からはみかんの匂いがするように、ぼくの身体には大高に教えてもらったいろんなことが染みついている。
---
衝撃的に好みだった。まず冒頭が山から始まるところがとても良い。主人公同世代で仕事のモヤモヤとか気持ちもよく分かる。そして大高!!!!なんなの彼めっちゃ好き!!!!!2人の成長と友情と謎が解けていく爽快感が大変気持ちよかった。あとイッヌがトテモいい。読後感最高。
久々に2回読み返しちゃう本に出会ったよ。気付いてなかったけどこの前よんだ犬の話と同じ作家さんなのね。他の作品も読んでみたい。
Posted by ブクログ
近藤史恵さんの得意技
美味しそうな料理✖️ライトな日常トラブル➕犬
それが『みかんとひよどり』。
『ビストロ・パ・マル』や『カフェ・ルーズ』
みたいな居心地いいお店なんだろなぁ、の雰囲気をうまく残して、今作は[ジビエ]を使って食材へのリスペクトや食材加工に関する知識も増えちゃう作品です。
イノシシ、シカだけでなく、小鴨やヤマシギといった小さな鳥、そして今話題の『熊』までジビエとして登場。害獣駆除として狩猟が行われるがその命、無駄にしていいわけがない!しっかり食しないと申し訳がない、と読者に問う。
まさに今日食べたお肉だって、命を犠牲にしている。感謝をわすれてはいけない。
登場人物も毎度魅力的よね、近藤さん。
メインのシェフ潮田と猟師大高はさておき、
オーナーの澤山さん、女性とは思えない男前!
ホール担当若葉ちゃん、一番スキです。
ワンちゃん二匹も、近藤さんにかかれば
かわいい演者になります。
カフェで読むか、
自宅のソファやベッドでゴロンとしながら、
珈琲片手に読むといいんじゃないかなぁ
Posted by ブクログ
猟師の大高さんとフレンチのシェフ潮田さんとでジビエ料理にまつわる物語。ジビエは美味しいが正しく管理や調理しなくてはならない。狩猟も捕りすぎると生態系を崩すし中々難しい。だが料理はとても美味しそう!
Posted by ブクログ
人生は、人それぞれ選択を繰り返してして進んでいくのだなと改めて思った。そして、ジビエを食べるに当たってそんなに制限だったり差別?だったりがあるのだと、なんとなくは気付いていたけど、ちゃんと認識した。しかしもう、出てくる料理がとても美味しそうで、ビストロとかに行きたくて仕方ない。
Posted by ブクログ
ジビエ料理を扱うフランス料理人のシオタ
その愛犬スピカ
1人で狩猟で生計をたてるオオタカ
その愛犬マタベエ
そんな2人の仕事に対する熱い想いと友情とジビエという未知の世界を知れる本
ジビエって食べたことないし食べる予定もないけど、初めて食べるならこのお店で食べたいなと思った!
Posted by ブクログ
___ヒヨドリの有名な料理に、みかんと一緒にローストするというものがある。みかんをソースにしたり半割にした果実を添えたり。
↑
この一文が私の空腹をますます刺激する。
しかし、ひよどりの姿がピンと来なかったためにYouTubeでみかんを啄む動画を検索し、すこし複雑な気持ちになった。
Posted by ブクログ
子どものときに食育で培われた命への感謝を、大人になった今ではあまり意識していませんでした。この作品の登場人物のように食に向き合うことは無理でも、日々の食事の時間にスマホから目を離してきちんと意識を向ける、そんなことから始めたいと思います。あとジビエ料理食べに行きます!
Posted by ブクログ
「ビストロ・パ・マル」シリーズも良かったけど、近藤さんの書く食べ物の話、とても好き。
普段ご飯を食べている時には、意識できてないけど、こういう物語を読むと、食卓に並ぶ肉も魚も限りある命を頂いているのだと改めて感じるし、簡単にスーパーで手に入れて、煩雑さの中で流し込むように食べてることが、なんだかとても味気ない暮らしのようにも思えてきた。
便利になることで、自由になれたのに、人生は複雑さを増すばかり。
何に時間を使うかは、その人の価値観だから、どれもまちがいではないけれど、亮二が大高に出会ったように、こんな価値観もあるって、新しい価値観に触れてみることは時には必要かもしれない。
ジビエの料理も気になったけど、この物語に登場する犬のピリカとマタベーが可愛いすぎた。近藤さん犬好きなんだろうなー。
Posted by ブクログ
いのちをいただくということ。
食事や料理がテーマの本は多数読んできましたが、ジビエは初。
馴染みがないけれども、いつも食べている食肉よりも、より鮮明に「生」を感じる気がします。
鹿や猪、うさぎ、小鳥などを食べることはよくあることではないからこそ、食べる時に生きてる姿を想像しちゃうのはあるあるなのかな。
シェフ×猟師の描写が、いのちが一品になっていくのを感じられてすごくよかったです。
そして2人が勝っている犬がまたすごく可愛いです。
Posted by ブクログ
ジビエを出すフレンチの悩めるシェフが、ひょんなことから猟師と出会って彼の生き方を知っていくうちに、吹っ切れていく話
人生まったくついてないと嘆いていた主人公が、山に出入りするうちに、フラフラ生きていてもいいと自分を認められるようになっててよかった
ジビエまだ食べたことないんだけど、より命をいただいて生きている感が強いんだなと思った
タイトルかわいい〜くらいのノリで読んだけど、人が育てたみかんと、それを食べて育った野生のひよどり
解説にもあったけどすごい対比
駆除されて焼却場で焼かれる積み上げられた鹿とか、考えさせられる内容でもあるなと思った
あとピリカとマタベー文章だけで超かわいい
Posted by ブクログ
自然とともに生きるということを、少しだけ覗けるような作品でした。
この作品だけでは分かったつもりには到底なれないけれど、動物の命をいただくことを意識するきっかけになると思います。
『みかんとひよどり』というタイトルも装丁も可愛らしいので、手に取りやすいと思います。
文章もとても読みやすいです。
Posted by ブクログ
初めて読んだ作家さんでしたが時期といいタイムリーな、クリスマスから年末年始にかけてのストーリーで、山で遭難するは、地元の猟師に助けられるは舞台は京都の山奥だし、3拍子揃って楽しめました。
しかも美味しいジビエ料理の匂いが漂ってくるはです。
私も地産地消のジビエには興味あるのですが、生々しい解体現場のこととか許可がいることとか知ることができてためになったしテンポよく読書できて嬉しかったです。
みかんとヒヨドリってタイトルがどこで出会うのかずーと気になって読んでましたけど、絶品の組合せなんですね。
作中出てきた人類の祖先の話、そこに留まる者と進んでいく者の話はよかったです。そしてオーナーのまえむきな発想、ジビエを愛する自由奔放さ、ああいった考えの人ってソンケーします。
また1人推しの作家が増えました。
Posted by ブクログ
題名からは想像もつかない始まりだった。
すらすらと入り込んでいける。
ジビエは好きてはなかったが、この本を読んで自然のものを戴くことの大変さや、料理をするまでの工程の大切さが理解できた。猟師との関係も良かった。
流行ってないレストランのシェフが、すごく料理も上手いので安心した。そして食べてみたいと思った。
Posted by ブクログ
安定の、近藤さんの”お食事モノ”。
フレンチのシェフ・潮田は、猟に入った山で遭難しかけたところを、偶々通りかかったハンターの大高に助けられます。
ジビエ料理を扱う潮田は、無愛想だけど腕の良い大高の捕った肉を店に出す料理に使いたいと契約を持ちかけますが・・。
雇われシェフとしてなかなか店の利益に貢献できない焦りを抱える潮田と、孤高のハンター(猟師)大高との距離感が徐々に縮まっていく過程描きつつ、"ジビエ"というテーマを軸に、"命を頂くこと"について考えさせられる、何気に深い内容となっております。
私は、所謂"畜産肉"を使った料理しか食べたことがないので、潮田の創るジビエ料理の数々が美味しそうで、特に"みかんをいっぱい食べたひよどり"が、どんな風味なんだろう?と、すごく興味を抱きました。
野生肉を使うジビエを描く上で、やはり解体シーンも出てくるのですが、近藤さんの文体が巧みなおかげで、グロ耐性の弱い私でもちゃんと読めました(※でもグロはグロなので弱い方は要注意です)。
さらには料理の話だけではなく、大高の住まいが放火されたり、罠に細工がされたりと何者かの悪意が見え隠れするというミステリ要素も絡めつつ展開するので、その辺りも引き込まれて読ませるものがあります。
印象的だったのは、害獣の焼却施設の場面で、年間千頭以上の鹿や猪が"処分"されているということです。
"害"といっても人間側の都合ではあるのですが、悩まされている地域の人々にとっては深刻な問題ですし、その一方で動物愛護団体の方々の主張もあったりするわけで・・。
私なんかは"処分"されるなら"美味しくいただく"方が良いのでは?なんて思ってしまうのですけどね。
解説の坂木司さんも触れていましたが、狩猟に対して"野生肉を食べるなんて残酷"というバッシングがあるのに、海の魚を釣る漁師の方はそうでもないと書かれていて、確かに!と思いました。
そういえば"天然のウナギを食べるなんて残酷!かわいそう!"とかいう意見はあまり聞かないよな・・とその辺の矛盾を感じた次第です。(あ、「ウナギ愛護団体」とかあったらスミマセン)
そんな訳で、面白いのは勿論なかなか奥深い内容で、これは良作でしたね。
あと何といっても、潮田の愛犬・ピリカと大高の愛犬・マタベーが、可愛い&健気&賢いと三拍子そろったいい子たちで癒されました。
もし続編があれば是非読みたいです~。
命を考えさせられます
食べ物を通じて命の問題を突き付けられる内容です。動物、食べ物、狩猟、家畜。人間が生きて行くこと、食材となる生き物の命を奪っているという業、命に対する敬意の表し方など、命について改めて考えさせられます。
Posted by ブクログ
目を瞑ると情景が浮かぶよう。自然豊かな山に想いを馳せながら読みました。
大高さんの生き方、わかるなあ~。人生を複雑にしたくない。登場人物は最小でいいのだ、と思ってしまうけれど。
でも生き続ける限り変化は必要なわけで、難しいね。
ジビエ料理が食べたくなったな。
Posted by ブクログ
近藤史恵さん2作目。
自然を食べるということと人の生き方みたいなところを浮き彫りにするような。考えなくても物語としても楽しく読めるけど、考えようとするととても難しくて深いテーマ。
そんな中でも、素直な感想として出たのは、大高さんカッコいいんだよなぁ。仕事ができて人の機微にも敏感。動物にも真摯。手も器用で美味しいものに敏感!もちろん本人にはきっと色んなことかあって、悩みもあると思うけど、複雑にしたくない、そのために考えて実戦する姿はやはりかっこいい。
潮田さんが嫉妬や迷いとか葛藤とか人間くさいのもまたよかった。他の作品も読みたいです。
Posted by ブクログ
シェフの料理に対するこだわりのストーリーだと思って読み進めたが、思いのほか深みのある内容だった。
料理人を目指しフランスで修行し自信に満ち溢れた潮田だったが何度も店を潰し上手くいかず、オーナーの澤田にジビエの店を任されるが赤字続きで、今後の存続に悩んでいた。ヤマドリを目当てに犬を連れ猟を始めるが、山で遭難しかけたところ、狩猟を生業としてる大高に助けられる。
複雑な生き方をしたくないという大高を世間と距離を置いた世捨て人だと理解していた潮田だが、次第に大高の世界、生き物の命と直接向き合い、山や木々の声を聞く。捨てたから、社会と距離を置いたわけではない。大高の世界は、社会とは別の豊かさで満たされていると理解するようになる。
林業、漁業、畜産
人間が生きていくということ
命の恵み
生き物の食材と家族(ペット)との線引き
生きていくために残酷な行程も必ずある
ただ当たり前ではなく、命をいただく感謝は忘れてはいけないとつくづく考えさせられた
Posted by ブクログ
ジビエって興味なかったけど、みかんの香りのするひよどりってちょっと食べてみたいな。夢を追いかけるにしても諦めるにしても今と真剣に向き合っているかっていうのが1番大事なんだよな、きっと。
Posted by ブクログ
ジビエ料理、狩猟についてのお話。
解説を読んでいて、動物は可哀想という意見があるのにその人達は魚にも同じこというのかという問いがあって、たしかになと思った。
食べないと生きていけないのだから、私は感謝の気持ちを持っていただきますとします。
ジビエは食べたことないかもな〜機会があったら食べてみたいけど。
Posted by ブクログ
ご飯美味しそう!犬可愛い!
ジビエは獣臭くて値段も高くて料理通な限られた人しか好まないイメージでしたが、すごく興味が湧きました。
登場人物もとてもリアリティがあって、メインキャラ2人が狩猟をしてご飯を食べる小話をもっとたくさん読みたいです。