あらすじ
あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った、ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓(ちかう)は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。(解説・川西蘭)
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サクリファイスシリーズの5作品、ついに読破した。相変わらずサスペンス要素があり、面白かった。白石チカのぶれないアシストとしての姿が好き。ニコラやミッコなど、前のシリーズにでてきた仲間たちが沢山でてきて、良かった。
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サクリファイスから入って、このシリーズを読みました。
ヨーロッパでの戦いの中で主人公の心情やミステリー的な部分も含めて今回も楽しく、一気読みさせてもらいました。
自転車には通勤とサイクリング程度でレースには出たことはないですが、レースの緊迫感などは素人でも伝わってきます。
自転車にほぼ乗らない人でも小説として楽しめます。是非読んでもらいたい作品です。
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ツール・ド・フランスを舞台に深い心理描写と自転車レースの面白さを凝縮した快作。1作目の「サクリファイス」からの面白さは健在です。自転車レースの醍醐味は他のスポーツにはない特有のものだと感じる。レース中に相手選手と会話したりするのが戦略であったり友人としての激励であったり。チームでの役どころが決まっているものの、読者としては語り部である白石誓を内心応援するが、白石はプロとしてとても冷静であり、ストーリーになりがちな根性論は抑えられているところが好み。誰が優勝するのかがストーリーの軸となってはいるがいつもの如くミステリー要素もあり読者を楽しませてくれる。今回のミステリー要素は若干無理を感じたがそれでも納得はできた。総じて至福の読書体験でした。
白石は1作毎に年齢を重ね、その年ならではの物語を作って来た。次作では更に年季を重ねることとなりアシストとしての技量をどう表現するのか、また、戦友、アルギの妹であるヒルダとの絡みに期待したい。また、この気に過去作を読み直してみたいとも思った。
この本を読むとツール・ド・フランスが観たくなるが毎年見逃してしまう。。
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レースの展開と人間模様の思惑が絡んでいて、ロードバイクのレースの特殊なところが感じられた。主人公の姿勢は一貫していて好印象。次回作作ってくれ!
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楽しみにしていた近藤史恵さんの『サクリファイス』ロードレースシリーズ『スティグマータ』
初心者でもわかりやすいロードレース解説と過酷な世界、繊細に揺れ動く登場人物の心理描写、そこに交わるミステリー感、そして舞台のヨーロッパの風景が良い具合にマッチしていて、気に入っている
オランジュフランセのエース、ニコラのアシストとして総合優勝を狙う白石誓(チカ)達が、世界中の注目を集める最も名誉ある自転車ロードレース『ツール・ド・フランス』真夏の三週間に挑む
日本からヨーロッパにやってきた伊庭、怪しい動きの元ドーパーメネンコ、そしてメネンコの周りでの不穏な空気の中、過酷なレースは始まる
ロードレースの集団は一つの社会であり、20チーム180人の選手の中で繰り広げられる長時間に渡る心理戦でもある
死や怪我がいつも隣に当たり前のように居合わせている過酷な世界
その一方で石畳のコースや山岳コース、平坦コースなどがあり、ヨーロッパの風景や気候を想像しながら読むのも楽しみの一つである
本文抜粋
「アシストはエースを優勝させる為に頑張る。チームで戦うのに、名前が残るのは総合優勝した個人名だけ。たとえ優勝した選手をアシストしていても忘れ去られてしまう」
これがチカの仕事。。。このシリーズを読むたびに、仕事だからしょうがないじゃん!とは割り切れない複雑な気持ちになる
まるでチカの親になった気分になってしまう
驚いたのはチカも伊庭も30歳になってた!
あと5年この世界で走れればいい方だろうなどと寂しい事を言う
時が過ぎるの早過ぎでしょう?
もっとゆっくりチカのロードレースの世界に浸っていたい。。。
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サクリファイスシリーズ第5弾!
一応最終話?
いつもの登場人物に戻り、主人公のチカはヨーロッパでプロとして数年経過した設定になります。
もう読んでる最中からハラハラドキドキ。
展開も面白いし、チカの心理描写も面白い。
とても素晴らしい作品に出会えました!
自転車好きな人にはもちろん、自転車に興味ない人にも面白い本だと思います。
超オススメ!あー、ロスになるなぁ…
Posted by ブクログ
サクリファイスシリーズのこの最新作まで一気に読んだけど、これほどロードレースとミステリーが親和性が高いと思わなかった❗️ロードレース自体に臨場感があり、あえてアシスト役をストーリーの主軸にすえてレース全体が見渡せるように描写するなんて、上手いっ❗️
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ようやく読むことができた。ツールドフランスを知り尽くしてないと、書けないと思った。自分のストーリーは歴史に名を刻まず、アシストに徹するって、なかなかできないことだし、考えさせられる展開でした。
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いやー面白い、ツールを観戦している気になる。
自転車走らせながら動く選手たちの心理描写や表現が巧くて柔らかい。自転車乗りでなくても楽しい。
さらにこのシリーズは、タイトルや人物を絡めて作中で謎がもたげるためミステリー要素もある。
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シリーズ第4作。
手にする時間を完全に間違いました。
読み始めたらやはり止まらない。
結果、読み終えたのは平日の深夜3時です...
もちろん明日(正確にはすでに今日)ももちろん朝から仕事です^^;
でも仕方ないって思えてしまうぐらい本作もしっかり取り憑かれてしまいました。
巻末に寄せられた川西蘭さんの解説がまた素晴らしく本シリーズを纏め上げてくれています。
シリーズ第1作から主人公は白石誓。
でもそれは白石の視点で語られた物語だということで、本シリーズ「自転車ロードレースの物語」。
本作の舞台であるツールドフランスのレースを通じ、私自身も身近でレースを観戦するかもだけでなく、そこに渦巻く選手やチーム関係者の心の中を見通す不思議な力を得ていた。
本当にステキな作品です。
しかも本作で登場したチームメイトの妹であるヒルダの登場によってきっとこの先も白石視点での自転車ロードレースの物語は語り継がれていくのだろうと思えました。
近藤先生、まだまだ続編を期待していますよ。
説明
内容紹介
あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った、ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。
内容(「BOOK」データベースより)
あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った。ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
近藤/史恵
1969(昭和44)年大阪府生れ。’93(平成5)年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
全シリーズを読んでるけど、こんなに面白い小説あるん?ってくらい大好きなシリーズ
ロードレースに興味湧くし、自転車欲しいしって影響されまくり
とにかくこのシリーズ沢山だしてほしい!
Posted by ブクログ
白石誓
オランジェフランセ所属。
パトリシア
白石が住む家の大家。六十代の女性。会計士。
伊庭和実
白石とは日本で二年間同じチームで走った。今年、イタリアのコンチネンタルチームに移籍したが、フランスの新しいチーム・ラゾワルに移籍。
ドミトリー・メネンコ
ソ連が残した最後の至宝と呼ばれた選手。ドーピングで告発され、全ての記録の剥奪と、二年間の出場停止処分を受けた。ラゾワルで復帰。
ピヴォー
ラゾワルの監督。
ニコラ・ラフォン
オランジェフランセに移籍。三年前のツールで衝撃的なデビューを果たし、新人賞を目と前にしながらトラブルでツールを去った。
トラマ
オランジェフランセの監督。
アイトール
オランジェフランセの選手。ベテラン選手。
ジュリアン
オランジェフランセの選手。今年プロになったばかり。
イバイ
オランジェフランセの選手。
アンリエッタ
オランジェフランセの女性マッサー。
アントニオ・アルギ
オランジェフランセの選手。三十五歳。
ミッコ・コルホネン
以前、白石と同じチームだった。サポネト・カクト。
レナ
ミッコの妻。
アキ
ミッコの息子。
ラス・ウィルソン
メネンコがドーピングをしていると告発した。チーム・ラゾワル。
マルティン
オランジェフランセの選手。
ジェレミー・イェン
香港出身の若いプロ選手。チーム・ラゾワル。
里中幸太
ジャーナリスト。
ヒルダ
アルギの妹。
ハビエル・レイナ
アルギの妹。
オリビエ
オランジェフランセのメカニック。
アルチュール
オランジェフランセの選手。ニコラとは前のチームでも一緒だった。
ドニ・ローラン
ニコラのチームメイトであり、親友だった。三年前のツールの最中、事故で命を落とした。
モッテルリーニ
イタリア人選手。何年か前まではエースとして優勝争いに何度も絡んだ選手。今はアレジオ・ネーロでアシストをやっている。
セルゲイ
オランジェフランセの選手。
ヨナス・ハーマン
ITTレーシングチームの選手。
ニック
オランジェフランセの選手。
マーシェル
メネンコのチームメイト。
ダロワ
ベルギーのスプリンター。
アンドレア・ベレンソン
サポネト・カクトの若手選手。
ジェフリー
オランジェフランセのマッサー。
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勝負の世界の引き際を考えさせられる作品だったのかな。ドラマチックな結末は人の記憶に残りやすいと思ったのかもしれないけど、あくまで偶然のドラマだからより鮮明に記憶に残るんじゃないかな、真実がどうかは別にしてドミトリーめ、でした。
伊庭さんて良い人じゃないか!味噌汁あげるなんて(笑)
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もう続編は出ないのかな。
こんなに面白くてドキドキさせてくれるスポーツ小説に出会えて良かった。
レース中の駆け引きや疾走感溢れる描写には興奮させられる。
敵でありながら協力し合う関係性も良い。
あと何といってもキャラが良い。
白石、伊庭、ミッコ、ニコラ、アルギ、メネンコ。
それぞれの思惑や背景がこの作品に奥行きを与える。
自転車ロードレースに魅了された男達の物語には、毎度のことながら胸が熱くなる。
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白石誓が主役に戻ってきた。大和魂を体現化したような白石だから海外で頑張っている姿がより応援したくなんだと思う。同じ日本人でも伊庭のように我が道を行く一匹狼より、誰とでも仲良く、でも女性には奥手で、献身的にチームやエースに尽くしてそしてそれに意義を見出せる白石をきらいになる人はいないだろうな。次回作出ないのかな?
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サクリファイスシリーズ第5弾。第4弾のキアズマは2年前に読んだ。チカがヨーロッパでロードレースに参加し始めてから5年。伊庭もヨーロッパにやってきた。伊庭のイメージで周りとうまくやれないような感じだったが、チカの下宿のパトリシアへの挨拶はスマートでかっこよさそう。
ツールが始まり、メネンコの周りでは不穏な空気が?!結末はちょっと濁された感があるが、最終的にはアルギやウィルソンが大事を起こさなくてよかった。
Posted by ブクログ
サクリファイスから読んでると、チカが大人になってるー!もう何年もヨーロッパにいるのすごい!とかいう身内気分に(笑) ステージ優勝目前にしても、徹底してアシストでいられることに尊敬する。エースのアシストとして覚えられる存在ではないけど、ニコラの物語もミッコの物語も体験できる、アシストのチカの物語にわたしたちは夢中にさせられました!
Posted by ブクログ
シリーズ4作目。
だんだんとなじみのある登場人物が増えていくのは嬉しいものです。
はじめは新人だった白石誓も、もう歳をとったのだなと感じました。
一年ごとに違うチームと契約し、国内海外問わず拠点を変え、またレース中も何百キロもの移動を繰り返す…ロードレーサーの人生。
自分の人生では全く想像できませんが、安定した生活を捨てるほど、「自転車」に魅力を感じたのだなと思うと、少し羨ましくもなりました。
スポーツ小説、またミステリーとしても楽しめる一冊です。
Posted by ブクログ
謎解き(?)の最後、というか答えが、あまりに突然来た上にあまりに短くて、「エッ?」と声が出た。
驚くほど嫉妬心がなく、いい人の典型だった誓が、ピークをすぎつつある中で、元チームメイトの登場に心を乱していて、人間そういうものだよなー、と思わされた。
女っ気がなかった誓。今回はうまくいくといいな。
そして、メネンコには天罰を。
Posted by ブクログ
サクリファイスシリーズ4作目。ツール・ド・フランスとはこういうものなのか!と思わせる作品。ニコラとチカがついに同じチームで参戦。チカはニコラのアシストに徹底して、総合優勝目指して走る!
クロスバイクに乗ってますが、ロードバイク がほしくなる作品です!続編が出て欲しい!
Posted by ブクログ
近藤史恵「スティグマータ」、シリーズ№5、394頁、2016.6刊行、2019.2文庫。クライマー白石誓(ちかう)(通称チカ)は30歳に。オランジュフランセに所属。今回はアントワープからスタートするツール・ド・フランス。ドーピングで失格になったドミトリー・メネンコ37歳と誓のチームメイト、アントニオ・アルギ35歳の確執がテーマ。メネンコはドーピングだけでなく、アルギの妹ヒルダへの薬使用と強姦の「汚名」が。
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自転車ロードレース×ミステリーの傑作シリーズ第5作。おそらく最終作。毎年、ツールドフランスの時期に読み返したくなります。
近藤先生、そろそろ続編をお願いします。もう書かないかな。
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ロードレースを主題とする小説が少ないから手に取っているんじゃない。 近藤さんが描く自転車競技の世界がとても臨場感に溢れ、さも自分がレースに参加しているような一体感が好きで読ませていただいている。 続編が楽しみ・・・。(o^^o)v
Posted by ブクログ
自転車ロードレースの世界に魅了されてしまいました。チームでトップを勝ち取る戦略がチームプレイを好む日本人に合ってると思います。また、感情の繊細な揺れや心の平穏を保つためのメンタルコントロールについても興味を持ちました。スポーツは、体力と精神力が両輪でなんだと改めて感じました。たまたま本書を読み始めますましたが、4作目なんですね、1作目からリスタートしたいと思います。
Posted by ブクログ
サクリファイスシリーズ、何度でも読み返したい。スポーツとミステリの鮮やかな融合、そして人間、のドラマ。ちょうど映画「フォードvsフェラーリ」を観たあとだったこともあり、速さへの希求、失えない喪われた人、たちのことをぼんやりと考える。