近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今回は、ちょっとヘビーな長編です。
いつもはライトな身のこなしで、くるくる動くキリコちゃんが少々お疲れ気味……。
夫の不可解な行動に悩む奥さんに、真実を話すか否か、夫に任せるか判断に困ったキリコと大介。
キリコちゃんは、「知らないほうがいいなんてことは、絶対ない!」と、断言します。
知らなければ、前に進めないからと…。
でも、夫・大介は、そこまで人間は強くないし、弱い人間を否定したくないと、心の中で思います。
この、心の中の葛藤が大介の優しさなんですよね。
誰もがどこかで悩むことを、二人が代弁してくれている気がします。
なかなか考えさせられるストーリーでした。 -
Posted by ブクログ
作家6人による 30代女子お仕事アンソロジー。
あー、よかったぁ。
漫画家や通信講座の講師、プラネタリウム解説員
ツアー・コンダクター、ディスプレイデザイナー にスポーツライターと
馴染みがあるかといわれるとそうでもない職業だけど、
結局、根っこは同じようなことで苦しんだり悩んだりするのだなぁと思う。
お気に入りは小路幸也だなぁ~やっぱり。
6つの作品のにちょこちょこっと共通のお店や関わりがあって
そこが、いろんな職業でも
いろんなところでつながると感じられて嬉しい。
そうなのだ、今日電話したコールセンターの女子も
もしかしたら、チョコ好きかもしれない。
風邪気味だけど、頑張ってるの -
Posted by ブクログ
瞳子が大阪郊外のホテルの七階から飛び降りた。大学卒業から五年、その知らせは仲間に大きな影響を与えた。大学時代の仲間、弦・法子・幸・加世・猛は、瞳子の自殺を知ってそれぞれ苦悩する。
何人かに届いたはがきには、「わたしのことを殺さないで」ただ一言書いてあった。自殺する兆候もみえなかったのになぜ?彼女を死に向かわせた物とは?彼女は、何を思い自殺したのか?
答えを自答する残された者たち。そしてたどり着いた答えとは?
ほろ苦い青春の終わりを書いたミステリー(たぶん)です。人間関係の危うさと切なさが伝わってくると思います。やっぱこのくらい面白くないとね