近藤史恵のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
主人公の奈良瑛子は、37歳の独身の会社員。そして、3年前に中古の1IDKのマンションを購入、ひとり暮らしをそれなりに楽しんでいる。もちろん、このままでいいのかと思う時もあるけど。
さて、ある休日、瑛子が自宅近く散策していた時、偶然見つけて入ったカフェ。そこは、6年前にカフェをやりたいといって会社を辞めた後輩の葛井円の店だったのだ。
瑛子は、当時、「会社を辞めて、カフェをしたい。」という円に、「そんな簡単なものじゃないから、やめたほうがいい。」と彼女に言ったことを、ことあるたびに思い出し、後悔していただけに、彼女の今の姿を見てほっとしたのだった。
円のカフェは、こじんまりとした、そ -
Posted by ブクログ
ああ、そうだ。世界はそんなふうに、ちょっとしたことで変わって見えるのだ。
急に、この先の人生が楽しみになった。(p.255)
─────────────────
知らない本だったけど、装丁がかわいくて手に取っちゃいました
ごはんの描写がたまらんでした!読んでるだけで食べてないのに、あったかくて沁みた〜
私も、思い切って今の環境選んだので。
だからこそ世界は広い、でも、どこにでも行けるしなんとかなる、って実感してて。
いろんなことを先延ばしにしてたゆたっている自覚もあるけど、ただ私には、いつでも帰れる実家があるのが本当に救いです。ありがたいなぁ。
人生、やっぱり、飛び出してみないとわ -
Posted by ブクログ
ネタバレビストロ「パ・マル」シリーズ。
音楽の難関高に合格したものの、肌の色や差別に悩む少女が食べたクスクス料理。
コロナ禍で客足が減ったパ・マルでもテイクアウトを始めて、それを1人で買いに来る少年の将来の夢。
お店で料理教室を行い、タジン料理について話したときの1人の男性生徒の偏見。
鶏肉料理のフリカッセを作った女性が、ある日を境に手の込んだ料理も掃除も最低限しかしなくなった理由。
互いの本当の自分を偽っていた故に、プロポーズに失敗してしまった2人の恋の行方。
三舟シェフの知り合いの羽田野さんの部下の悩み、現地で修行していない負い目。現代だからこそ、その土地で手に入る食材。
待遇はいい -
Posted by ブクログ
旅行記のエッセイかのようにスラスラ読みやすい。
主人公の新米・旅行添乗員のことを応援したくなる。
ツアー客が旅行を楽しめるように手を尽くしてくれる主人公は本当に素敵。
仕方のないトラブルで添乗員に八つ当たりしたり、団体行動なのに身勝手な言動をしたり、色々なツアー客を相手にしなくてはいけない添乗員の仕事はとても大変そう。
「頑張るのが当たり前。気を遣うのが当たり前の仕事だというのはわかっている。」
という主人公の言葉にある通り、頑張っていることは当たり前として誰からも褒められることも評価されることもなく、何か問題が起きた時だけ責められるというのは他の仕事でもあるあるだけれど、やっぱり切ないよ -
Posted by ブクログ
スーツケースが必要になる旅行はそれなりに大きな旅行。物語の登場人物達は、それぞれ心にモヤモヤや悩みを抱えている。それぞれの旅行での出来事がきっかけとなり、考え方や行動が変わって、新たな一歩に繋がる物語でした。
旅行は日常から少し離れて自分を見て目直す良い機会、そんなことを改めて感じる作品でした。
4人の女友達の関係性が素敵だなと思いました。適度な距離感があって、でも、お互いの幸せを素直に喜びあえる間柄。この4人だったから、「幸運のスーツケース」が巡り巡っていったんだろうと思います。
最後の大学生とおばさんの話も好きでした。青いスーツケースをプレゼントした理由がとても素敵だなと思いました。