近藤史恵のレビュー一覧
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テーマに沿った書下ろしのアンソロジーを刊行する女性作家の集まり『アミの会(仮)』
今回のテーマは「ラスト・メッセージ」
一冊で多様な作風を楽しめるのがアンソロジーの楽しみ。同じテーマなのに、驚くほどテイストは違う。
「もうひとつある 鷹宮家四訓」 大崎梢
地元の大企業を経営する旧家『鷹宮家』に伝わる四つの 家訓。後から加えられた五つ目の存在を調べる先輩を連れ、末端の分家の娘『絵茉』は本家を訪れる。
謙虚・礼儀・努力・和、しごく基本的でまっとうな家訓に加えられた意外なものとは、「女・子どもにはあとを継がせるべからず」という差別的(現代ではアウトか)なもので、絵茉も憤るのだが…。実は妹を好 -
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職場のセクハラパワハラでパニック障害を発症し、正社員として今も働いている母と同居し自宅療養中の主人公。両親は離婚しているが、父方の祖母から、歌舞伎を見に行って感想を伝えるというアルバイトを引き受ける。なぜか毎回遭遇する老紳士は何者なのか。
歌舞伎を取り上げていますが、著者は大学で歌舞伎の研究をしていたとのこと。得意分野でしょうが、メインの話から脱線しない織り込み方が上手です。
社会情勢を反映した、現実にいそうな登場人物たち。姉妹や同級生などに対しては、諸々思うことがあって、もやもやするという、女性の心理描写が本当に上手。
最後もきれいにまとまっており、気持ちのいい終わり方でした。 -
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ビストロ・パ・マルが舞台のシリーズ、第1弾。フランス料理と店長の謎解きがセットになった連作短編集。
何年か前に、シリーズ化されていることも知らずに第2弾を読んでしまったので、どうせならシリーズで読みたい!と購入(笑)。でも、第2弾から読んでも充分楽しめる。
お店が舞台なので、その日によって登場するの料理は違う。名前だけを聞いてもさっぱり分からないので、スマホで検索しながら画像を見てイメージを膨らませた。このビストロ・パ・マルでは、フランスの家庭料理のような素朴なものを出しているそうなので、食べてみたい。
(ちなみに商店街の一角にあるらしい)
何度も登場する「ヴァン・ショー」というアルコール -
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老犬ホームで働くこととなった、内気で心に傷を持つ主人公の物語。犬好きの作者が描く犬たちの感情、仕草は犬がそばにいない自分には新鮮でその表情豊かさ、賢さ、健気さには驚きを感じる。後半で語られる、犬たちは感情をあらわにしなければ生きられないし、人間は心を閉ざす事で生きにくくなるといったフレーズは犬と人との関わりの重要性や学びを感じる。犬はいずれは自分より早く亡くなるか若しくは犬をおいて自分が逝くことを考えると到底飼えないと感じてしまうが、犬を持つ人の犬は支えになるといった感情もより理解できる。
前半は老犬ホームのお仕事もの、後半はミステリーと終始飽きない構成でした。