近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
超ーーっ!面白い!ツールドフランスに代表されるロードバイク、ロードレースの世界、そう!チャリです!
カーリングと並ぶくらい、奥深いスポーツ、ロードレース。野球にも喩えられるとおもう。犠打、送りバントってかなり『サクリファイス』なんです。自己を犠牲にして、チームやエースを勝たせる!
ロードレースは個人種目にみえるのに、団体競技であることをこれだけ自然に描けるなんて、近藤史恵さん、大好きになりました。続編含めて何冊か買ったので連続で読む気マンマンです。
しかも、ミステリ要素までしっかり入っていて、
大どんでん返しとまでではないけど、単なるスポ根じゃない、読み心地サイコーでした。
んーっ、あら -
Posted by ブクログ
赤字続きのフレンチレストランの雇われシェフ・潮田は、猟に入った山で遭難したことをきっかけにハンターの大高と出会います。大高からもらった肉で試作を重ねるうちに、ジビエのアイデアが湧いてくる潮田。大高とヒヨドリを仕入れる専属契約を結びます。しかし鹿や猪の解体に関しては「これ以上自分の人生を複雑にしたくない」と大高は頑なに拒絶します。
そんななか、大高の山小屋に火事が遭い、ハンター仲間の猟銃が盗まれるなど不可解な事件が続発します。そんなストーリー。
自然の厳しさを痛いほど感じさせられた後に味わった肉。まさに生きていた命を一つの皿にする、という表現が印象的でした。スーパーで買ってきた食材を食べる都市 -
Posted by ブクログ
近藤史恵さん8作目。「旅に出るカフェ」シリーズにも通じる、等身大の女性たちを描いた一冊。「女性たち」は当然それぞれなのだが、どの章にも、まさにこれは私の心の中そのものだと思う部分があるから不思議だ。
物語をつなぐ青いスーツケースののことを、登場人物たちは「幸運のスーツケース」だと言う。だが正直なところ端から見ると、分かりやすく「幸運が訪れた」感じはしない。結局のところ、そこで何を見、何を感じ、どう踏み出し、いかにつなげていくのかは、それぞれ自身の中にあり、幸運は訪れるのではなくつかみに行くものなのだろう。真剣に悩み迷った人だからこそ、背中を押してくれるきっかけを幸運に昇華させられるのだと、元気 -
Posted by ブクログ
ネタバレ事件や出来事の内容は日常的なものが多いため重すぎず、さらっと読むことができるミステリー小説。
登場するフランス料理については調べながら読み進めましたが、文章だけでも食欲を唆るシーンが盛りだくさんで、実際に「パ・マル」へ行き、三舟シェフと志村シェフの作るお料理を頂いてみたくなりました。
「オッソ・イラティをめぐる不和」「ぬけがらのカスレ」「割り切れないチョコレート」の3作が特にお気に入りです。
「オッソ・イラティをめぐる不和」では、
出てくる夫婦喧嘩の原因から、自分も聞く耳半分の時があるな、気をつけなくてはと気が引き締まり…。
「ぬけがらのカスレ」では、
エッセイを書く作家のキャラクター -
Posted by ブクログ
明治時代になったが、人々はまだ江戸時代の名残りを残しながら暮らしていた。
不気味な幽霊絵師として好事家に売れていた絵師の火狂こと興四郎は、絵を描きながら、料理屋「しの田」へ居候することになる。一人娘の真阿は、幼い頃から床につかされていて外の世界を知らないが、本を読み、想像の世界に遊んでいた。そして不思議な夢見をするのだった。
14歳になる少女の見る夢と、不思議なものを見、ゾッとするような絵を描く絵師の交流から、さまざまな事件が浮かび上がり、解決していく。そして真阿と興四郎の過去も明かされていく。
面白かった!二人の過去が明かされて、これでおしまいになっているけど、シリーズものとしてぜひ続きが