近藤史恵のレビュー一覧
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近藤史恵さんの『賢者はベンチで思索する』の続編。久里子ことくりちゃん奮闘記です。
テーマは面白いとこから始まったのです。
契約社員から正社員に登用され、2ヶ月経ったある日、尊敬する上司から言われます。
『あしたから、こなくていいから』と。うまくやっていたはずなのに。会社のトラブルから事業縮小で何人か辞めてもらうことになったらしい。
ただ、同僚から後日聞かされます。『部長が、正社員になったのに急にやめるなんて』って怒っていたよと。しかも辞めさせられたのはどうやら自分だけ。 あれ?
何が起きてるの!と十分すぎるミステリ!
何かくりちゃんやらかしていた?経営者が不正してる?何があったんだ?とく -
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透き通った赤色のスープの可愛らしい表紙が今の季節にぴったりだと思って、5年近くリストに入れていたこの本をようやく読みました
やー面白かった!
食べ物系の本は軽すぎて癒されることはあっても刺さらないことが多いのですが、この本はミステリー要素もあって停滞感なく読めました!
平穏の中にささやかなハラハラがあるかんじ…
働くOLが主人公なのもあって、悩みや周囲の人間関係にもあぁ分かる〜と思えたのものめり込めた理由かな!
家の近所に個人でやってる雰囲気のいいカフェがあるっていいなあ
しかも夜も開いてるだなんて、私も仕事終わりにふらっと行きたいよー
通勤・退勤の電車で読むのにちょうどいい本
続編も読 -
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海外旅行の添乗員の主人公のお話。
海外旅行はしたことはないですが、読んでいるだけでそこに行ったような楽しい気分になれました。
日本では無い所で様々な出来事に対応していく添乗員さんという仕事の大変さがわかりました。
世界は広い。
様々な環境、人種、価値観、選択肢が溢れている。
そういうものに触れることで、自分の視野がどんどん広がっていくんだろうなと思いました。
作中で、「私は自分で選んでここにいる」という所が印象に残りました。
溢れる選択肢の中から、きちんと自分で選んだことに自信と誇りを持って進んでいく強さを感じます。
実際に世界を見に行くことは私には簡単に出来ませんが、最後の章「沖縄のキ -
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ネタバレジビエを出すフレンチの悩めるシェフが、ひょんなことから猟師と出会って彼の生き方を知っていくうちに、吹っ切れていく話
人生まったくついてないと嘆いていた主人公が、山に出入りするうちに、フラフラ生きていてもいいと自分を認められるようになっててよかった
ジビエまだ食べたことないんだけど、より命をいただいて生きている感が強いんだなと思った
タイトルかわいい〜くらいのノリで読んだけど、人が育てたみかんと、それを食べて育った野生のひよどり
解説にもあったけどすごい対比
駆除されて焼却場で焼かれる積み上げられた鹿とか、考えさせられる内容でもあるなと思った
あとピリカとマタベー文章だけで超かわいい
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近藤史恵さん、読書強化月間中!
またしても、美味しそうなデザートがこれでもか!というほど登場する『カフェ・ルーズ』
全10話のお話。カフェを舞台にしているからかパ・マルシリーズに近い雰囲気。
内容は、美味しそうなメニューと対比するかのように、身の回りでおきるため息をつきたくなる平凡なのに息苦しい毎日、自分だけ不幸というわけではないけど、微妙に生きにくさを感じる毎日の
些細な出来事をテーマに進んでいきます。
そんな時、自分らしさを取り戻せるよりどころ、
それがカフェ・ルーズ。世界のあらゆる食べ物、とくにデザートを提供している小さなカフェ。
しかも、現地の味に近づけて提供しているので
タイト -
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近藤史恵さん、読書強化月間中!
サクリファイスシリーズの番外編。
白石くんは今回はお休みで、新しい主人公の登場です。大学生からロードレースデビュー!
あれよあれよで、インカレで優勝!
今回は主に3人しか選手として出ないため、
あまりエースとかサポートとかがあまりでてこなかったですね。ダブルエースになったところも
あまり争うでもなく、ちょっと残念。
どちらかと言うと、ダブルエースの二人の
背負っいる重い過去に焦点が当たっていましたね。二人とも直接的には悪くないのに、自分に何かできたはず!と重荷を自ら背負っています。
解説にもあるように、この作品読んで『ロードバイク乗ってみたい!』になると -
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近藤史恵さん、読書強化月間!
『ホテル・カイザリン』。短編8作。
全体的に、ドロドロでした。数日前に読んだ
『ホテルピーベリー』に近いトーンでした。
読後感が良かったのは『金色の風』と『迷宮の松露』。ともに海外に旅する日本人女性のお話ですが、日本で色々あって海外に旅に・・・。
そこで出会う人との触れ合いで自分を見つめ直す、というようなお話。良いお話です。
残りの6作は『世にも奇妙な物語』にしても良いくらいな、ブラックユーモアテイストからミステリホラーに思えるものまで、まぁ、ねっとりです。
近藤さんは、登場人物の内面、心理描写を飾らず、リアリティある質感で描く作家さんですね。
人のココロの -
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近藤史恵、読もう月間です!(5冊目です)
『タルト・タタンの夢』の続編。
ビストロ・パ・マルで今宵も一騒動です。
ヴァン・ショー(ホットワイン)に関しても今回背景が明らかになります。
とくに面白かったのは
『ブーランジェリーのメロンパン』。
親しみのある菓子パンを作り続けて地元でひっそりとパン屋をいとなんできた親。
そのパンが好きだったのに、パンを極めるべく
学んでいる中で、親が作る普通のパン(メロンパンとかロールパンとか)をいつからか嫌いになっていった娘。(あるよね、思春期みたいな!)
そんな娘が待望の店舗を構えることになった場所はなんと、親の店舗の目と鼻の先。
娘の店舗のオープン前に、 -
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ハートウォーミングで 読後感の“美味しい”作品です。そしてしっかりミステリーの味付けも施され、文章の流れもスムーズでさくさくページが進んで、あっという間に食べ終わってしまう美味しい料理のような味わいのあるストーリーです。
「パ・マル 」というフランス料理店の設定もいいですね。 下町の商店街の中にひっそりと息づく、フランスの田舎風家庭料理の小さなお店。そのお店の三船シェフと、3人のスタッフ。その中のギャルソン(ウエイター)をしている高築くんが語り口となって話は進みます。
ミステリと言っても怖いものは一切なく、お客様が抱えている ちょっとした謎を三船シェフが洞察して解き明かします。それぞれの章