【感想・ネタバレ】シャルロットの憂鬱のレビュー

あらすじ

シャルロットは6歳の雌のジャーマンシェパード。警察犬を早くに引退し、2年前、浩輔・真澄夫婦のところへやってきた。ある日、2人が自宅に帰ってみると、リビングが荒らされており、シャルロットがいない! いったい何が起こったのか。(表題作) いたずら好きでちょっと臆病な元警察犬と新米飼い主の周りで起きる様々な“事件”――。心が温かくなる傑作ミステリー。

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あなたは、『犬』が好きでしょうか?

ペットフード協会による”令和5年全国犬猫飼育実態調査”によると、この国では『猫』が906万9千匹、『犬』が684万4千匹飼育されているようです。『猫』が前年度より約23万匹増えた一方で、『犬』は約20万匹減ったという分析には驚きもしますが、それでも684万4千匹もの『犬』がどなたかの家に飼育されていることになります。

私は『犬』を飼ったことはありませんので、そもそも『犬』を飼うという感覚がよく分かりません。しかし、『猫』に比べて、人に忠実で従順、そのような印象は持っています。とは言え、生物を飼うということは大きな責任が伴います。なかなかにその一線を超えることに躊躇もしてしまいます。『犬』を飼うということはどういうことなのか、その実際を知りたい思いもあります。

さてここに、私のように『犬』を飼うということがどういうことなのか、その実際を具に見せてくれる物語があります。

 『犬は空気を読む生き物だ』。

そんな言葉を実感しながら、『犬』と共にある日々を生きていく主人公の姿が描かれるこの作品。『犬』のあんなことこんなことが深く描かれてもいくこの作品。そしてそれは、自らも『犬』好きでいらっしゃる近藤史恵さんの優しい眼差しをそこかしこに感じる『犬』どっぷりな物語です。

『ドアノブを握った瞬間に違和感を覚えた』と、『いつもとなにかが違うような感覚』の中に玄関ドアを開けたのは主人公の池上真澄(いけがみ ますみ)。『ドアを開けると、いつも玄関で待っているシャルロットがいない』という中に『シャルロット!』と声を上げる真澄に、『どうしたんだ?』と『浩輔が不安そうにつぶや』きます。そして、入ったリビングは『ガラス切りで切られた窓、中には土足の足跡』と、『なにものかに荒らされて』いました。『シャルロット!』と『悲鳴のような声であの子の名を呼ぶ』真澄。
そんな真澄が『シャルロットと暮らしはじめたのは二年前のこと』でした。『二度目の不妊治療に失敗し』、『泣きはらす』真澄に、『犬を飼わないか?子供はもうなるようにまかせればいいじゃないか』と諭す浩輔。『もともと、子供を欲しがっていたのはわたしのほうだった』という真澄は、『その発想に』胸が揺らぎます。『小さいながらも庭付きの一軒家』に暮らす真澄ですが、『これまで犬を飼ったこともなく、触ったこともな』い中に躊躇します。そんなある日、『家に遊びにきた叔父』は、『わたしたちが犬を探していると聞いて』、『ジャーマンシェパードを飼ってみないか』と提案します。『無理ですよ…初心者です。そんな難しそうな犬は飼えません』と言う浩輔に、『初心者だから薦めてる』、『実は警察犬をリタイヤした子がいて、家庭犬として可愛がっている家を探している。警察犬だからしつけはしっかりできていて、我慢もできる』、『いくつもの難事件を解決した雌犬なんだが、もう引退させることにしたらしい』、『まだ四歳』、『股関節に障害が出て手術をした』が『ペットとして飼うのには問題はない』と説明する叔父。そんな叔父は『すでに三頭のボーダーコリー』を飼っており、『もう一頭というのは難しいと判断したよう』でした。『共働きで犬に留守番をさせる時間も長い』、『それを考えても成犬のほうがいい』と続ける叔父に、『じゃあ、会わせてください』と伝えた真澄。そして『仮預かりの老夫婦の家』に迎えに出かけた真澄は『そこにいたのは可愛らしい女の子だった』と『控えめに尻尾を振る』犬の姿を見ます。『この人はお客様かしら、それともわたしの新しい家族になる人かしら』と考えているように見えたという真澄は『その瞬間から恋に落ちてしま』いました。『ねえ、わたしをあなたのお母さんにしてくれる?』と『みっしりと生えた毛をそっと撫でながら言った』真澄。そして、家にやってきたシャルロットは『おおむねいい子で』『ときどき悪い子』でした。『散歩に行っても、わたしの横にぴしっと寄り添い、歩幅を揃えて歩く』シャルロット。『最初は怖がった人も、すぐにシャルロットの賢さに驚嘆し』ます。しかし、『賢いということは、すぐにズルをすることも覚えるということ』でした。そう、『シャルロットはすぐに理解し』ます。『この家では、警察犬だったときのように、言いつけを全部守らなくてもいいのだ、と』。そんなシャルロットは、『大きい図体をしているくせに、犬に対しては少し臆病で、フレンドリーな子には自分から近づいていって挨拶はするものの、うなり声を上げられたり、吠えられたりすると一目散に逃げ出』します。『小さなトイプードルにがうっと吠えられた瞬間、キャンと悲鳴を上げたこともある』シャルロット。『普段は吠えることもほとんどない』というシャルロットでしたが、『ときどき火がついたように吠えるときがあ』ります。『窓際で激しく吠えたて』る様に、『シャルロット。黙って』と言うも『すぐにまた吠え出』したシャルロットは『どうしてわかってくれないの?』というような『上目遣いの恨みがましいような目でわたしを見上げ』ますが、『その理由がわか』りません。そんな真澄は『その夜に』『向かいの家に空き巣が入ったということを』知りました。『次に吠えたのは、深夜遅く。浩輔が外に出てみると、二軒隣の家からうっすらと煙が上がってい』ました。そしてまた、『向かいの老人が、押し売りのようにしつこいリフォーム業者につかまって、玄関で押し問答をしているとき、シャルロットが吠え出した』ことで『隣の主人が、その業者を追い払った』ということもありました。『シャルロットの賢さは近所の評判になっていた』というそれから。『この子はやはり優秀な警察犬だったのだ』、『シャルロットさえいれば安心だ』と思う真澄。
しかし、『家は荒らされ、シャルロットはいない』という今。『もしかするとあの子は、果敢に泥棒に戦いを挑んで、殺されたのかもしれない』と思い詰める真澄。そんな中、『二階からかすかな物音がし』ます。『鼻を鳴らす切ない音』を聞いて『思わず二階に駆け上が』る二人。そして、『寝室のドアを開け、中に入る』二人。そんな二人の前には…と展開する冒頭の短編〈シャルロットの憂鬱〉。シャルロットが真澄たちと一緒に暮らしはじめた日々の中にまさかの事件が起こるという、この作品世界に一気に引き込ませてくれる好編でした。

“シャルロットは六歳の雌のジャーマンシェパード。警察犬を早くに引退し、二年前、浩輔・真澄夫婦のところへやってきた。ある日、二人が自宅に帰ってみると、リビングが荒らされており、シャルロットがいない!いったい何が起こったのか。いたずら好きでちょっと臆病な元警察犬と新米飼い主の周りで起きる様々な“事件” ー。心が温かくなる傑作ミステリー”と内容紹介にうたわれるこの作品。十三歳(人間でいうと七十前)の黒いトイプードルを飼育されていた作者の近藤史恵さん。この作品はそんな近藤さんが、リクエストアンソロジー『ペットのアンソロジー』のために短編を書き下ろしたものの、”書き終えた後、頭がよくて可愛い元警察犬シャルロットと別れるのがつらくなってしまった”という先に、連作短編として刊行されたという経緯を辿るようです。そして、現時点で「シャルロットのアルバイト」という続編も刊行されるなど近藤さんにとっても思い入れのある作品となってもいます。

そんなこの作品の魅力はなんと言っても『犬』が直球ど真ん中に登場するところです。私たちが身近な動物を思う時、そこには『犬』と『猫』が思い浮かびます。そして、この両者とも小説に登場する割合はとても高いように思いますが、作家さんの思いの丈がこもった作品となると、圧倒的に『猫』が優勢だと思います。それは『猫』好きな作家さんが如何にたくさんいらっしゃるかを示しているとも言えます。とは言え、『犬』が登場する作品もそれなりに目にします。私が読んできた作品からご紹介しましょう。

 ● 『犬』好きの方に是非読んでいただきたい作品
  ・飛鳥井千砂さん「はるがいったら」: “ 十四歳の老犬”ハルのことを大切に思い、そんなハルを自室で介護していく姉と弟の日常が描かれる物語!

  ・伊吹有喜さん「犬がいた季節」: ”元気でね、という言葉を聞くと、長いお別れが来る”と高校生たちの青春を見続けてきた犬のコーシロー視点で描かれる物語!

  ・加納朋子さん「1(ONE)」: “どうぞよろしく、と付け加えたら、仔犬はぼくに向かってひと声、「ワン」と吠えた”から始まる犬と共にある日々を描く物語!

  ・近藤史恵さん「賢者はベンチで思索する」: 母親が保健所から貰ってきた犬を飼うことになった七瀬家。一方で犬の虐待が近所で相次ぐという事件に主人公が巻き込まれていく物語!

  ・高瀬隼子さん「犬のかたちをしているもの」: 幼き頃に飼育していた愛犬『ロクジロウ』を思う気持ちに今を重ねる主人公の感情の変化を描く物語!

この作品の作者である近藤史恵さんは、上記した「賢者は…」以外でも『犬』が登場する作品を執筆されており大の犬好きでいらっしゃることがよく分かります。では、そんな近藤さんがこの作品で『犬』を飼う魅力を記された箇所を見ていきましょう。

 『最初は、わたしと浩輔もこんな大きな犬を家の中で飼えるのだろうかと躊躇した。だが、一緒に暮らしてみると、シャルロットを外で繫いで飼うことは、家族を家の外に放り出したままにするのと同じほど不自然なことに思えてくる。家族だから、いつも一緒にいる。安全で目の届く場所に。それは子供を一日中庭で生活させないのと同じくらい当たり前のことだ』。

最近はペット飼育可というマンションが増えてきました。その場合には当然室内で飼育することになります。私は『犬』を飼ったことがないので、私たちが暮らす室内に『犬』を入れるという感覚はちょっと想像がつかないのですが、この作品の主人公・真澄も飼い始めて、このような気持ちに変化するところを見ると実際に『犬』を飼うとなった場合には人の気持ちも変化していくのかもしれません。『犬』=『家族』という感覚、確かにこの真澄の思いには強い説得力を感じます。

 『頭を撫でられることが好きでない犬は多い。自分に見えないところから手が降りてくるのは怖いし、そもそも頭自体はそこまで気持ちのいい場所ではない。好きな人に触ってもらえるからうれしいというだけだ』。

これも『犬』を飼ったことのない身には驚きでしかありません。遠い遠い記憶に『犬』の頭を撫でたことがあるようなないようなという私ですが、この説明は『犬』と共にある生活を送られている方でないとわからないものだと思います。というより、『犬』の気持ちに相当入り込んでこそ気付くものでもあると思います。そういう意味でも『犬』好きな方には、この本はご自身の思いをすべからく代弁してくれるような作品だと思います。

 『吠えずに黙っていたり、大人しくしていたりするとき、褒めてやるのは大事なことだ。人間同士ではそういう「なにもしていないこと」を褒めるという習慣がない。ともすれば、悪いことをしたときだけ叱り、大人しくしているときは放っておくということになりがちだ。そうすると、犬は大人しくしていることが、いいことだとわからない。悪いことをしたときだけかまってもらえるから、悪戯や吠え癖を悪化させてしまうケースがあるらしい』。

いやあ、これまたもうビックリ!というレベルのお話です。確かに静かに何もしていない人を褒めるというか意識することは普通ありません。一方で、何か行動を起こした時に人はその人を評価、判断します。『犬』に接する時はこの感覚は通用しない、ということですね。『しつけ』のできていない『犬』について悪口を聞くことがありますが、それは『犬』が悪いのではなく、人と同じ感覚で『犬』と接している飼い主に問題がある、もしくは勉強不足、ということなのですね。なるほど、『犬』を飼うと言ってもとても奥深い世界があることがよく分かります。

そんな物語には、上記したような『犬』に感してのそうなんだ!的なことだけが記されているわけではもちろんありません。

 ・『わたしたちが仕事に行くときは、豊かな尻尾をしょんぼりと下げ、玄関まで見送りにくる。寂しそうな目で、わたしたちを見送る』。

 ・『犬は不思議だ。力も攻撃力も、人間よりずっと勝っているはずの大型犬でも、飼い主に怒られるとしょんぼりする』。

 ・『じゃあ、お散歩に行こうか』、『そう声に出して言うと、尻尾が大きく振られた。口が開いて笑っているような顔になる。犬を飼うまでは、犬というものがこんなに表情豊かだなんて知らなかった。全身で表現する分、人間よりわかりやすいかもしれない』。

そんな風にシャルロットと生活するようになって、それまで経験したことのない『犬』の生態を知り、『犬』と共に生きていくことの喜びを全身で感じる二人の生活が描かれていくこの作品。もちろん、それによって二人の今までの生活も変化していきます。

 『シャルロットがくる前とあとでは生活はまるで変わった。昔のように夫婦で出かけたり、外食をすることはめったになくなった』。

そんな新しい生活を『不自由になったとは思わない』と思う真澄。物語は、シャルロットが三人目の『家族』として池上家に加わったのとイコールな生活を送る二人の活き活きとした日々を描いていきます。この作品は6つの短編が連作短編を構成していますが、表題作の他も〈シャルロットの友達〉、〈シャルロットとボーイフレンド〉、〈シャルロットと猫の集会〉、〈シャルロットと猛犬〉、〈シャルロットのお留守番〉というように短編タイトルにはすべて『シャルロットの』という言葉が入っています。そうなのです。ここまで散々書いてきたようにこの作品はもう一から百まですべて『シャルロット』が中心の物語なのです。そんな物語には近藤さんらしく”ミステリ”の要素が盛り込まれています。上記で冒頭を少しご紹介した表題作では、帰宅すると部屋が荒らされているというショッキングな場面から物語はスタートします。ここには、その犯人が誰なのかという展開は当然必須です。また、『警察犬』だったシャルロットがいたにも関わらずという点に”ミステリ”要素が生まれもします。他の短編でも例えば庭に足跡が…というミニ事件が起こったりと、真澄の日常に起こる身近な”ミステリ”が一から百まで『犬』の物語に起承転結を作り出していくため、読者が飽きるということはありません。想像の数段上をいく『犬』づくしの物語が展開するこの作品。私のような『犬』を飼ったことのない人間にも『犬』と共にある生活の魅力を垣間見せてくれる、そんな作品世界がここには描かれていました。

 “犬と一緒に暮らすと、世界が少しだけ変わる”

そんな風におっしゃる作者の近藤史恵さん。そんな近藤さんの『犬』に対する熱い想いを全身に感じるこの作品。そこには、シャルロットを迎えた真澄の生活がそれまでとは別物に輝いていく様が描かれていました。『犬』に関するあんなことこんなことにすっかり物知りになるこの作品。『犬』を飼いたい思いが芽生えてくる読後があなたを待つこの作品。

『犬』好きな人には必読書と言い切って良い、『犬』にはじまり『犬』に終わる、もう全編『犬』づくしの素晴らしい作品でした。

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2024年11月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シャルロットシリーズ 第1弾

・シャルロットの憂鬱
・シャルロットの友達
・シャルロットのボーイフレンド
・シャルロットと猫の集会
・シャルロットと猛犬
・シャルロットのお留守番

妊活に励むもなかなか子宝に恵まれない浩輔・真澄夫妻のもとにやってきた、メスの元警察犬のシャルロット。

聡明で甘えん坊で、愛すべきとなったシャルロットの気づきから、ちょっとした事件を解決していく。

犬好きには堪らない作品。

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2024年10月25日

Posted by ブクログ

元警察犬と飼い主夫婦によるハートフルミステリー。
謎は複雑なものではない。
何より、シャルロットの仕草・表情が愛らしい。
犬を飼った経験がある人なら、自分の愛犬の姿を重ねるはず。

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2024年09月29日

Posted by ブクログ

シャルロットが、とにかくカワイイ。
ミステリー要素もありつつ、読んでいてほっこりした気持ちになれる。

警察犬の訓練風景を見たことがあるけれど、キビキビしていて本当に賢いなぁと思う。けれど訓練前後に遊んでいる姿は、無邪気でカワイイ。
警察犬でなくても、きちんとしつけをすることが、犬にとっても人間にとっても、幸せに繋がることなんだろうなぁ。
シャルロットと飼い主夫婦も、近所のお散歩仲間たちも、みんな素敵な家族。

続編を読むのも楽しみ。

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2024年08月26日

Posted by ブクログ

子供を望むが二度の不妊治療に失敗し落ち込む真澄と浩輔夫婦の元にやってきたジャーマンシェパードのシャルロット。怪我のため警察犬を4歳で引退した女の子で元警察犬だけあってすごく優秀。
そんなシャルロットも時々イタズラや可愛いズルをするし真澄たちに甘えたりもする。読んでてその可愛い姿が思い浮かんで私もにやけてしまう

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2023年11月22日

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近藤史恵さんの描く犬たちは本当に表情が豊かで癒されます。
シャルロットはジャーマンシェパードというそこそこ大きな犬でかつ元警察犬でありながらも、臆病な女の子。職業病?みたく染みついた「不審者に吠える」という癖は残しつつも、小型犬に吠えられて怖がったり、お座敷犬歴も長くなり飼い主にやきもちをやいてみたり、コロコロ変わる表情にやられてしまいます。
そんな癒し要素もありつつ、現実的で心が痛むエピソードが詰め込まれていて、人間の身勝手により居場所をなくしてしまう動物たちが描かれているのは、過去作「さいごの毛布」と共通していると思います。
なかでも「シャルロットと猛犬」は、本当に肝が冷えたというか...
気持ちはわかるんだけど、そこまでしなくても....と感じました。赤子のいる妹の気持ちも、関係ないのに巻き込まれている姉の気持ちも、孫と同居できる両親の気持ちもわかるけどもうちょっと話し合いなさいよ...と思ってしまいました。
体力のある男の子たちに引き取ってもらえてよかった!
次作「シャルロットのアルバイト」もすぐ読みたいと思っているので楽しみです!

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2023年11月22日

Posted by ブクログ

近藤史恵さんが犬好きなのがよーくわかる作品
シャルロットの憂鬱。元警察犬ジャーマンシェパードのシャルロットがとにかく可愛い。賢くも、時々甘えん坊、魅力たっぷり。

近藤さんのライトな作品のいいとこが満載。ほぼ全員がいい人な分、悪の部分がでてくると異質感が半端なくて、ドキっとしちゃう。

短編なのでサクサクよめて、いらいろなシャルロットをみれて楽しい読書でした。

続編買おうっと!積読読んでも減らないわけよね。

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2025年11月07日

Posted by ブクログ

元警察犬で怪我で引退したジャーマンシェパードのシャルロット。優しくてイタズラ好きで臆病で甘え上手。「私優秀でしょ」とではなく「もしや偶然?」と思うような導き方で謎を解く手がかりを提示する。憧れますねー、犬との生活。残念ながら住環境が適さないので飼えないし、自分の歳を考えたらこの先も無理。人間の身勝手から翻弄される動物たち、せめて自分の身近な命には責任持ちましょ。

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2024年12月15日

Posted by ブクログ

どのお話も楽しく読めました。
夫婦とシャルロットの間には愛情と信頼があり、読んでいて優しい気持ちになります。

犬が好きな方はぜひ読んでほしい。
犬がそれほど好きでない方も癒されること間違いなしです。

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2024年08月08日

Posted by ブクログ

シャルロットが可愛いすぎる。
姿なんて見えないはずなのに彼女の愛らしさが見える。
心温まる連作ミステリーも良いなあ…と癒やされて終わりじゃないのが流石です。
心臓がキュッとなるような切ない話。
クスッと笑える話。
ゾッとさせる話。
バリエーション豊かでホント面白かった。

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2024年06月08日

Posted by ブクログ

シャルロット可愛すぎます!!
読んでいるだけでシャルロットの表情や、感情が伝わってきて犬好きにはたまりません。
シャルロットを通じて色々な事件?を解決していくお話でとてもよみやすかったです!

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2024年04月24日

Posted by ブクログ

歌舞伎座の怪紳士を読んでから、すっかり近藤史恵先生に魅了されてしまい、大好きな犬を題材にしている本は絶対読まなければならないと思い、ワクワクしながら手に取っていました。読んでいくとこれこれって言う近藤先生節があって、思わず一気に読んでしまったり、知らず知らずのうちに登場キャラクターに愛着が湧いてしまったり。本を読み終わった時に思わず心がほっこりする、それが近藤先生の作品です。私の本棚がまた素敵に彩られました。

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2024年02月06日

Posted by ブクログ

シャルロットは、6歳の雌のジャーマンシェパード犬。
子供のいない浩輔・真澄夫婦のところにやって来た少し怖がりで優しい元警察犬。

ある日、2人が帰宅すると、リビングが荒らされて、シャルロットがいない?
いったい何が起きたのか?

・シャルロットの憂鬱
・シャルロットの友達
・シャルロットとボーイフレンド
・シャルロットと猫の集会
・シャルロットと猛犬
・シャルロットのお留守番

ハートウォームな愛犬ミステリーです。

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2023年11月03日

Posted by ブクログ

私も大型犬を飼っているので、彼らの日常生活に共感できる部分が多く、楽しく読むことが出来た。シャルロットかわいいฅ՞•ﻌ•՞ฅ

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2023年07月12日

Posted by ブクログ

引退した警察犬(まだ年若い)シャルロットと,新たな家族になった夫婦のお話。
小さな事件から,大変な事件まで解決していく夫婦
もう探偵事務所とか開いたらいいんじゃないかと思うくらい
大きなシャルロットの可愛さが詰まった1冊です

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2023年06月24日

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シャルロット可愛い〜〜!犬というか動物全般は見るのは好き、でも触るのは若干怖くてうっすら苦手だったけど、撫でたり抱きしめたりしてみたくなった。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

元警察犬のシェパード・シャルロットと飼い主夫婦が様々な事件に遭遇するご近所ミステリ連作。
穏やかで優しいシャルロットが可愛い。ストーリーはほのぼのだけではなく、人間のエゴなど考えさせられることも描かれていました。

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2025年04月06日

Posted by ブクログ

1匹の犬(ジャーマンシェパード)を家族に迎え、豊かになって行く、家族のお話。犬を本当に飼って見たくなります。

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2024年12月23日

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犬のいる生活から随分離れちゃったけど、犬っていいなぁ。元盲導犬とか元警察犬とかだと賢いんだろうな。大型犬憧れだな。また見た目とシャルロットの性格のギャップがいい。浩輔と真澄の夫婦もすごく良くて、読んでて楽しかった。

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2024年11月16日

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かわいくて賢い元警察犬のシャルロットを中心に近所で起きる、ちょっとした事件を解決していく
真澄と浩輔。二人と1匹の家族の物語です。
なんといっても
表情豊かな
シャルロットの賢さや可愛さに癒
され、犬柄?の良さも
魅力的ですっかりシャルロットのファンになってしまいました。
その上
家族の真澄や浩輔も
素敵な人達で
犬の気持ちを考え 心を痛めたり
助けたりお世話したり…
動物に対する考え方がとても好きでした。

犬を利用してとんでもないことを考える人達がいたり、自分中心に考え犬を飼い慣らしたり
いろいろな人達がいたけれど
彼らのおかげで悲しいままで過ごすことになる犬はいなくて
読んでいて温かい気持ちになりました。

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2024年10月18日

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引退した警察犬を飼う夫婦とそれを取り巻く日常の小さな謎。
大きな驚きなはいけど、ささやかな幸せと犬を飼いたい気持ちが膨らむ。

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2024年09月30日

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知らない小型犬にも恐がるジャーマンシェパードの元警察犬であるシャルロット。犬を飼ったことがない子夫婦に家族に迎えられる。
そんな家族が、周りで起こる様々な事件に巻き込まれる。
読みやすく、心が軽くなる一冊だ。

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2024年09月08日

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ケガのために引退した警察犬シャルロットと若い夫婦のおりなす日常生活ミステリーの短編集。
私の好きなジャンルだけれど犬が絡んだストーリーに限定されるのでその広がり方が狭いかなぁ。

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2024年08月27日

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ジャーマンシェパードのシャルロットがとにかく可愛い!
シャルロットとその家族の周辺で起きるちょっとした事件の物語。

シャルロットの表情や姿まで想像できるとっても可愛らしい物語。

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2024年07月14日

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最近まで喋る動物ものを読むことが多かったので、普通の動物ものが新鮮だっ(笑
話せないからもどかしくて可愛くて、やっぱり話せたらなぁと思ってしまう。
人間に利用された犬たち。彼らにとっては駆け引きない愛情と信頼しかないのに、人間はいとも簡単に裏切る。
出てきた犬たちはみんな幸せになってくれたので嫌な気分で終わることはなかった。

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2023年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 近藤史恵「シャルロットの憂鬱」、シリーズ№1、連作6話、2016.10刊行、2019.6文庫化。池上浩輔・真澄夫妻のところにやってきたジャーマン・シェパードのシャルロットの話。よく訓練されている元警察犬で雌犬の4歳。飼い主の周りで起きる様々な事件とシャルロットの活躍を描く。中にはよくない飼い主というか家族がいる話もあり、そんな話は読み辛かったけど。

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2023年11月14日

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ゴールデンレトリバーを飼っている愛犬家としては、わかる〜!と感じる場面があちこちにありました。
ほっこりした気持ちになれてサラッと読める内容でした。

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2023年09月16日

Posted by ブクログ

夫婦は子どもが欲しくて、不妊治療を行うも授かれず、そんな時に犬のジャーマンシェパードのシャルロットを家族として迎え入れ、シャルロットと過ごす日常が描かれる。
シャルロットの愛らしい表情が本から伝わってくる癒される内容で一気に読んでしまった。
夫婦の寝室は、いつか生まれてくる子供の部屋になるので、シャルロットを入れないと決めていたが、だんだん夜も一緒にいたい気持ちが強くなって、禁断の部屋に入れるようになっていく展開もリアルに描かれており、人の機微を感じる一冊である。

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2023年06月08日

Posted by ブクログ

犬を飼っているので、感情移入出来て面白かったです。うちのは柴犬だけど、シェパードも良さそう。もと警察犬のミステリーとあったので、事件が起きるのかと思いきや、日常の中で起こるミステリーで、ほのぼのいたします。近藤史恵先生の本は、とても読みやすいです

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2023年05月28日

Posted by ブクログ

元警察犬のジャーマンシェパードを飼うことになった共働きの池上夫婦。
初めて犬を飼う夫婦の日常と、周囲で起きるさまざまな事件を描いたミステリ連作短編集。

躾もきちんとされてて賢いけど、人懐っこくてちょっと臆病な元警察犬のシャルロットがとにかく可愛くて、わんこかわいい~愛しい~!って読んでたらすぐ読み終わっちゃいました。

もちろん可愛いだけではなく、飼い主同士の暗黙のルールや犬の習性を理解した上でのしつけの重要さ等々、犬を飼ったことのない私には初めて知ることばかりで、新鮮でした。
動物を飼うことの責任の重さや、動物を利用し改良してきた人間の歴史などなど、人間のエゴについて考えさせられるエピソードも多かったです。

「飼う」ことはどういうことなのか、人間はどうすべきなのか、正解はひとつでは無いでしょうし、考え続けていかなきゃいけない問題なのでしょう。

子育てとは似て非なるものなんでしょうね~。
自分の想像の及ばぬ世界を垣間見ることのできる…小説を読むことって、やっぱ楽しいな。

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2025年02月24日

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