近藤史恵のレビュー一覧
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商店街にある小さなフレンチ・レストラン『ビストロ・パ・マル』が舞台。
シェフの三舟が、店の客の抱えるちょっとした謎や悩みを料理や食材をヒントに、するりと解き明かしていく、という連作短編集。会話多めで読みやすく、読後感もあたたかくてよかった。
フランス料理に全く詳しくない人間なので食べたことのない料理ばかりでしたが、本当においしそうに書かれていて、魅力的でした。味を想像しながら…ごくり。料理の雑学、豆知識が読んでいて楽しい。
日常ミステリーなので衝撃的な事件があるわけではないけれど、町医者だと思っていたら凄腕ドクターだった的な感じで、謎を的確に間違いなく解決し、皆がスッキリする展開が気持ちい -
Posted by ブクログ
ネタバレ「泣きたい午後のご褒美」の続き気分で読み出したが、今回はミステリー要素もあり、なかなか楽しい。
それぞれおもしろいのだが、秀逸だったのが、「ペンション・ワケアッテ」。
いやいや、日本語って奥深いとつくづく思う。
主人公は訳あり旅行に出てきて、なんだか感じ悪さMAXだったけど、いつの間にか前を向いていた。
一方的に別れを告げた男との唯一の繋がりの象徴である手紙を、愚かだと思いつつも大事にしてしまう切なさは伝わってくる。
だけど、一番大事な話を一方的に手紙で済ませようとしたつまらない男の幻想から目が覚めて、本当によかった。
どの作品も、とてもおいしそうなお夜食ばかり。
読んでいておいしくて楽し -
Posted by ブクログ
サクサク読めた。
私も英語圏以外の外国語学部で、留学して
世界をまだまだみたい!と思う若者だった。
アプローチは違うけど、気持ちは痛いほどわかる。
たまごの殻を割っても、割っても、多分何重にも殻があって
ちょっと暮らしてみたくらいじゃわからないカラもあるし
働いてみないとわからない殻もあるし
家庭を持って、こどもと育てないとわからないカラもあるし
きっとマトリョーシカみたいに、全部つるりと剥けることはない。
でもその土地に行って、空気を吸って
食事をして、スーパーに行ってみたりして。
そう言うことに、意味がある。
私の心を豊かにしてくれるって信じてる。
若者の、女性の生きにくさみたいな -
Posted by ブクログ
「ピーベリー」ただのホテルの名前。コーヒー豆の種類とは想像できなかった。しかも、産地の名前かと思ったら違うらしく、希少な存在のマメらしい。フレンチのシェフを描いた作品も楽しい近藤さんの着眼はさすがです。
なるべく読む季節にあった物語を読みたいとは思っていますが、大雪のニュースが連日報道される最中に南国の暖かい島の話を読んでしまった。太陽さんさん、潮風に撫でられて陽気な空間を過ごすのかと思いきや風邪をひいてしまうほどの寒さもあるとは。
バカンスを楽しむ孤島の宿は開放的な気持ちが出会いの慎重さを消失させる。一見陽気で親しみを感じる初対面でも個人の抱える事情はあって当然。ただ、人の命が失われる -
Posted by ブクログ
世界各国で愛される料理が出てくるカフェ。
カフェの店主やその常連客である主人公から、
働く女性たちに元気を与えてくれるエネルギーが伝わってくる。
自分のことをふりかえって、ついつい卑下したくなっても、
口に出さず凛としている大人の対応ができる姿は美しい。
けれども、内面には不安や心の揺らぎがあるもの。
時々旅に出て心を浄化することが大事なのだろう。
カフェで出されている珍しいデザートは、
店主が見えないところで苦労しながら何度も試作を重ねて
ようやくメニューになった「一品」である。
旅先で出会った料理に敬意を払っているからこと、
その料理について熱意を持って語れることについて
主人公が分析し