近藤史恵のレビュー一覧

  • スーツケースの半分は

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    旅に出たくなる本。異なる主人公が1つのスーツケースを片手に様々な葛藤を繰り返しながら自分なりの答えを見つけ出す。ある話で出てきた登場人物が他の話の主人公だったり。自分から見えている人にもそれぞれの背景があると改めて考えさせられる作品。

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    2026年05月31日
  • さいごの毛布

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    老犬ホームで働くこととなった、内気で心に傷を持つ主人公の物語。犬好きの作者が描く犬たちの感情、仕草は犬がそばにいない自分には新鮮でその表情豊かさ、賢さ、健気さには驚きを感じる。後半で語られる、犬たちは感情をあらわにしなければ生きられないし、人間は心を閉ざす事で生きにくくなるといったフレーズは犬と人との関わりの重要性や学びを感じる。犬はいずれは自分より早く亡くなるか若しくは犬をおいて自分が逝くことを考えると到底飼えないと感じてしまうが、犬を持つ人の犬は支えになるといった感情もより理解できる。
    前半は老犬ホームのお仕事もの、後半はミステリーと終始飽きない構成でした。

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    2026年05月30日
  • オーロラが見られなくても

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    モヤモヤしてた人たちが旅とご飯を通して少しだけ前向きになる話たち
    旅(というより経験?)は心を豊かにしますね
    ホットドックとミントティーいただいてみたいです

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    2026年05月30日
  • ときどき旅に出るカフェ

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    瑛子は30代独身、彼氏なし、結婚の予定なし。そんな瑛子が近所に見つけたのは、陽当たりが良い一軒家のカフェ。店主は、偶然にも瑛子の元同僚の円で、世界を旅して気に入った飲み物やスイーツを出してくれる。短編集で、毎回、小さな事件が起きるが、美味しいお菓子や飲み物と共に謎が解けて行く構成。1話ずつゆっくりと楽しめるのがいい。こんなカフェが近くにあったら良いなと瑛子のことを羨ましく思ってしまう。作品に出てきた、香港ミルクティーを家で淹れて、ちょっとだけ作品の世界を楽しんでみた。良い小説に出会えたなと思う。

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    2026年05月28日
  • ヴァン・ショーをあなたに

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    ネタバレ

    シリーズ一作目のタルト・タタンの夢が面白かったため、二作目を読んでみた。
    変わらず短編でとても読みやすく、フランス料理を通したシェフの推理が面白く魅力的である。特に「ブーランジュリーのメロンパン」における親子の愛に心が温められ、「天空の泉」と「ヴァン•ショーをあなたに」ではフランスでの修行時代のシェフの推理を楽しむことができた。中でも、表題作の「ヴァン•ショーをあなたに」では、普段お酒をあまり飲まない私でもヴァン•ショーを無性に飲んでみたくなった。三作目も楽しみだ。

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    2026年05月27日
  • ヴァン・ショーをあなたに

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    《ビストロ・パ・マル》シリーズの2作目。
    前作は店内を中心に謎解きする話だったが、今回は店内だけでなく店外にも展開し、謎解きも料理だけではなく人との関わりの中で解明していくパターンがあった。

    個人的に「氷姫」「天空の泉」が料理といい、終わり方といい、最後まで夢中で読むことができて好きだった。

    前作に比べると、私の知識不足も一因となり料理の吸引力が減った気はするが、やはり読んでいると食べたくなる。特にトリュフのオムレツ。運ばれるだけで漂ってくるトリュフの香りだなんて…想像しただけでくらくらしてしまった。

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    2026年05月27日
  • マカロンはマカロン

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    シリーズの3冊目です。
    短編8ストーリーで構成されていますが、どれも味があって良かったです。
    少し重いテーマや、後味がそこまで良くない話もあるのですが、読み手の感情をしっかり引き出しながら話に没頭させてくれる文章は素敵でした。
    個人的には表題の「マカロンはマカロン」、「ムッシュ・パピヨンに伝言を」が特に好きでした。

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    2026年05月27日
  • それでも旅に出るカフェ

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    前作の続きの世界線だが、コロナ禍最中のお話。
    飲食店も大変な時期だったなー。
    自由にいるために旅をしている円にとっては辛い時期。
    そんな中でも色々な出来事は起こり、瑛子も円も不安を抱えながらどう毎日を生きるかという日々が描かれる。
    女性の生きづらさや不安は尽きぬもの。
    それに共感してもらえるようなこの作品。
    元気をもらってスッキリする!ということはないけれど、なんとか過ごしていきましょうかね、と感じれる1冊。

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    2026年05月26日
  • スーツケースの半分は

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    フリーマーケットで一目惚れして買った青いスーツケース、30歳目前の真美は憧れのニューヨークに
    そのスーツケースを持ってひとり旅に出ます。
    ずっと行きたかったニューヨークだけど夫は何かと理由をつけて重い腰をあげません。
    定年後に一緒に行こうという始末。(あ〜こんなの絶対イヤ)
    ニューヨークひとり旅の背中を押してくれたスーツケース。
    真美の友だちもこのスーツケースを使って旅をします。
    友だちもそれぞれ悩みがありますが、背中を押してもらったり、自分に大切なものを気づくきっかけになる旅行になります。
    色々あってフリーマーケットで売ってくれた人の
    手元に戻り、最後はこのスーツケースを最初に買った人のお話

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    2026年05月25日
  • インフルエンス

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    予想外の展開が続き、続きが気になって一気に読み終わってしまった。それぞれが抱える苦しさや孤独によって3人の関係が少しずつ歪み、複雑に絡み合っていく感じが印象に残った。友達を守るための行動や、自己犠牲のような感情、そして互いに依存し合うような危うい関係。この3人は、単なる「友情」という言葉だけでは説明できないもので強く結ばれているように感じた。全体的に理不尽な現実や人間関係の歪さが生々しく描かれていて、読後もしばらくモヤモヤが残った。

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    2026年05月25日
  • ねむりねずみ

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    ネタバレ

    殺人はおきるしミステリーではあるけれど、恋愛小説だなあと思う。近藤さんの作品はどれも、登場人物の心模様が丁寧に描かれていて、自分とは全く違う価値観の恋愛をしているキャラクターの心情もスッと自分の中に入ってくる不思議さがある。
    言葉選びが素敵で、読んでいて、今にも役者のおしろいの香りが漂ってきそうだった。
    古畑任三郎の堺正章さんの回を思い出した。殺人の動機として堺さんの語った内容と、ある登場人物が語った事が似ている。

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    2026年05月23日
  • みかんとひよどり

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    自然に感謝したくなる美味しい本だった。随分前にジビエが流行った時、新宿の専門店で食べたことがある。その時は、美味いけど硬いなという感想しか持たなかった。流行りで出来たパっと出の店だったからかもしれないけど。いま、大好きな人たちと一緒に食べたらまた違う感じ方をするかもしれない。フランス料理はジビエが珍しいものではないのかな?いつかまた、食べてみたい。
    登場人物が皆んなあったかくていい感じ。

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    2026年05月23日
  • タルト・タタンの夢

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    事件というほどのことでもないような些細なことをシェフが推理。恋の事件多め。ガレット・デ・ロワの話が好き。ほっこり美味しそう

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    2026年05月23日
  • オーロラが見られなくても

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    行ったことない国、もはや聞いたことない地名の景色や食べ物が気になって、思わず調べたくなる、もれなく行ってみたくなるような魅力的な文章。

    個人的に最後のお話「マイナス一二度のアイスキャンデー」に出てくるハルビンは、大学時代の好きだった先生の出身地ということもあって特にお気に入り!
    よく話してくれててもともと気になってたけど、当時は主人公と同じく行く勇気は全然正直なくて、でも今回この本を読んで行ってみたいって思えた。

    最後の1文、かっこよくていいなあ…✨
    常にそのマインドで生きていたい。

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    2026年05月20日
  • ときどき旅に出るカフェ

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    自分も家のソファーで本を読むのが幸せだけど、近くにこんなカフェがあったらいいなと思った。
    ちょっとした時間に読むにもぴったりの本。

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    2026年05月19日
  • ときどき旅に出るカフェ

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    主人公、奈良瑛子の日々起こる色んなことや毎日の揺れ動く気持ちを描くだけでなく、近所のカフェのメニューにより刺々しかったものがまぁるくなる、そんなお話が続く短編集。
    カフェの店長の背景や、独身女子の気持ちなど、カフェメニューのほっこりだけではないもやもやが描かれる。
    世界のメニューも興味深いけれど、そんな人間模様も読んでいて気になる。
    読み終わった後は旅に出た気分になる。
    旅行の後って、疲れが溜まったり終わってしまう切なさがあったり、スッキリ爽快だけではないと思うけど、そんな気持ち。でもリセットされてるのは確かで、毎日を新たに過ごしていこうと思える一冊。

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    2026年05月18日
  • スーツケースの半分は

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    ネタバレ

    ザクロに例えられた言葉が印象的でした。

    最初のひとくちはおいしくて、なんで素晴らしい体験なのだと思う。それが大好きになる。だが、その次からは感動が薄れ、反対に種の厄介さだけが主張しはじめる。もうそうなると、最初の幸福感は戻ってこない。種を取り除くのも面倒で、そのまま呑み込むのも喉に詰まる。四苦八苦しているうちに、最初の感動など消えてしまうのだ。
    理屈で幸せ、恵まれているとわかっていたとしても、それに感謝し続けることは簡単ではない。恵まれた環境も、すぐに日常に変わってしまう。

    自分ごととして捉えると、わかってはいてもお金や時間があればあるほど幸せの基準値が上がってしまっている。生活レベルが上

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    2026年05月16日
  • 眠れぬ夜のご褒美

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    どの話も良かったです!

    「バター多めチーズ入りふわふわスクランブルエッグ」標野凪
    「ひめくり小鍋」冬森灯
    「深夜に二人で背脂ラーメンを」友井羊
    「ペンション・ワケアッテの夜食」八木沢里志
    「夜の言い分。」大沼紀子
    「正しくないラーメン」近藤史恵

    ひめくり小鍋とペンション・ワケアッテが特に好き。
    冬森さんは初読み作家さんなので追いかけてみます。

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    2026年05月15日
  • ホテル・ピーベリー<新装版>

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    ハワイにあるリピートお断りの長期滞在向けのホテルに滞在する「ぼく」は、立て続けに起きる宿泊客の不可解な死亡事件に見舞われる。
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    近藤さんの旅行ミステリものです。先が読めなくてドキドキしながら読みました。今回はちょっとエロさもあって普段の近藤さんの本と違った面白さもありました。
    ミステリそのものも面白かったのですが、いつも筋を通しているなあ、と思うのは、やはり男性社会優位の世の中で、それに抗って生きる女性の生きづらさを強く意識してお話をつくっている点です。
    しかし主人公の「ぼく」がペドフィリア的な愛をひきずっているというキモい設定というのも近藤さんには珍しいので

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    2026年05月14日
  • 風待荘へようこそ

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    自分のことより家族第一でずっと頑張ってきた主婦が心無い言葉で夫から離婚を切り出されて、行くところがなかったが、知り合いのゲストハウスを住み込みで手伝うことから始まる物語。

    ゲストハウスで手伝いをしながら、家族への思いや友人達との向き合い方も変化していく。

    ある程度の年齢になるとどうしても自分の思う常識が固まってしまいがち。自分はこう思うけど、他人は違うのが当たり前。それを受け止めて鷹揚に対応する方が絶対人生楽しいなと改めて思う。

    美味しそうな食べ物がいっぱい出てくるので、読む時間に注意です。

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    2026年05月13日