近藤史恵のレビュー一覧
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旅が好きでツアー添乗員の契約社員として働くことになった遥。
初めてのツアーであるアイスランドの添乗中に、この世界に入るきっかけとなった憧れのツアー添乗員の宮城に遭遇します。そのことを伝えると宮城は、好きなことを仕事にした遥に対して、どこか嘲笑するような言葉をかけます。
本書は新米添乗員が各観光地で奮闘するお仕事小説です。
毎回トラブルの処理で心が疲弊していき、「好きなこと」を仕事にすることに痛みや後悔が伴うことを痛感する遥。参加者に楽しんでもらうことを一番に考えていたはずなのに、トラブルに遭遇せず早く終わることしか考えなくなっている自分に嫌気がさすーーそんな遙の心情描写に胸が苦しくなりました -
Posted by ブクログ
この作品、大好きです!
海外を旅行した気分にもなれて、かつそれぞれの旅でのお話も面白かったです。
主人公は女性で、海外担当の新人添乗員さん。
私自身旅行が好きで今まで何度か海外に行きました。
添乗員さんにも何度もお世話になりましたが、添乗員さんの雇用形態や働き方事情を考えた事はなかったなぁ。
主人公には「ちょっと自意識過剰・ネガティヴすぎない?」とイライラする所がありましたが、
よく知らない土地(しかも海外)に複数人をまとめて案内するとなると、余裕がなくなって当たり前なのかも、と思い直しました。
しかも初めていく国を担当することもザラだなんて。
てっきり最初は他の添乗員に同行してその土地を予 -
Posted by ブクログ
アミの会によるアンソロジーを読むのは4冊目ですが、これもどれもじんわり涙するお話が多かったです。特に「猫への遺言」柴田よしき著が良かったです。定年退職した老夫婦の夫がコロナに感染し、急逝してしまう。
その後、妻がみつけた3通の遺言書。妻への遺言書は、読まれるはずのないものだったのに急逝だったために読めてしまう。知らなかった夫の本心。最後に猫への遺言書で、また涙でした。
自分と重ねて何とも言えない気持ちになりました。
「青い封筒」松村比呂美著も良かったです。
あんなお手紙もらってみたい。親子、夫婦もこんなふうに、積み重ねていくものだよなと思いました。
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Posted by ブクログ
近藤史恵さんのちょいとイヤミスな作品、相変わらずいいですねぇ。
ライトな作品もよいですが
このなんとも言えない粘着質な女ごころ?。
しかも、昭和から平成初期のヤンキーが
もてはやされた時代を過ごした主人公たち。
ワタシには刺さりました!
表紙も内容を表現していて雰囲気◎。
作品の印象は解説から引用すると、
インフルエンスを訳すと『影響』、ピンとこないが『影が響く』と訳すと、3人がお互いの影を踏みあう絵が浮かぶ、と。 まさにそれ。
いわゆる交換殺人なんですが、3人の女子が
それぞれ仲良くなり、好きになり、でも嫌われて、また惹かれ合って?
交差していく人生、面白いのですよ。
10年以上会っても