近藤史恵のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
舞台のチョイスが本当にいい。
派手な街ではないけれど、静かな中から魅力をみつけて物語にしてくれているのがものすごく惹き付けられる。
『ジブラルタルで会えたら』のシャフシャウエンは、調べてみたら何か物語の世界なんじゃないかと思うほど現実感のない素敵な街だった。
リヤドにも泊まってみたい。
『マイナス二十度のアイスキャンディー』のハルビンにも行ってみたい。
中国なのにこんなにもロシアの影響を受けた街並みがあることに驚いたし、だけど氷雪大世界は中国らしい派手さというか、その混ざりあっている感じを見てみたい。
登場人物がそれぞれ気持ちに折り合いをつけていく感じも、読んでいて心地良かった。 -
Posted by ブクログ
シェフは名探偵シリーズ、面白くて文庫化されているものは一気読みしてしまったのでこれもその流れで読みました。今回はパンデミックやアプリでの出会いも織り込まれています。どこも飲食店は経営状況が厳しいところ、この店はどう対応するか。そしてお客さんの身に何が起きるか。
気になったのは鶏肉とレモンコンフィのタジン鍋。(「知らないタジン」)レモンコンフィは日本で言えば梅干しみたい存在だと。レモンコンフィって甘いんじゃないの?と検索したがやはりレモンの砂糖漬けばかり出て来る。さらに調べるとレモンの塩漬けというものがあって、どうやら日本で最近流行り出した塩レモンというものがそれらしい。レモンコンフィと言ってし -
Posted by ブクログ
自転車ロードレースを題材にしつつ、専門知識がなくてもすらすら読めた。競技ルールやチーム内の役割が物語の流れの中で自然に入ってくるから、読み手が置いていかれへんのがまず良い。序盤は「こういう世界なんだ」という発見の連続で、個人競技に見えて実は強くチーム戦でもある、という独特の構造がしっかり伝わってくる。
読み進めるほど効いてくるのは、主人公チカの価値観の揺れ。勝利至上の論理だけでは割り切れない感覚と、組織の中で役割を背負う現実がぶつかり合って、単なる根性物語とは違う苦さがある。その苦さがあるからこそ、登場人物同士の会話や態度の変化が細かく刺さるし、チーム内の空気が少し変わるだけでも緊張感が走る -
Posted by ブクログ
カフェ・ルーズを舞台にした短編集で『ときどき旅に出るカフェ』の続編。今回はパンデミックという社会現象を織り込んだ話になっている。続編はないと思っていたのでちょっとうれしい。
今回印象に残ったのは”感情労働”と”マンスプレイニング”。それに名前を付けると扱いやすくなる状況や現象があるが、どちらもそれに属する。こういったものを織り込んで小説にできるのが作家なんだな。そしてこの著者は短編でそれを入れるのがうまい。
今回は短編10話で、基本的に1話完結だが、最後の2つはつながっている。そしてそれとは別の、お客さんがメールのやり取りができないフランスのお姉さんを心配して渡航する話、そこで話は終わってるけ -
Posted by ブクログ
2021年10月号を今さら…コロナ禍だったんだなぁ。
「三人書房」柳川一 …先日『三人書房』をAudibleで聞いたので、この時ミステリーズ新人賞だったんだ、と。
「白が揺れた」櫻田智也 …こちらもAudibleで聞いて、このエピソード印象に残ってました。
「ゼロ」加納朋子 …ドンと構える先輩犬とまだまだ落ち着きのない新米のワンちゃん。
「スフレとタジン」近藤史恵 …コロナ禍のビストロ・パ・マルでの話。
「フォトジェニック」秋永真琴 …初めての作家さん。短いのに、ラスト美しい、泣ける。
「108の妻」石川宗生 …初読みの作家さん。声になる妻、点描画の妻、解脱する妻…。
「セリアス」乾石智子 …