近藤史恵のレビュー一覧
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「カイザリン」という響きがなんだか魅惑的。
オランダ語で「女帝」って意味なんですね。
小さい頃、花びらを取りながら「すき、きらい、すき」ってやったみたいに、「こわい、ステキ、こわい」と感じさせる短編集でした。
『タルトタタンの夢』『わたしの本の空白は』など近藤史恵さんの作品は何冊か読んでいますが、なんだか新鮮な印象でした。
8編全てよかったですが、特に『甘い生活』がぞぞぞわっとしました。
子どもの頃から他人のものばかり欲しくなり、巧妙に奪うことに快感をおぼえる主人公。
小学校の時の思い出、奪ったことすらも忘れていたけど…
ラストがぞわっとして怖かったです。
近藤史恵さんの美しいことばにも魅 -
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ネタバレキッチンにまつわるアンソロジー。
お気に入りは福田さんの「対面式」、新津さん「わたしの家には包丁がない」。
「対面式」
建売住宅の対面式キッチンからは、向かいの家の対面式キッチンが丸見えだった。
そして、そのお向かいの玄関ポーチに何故か日替わりで陶器の人形が置かれていて…
ちょっとした好奇心から、陶器の人形の謎を解こうとする美晴。謎は案外あっさり解けたけれど、お向かいさんの旦那さんが実は…って言うのはどんでん返しでした。
「わたしの家には〜」
展子が何故包丁を持たないのか。亡くなった母親が父親の田舎へ帰省した時に女性ばかり動かされているのを目の当たりにして育った所為で、将来包丁を持たない -
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ネタバレ久澄のそばに寄り添いたい
初めはそう思って読んでたのに
だんだんと久澄に寄り添われているようでした
私も心身を壊した経験があります。
人に傷つけられ、人を傷つけた経験もあります。
こんなことがしたいわけじゃないのに…!
何度も何度もそう自分を責めてました
他の人はこんなことしてない
もっと真っ当に生きてる、大人になっている
自分の親はこんな娘にするために私を産み落としたわけでもなかろうに、ごめんなさい…
そうやって自分を責めることで
ある意味許しを得ようと思っていたのだと思います
嫌なくらい自分を責めてるからもう許して。
立ち上がることをしない私を許して、と。
久澄もそうすることもでき -
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ネタバレ明治初期の大阪。
料理屋の娘の真阿は結核のため、部屋から出ることも許されない生活をしていた。
そんな時に幽霊画で有名な火狂が彼女の家に居候することになり……。
彼には人には見えないものが見えるようで、そんな彼の元へは奇妙な絵が持ち込まれてくる。
その謎を真阿と二人解き明かしていくのだが。
本当に絵師の話が好きなんだなぁとしみじみ。(谷津先生の絵師の作品なんて最高と思ってます♪)
既に浮世絵の時代ではなくなっていて、その中で依頼された絵を描いている火狂。基本的にはホラーなのでしょうが、絵画ミステリの部分が大きいです。
楽しい時間を過ごさせてくれた一冊です(#^.^#) -
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ロードバイクに魅せられた主人公の白石。
彼は自分が勝つためでは無く、エースのために尽くすアシスト役だ。
彼はその立ち位置を気に入っている。
命も危険もあるロードバイクのレースにおいて、自分のためでは無くチームのエースのために走るということがどういう事なのか、彼は悲劇ののちに痛感する事になる。
ロードバイクのチームとレース、選手達の駆け引き、起きてしまった事故の真相、スポーツ小説でありながらミステリー要素もある内容の話。
ロードバイクについて殆ど知らなかったけど、知識を増やしつつ、ドキドキしながらも楽しく読んだ。
チームの選手同士の思惑や駆け引きには、ハラハラしたし、時間の真相を知る時には、早