感情タグBEST3
Posted by ブクログ
”ソムノスフォビア”≪唾液感染症睡眠恐怖症≫
この病はキスによってのみ感染する―。
致死率100%のウイルス。
キスが禁じられた世界、近未来の物語。
憧れの先輩はなぜ死んだのか?全寮制の学園で起こった事件。甘く残酷な真実。
読後のぞくり感が半端ない青春ミステリー。
命がけで人を愛する少年少女たち。
設定が秀逸…!!というか心くすぐられるツボがかなり押さえられていてざわざわします…
「キス」が悪しきもの、汚らわしいとされたお話って初めてで、(物語の中では検閲対象にまでなっているのです…)作中の竹内先生と砂川が軽くキスするだけの場面を、妙にどきどきしながら読んでしまった…。
竹内先生と砂川の関係が切なく、愛情に溢れていてとても素敵でした。
後日譚の「夕映えの向こうに」も希望のある終わり方でとてもよかったです。
思春期の少女の心の未熟さ、特有の大人への絶望が生々しく描かれています。いろいろなものを失い、諦め、誰かを傷つけながら生きる、そんな大人に自分もなるのだという絶望。それでも成長する少女の姿が美しくはかなくも残酷に描かれているように思いました。
今日マチ子さんの表紙のイラスト、挿絵がとても世界観に合っているなぁと思いました。
久々に夢中で読んだかもです。
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キスで死の病が移る!? この設定が恐ろしい。そしてキスが禁止された世界で事件は起きる。美詩の出逢った事実が彼女の行為を引き起こす。思わず沈黙してしまった。
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恐ろしくてロマンチックで、初読の余韻は凄まじかった。たまたま駅前の本屋で出会った一冊が、生涯手元に置いておきたい一冊になった。
キスで感染して致死率100%の病。だけどだからって、それが禁じられた世界なんて狂おしいほど切なく甘美さを失うだろうな。
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特異な疾病といくつかの社会的・技術的変化により、変容した社会を舞台とする、ある意味、まっとうな近未来SF。けれども作者の関心は変容した社会ではなく、そうなっても変わらない人の内面を描くことにあって、ここはまったくSF的ではない。迂生はSF好きだから、無い物ねだりは分かっているが、その辺が少し物足りないとも思う。ソムノスフォビアによってモラルが先祖返りをしてしまった故に、「清楚な」女学生たちがくらす全寮制学校というと、昔日の少女小説を思わせて、ニヤついてしまうが、共学なんだよなあ。近藤氏は基本異性愛にしか興味のない人なんだなと、改めて思う。
Posted by ブクログ
唇にキスをすることのみで感染する病のせいで、キスが禁忌となっている世界の話。全体的に暗く、最後も残酷な終わり方だったけど、書き下ろしの短編が未来への希望を感じられるものでよかった。あとがきに作者や本の発行に携わった方の想いを感じられて感動した。
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キスをすると伝染病にうつる可能性がある、謎の世界。それでも人は愛があるのでやめられない。読んでいくうちに愛の尊さを知ることができる。スラスラと読めました。
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高校生の青春を描く小説ですが、謎解きがスリリングで一気に読んでしまいました。感染症の原因だとしてキスが禁止された世界の物語です。思春期の危うさも上手く描かれていると思いました。結末で主人公の取る行動から、生き抜こうという強い意志を感じました。
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◎謎の病の原因はいったい「誰」なのか
「キスをすると死ぬ」病、ソムノスフォビアが流行る世界で、織恵はその病で死んだ。ソムノスフォビアは、キャリアとキスをすると発症するのだ。
主人公美詩はなぜ織恵がその病気で死んだのか、その理由を調べる。いろいろな方面をあたっていくうちに見つけた結末は。
ミステリーで謎を解きすすめるドキドキ感がありつつも、各々の恋愛とその表現方法にハッとさせられる。いつでも、隠したくなる・隠さなければならない恋愛がある。
表題作他、同級生の砂川も主人公の1編あり。
Posted by ブクログ
キスすることでしか感染しない謎の伝染病。この病には大きな特徴がある。一つは感染したら致死率は100%ということ、そしてもう一つは元々キャリアの人は発症しないことである。しかし、現在の医療では自分がキャリアかどうかは判断できない。
ある全寮制の学園で一人の少女がこの病を発症して死んだ。なぜ彼女は死んでしまったのか、彼女を死に至らしめたのは誰なのか。真相を追っていくとそこには思いもよらない真実が待ち構えていた。
自分がキャリアかもしれないという恐怖、誰かがかかると突然起こる犯人捜し、疑心暗鬼の渦、まるで現在のコロナ禍を彷彿とさせる展開である。
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キスでのみ感染する病気が蔓延したため世界的にキスが禁止された時代
寮に住んでいる女子高生がその病気で死亡し、その理由を解き明かすお話
キャリアの人は死なない、キャリアを診断する検査はない(あるけど手間?お金?がかかるため全員は無理)という物語を成立させるための設置や
研究者の娘がたまたま学校にいたり、情報が駄々漏れだったり、スーパーハッカー(笑)だったりとちょっと設定的には素人っぽい
でも、結末としてはキレイな筋書きだよね
解説にも書かれてあったけど、フーダニットからホワイダニットへの流れがよい
そして終わり方によって物語のキレが感じられる
一応、その後も書かれてあるものの、別のお話なので
すべて読み終わってタイトルについてもう一回考えたときの「あ~、なるほど」という感覚
ただ、このレベルの小説ならそこそこありそう
Posted by ブクログ
キスによって感染する致死率100%の病”ソムノスフォビア”のためキスが違法行為とされた近未来。全寮制の学校で一人の女生徒が亡くなり、死因はその感染症だといううわさが流れる。その女生徒を慕っていた美詩は真相を探り始める。
キスへの恐怖と嫌悪とが作り上げられた世界。なんとも不可思議な設定ですが設定、特にキスが禁止されてからの文化や恋愛観の変化の思考実験は面白かったです。確かにキスがないとその先のことも想像しにくくなるし、性とか恋愛観、そして人との付き合い方も変わらざるを得なくなるのかもしれません。
元々ヤングアダルト向けのレーベルから出版されたということを考えると、キスについて興味なりを持ち始める年齢層に向けたメッセージのように感じます。
好奇心なんかで簡単にするものじゃなくて、きちんと相手のことを愛してするキスの重さ…、お互いの思いが一致したキスは確かに甘美で崇高なものになりうるのかもしれません。
ミステリとしては先読みはできそうですが、ラストの落とし方は絶妙な仄暗さがあります。近藤さんはやっぱり巧いなあ。
こういう女学生の同性への先輩への憧れの話を読んでいると、男性と女性の差をなんとなく感じます。男の先輩後輩の関係性と女性の先輩後輩の関係性は、どっか根本的に違うような気がします。
美詩の気持ちや織恵の気持ちもなんとなくは分かるのですが、それでいてどこかつかみきれないような気がしました。これはきっとそうした男と女の感性の違いなのかな、と少し感じました。
Posted by ブクログ
近未来、キスで死の病が移るので、キスをしてはいけない世界のお話。
2話構成。
電子書籍で読んだので、これは帯でしょうか、
「真相に辿りついた時、それまでの景色が反転する。」
と書かれちゃあ、なんとなく「反転」したらどうなるのか
予想がついてしまった
が、その後更に、そう来るか…! と思いました。
後味悪い感じ。
2話目のラストは希望が持てそうな終わり方でした。