近藤史恵のレビュー一覧
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老犬ホームで働くこととなった、内気で心に傷を持つ主人公の物語。犬好きの作者が描く犬たちの感情、仕草は犬がそばにいない自分には新鮮でその表情豊かさ、賢さ、健気さには驚きを感じる。後半で語られる、犬たちは感情をあらわにしなければ生きられないし、人間は心を閉ざす事で生きにくくなるといったフレーズは犬と人との関わりの重要性や学びを感じる。犬はいずれは自分より早く亡くなるか若しくは犬をおいて自分が逝くことを考えると到底飼えないと感じてしまうが、犬を持つ人の犬は支えになるといった感情もより理解できる。
前半は老犬ホームのお仕事もの、後半はミステリーと終始飽きない構成でした。 -
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フリーマーケットで一目惚れして買った青いスーツケース、30歳目前の真美は憧れのニューヨークに
そのスーツケースを持ってひとり旅に出ます。
ずっと行きたかったニューヨークだけど夫は何かと理由をつけて重い腰をあげません。
定年後に一緒に行こうという始末。(あ〜こんなの絶対イヤ)
ニューヨークひとり旅の背中を押してくれたスーツケース。
真美の友だちもこのスーツケースを使って旅をします。
友だちもそれぞれ悩みがありますが、背中を押してもらったり、自分に大切なものを気づくきっかけになる旅行になります。
色々あってフリーマーケットで売ってくれた人の
手元に戻り、最後はこのスーツケースを最初に買った人のお話 -
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主人公、奈良瑛子の日々起こる色んなことや毎日の揺れ動く気持ちを描くだけでなく、近所のカフェのメニューにより刺々しかったものがまぁるくなる、そんなお話が続く短編集。
カフェの店長の背景や、独身女子の気持ちなど、カフェメニューのほっこりだけではないもやもやが描かれる。
世界のメニューも興味深いけれど、そんな人間模様も読んでいて気になる。
読み終わった後は旅に出た気分になる。
旅行の後って、疲れが溜まったり終わってしまう切なさがあったり、スッキリ爽快だけではないと思うけど、そんな気持ち。でもリセットされてるのは確かで、毎日を新たに過ごしていこうと思える一冊。 -
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ネタバレザクロに例えられた言葉が印象的でした。
最初のひとくちはおいしくて、なんで素晴らしい体験なのだと思う。それが大好きになる。だが、その次からは感動が薄れ、反対に種の厄介さだけが主張しはじめる。もうそうなると、最初の幸福感は戻ってこない。種を取り除くのも面倒で、そのまま呑み込むのも喉に詰まる。四苦八苦しているうちに、最初の感動など消えてしまうのだ。
理屈で幸せ、恵まれているとわかっていたとしても、それに感謝し続けることは簡単ではない。恵まれた環境も、すぐに日常に変わってしまう。
自分ごととして捉えると、わかってはいてもお金や時間があればあるほど幸せの基準値が上がってしまっている。生活レベルが上 -
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ハワイにあるリピートお断りの長期滞在向けのホテルに滞在する「ぼく」は、立て続けに起きる宿泊客の不可解な死亡事件に見舞われる。
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近藤さんの旅行ミステリものです。先が読めなくてドキドキしながら読みました。今回はちょっとエロさもあって普段の近藤さんの本と違った面白さもありました。
ミステリそのものも面白かったのですが、いつも筋を通しているなあ、と思うのは、やはり男性社会優位の世の中で、それに抗って生きる女性の生きづらさを強く意識してお話をつくっている点です。
しかし主人公の「ぼく」がペドフィリア的な愛をひきずっているというキモい設定というのも近藤さんには珍しいので