近藤史恵のレビュー一覧
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ネタバレこういう小説好きだ。
ずっとこのままの生活が続くと思っていたのに、夫から「もう、きみのことは愛していない。もう何年も、ずっと愛していなかった」、尊敬しようと思ったけど、尊敬できるところがなかったとも。そして、愛する高校生の娘まで夫についていくと。こんな状況では、死にたい気持ちにもなるだろう。
そこで、芹からゲストハウスの仕事を手伝ってもらえないかとのメッセージ、そして「お気持ちを整理する時間が必要なのだとしたら、少しわたしと一緒にたゆたってみませんか」の一行が胸に突き刺さり、京都行を決めた。「たゆたう」って言葉初めて聞いたけど、いい言葉だな。
京都での住人やお客様との関係、そして美味しい -
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離婚して、娘とも離れて、新天地の京都で暮らすことになった眞夏さんが風待荘と料理を通じて、自尊心を立て直す物語٩(๑òωó๑)۶
関東と関西の異なるお雑煮、こたつでみかん、蒸籠で温めた黒豆おこわおにぎりと唐揚げが食べたくなった。秋から冬がぎゅっと詰まっていて、今の時期にピッタリ。元来寒いのは嫌なんだけど、その中にも良さがあるってことが光っていた。
『「少し、わたしと一緒にたゆたってみませんか」…急かされず、強要されず、誰もわたしのことを知らない場所で、半年くらい気持ちを整理する。それが今の自分にいちばん必要なことのように思えた。』
2025.12 -
Posted by ブクログ
「なんて美味しそうなんだ」
この小説を読んでから、テレビで熊が取り上げられる度に、そんな感想を漏らすようになった。
狩猟、ジビエを取り扱う本作。作者はミステリー作家らしいが、ミステリー要素は終盤で少し出るだけで内容はほぼ料理に終始する。
その料理がとにかく美味しそう。章のタイトルが作中で扱われる料理なのだが、読んでいるだけでお腹が空く。なんならジビエを食べに行こうかと考えてしまう。空腹時に見てはいけない小説だと思った。
考えさせる内容もあるが、とにかくジビエが食べたくなるのが本作の一番の魅力だろう。
続刊はまだ出ていないらしい。続刊、出してほしいなぁ…。 -
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ロードレースのプロチームに所属する白石は、自分を犠牲にしてエースの石尾をアシストする自分の役割が性に合っていると思いつつも、レース中に不意に訪れるチャンスにも惹かれ始めます。
そんななか、白石以前、石尾がチームメイトに故意に事故を起こさせたという噂を耳にします。
ロードレースのチーム戦の中で行われる「アシスト」という概念をテーマにしたいわば「お仕事小説」かと思いましたが、後半繰り広げられるミステリーの伏線回収が見事でした。
石尾がかつて再起不能にした篠崎によって、自分にかけたわれた罠を知った石尾が下した決断は...まさに「犠牲」というタイトルそのもの。「そこまでするか」とも思いましたがそれを -
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歌舞伎はまだ一度も観に行ったことがないのだけど、これを読むと行きたくなる。主人公はひょんなことからもらった歌舞伎のチケットで興味の薄かった歌舞伎を観に行ってハマっていくのだけど、ポイントは背景を読み取る知識と、幕前に購入して読んでおく筋書にあると見た。字幕が見られるガイドもあるみたいだし、サポートがあるならチャレンジしてみたくなる。
歌舞伎やオペラを見にいくシーンがあるのだけど、決して押し付けがましくない。知らない人にも優しい説明と、興味が持てないとしても受け入れてくれる文章が心地よい。
1話ごとに日常の謎が出てきて、普通に犯罪も入ってたりするんだけど必ず解決してくれるのもスッキリ。
高校の