あらすじ
離婚して一年。荒んだ生活を送っていた幸彦は、ある「学校」を紹介される。そこには様々な事情を抱える生徒たちが通っていた――。忙しすぎて“生活”が後回しになっている、大人たちへの応援歌!
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Posted by ブクログ
家事についてのモヤモヤを様々な人の立場から言語化してくれた一冊。
【印象的なフレーズ】
p134
「そして、もし、ケアと愛情を結びつけるなら、こちらがそれを受けるだけでいいはずはない。相手のすることだけ、愛情と結びつけて、自分は切り離す。それはあまりに都合のいいふるまいだ。
ケアと愛情を結びつけるなら、自分もちゃんと相手をケアするべきなのだ。」
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家事・人の話を聞く・考え方など、さまざまな視点から新しい見方を考えさせてくれる話でした。今年読んだ本の中では、かなりインパクトが残った本です。
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主婦歴20年の私には、考えさせられるお話だった。
みんなが義務教育でこの家事学校に通って、家事ができて一人で快適に生活できるスキルがある大人同士が結婚して家庭を築けば、離婚率も下がり、少子化問題も少しは改善するんじゃないかな。
私は母親として、息子たちが後悔の先でこの学校に通わなくてはいけなくならないように、子育てしようと思った。
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母親の人生は子育てが終わっても続く、という言葉が印象的だった。
家事分担の夫婦格差はよくある問題だけれど、実際に母になってみないと、感じられない苦しさがあるのだろうな。パートナーが父になった時、家事について、わたしの人生について、どう考えてくれるのかな。
わたしも家事が得意ではないので、パートナーと共にここで学んでみたいと思った。
家の掃除をしたり自分でご飯を作ったりするのはちゃんと生活していくため。別に完璧じゃなくても、基本的なことはする。同居している人がいるなら、お互い納得できるように分担する。1人暮らしの時なんかは自分1人のことだけ考えていればいいしある程度余裕をもって家事ができるけど複数人で生活していると所詮は他人だしやってらんない時もあるよね。主人公が家事に対して前向きになれたのはよかった。
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家事ができる人もできない人も、すべての人に読んでほしい。本当にそう思う。
男性だけに家事を教える学校、旦那にも行ってもらいたい笑
★印象に残った文章★
家事とは、やらなければ生活の質が下がったり、健康状態や社会に問題が出たりするのに、賃金が発生しない仕事、すべてのことを言います。多くが自分自身や、家族が快適で健康に生きるための手助けをすることで、しかし、賃金の発生する労働と比べて、軽視されやすい傾向があります。
〜本文から抜粋〜
Posted by ブクログ
43歳、新聞記事の仲上はある日、妻から離婚を言い渡される…
妻が不満を溜め込んでいることには気づいていた
しかし忙しさにかまけ、話を聞き流してしまっていた
娘のことも妻に任せていれば大丈夫だと思っていた
そしてある日妻は娘と出て行った…
そして一年が経ち、荒んだ生活を送っていた仲上は一念発起し、山の上にある学校に通い始める
そこは男性だけが通う「家事学校」だった
家事の基本や調理実習を学んだり、他の生徒たちとのコミュニケーションを通し、
仲上は目の前にある大切なこと、自分の気持ちの変化に気づき始める…
家事ってなんだ?と聞かれたら、私は何て答えただろう…
「しなくてはいけないからやるもの…」か…
この作品に登場する家事学校の校長の言葉に家事について改めて考えさせられる
家事とは、やらなければ生活の質が下がったり、健康状態や社会生活に少しずつ問題が出たりするのに、賃金が発生しない仕事、すべてのこと
どんなことも何をするにも、そこには必ずそれに携わる誰がいるということ
家事にしても、家をまわすことを他人事ではなく受け止めるということ
いつも思うことだけど、やはり想像力なんだと思う…
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離婚後、荒んだ生活を送っていた主人公。妹に勧められて男性専門の家事学校に通う事に。訳ありのクラスメイトとの成長物語は新鮮で、新旧の考え方の相違が興味深い。地雷踏みまくりの姿に、あぁ、なぜそうなるって思ったけど、気づけて、変われて良かった。
実際に男性向けの家事学校ってあるの?ってググってみたら、数件有。単発講座から回数制のコースまで色々だなぁ。
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家事とは。
自分のためにする家事、誰かのためにする家事。
人が気持ちよく生きていくために。
結婚して19年、している様々な名もなき家事のことを振り返りながら、おもしろく読めました。
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離婚してすさんだ生活をしていた主人公が妹のすすめで山の上の家事学校に通うことに。そこで初めて家事の大変さや家事の意味を知りたくさんの後悔をし自分を見つめ直す話。家事を妻任せにしている男性にぜひぜひ読んでもらいたい1冊だと凄く思いました。
Posted by ブクログ
近藤史恵さんらしい、料理の話で、男性向け家事学校の話。そういう学校ありそうだけれど、男性は料理を趣味で楽しそうにやって、女性は仕事も育児もありながら楽しむ余裕なんてない、と普段不満に思ってしまうことがそのまま現れていたけれど、何とかしたい人が集まっているので、それが男性目線からも女性目線からも解消に向かっていて、いいきもちで読み終えることができた。
普段の家事も丁寧に楽しもうと少しだけ思えた。
Posted by ブクログ
色々な問題を抱えた男たちが、"山之上家事学校"に通い家事を学び成長していくお話。男たちが主役の成長物語はなんか新鮮。
抱えている問題は、主に家庭が上手くいってないこと。原因は"家事は女がやるもの"、"男は働いて食べさせてやっている"という考え。若い世代の生徒たちは、家事育児に積極的に参加しようとして家事学校に通ってたりするけど、年代が上の生徒たちはそうじゃない。読んでて、それは奥さん逃げちゃうよ…と呆れてしまう。この学校で家事とはどういうものなのかを気付ければ、人生変わるだろう。気付けない人はどうなってしまうのか?心がもっと荒んでしまうのだろうな。
この物語を読んでいる時に、総裁選で高市さんが自民党総裁に。首相になれるかは分からないけど、日本が変わるのでは、昔ながらの考えも改善されていくのではと期待してしまう。もちろん人任せにしないで、私自身を変わる努力をしないとね。
Posted by ブクログ
とてもよかった。
身近なひとを大切に思う事、寄り添う事、違う個人を認め敬うこと。それらがいかに難しいことなのか丁寧に書いてあって、じわっときた。
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家事に関して、ケアと愛情を混同していないか。完璧にやるものだと思って目を背けてしまっていないか。自分の中の甘えを炙り出されるようだったし、読みやすい小説ながら、様々なマジョリティマイノリティ問題について考えさせられる内容だった。
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「誰かとつながることはそもそもめんどくさいものなのかもしれない」
さらっと読めた。
家族には甘えが出てしまうこともあるし、人を尊重して生きていくことがおざなりになりやすい。
ただ、めんどくさくても相手に対して、尊重しながら向き合わないといけないと感じた。
Posted by ブクログ
生活の質について考えさせられた。丁寧な暮らしは誰もが憧れるものだが、できる環境にいるのはごく少数。生きるために働いて、家事をして、子がいれば子育てして。たぶん皆余裕なんてない。
でも生活をするって事が人生の基本である、と改めて学んだ作品。娯楽や老後などの為に必要以上に働いて、それによって生活に余裕がなくなり、挙げ句の果て金銭で解決するっていうのは、、きっと本末転倒なんだろうなぁと思う。でも気付いていないだけでそんな風に陥ってしまっていたのかもしれないと反省した。
本作に出てくる10代の猿渡くんの家庭の事情に心苦しく思い、白木さん家の夫婦の在り方は勉強になった。人は他人の事はよく見えるのに、どうして自分の事は見えなくなるのか。人の振り見て我が振り直せ、とはよく言ったものだと心に刻む。
ちょっとした生活の知恵も勉強になった。面白かった。
「毎日の生活の中にも、小さな楽しみを見出すことができる。」
「他人と比べるのではなく、消費世界に巻き込まれるのでもなく、それ以外にも小さな喜びを見つけ出すこと。」
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家事はやらなければ生活の質が下がってしまう
離婚して一人で生活したからこそ
してもらう、ことが愛情じゃないことが学べる。
女性と男性で周りの目が違うという価値観を知れる1冊でした
Posted by ブクログ
こんな家事学校があったら、通ってみたい。
暮らしていくなかの一つ一つ、家庭の数だけやり方や常識が違って、それを楽しめたらいいのだけど、びっくりすることも意外とあるなぁ、とつくづく思う。
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今は、生きるのは難しい時代だ。
男女平等といっても、何でも平等にはならない。見えない世界がみんなに存在している。だからこそ、互いを思いやれる様にしなければならないのだけれど、自分のことにいっぱいになって、うまくできないことが多いよね。
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男性が対象の、生活の為の家事学校。
離婚してすさんだ生活をしていた主人公が、日々の暮らしの技術を学んで、人間らしく心身共に健康になっていく様は、読んでいてとても清々しい。
自分で自分を大切に扱う。まず日々の食事を大切に、丁寧に生きていきたい。
Posted by ブクログ
読みやすかった
男性が行く家事学校
家事っていわゆる名もなき家事の集合体で、男性(普段家事をしない人)にはそれが分からない
そこをうまく言語化してくれてる気がした
幸彦は物分かりのいい方で、素直にいろんな授業で学んでくれたけど、実際昭和男子を教育するのは大変、、って偏見かも知れないが
家事学校なんてのがうまくある訳ではなく、男子の、うたってあっても料理教室だけでもハードル高そうだし
まぁ、夫婦、家族の家事分担はやったことへの感謝が大事よね
面白く読めた
Posted by ブクログ
初読み作家の近藤史恵さん
離婚した幸彦は妹の勧めで家事学校に通い始め、
男性の通う家事学校が舞台の物語
面白くて、一気読みしました
男性で家事が出来るって凄く素敵だなと思った
自分の苦手な家事をやってくれるっていいなと思う…
比率で言えば圧倒的に私が多いけど
頼めばやってくれるからまだいいかな
Posted by ブクログ
仕事ばかりで家事育児を一切せず、妻に愛想を尽かされ離婚され、独りやもめ暮らしをする主人公。妹の勧めで家事を学ぶ学校に入り、今までの自分の至らなさと、妻が抱えていた苦しみと向き合う。
結構グサグサきました。
Posted by ブクログ
読みやすくて一気読みした。
家事について。
いつもモヤモヤしている気持ちがそこにあったという感じ。
年代によっても違うが、まだまだ家事は女性がやって当たり前だと思われている。
子育てにしてもそう。
家事とは、自分自身や家族が快適で健康に生きるための手助けをすること。
生活の質や健康状態に影響するとても大事な仕事。
やってもらって当たり前はない。
男とか女とか関係なく、全てのことは互いの協力で成り立っていることを忘れてはいけない。
家事だけではなく、自分を見つめ直すキッカケに気づいたり、大人になってからのしがらみのない人たちとの付き合いなど、こんな学校があったら私も行ってみたい。
Posted by ブクログ
文章や内容が読みやすく、あっという間に一冊読み終えた。
現代ならではの価値観もあれば、昔から刷り込まれた価値観もある。
男女平等というならば何もかもが平等でなくてはならないけれど、現実はどうだろうか…
どちらかに負担ばかりかかっている今の状態ではダメなんだけど、これは個人の問題で解決出来ることではなく社会全体が変わらないと良くならない。
じゃあ、その社会全体が変わるにはどうしたら…という大きな問題でもある。
本の中のお話ではなく、身近に感じる昨今の日本の内容でとても共感出来た。
Posted by ブクログ
あっという間に終わってしまって、もう少し読んでいたかったな、と思う作品でした。
学校は、家事だけでなく、思いやりや気遣いまで教えてくれるのが素晴らしいです。こんな学校、あったらいいな。
Posted by ブクログ
離婚して妻子と別れて暮らしている仲上。一人になって暮らしも荒れてきている。そんな時妹に勧められ、家事を教える「山之上家事学校」に通うことになる。
そこで教わったのは家事だけではなく、家事を担ってくれている人への感謝や、自分自身の生活を見つめ直す事だった。
一番そばにいる人に気遣いが出来なかったこと、
相手に甘えて、自分の面倒を自分でみることすらできずにいたこと。それに気づいた仲上は変わっていく。
夫婦だけではなく母子にも関わる事で、読んでいて深くうなづくところもあった。
現代社会の問題でもある、働き方問題にも切り込んだ一冊。
Posted by ブクログ
妻に離婚され、荒んだ生活をしていた主人公が、大阪の家事学校に通う中で、家事や家族、社会への見方や態度を変えていくお話。
家事学校に通う他の受講生たちの話もちらほら入り、多様な課題を見せていく。
自分の家族への配慮のなさ、視点のなさ、考えなさに気づいて、優しく柔軟になっていく主人公(元々素地はある)が、それでもやっぱりまだ相手の立場や状況を分かってなくて傷つけたり、傷ついたりする。
ベースあったかい、回復に向かう物語だからこそ、中盤終盤の浮き沈み(小説だからね!ドラマがなきゃ面白くないんだが!)に悲しくなったり、やめてくれー、と思ったりする。
そんなドラマチックじゃないんですけどね。ちっちゃな失敗、心の痛みに敏感なのです。
ちゃんと生活するって大事よね。ご飯一品でいいから作ろ。。。