近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新人添乗員が旅行する話で、読みやすく、あっという間に完読。
行ったことがある国は、自分が旅した時の記憶が蘇ってきて、この国はツアーで行ったなぁ。この国は個人で行ったなぁ。とか、そこ行った行った!なんて思いながら読めて楽しかった。
ツアーでも個人でも旅行するけど、添乗員のバックグラウンドを考えたことがなく、新人が担当することもあるし、なんなら行ったことがない国にも行かされることを知ってビックリ!
行ったことがない国に、個人で行くならまだしも、見ず知らずの他人を団体で連れて行くなんて、凄いことだと思った。自分が喋れない言語の国なら尚のこと。
色んな参加者がいて、参加者同士のことも考えて、気を -
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Posted by ブクログ
この猿若町捕物帳シリーズも3冊目。
本当に面白い。
いつものメンバー(千蔭や八十吉、巴之じょう、梅ヶ枝等)を除いた今回登場する人々にはもちろん何か意味があるのだろうと思いながら読んでいるけど、それぞれの繋がりや犯行理由、被害者の感情等々…脇役がいないというか、ひとりひとりの背景や気持ちが描かれていて、とても読み応えがあった。それに加えていつものメンバーの描写もしっかりとある。読み手を飽きさせない。
読みながら頭の中はぐるぐると犯人と犯行動機を考えながら、もうひとつの閉じ込められているお玉ちゃんパート、千蔭のお見合い…と楽しめる。
今作も事件の真相は哀しく切ない人間模様だった。
人を信じる気 -
Posted by ブクログ
リアル本にて。
神保町のpassageで見つけて購入。
別に取り立てて不幸なことはないけど、なんとなく自分の選択に自信を持てず、モヤモヤを抱えて生きている主人公の瑛子。行きつけのカフェで、世界各地のスイーツを食べることで、自分の中のアンコンシャス・バイアスに気付き、世界を広げていく。それに呼応するように、日常の中の何気ない謎が、少し解決する。一見世界の広がりと謎の解決は無関係だが、視点を変えるメタファーになっている。
特別主人公の環境が改善したわけではないのだが、物語の終盤になるにつれて、確実に心が豊かになっている。
ミステリ要素もあり、連作短編なのでとても読みやすく、読後感も良いので、万人に -
Posted by ブクログ
久々に一日中読書。近藤史恵さん2冊積読解消。
なんとなく購入して本棚の肥やしでしたが、スッキリしました。
やっぱり近藤さんは読みやすい!愛犬をめぐるお話だと思っていたのですが、
早々に主人公草間都の不注意から愛犬エルが命を落としてしまう。おやおやと読み進めると人間の嫌な打算的な面が描かれすぎて、どーなるの!
場面がガラッとかわり、人生泥沼中で振込み詐欺のダシコをしている江口正道を中心に草間都と絡んでいくのですが。視点が変わるのも良かったですね。
ワタシは後半とても面白かったです!
タイトルからは全く想像できない展開。
でも読み終わるとなるほど、なんですよね。
ラストシーンも絶妙だと思い