近藤史恵のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
可愛らしい表紙に惹かれて手に取りました。
老犬ホームのお話でしたが、最期まで面倒を見る事が出来ずホームに預ける人たちの理由は様々。腹の立つ飼い主もいれば、泣けてしまう飼い主もあり。
5月から初めて犬を飼い始めた私には犬の気持ちてこうなんだ…て色々勉強になったと同時に我が家に来た愛犬が更に愛しく思えて、これからも大切に育てていきたいと思いました。
この小説はそんな犬たちとそこで働く智美、碧、そしてオーナーの麻耶子の抱えている家族や恋人との問題も浮き彫りにしています。そして起こる事件はミステリーな要素も楽しめて近藤さんのこれまで読んだ小説の中でも好きな本の上位に入りそうです。
解説を読んだ -
Posted by ブクログ
近藤史恵さんの描く犬たちは本当に表情が豊かで癒されます。
シャルロットはジャーマンシェパードというそこそこ大きな犬でかつ元警察犬でありながらも、臆病な女の子。職業病?みたく染みついた「不審者に吠える」という癖は残しつつも、小型犬に吠えられて怖がったり、お座敷犬歴も長くなり飼い主にやきもちをやいてみたり、コロコロ変わる表情にやられてしまいます。
そんな癒し要素もありつつ、現実的で心が痛むエピソードが詰め込まれていて、人間の身勝手により居場所をなくしてしまう動物たちが描かれているのは、過去作「さいごの毛布」と共通していると思います。
なかでも「シャルロットと猛犬」は、本当に肝が冷えたというか... -
Posted by ブクログ
ネタバレここにも呪いを背負った人がひとり、ふたり。
そんな呪いも含めて繋いで走っていくっていうのが、このシリーズのテーマなのかな。
今回もレースの描写は秀逸で、自分が風をきって走っているかのような気持ちにさせてくれる。
このシリーズに出会ってから、Youtubeで日本のロードレースを週末見ている。(タイムリーに色々やってるのになぜかいつも雨)
まだ、エースをひいている局面に出会ったことないんだけど、そんなにあることじゃないのかな?
チームみんながエースに託す、そんなレースを見てみたいのだ。
赤城さんが出てきたのにテンション上がった!
赤城さーーーん。 -
-
Posted by ブクログ
愛犬を老犬ホームに入れるのは、さまざまな事情を抱えた人たち。
一片だけを見れば人間の身勝手さに怒りを覚えるが、それはあくまで一側面でしかなく、世界はもっと複雑で、幸運な人の裏には必ずと言っていいほど不幸な人がいる。
でも犬たちは、将来どうなるかなんて考えずに「昨日も一緒に居てくれたから、明日も一緒にいたい」という一心で飼い主を思う。
寿命が違うから、考えるスケールが違うのも当たり前で、すれ違いを生むことはあるだろう。
それでも不器用にお互いを思い合う飼い主と犬たちの姿に涙を流さずにはいられませんでした。
人と人も同じ。1番思っている相手に、中々その思いはまっすぐ伝わらないんだなぁと思いまし -
Posted by ブクログ
あなたは、『最後に会ったのは十年も前』という旧友に、『一週間でいいの』『家に泊めてほしいの』と言われたらどうするでしょうか?
小・中・高…と大人への階段を昇っていく中には、それぞれの時代に友達と呼べる関係性を築いた人がいたと思います。それは、クラスメイトだったかもしれません。部活動が一緒だったという場合もあるでしょう。一度しかない青春時代を一緒に駆け抜けた友達は、あなたのその時代その時代を色濃く彩る欠かせない存在だったのだと思います。
しかし、時は流れ、次のステージへと歩みを進めていく中に、そう、就職し、引っ越しによってもそんなかつての関係性は終わりを告げていきます。『年賀状自体を出さな -
Posted by ブクログ
楽しみにしていた近藤史恵さんの『サクリファイス』ロードレースシリーズ『スティグマータ』
初心者でもわかりやすいロードレース解説と過酷な世界、繊細に揺れ動く登場人物の心理描写、そこに交わるミステリー感、そして舞台のヨーロッパの風景が良い具合にマッチしていて、気に入っている
オランジュフランセのエース、ニコラのアシストとして総合優勝を狙う白石誓(チカ)達が、世界中の注目を集める最も名誉ある自転車ロードレース『ツール・ド・フランス』真夏の三週間に挑む
日本からヨーロッパにやってきた伊庭、怪しい動きの元ドーパーメネンコ、そしてメネンコの周りでの不穏な空気の中、過酷なレースは始まる
ロードレースの集