近藤史恵のレビュー一覧
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自転車のロードレースの物語かと思いきや
がっつりとミステリーな顔を見せた『サクリファイス』という作品。
その続編となるのが今作の『エデン』
あれから三年。白石誓は唯一の日本人選手として
世界最高峰の舞台、ツール・ド・フランスに挑む。
しかしスポンサー獲得を巡る駆け引きで監督と対立。
そんな中、競合チームの若きエースである
フランスの次世代を担うニコラ・ラフォンに
まつわる黒い噂を誓は耳にし動揺を隠せない。
そして、友情が新たな惨劇を招く。
そんなあらすじなのだが、前作とは打って変わって、
今作はガッツリとロードレース主体の人間ドラマに仕上がっている。
これが不思議なものでロードレースに馴染みがなくても
ロードレースというスポーツが持つ魅力と選手の苦しさを見事に描いている。
故に、物語の結末は切ないものであった。
白石誓という主人公のどこまでも武士道な精神もこちらの胸が苦しくなった。
ツール・ド・フランスなど知ってはいるけど見たことない、
そんな自分も含めて俄な人にも十分刺さる良作である。
とは言え、前作『サクリファイス』は必読な内容。 -
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主人公の奈良瑛子は、37歳の独身の会社員。そして、3年前に中古の1IDKのマンションを購入、ひとり暮らしをそれなりに楽しんでいる。もちろん、このままでいいのかと思う時もあるけど。
さて、ある休日、瑛子が自宅近く散策していた時、偶然見つけて入ったカフェ。そこは、6年前にカフェをやりたいといって会社を辞めた後輩の葛井円の店だったのだ。
瑛子は、当時、「会社を辞めて、カフェをしたい。」という円に、「そんな簡単なものじゃないから、やめたほうがいい。」と彼女に言ったことを、ことあるたびに思い出し、後悔していただけに、彼女の今の姿を見てほっとしたのだった。
円のカフェは、こじんまりとした、それでいて瑛子にとって、とても居心地の良い空間だった。また夜も遅くまでやっているので、いつしか、瑛子にとってお気に入りの行きつけの場所になっていった。
さて、この店で提供されるメニューは、店主自ら世界に旅に出て、気に入ったものを再現して、提供されているもので、瑛子も店に訪れるたび、新作を口にすることができ、それも楽しみの一つ。
そして、瑛子の身の回りで、あるいはカフェのお客さんの会話などの中から、誰にでも起こりうるようなちょっとした問題を、円と二人で、その当事者に寄り添いながらやさしくときほぐしていく短編集。
街中で、カフェ・ルーズのような、店主とお客さんが近いお店は、少なくなった。カウンター越しで、時には話を聞いてもらったり、ゆっくりと一人でコーヒーを飲んだり、そんな落ち着いてすごせるカフェが近くにあればいいなと思った。
派手な事件が起こったりするわけではないが、短編それぞれにとり上げられている問題は、日常的に誰にでも起こりえるような内容なので、感情移入がしやすく、とても読みやすく、内容も面白かった。
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ああ、そうだ。世界はそんなふうに、ちょっとしたことで変わって見えるのだ。
急に、この先の人生が楽しみになった。(p.255)
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知らない本だったけど、装丁がかわいくて手に取っちゃいました
ごはんの描写がたまらんでした!読んでるだけで食べてないのに、あったかくて沁みた〜
私も、思い切って今の環境選んだので。
だからこそ世界は広い、でも、どこにでも行けるしなんとかなる、って実感してて。
いろんなことを先延ばしにしてたゆたっている自覚もあるけど、ただ私には、いつでも帰れる実家があるのが本当に救いです。ありがたいなぁ。
人生、やっぱり、飛び出してみないとわからないよね!大きい一歩だろうが小さい一歩だろうが!やっぱり!
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面映い(おもはゆい)・・・照れくさい -
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ネタバレビストロ「パ・マル」シリーズ。
音楽の難関高に合格したものの、肌の色や差別に悩む少女が食べたクスクス料理。
コロナ禍で客足が減ったパ・マルでもテイクアウトを始めて、それを1人で買いに来る少年の将来の夢。
お店で料理教室を行い、タジン料理について話したときの1人の男性生徒の偏見。
鶏肉料理のフリカッセを作った女性が、ある日を境に手の込んだ料理も掃除も最低限しかしなくなった理由。
互いの本当の自分を偽っていた故に、プロポーズに失敗してしまった2人の恋の行方。
三舟シェフの知り合いの羽田野さんの部下の悩み、現地で修行していない負い目。現代だからこそ、その土地で手に入る食材。
待遇はいいのに離職率が高い店の経営者と働く人たちの料理に対する溝。
このシリーズ好き。フリカッセ食べたい。 -
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旅行記のエッセイかのようにスラスラ読みやすい。
主人公の新米・旅行添乗員のことを応援したくなる。
ツアー客が旅行を楽しめるように手を尽くしてくれる主人公は本当に素敵。
仕方のないトラブルで添乗員に八つ当たりしたり、団体行動なのに身勝手な言動をしたり、色々なツアー客を相手にしなくてはいけない添乗員の仕事はとても大変そう。
「頑張るのが当たり前。気を遣うのが当たり前の仕事だというのはわかっている。」
という主人公の言葉にある通り、頑張っていることは当たり前として誰からも褒められることも評価されることもなく、何か問題が起きた時だけ責められるというのは他の仕事でもあるあるだけれど、やっぱり切ないよね。
頑張ってくれている人にきちんと感謝を伝えるようにしたいと思った。
スロベニアの首都リュブリャナに行きたくなった。
美しい街並みを実際に見てみたいなぁ。