近藤史恵のレビュー一覧

  • エデン

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    自転車のロードレースの物語かと思いきや
    がっつりとミステリーな顔を見せた『サクリファイス』という作品。
    その続編となるのが今作の『エデン』

    あれから三年。白石誓は唯一の日本人選手として
    世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。
    しかしスポンサー獲得を巡る駆け引きで監督と対立。
    そんな中、競合チームの若きエースである
    フランスの次世代を担うニコラ・ラフォンに
    まつわる黒い噂を誓は耳にし動揺を隠せない。
    そして、友情が新たな惨劇を招く。

    そんなあらすじなのだが、前作とは打って変わって、
    今作はガッツリとロードレース主体の人間ドラマに仕上がっている。
    これが不思議なものでロードレースに馴染みがなくても
    ロードレースというスポーツが持つ魅力と選手の苦しさを見事に描いている。

    故に、物語の結末は切ないものであった。
    白石誓という主人公のどこまでも武士道な精神もこちらの胸が苦しくなった。
    ツール・ド・フランスなど知ってはいるけど見たことない、
    そんな自分も含めて俄な人にも十分刺さる良作である。
    とは言え、前作『サクリファイス』は必読な内容。

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    2026年09月02日
  • 風待荘へようこそ

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    京都に行きたくなる。おひとりさま、こんな生活を選んでみるのも良いと思う。何歳からだって自分の居場所を見つけられる。

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    2026年09月01日
  • ときどき旅に出るカフェ

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     主人公の奈良瑛子は、37歳の独身の会社員。そして、3年前に中古の1IDKのマンションを購入、ひとり暮らしをそれなりに楽しんでいる。もちろん、このままでいいのかと思う時もあるけど。

     さて、ある休日、瑛子が自宅近く散策していた時、偶然見つけて入ったカフェ。そこは、6年前にカフェをやりたいといって会社を辞めた後輩の葛井円の店だったのだ。

     瑛子は、当時、「会社を辞めて、カフェをしたい。」という円に、「そんな簡単なものじゃないから、やめたほうがいい。」と彼女に言ったことを、ことあるたびに思い出し、後悔していただけに、彼女の今の姿を見てほっとしたのだった。

     円のカフェは、こじんまりとした、それでいて瑛子にとって、とても居心地の良い空間だった。また夜も遅くまでやっているので、いつしか、瑛子にとってお気に入りの行きつけの場所になっていった。

     さて、この店で提供されるメニューは、店主自ら世界に旅に出て、気に入ったものを再現して、提供されているもので、瑛子も店に訪れるたび、新作を口にすることができ、それも楽しみの一つ。

     そして、瑛子の身の回りで、あるいはカフェのお客さんの会話などの中から、誰にでも起こりうるようなちょっとした問題を、円と二人で、その当事者に寄り添いながらやさしくときほぐしていく短編集。

     街中で、カフェ・ルーズのような、店主とお客さんが近いお店は、少なくなった。カウンター越しで、時には話を聞いてもらったり、ゆっくりと一人でコーヒーを飲んだり、そんな落ち着いてすごせるカフェが近くにあればいいなと思った。

     派手な事件が起こったりするわけではないが、短編それぞれにとり上げられている問題は、日常的に誰にでも起こりえるような内容なので、感情移入がしやすく、とても読みやすく、内容も面白かった。
     

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    2026年08月31日
  • シャルロットの憂鬱

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    犬より猫派の私ですが、この頃犬が出てくる作品に触れることが多くて物語りの中だと可愛いと思えるから不思議です。猫よりも犬の方が人との関わりが深いようで、その出会いと別れには沢山のドラマがあります。子供になかなか恵まれない夫婦にとってシャルロットとの日々はかけがえのないものですね。

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    2026年08月30日
  • それでも旅に出るカフェ

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    コロナ禍における飲食店、カフェ・ルーズでのエピソード。
    作者の連作短編集、ビストロ・パ・マルシリーズと比べてしまうが、こちらは優秀なミステリーを解く人物が存在せず時間が解決するタイプ。コロナ禍での社会情勢やその中での人間心理、ジェンダー問題、加えて世界各地のお菓子などを紹介する要素など盛りだくさんなので、ミステリー仕立ては控えめでバランスをとっているのであろうと考える。コロナ禍で旅の制限がありつつも、旅へのあこがれがにじむ。アイスランドに行ってみたくなりました。
    こんな素敵なカフェが身近にあればいいなと思いました。

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    2026年08月29日
  • 風待荘へようこそ

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    ああ、そうだ。世界はそんなふうに、ちょっとしたことで変わって見えるのだ。
    急に、この先の人生が楽しみになった。(p.255)

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    知らない本だったけど、装丁がかわいくて手に取っちゃいました

    ごはんの描写がたまらんでした!読んでるだけで食べてないのに、あったかくて沁みた〜


    私も、思い切って今の環境選んだので。
    だからこそ世界は広い、でも、どこにでも行けるしなんとかなる、って実感してて。
    いろんなことを先延ばしにしてたゆたっている自覚もあるけど、ただ私には、いつでも帰れる実家があるのが本当に救いです。ありがたいなぁ。

    人生、やっぱり、飛び出してみないとわからないよね!大きい一歩だろうが小さい一歩だろうが!やっぱり!

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    面映い(おもはゆい)・・・照れくさい

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    2026年08月25日
  • 間の悪いスフレ

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    ネタバレ

    ビストロ「パ・マル」シリーズ。

    音楽の難関高に合格したものの、肌の色や差別に悩む少女が食べたクスクス料理。

    コロナ禍で客足が減ったパ・マルでもテイクアウトを始めて、それを1人で買いに来る少年の将来の夢。

    お店で料理教室を行い、タジン料理について話したときの1人の男性生徒の偏見。

    鶏肉料理のフリカッセを作った女性が、ある日を境に手の込んだ料理も掃除も最低限しかしなくなった理由。

    互いの本当の自分を偽っていた故に、プロポーズに失敗してしまった2人の恋の行方。

    三舟シェフの知り合いの羽田野さんの部下の悩み、現地で修行していない負い目。現代だからこそ、その土地で手に入る食材。

    待遇はいいのに離職率が高い店の経営者と働く人たちの料理に対する溝。

    このシリーズ好き。フリカッセ食べたい。

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    2026年08月24日
  • 間の悪いスフレ

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    ビストロ・パ・マルシリーズは今のところこれで終わり…だと思います。(自信無い)まだ続いているといいなぁ。

    『パ・マル』もコロナで苦しんで、それを乗り越えたと思ったら、ウクライナとロシアの戦争で食材が入ってこなかったり価格が高騰したり…。
    社会情勢をしっかり反映された内容となっていました。

    もし、話が続いていたならば今はどんな状況でしょうか?益々酷いことになっているかもしれないですね。

    ああ、美味しいフランス料理が食べたいなぁ〜。

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    2026年08月24日
  • ヴァン・ショーをあなたに

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    ビストロ『パ・マル』シリーズの2冊目。
    このシリーズは文章を読んでいるとほっとする。まるで家に帰ってきたような気持ちで、あっという間に読めてしまった。
    好きなのは『ブーランジェリーのメロンパン』と『氷姫』。
    色んな物語が詰められているけれど、このシリーズは人のあたたかい気持ちや、純粋な思いが垣間見える話が読み応えがあると思う。

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    2026年08月23日
  • マカロンはマカロン

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    美味なる料理の裏に隠されているのは、現代社会に潜む思い込みや生きづらさを孕んだちょっとしたミステリー。

    短いお話のため、あっという間に読み終わる。けど、読み終えるのが勿体ない。

    『間の悪いスフレ』だけは持ってない。帰りに新品で買おうかな。

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    2026年08月23日
  • ヴァン・ショーをあなたに

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    下町の小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」を舞台にした、お料理短編ミステリー集の2作目。

    ビストロに行きたくなる、いつまでも読んでいたい、サクサク読めて、もう終わり?おかわり!って感じになってしまう。

    シェフの過去が少し明かされます。

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    2026年08月24日
  • タルト・タタンの夢

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    下町にあるフランス料理店『ビストロ・パ・マル』が舞台。
    あたりまえの日常にある『何気ない謎』に、温かみのあるフランスの絶品地方料理を添えて。
    ビストロのお仕事連作ミステリー小説。

    ミステリーものも読んでみたい。
    長編で骨太なミステリーを読みはじめるには腰が重い。でも好きなんだよ、ミステリーも!っていう人には読みやすくてピッタリだと思います。

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    2026年08月23日
  • ときどき旅に出るカフェ

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    こんなカフェがあったらいいな、と思ったのは覚えている。
    馴染みの店は一軒あるといい。
    初めての一人暮らし、ふらっと寄れるお店があることが本当にありがたかった。

    内容についてだが、
    家族のややこしい関係とか、思い出そうとすると思い出せるから、おもしろかったんだと思う。
    読みたい本リストに入っていて、また買おうとして、
    あれ?なんとなく読んだ気がする、、と気がついたから良かった。
    続編があるそうな。
    この人の本、他にも読んだことがある気がする。。

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    2026年08月22日
  • オーロラが見られなくても

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    次の展開にドキドキしながらページをめくった。
    心の傷を抱えながら旅に出て、心が洗われる体験をする登場人物たち。
    たしかに自分が思った通りの人生にはならないし、思い通りになるものもないけれど、親切な人に優しくされると嬉しいし、きれいな景色を見ると心が和む。
    人生の次の展開に期待を寄せる気持ちが味わえた。

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    2026年08月22日
  • たまごの旅人

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    旅行記のエッセイかのようにスラスラ読みやすい。

    主人公の新米・旅行添乗員のことを応援したくなる。
    ツアー客が旅行を楽しめるように手を尽くしてくれる主人公は本当に素敵。

    仕方のないトラブルで添乗員に八つ当たりしたり、団体行動なのに身勝手な言動をしたり、色々なツアー客を相手にしなくてはいけない添乗員の仕事はとても大変そう。
    「頑張るのが当たり前。気を遣うのが当たり前の仕事だというのはわかっている。」
    という主人公の言葉にある通り、頑張っていることは当たり前として誰からも褒められることも評価されることもなく、何か問題が起きた時だけ責められるというのは他の仕事でもあるあるだけれど、やっぱり切ないよね。
    頑張ってくれている人にきちんと感謝を伝えるようにしたいと思った。

    スロベニアの首都リュブリャナに行きたくなった。
    美しい街並みを実際に見てみたいなぁ。

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    2026年08月21日
  • ホテル・カイザリン 電子再編集版

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    夏に読むのにぴったりのホラー。
    コワさじんわりきます。
    近藤史恵さん、私としては、旅先の描写がたっぷりのお話しが好きなんだけど。

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    2026年08月20日
  • マカロンはマカロン

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    今回は全てギャルソンの高築くんが語るお話しでした。この方がやっぱりしっくりくるなぁ。

    そして今までよりも人情味あふれるお話しが多かったような気がします。単に私が好きなお話しが多かったっていうだけかな?笑

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    2026年08月19日
  • ホテル・カイザリン 電子再編集版

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    読みながら「えっ」と声が出てしまうような近藤史恵さん色の強いちょっとゾクッとするお話のアンソロジーでした。
    しばらく経ったらまた再読してゾクッとしたい、いわゆる人怖作品。

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    2026年08月18日
  • キアズマ

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    『マカロン〜』に続き、近藤作品七作目。サクリファイスシリーズ第四弾。今までとはうってかわって、大学の弱小(笑)自転車部が舞台だ。ひょんなことから自転車部に入ることになった岸田正樹が徐々にロードレースにハマっていく過程が丁寧に描かれ、読んでいるこっちもワクワクした。キャラクターたちの造形も巧みで、スラスラ読ませる技術はさすがだ。彼らが今後誓たちプロのロードレーサーたちとどう絡んでいくのか、ますます楽しみなシリーズになりました。

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    2026年08月17日
  • ときどき旅に出るカフェ

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    オーディブルにて。
    タイトルどおり、月初めは旅に出る店主がいるカフェのお話。
    近所のカフェを巡りたくなる。いい雰囲気のまったりと時間が流れる店があればいいのだが。

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    2026年08月17日