近藤史恵のレビュー一覧
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ネタバレ感想
色々考えさせられる話だった。主人公の細かい心情描写にはかなり共感できる部分が多かった。中途半端な優しさはかえって相手のためにならないのかもしれない。
物やお金を貸すときはあげる気持ちでやらないとダメというところもそうだと思う。
読みやすくて一気読みだった。
あらすじ
主人公の鈴音はそこそこ成功した脚本家。ある日突然、10年ぶりに高校時代の友達の水絵から電話がかかってくる。子供と家を出たが行くところがないので1週間泊めて欲しいというものだった。
鈴音は渋々了承し、その日から奇妙な共同生活が始まる。水絵は、遠慮しつつも自分の意志を通すことに鈴音は辟易していく。
子供の面倒を見て欲しいや面倒を見て文句を言われたり、仕事を紹介しても文句を言われたり、鈴音の我慢は限界に達し、口論になり、水絵は子供を置いて出て行ってしまう。鈴音は途方に暮れ、水絵の実家に連絡して子供を引き取ってもらう。 -
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とても面白いお話でした。
人づきあいが苦手で超ネガティブな主人公の智美が、犬たちや老犬ホーム「ブランケット」の麻耶子と碧とのかかわりの中でだんだん頼もしくなっていく様子が、大げさでなくちょうどいい傾斜の坂道を上るような感じで描かれていてよかったです。碧の謎めいた行動や、ブランケットに出入りする便利屋の灰谷とブランケットの周りに出没する怪しい男など、サスペンス要素もちりばめられていて、先が気になってあっという間に読んでしまいました。
老犬ホームが舞台の物語だけに、身勝手な人間たちに怒り、犬たちとの哀しい別れに涙…という話かと思いきや、しっかり人間ドラマでした。人にはそれぞれ事情があり、なんでも白と黒で決めつけることはできないということを、若い智美が学んでいくストーリー展開が優しい。いつも素直な犬たちの姿も愛らしく、読みながら、そして読んだ後もブランケットの犬たち同様老境に入った愛犬をやたらと構いたくなってしまいました。 -
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近藤史恵さんの描く犬たちは本当に表情が豊かで癒されます。
シャルロットはジャーマンシェパードというそこそこ大きな犬でかつ元警察犬でありながらも、臆病な女の子。職業病?みたく染みついた「不審者に吠える」という癖は残しつつも、小型犬に吠えられて怖がったり、お座敷犬歴も長くなり飼い主にやきもちをやいてみたり、コロコロ変わる表情にやられてしまいます。
そんな癒し要素もありつつ、現実的で心が痛むエピソードが詰め込まれていて、人間の身勝手により居場所をなくしてしまう動物たちが描かれているのは、過去作「さいごの毛布」と共通していると思います。
なかでも「シャルロットと猛犬」は、本当に肝が冷えたというか...
気持ちはわかるんだけど、そこまでしなくても....と感じました。赤子のいる妹の気持ちも、関係ないのに巻き込まれている姉の気持ちも、孫と同居できる両親の気持ちもわかるけどもうちょっと話し合いなさいよ...と思ってしまいました。
体力のある男の子たちに引き取ってもらえてよかった!
次作「シャルロットのアルバイト」もすぐ読みたいと思っているので楽しみです! -
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ネタバレここにも呪いを背負った人がひとり、ふたり。
そんな呪いも含めて繋いで走っていくっていうのが、このシリーズのテーマなのかな。
今回もレースの描写は秀逸で、自分が風をきって走っているかのような気持ちにさせてくれる。
このシリーズに出会ってから、Youtubeで日本のロードレースを週末見ている。(タイムリーに色々やってるのになぜかいつも雨)
まだ、エースをひいている局面に出会ったことないんだけど、そんなにあることじゃないのかな?
チームみんながエースに託す、そんなレースを見てみたいのだ。
赤城さんが出てきたのにテンション上がった!
赤城さーーーん。 -
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楽しみにしていた近藤史恵さんの『サクリファイス』ロードレースシリーズ『スティグマータ』
初心者でもわかりやすいロードレース解説と過酷な世界、繊細に揺れ動く登場人物の心理描写、そこに交わるミステリー感、そして舞台のヨーロッパの風景が良い具合にマッチしていて、気に入っている
オランジュフランセのエース、ニコラのアシストとして総合優勝を狙う白石誓(チカ)達が、世界中の注目を集める最も名誉ある自転車ロードレース『ツール・ド・フランス』真夏の三週間に挑む
日本からヨーロッパにやってきた伊庭、怪しい動きの元ドーパーメネンコ、そしてメネンコの周りでの不穏な空気の中、過酷なレースは始まる
ロードレースの集団は一つの社会であり、20チーム180人の選手の中で繰り広げられる長時間に渡る心理戦でもある
死や怪我がいつも隣に当たり前のように居合わせている過酷な世界
その一方で石畳のコースや山岳コース、平坦コースなどがあり、ヨーロッパの風景や気候を想像しながら読むのも楽しみの一つである
本文抜粋
「アシストはエースを優勝させる為に頑張る。チームで戦うのに、名前が残るのは総合優勝した個人名だけ。たとえ優勝した選手をアシストしていても忘れ去られてしまう」
これがチカの仕事。。。このシリーズを読むたびに、仕事だからしょうがないじゃん!とは割り切れない複雑な気持ちになる
まるでチカの親になった気分になってしまう
驚いたのはチカも伊庭も30歳になってた!
あと5年この世界で走れればいい方だろうなどと寂しい事を言う
時が過ぎるの早過ぎでしょう?
もっとゆっくりチカのロードレースの世界に浸っていたい。。。
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Posted by ブクログ
そのスーツケースを持って1人で旅すると人生が変わる。
革張りの青いスーツケースを手にした女性たちに訪れた転機を描いた連作短編集。全9話。
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アラサー女性4人を中心に、幸運のスーツケースを巡る因縁がおもしろい。ゆるやかなファンタジーではありますが、作りすぎた感がないのは近藤史恵さんのうまさゆえなのでしょう。
各話の主人公となった女性たちには共通点がありました。
それは、「1人で行動できる」というところです。
大人と言っても主要人物は誰も30歳にもなっていない ( 春菜など20歳そこそこ ) のだから、1人ということに不安があってあたりまえだし尻込みしてしまっても不思議はないでしょう。
けれども思い切れる。こういう人ってステキです。
そんなステキなところのある人だからこそスーツケースが来てくれたのだし、未来を拓く手助けもしてもらえたのだと思います。
前を向き顔を上げて足を踏み出そう。人生はそんなに悪くない。一人だってきっと大丈夫。
そんなメッセージが伝わってきます。
心が温かくなる物語でした。
幸せの青いスーツケース。いつか自分のところにも来てくれるといいなあと思ってしまいました。