近藤史恵のレビュー一覧

  • スティグマータ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    シリーズ第4作。

    手にする時間を完全に間違いました。

    読み始めたらやはり止まらない。

    結果、読み終えたのは平日の深夜3時です...

    もちろん明日(正確にはすでに今日)ももちろん朝から仕事です^^;

    でも仕方ないって思えてしまうぐらい本作もしっかり取り憑かれてしまいました。

    巻末に寄せられた川西蘭さんの解説がまた素晴らしく本シリーズを纏め上げてくれています。

    シリーズ第1作から主人公は白石誓。

    でもそれは白石の視点で語られた物語だということで、本シリーズ「自転車ロードレースの物語」。

    本作の舞台であるツールドフランスのレースを通じ、私自身も身近でレースを観戦するかもだけでなく、

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    2020年10月06日
  • サヴァイヴ

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    ネタバレ

    サヴァイヴ、即ち「生存」。今回は白石誓、伊庭、石尾が命と人生を賭けてロードレースに臨んだ内容だった。時速70キロで一気に駆け降りる下り、まさしく命懸けで、何人も怪我をし死亡している。これを恐怖と思った瞬間、真のロードレーサーではなくなる。この恐怖への回避がロードレーサーに付きまとうドラッグになるが、日本人の真面目な大和魂は本当に嬉しいし、誇りに思う。ロードレースはチーム戦であり、サポート役に徹することでサヴァイヴする者もいるが、そこで生じる葛藤や妬みをチーム内で消化しなくてはならない。本当に奥が深い。

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    2020年09月25日
  • スティグマータ(新潮文庫)

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    全シリーズを読んでるけど、こんなに面白い小説あるん?ってくらい大好きなシリーズ

    ロードレースに興味湧くし、自転車欲しいしって影響されまくり

    とにかくこのシリーズ沢山だしてほしい!

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    2020年07月05日
  • 演じられた白い夜

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    ネタバレ

     演劇でミステリをやることの困難の一つは、役者の格で犯人が分かってしまうことだ。そう考える小劇場界の鬼才・匠は畑違いの人材ばかり集めた劇の稽古を人里離れた山荘で始めた。名前ばかりだが、彼の妻で名の知れた女優の麻子も彼に命じられて稽古に参加する。しかし劇の中の孤立した島で殺された女役の女優が山荘でも怪死を遂げる。山荘自体も雪に閉ざされて、孤立してしまった。そして劇の内容をなぞるような連続殺人が始まった……。
     二重のクローズドサークル、劇を見立てるかのような実際の殺人、鮮やかな(雪の)密室トリック。ミステリとしても完成度は高いけれど、それより作者の関心はすれ違う愛の悲劇を描くことにある(はず)。

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    2020年06月29日
  • 寒椿ゆれる~猿若町捕物帳~

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    ネタバレ

    千蔭さんの朴念仁ぶりでだんだん梅ヶ枝がかわいそうになってきますねw
    大石さんの「自害するぞ!」×2にめちゃくちゃ笑ってしまった

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    2019年12月27日
  • [新版]モップの精は旅に出る

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    キリコちゃんと出会って、6年。
    たくさんいろんなことがありました。
    母が逝き、今までは私の役目ではなかった場所の掃除もするように。

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    2019年04月08日
  • 岩窟姫

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    内容はヘビーな問題ばかりで気が滅入るけど そこはさすが近藤史恵。すんなりとスッと入って さらっと読めるストーリー展開で一気読み。
    それにしても斎木って そういう人だったのねー。
    ってことは コンビニで会ったのは偶然じゃなかったってこと?最後のどんでん返しは ハッピーエンドというには 重すぎるケド。
    蓮美 沙霧 チホ 3人三様だけど 脇役のチホが1番イキイキ描かれていたような。
    それにしてもネットってこわいねー。

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    2019年03月06日
  • エール!(1)

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    大崎梢さん、平山瑞穂さん、青井夏海さん、小路幸也さん、碧野圭さん、近藤史恵さん。
    どれも初めての作家さんだったけど、それぞれ小さい苦労をしながら頑張っている女性たちが描かれていて、たくさんの元気がもらえた感じ。
    中でもスポーツライターの話は好きだったかな。

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    2018年10月12日
  • 昨日の海は

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    田舎に暮らす主人公の家に母の姉と八歳の娘がやってきて一緒に暮らすことになる。
    叔母により写真家であった祖父とそのモデルをしていた祖母の死の謎を知らされ、それを主人公が紐解いていくミステリー。

    祖父母の死の真相は少し重たいのですが、作者の文章や視線、登場人物達がとても優しいので読み終わると暖かい気持ちになれました
    主人公の成長も良かった。
    優しい人間になりたい。

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    2018年09月11日
  • 二人道成寺

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    「ヴァンショー」「タルトタタン」で作者を知っていた私としてはサラッとした文章のイメージだったが、どうしてどうして…こちらが本性?というくらい熱く、語ってくれている。歌舞伎に惚れ込んでる感がビシビシ感じられて本当に読んでて楽しかった。名門の御曹司と一般のお家からの努力家が配されているけれど、わかり易い対決ではなく、きちんと「二人道成寺」に合わせて二人が存在している。そして「摂州合邦辻」をなぞって進むことにより、御曹司芙蓉さんの奥さま美咲さんの心情が響くのがたまらない。これを読んで、この2作の歌舞伎を観たらものすごくわかって面白いと思うほど。これは本当に良かった!

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    2018年02月06日
  • 茨姫はたたかう

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    大雑把にいってしまえば。
    だいたいにおいて、女性の方が男性に対して愛してるって聞くわけだ。まぁ逆バージョンは気持ち悪いしね。それだけ女性の方が愛されているかって事に敏感なんだろうなぁ。
    でも愛されてるかって言っても分からんよね。本当に私の事愛してるの?って聞かれて、男が、もちろん愛してるよ、って答えたとしようか。じゃあこれは本当に愛してるかなんて分からんよね。いやもう面倒だわーって思って答えてるかもしれんし、真面目に答えてるかもしれんし。ともかくこういう質問が女性から来た時点でもうアカンというか。
    じゃあどうすりゃ良いのよって言われれば、愛されるよりも愛したいマジで by Kinki Kids

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    2018年01月25日
  • 寒椿ゆれる~猿若町捕物帳~

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    2015.2/2 シリーズ4作目。端からすれば娘とも見紛う身重の義母の体調を心から気遣ったり、降って湧いた縁談の相手おふくとのやりとり、窮地に貶められたライバルの同心の疑惑に奔走したり、浮世絵師の国克や女形役者巴之氶付きの裏方与四郎の使い方などなど、ここまできて今作が一番面白かった!

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    2018年01月09日
  • 胡蝶殺し

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    面白くて ぐいぐい引き込まれた。
    繰り返し何度も読んだ。
    読むたびに面白さが増す。涙が出た。
    近藤史恵は好きな作家だし この人の描く歌舞伎ものも好きで読んできたけど その中でも1番面白かった。
    それぞれのキャラクターが秀逸。
    途中読むのが切なくなるほど 秋司は運命に翻弄されるが
    話はハッピーエンドで終わり ホッとする。
    この先 秋司の歌舞伎役者としての人生はまだまだ苦難が続くだろうが 長くそしてハッピーエンドで終わることを祈る。

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    2018年01月07日
  • エデン

    購入済み

    心地よい世界

    サクリファイスを読んだ翌日にこの続編を読みました。舞台がヨーロッパにうつり、また新たな登場人物がたくさん出てきますが、嫌みのない好感の持てるキャラクターばかりで、この本の世界にひたっていたくなります。また続きが読みたくなる作品です。

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    2017年11月05日
  • サクリファイス

    購入済み

    一気に読みました

    スポーツ物は苦手なのでどうかなぁと思いましたが評価が良かったので読んでみました。
    話のほとんどがレース中の話でしたが、小難しい解説が入ることもなく、スラスラと読めました。途中からはミステリーの要素で満たされて、主人公のキャラクターも好感が持てるので一気に読み終えてしまいました。
    読み終えて、スポーツに興味のないわたしでも、今はロードレースがどんなものか映像でも見てみたいと思いました。

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    2017年11月04日
  • ほおずき地獄~猿若町捕物帳~

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    猿若町捕物帳シリーズ、第2弾。
    「にわか大根」から先を読んでしまってから、第一弾の「巴之丞鹿の子」を読んだので、これを持って、シリーズ全部つながったことになる。
    ずいぶん間があいて、人間関係を忘れてしまっていたので、ちょうど良かった。
    お駒さんのこと、途中から記憶がよみがえりつつありましたが…

    第一弾と同様、本筋の話の間に娘の一人称の話が挟まれる。
    読み進むうちにだんだんと感情移入していくので、やりきれなくなったけれど…

    長く閉じ込められていた者にとって、自由は何物にも代えがたい。
    解放されたことで生きていけなくなる者もあるが、どちらになるかは魂の強さ弱さによるのだろう。
    魅力的なシリーズ

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    2017年07月09日
  • エール!(1)

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    働く女子へのエールを描いた小説。

    凹んだり、働くって大変そうだなって
    思った時にそんなことないよと
    背中を押してくれる読後感の良い小説。

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    2017年05月24日
  • 賢者はベンチで思索する

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    びっくりするぐらいに久里子の考えているところに共感してしまった。
    どうありたいのか、どこにいきたいのか答えに迷っている感じに分かる、と頭を抱えたくなった。
    国枝さんはひたすらかっこいい。最後の落ちに驚いた。

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    2017年05月09日
  • シフォン・リボン・シフォン

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    人を大切に、とは日々思うことだけど、自分を大切に、とはそんなにいつもは思わない。
    この小説を読んで、自分を大切にしなきゃ、と思えた。

    乳がんの手術後、東京から故郷の地方都市に戻ってランジェリーショップを開いたオーナーのかなえ。地方にはなじまない輸入ものの下着が並ぶショップは、ネット販売があるから成り立つと言えるほど、訪れる客は少なかった。
    しかしその数少ない客は皆それぞれの屈託を抱えていて、レースやリボンで飾られた美しい下着に、優しく心をほぐされていく。

    綺麗な下着をつけていると、自分を大切に扱っているような気持ちになる。
    この小説の登場人物の1人が語った言葉について、しばし考えた。私も綺

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    2017年05月06日
  • 昨日の海は

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    東京から叔母と従姉妹がくることになった。一緒に暮らすという。戸惑いながら暮らす高校生の光介は、叔母から祖父母の死の真相を知らされる。

    面白かったです。
    光介目線で話が進むため、ドロドロしたものにならず、爽やかな青春物語風にまとまっていて、良かったです。

    真実のさらに先にあった本当の真実、それを乗り越えてきた光介の母の気持ちを思うと胸が苦しくなります。

    掘り出してしまった真実は、光介が大人になる過程では大事なものだったとは思いますが、それを知ったしまったことは、苦しんだであろう夢には知られないでいて欲しいと思います。

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    2017年02月05日