近藤史恵のレビュー一覧

  • インフルエンス

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     久しぶりに近藤さんの小説を読んだ。そして、どうなっていくのだろうとストーリーの先が気になってしまい、最後まで一気に読んでしまった。

     主人公の友梨たちとまさに同じ世代なので、彼女たちの幼少からの時代背景が手に取るようにわかり、当時のことを懐かしくも思い、自分もその中に生きて存在しているうちの1人のような感覚におちいってしまった。

     本当に、小学校、中学校時代の当時の大人や先生たちの価値観が、いい面も悪い面も、とても忠実に描写されていたと思う。

    また、女友達の関係も成長につれて変化していく、その一言で表せない不安定さもすごく共感できた。

     予想外の結末に、彼女のことを思うとちょっぴり悲

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    2025年10月09日
  • 岩窟姫

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    導入やテーマは面白いのに、要素を盛り込みすぎなのがもったいない。前社長、放火、用心棒ら、父親etc.

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    2025年10月07日
  • 間の悪いスフレ

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    ネタバレ

    「ビストロ・パ・マル」第4弾 7話の短編集

    パ・マルもコロナ禍の影響をうけ、営業の縮小やテイクアウト、料理教室とスタイルの変更を余儀なくされる。
    外食どころか外出も制限されていた、あの時期の閉塞感を思い出す。

    そんな中だからこそ、パ・マルに集まる人々の悩みや心に溜まった澱は、おいしい料理とシェフの言葉で洗い流される。そして勇気づけられ、少し前を向けるようになる。

    どの話も、どこかで感じたことがあるような気がして、少し心がざわざわする。思い込みや一方方向からしか物事が見えなくなった時に、すっと視界を広げてくれる感じがとても心地よかった。

    「モロッコのタジンのようだ、と僕は思った。少ない

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    2025年10月07日
  • 山の上の家事学校

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    近藤史恵さんらしい、料理の話で、男性向け家事学校の話。そういう学校ありそうだけれど、男性は料理を趣味で楽しそうにやって、女性は仕事も育児もありながら楽しむ余裕なんてない、と普段不満に思ってしまうことがそのまま現れていたけれど、何とかしたい人が集まっているので、それが男性目線からも女性目線からも解消に向かっていて、いいきもちで読み終えることができた。
    普段の家事も丁寧に楽しもうと少しだけ思えた。

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    2025年10月06日
  • 山の上の家事学校

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    色々な問題を抱えた男たちが、"山之上家事学校"に通い家事を学び成長していくお話。男たちが主役の成長物語はなんか新鮮。

    抱えている問題は、主に家庭が上手くいってないこと。原因は"家事は女がやるもの"、"男は働いて食べさせてやっている"という考え。若い世代の生徒たちは、家事育児に積極的に参加しようとして家事学校に通ってたりするけど、年代が上の生徒たちはそうじゃない。読んでて、それは奥さん逃げちゃうよ…と呆れてしまう。この学校で家事とはどういうものなのかを気付ければ、人生変わるだろう。気付けない人はどうなってしまうのか?心がもっと荒んでしまうのだろうな。

    この物語を読んでいる時に、総裁

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    2025年10月06日
  • タルト・タタンの夢

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    ドラマの「名探偵はシェフ」を見たことがあり、それの原作だと知って読みました。
    ドラマと小説では出てくる登場人物自体は同じでしたが、性格などが少し違いました。どちらのキャラクターも良いなあって思いました!
    フレンチ料理は食べたことありませんが、パ・マルは入りやすそうで、美味しそうないいお店だなって思いました!

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    2025年10月06日
  • スーツケースの半分は

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    あなたの旅に、幸多かれ
    最後にこのメモが誰に宛てられたものか分かり、言葉に込められた祈りを感じて胸がキュッとなった。
    連続短編集だから通勤で読むのにちょうどいい読みやすさなのに、最後は物語全体に祈りが吹き込まれて、また読み直したいと思える満足感。

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    2025年10月04日
  • アンソロジー 舞台!

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    自分が舞台に上がるなんて、とんでもないけど、
    袖幕は好き。
    バレエをやってた娘の発表会で
    一度だけ袖幕に関われて、とても充実してた。
    ゼロから何かを作り上げる歯車、
    として機能出来る自分が、
    すごく誇らしく嬉しく、楽しかった。
    だからダンス・デッサンの瀬木さんに一番共感した。
    バレエ衣装作成の、宝石さがしも好きだけど。
    だいたい全般、肯定的な物語ばかりで、
    安心して読めるアンソロジーでした。

    2.5次元舞台を観に行きたくなった。
    見たことないけど。
    その前に、推し活出来てる人たちが、
    そもそも羨ましいかも。

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    2025年10月04日
  • さいごの毛布

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     年老いたり、病気を持っていたり、飼い主が
    様々な事情で飼うことができなくなった時に
    預ける有料の老犬ホーム。
    そういう存在を初めて知った。
    働き始めたばかりの智美は、亡くなる時にすら会いに来ない飼い主に対し腹を立て、そんなの犬が可愛そうと発する。そんな智美に麻耶子は
    可愛そうと思うのは勝手だけど、それはあなたの感情に過ぎない。それで人を裁かないで
    と叱咤する。
    背景を知るうちに、さまざまな事情があり
    預けることを選択したことを受け止めていく。
    もちろん、自分の勝手で預ける人もいれば、
    親の介護、自分自身の闘病などさまざま。
    だけど、犬にとっては大好きな飼い主と一緒に居られなくなったことしか分

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    2025年10月02日
  • 凍える島

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     孤島、クローズドサークル、密室殺人、連続殺人など本格ミステリーの要素と閉鎖空間で過ごす登場人物が疑心暗鬼になっていく心理描写の鮮明さが合わさった味わい深い作品で、終盤の解決編は意表を突くもので驚かされた。

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    2025年10月01日
  • 風待荘へようこそ

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    突然夫から離婚を言渡され大事な一人娘も夫の方で暮らすことになり1人になってしまった主人公。そんなどん底の状態から京都の風待荘で暮らすことにより徐々に自分らしさを取り戻して生きていく前向きなお話でした。

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    2025年09月30日
  • ホテル・ピーベリー<新装版>

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    ネタバレ

    ハワイ島にあるホテルで起きた殺人事件。

    和美さんもホテルの宿泊者たちも悪い人には見えなかったので、
    ラスト、和美さんの弟の哲哉という全然関係ない人が犯人で良かった。

    種明かしが主人公の木崎淳と和美さんの対話だけで終わってしまったのが残念。桑島さんや佐奇森の反応も見たかった。
    5人しかいないホテルの宿泊者が立て続けに2人も死ぬなんて普通じゃないんだから。
    犯人が既に逃げた後というのもモヤモヤする。
    和美さんだけが異国の地で罪を償うのか…。

    個人的に青柳のキャラが好きだったので、真相を知ったというだけで殺されてしまいとても残念でした。

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    2025年09月30日
  • 山の上の家事学校

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    とてもよかった。

    身近なひとを大切に思う事、寄り添う事、違う個人を認め敬うこと。それらがいかに難しいことなのか丁寧に書いてあって、じわっときた。

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    2025年09月29日
  • ときどき旅に出るカフェ

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    ネタバレ

    カフェ・ルーズという小さな喫茶店のお話‎( ᴗˬᴗ)
    店主の円がときどき旅に出て出会ったメニューなどを提供していて、知らない名前の料理がたくさん出てくる!このお店のコンセプト通り、ほんと海外を旅してるかのような気持ちになれそう。居心地の良いカフェが近くにあるって素敵だなぁ(*ˊ˘ˋ*)

    チーズケーキもココアも好きなので、話に良く出てくるロシア風ツップフクーヘンが気になる!(でも噛みそう!言いにくい!笑)
    カフェ・グルマンも良さそうだなぁ♡思わず検索してみたけどこれは見るのも食べるのも楽しそう( ˶'ᵕ'˶)⸝‪‪‎♡

    店主や主人公も言っていたが、ほんと世界は広くて、自分

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    2025年09月29日
  • スーツケースの半分は

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    一つのスーツケースがつなぐ物語。アラサー女性の悩みがリアルで共感できた。人それぞれ生き方も考え方も違うけど旅を通して自分と向き合っていくのがとてもステキで羨ましく思う。
    人生につまずいた時に背中を押してくれる、そして旅に出たくなる一冊。

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    2025年09月25日
  • 南方署強行犯係 狼の寓話 〈新装版〉

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    お母さん、とか呼ばれたらね。なんか、きちんと毎日、あんたらのそばにいて、おやつと晩ごはん作って、きちんとアイロンかけたシャツ着せて……って全部やらなあかんような気分になったの。それが全部できへん自分が、母親失格みたいに思えたのよ。たぶん、肩肘張ってたんやろうね。『美紀ちゃん』って呼ばれてたら、不思議にそんなこと気にしなくても、自分でできることを頑張ったらええような気になった

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    こっちがシリーズの最初だったのね。
    こっちの方が好みかも。
    近藤史恵にしては珍しく犬が出てこない。笑

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    2025年09月18日
  • 眠れぬ夜のご褒美

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    バイト帰りに読んで、コンビニに吸い込まれました。お腹空いちゃう短編集怖い。暗号を知る人だけが神社でひっそりいただくお鍋、冬森 灯「ひめくり小鍋」がお気に入り。ラーメン話が多いけれど、ラーメン食べないので深夜ファミレスの大沼紀子「夜の言い分。」方が分かる!

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    2025年09月17日
  • サクリファイス

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    サイクルロードレースの醍醐味がわかる小説だ。
    主人公がレース事故に遭うのかと思わせる入りだが、終盤でしっかり掴まれていることを実感した。
    サイクルロードレースのルールや考え方が、他のスポーツとは異なることを、この小説を通しても学んだ気がするが、物語の展開の面白さもそうだが、レースそのものの面白さを押し図ることができたように感じる。東の展開は衝撃的だが、現実にはあり得そうもないようなことなので、フィクションとしての面白みを感じた。本の題名だあるサクリファイス(献身的なアシスト)が、世界の舞台と駆け上がらせる根幹となっている。

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    2025年09月16日
  • マカロンはマカロン

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    好きなシリーズ再読。今回ちょーっとトゲのあるというか、人の暗い部分にフォーカスした短編が多かった気がする。もちろんそれだけではなくて、いい話もあり。でも優しいけど辛辣な三舟シェフにはどっちかというとブラックな感じが似合うかも。

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    2025年09月15日
  • 怪と幽 vol.009 2022年1月

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    テーマと、澤村伊智さん松原タニシさんの対談に惹かれて、過去号をお迎えしました。
    タニシさんの事故物件が13件目の時に対談されたらしく、先日聞いたラジオでの状況(その時は27件目とか言ってた、うろ覚え)との違いに感慨深くもなったり。
    タニシさんをいくつかの媒体で追っていても、全然知らなかったことがこの対談でいくつも明かされていて、お迎えしてほんとに良かったなぁってなってます(事故物件価格設定とその裏事情とか)
    あと、タニシさん、お話を引き出すのが相変わらず上手いですよね~ 澤村さんの黒い部分(笑)が引き出されてて、興味深く読ませてもらいました(笑)
    そして、2025年現在、ピンピンしておられます

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    2025年09月14日