【感想・ネタバレ】スティグマータ(新潮文庫)のレビュー

あらすじ

あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った、ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓(ちかう)は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。(解説・川西蘭)

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ネタバレ

ツール・ド・フランスを舞台に深い心理描写と自転車レースの面白さを凝縮した快作。1作目の「サクリファイス」からの面白さは健在です。自転車レースの醍醐味は他のスポーツにはない特有のものだと感じる。レース中に相手選手と会話したりするのが戦略であったり友人としての激励であったり。チームでの役どころが決まっているものの、読者としては語り部である白石誓を内心応援するが、白石はプロとしてとても冷静であり、ストーリーになりがちな根性論は抑えられているところが好み。誰が優勝するのかがストーリーの軸となってはいるがいつもの如くミステリー要素もあり読者を楽しませてくれる。今回のミステリー要素は若干無理を感じたがそれでも納得はできた。総じて至福の読書体験でした。
白石は1作毎に年齢を重ね、その年ならではの物語を作って来た。次作では更に年季を重ねることとなりアシストとしての技量をどう表現するのか、また、戦友、アルギの妹であるヒルダとの絡みに期待したい。また、この気に過去作を読み直してみたいとも思った。
この本を読むとツール・ド・フランスが観たくなるが毎年見逃してしまう。。

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2025年05月06日

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ネタバレ

ようやく読むことができた。ツールドフランスを知り尽くしてないと、書けないと思った。自分のストーリーは歴史に名を刻まず、アシストに徹するって、なかなかできないことだし、考えさせられる展開でした。

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2022年04月17日

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ネタバレ

シリーズ第4作。

手にする時間を完全に間違いました。

読み始めたらやはり止まらない。

結果、読み終えたのは平日の深夜3時です...

もちろん明日(正確にはすでに今日)ももちろん朝から仕事です^^;

でも仕方ないって思えてしまうぐらい本作もしっかり取り憑かれてしまいました。

巻末に寄せられた川西蘭さんの解説がまた素晴らしく本シリーズを纏め上げてくれています。

シリーズ第1作から主人公は白石誓。

でもそれは白石の視点で語られた物語だということで、本シリーズ「自転車ロードレースの物語」。

本作の舞台であるツールドフランスのレースを通じ、私自身も身近でレースを観戦するかもだけでなく、そこに渦巻く選手やチーム関係者の心の中を見通す不思議な力を得ていた。

本当にステキな作品です。

しかも本作で登場したチームメイトの妹であるヒルダの登場によってきっとこの先も白石視点での自転車ロードレースの物語は語り継がれていくのだろうと思えました。

近藤先生、まだまだ続編を期待していますよ。

説明
内容紹介
あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った、ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。
内容(「BOOK」データベースより)
あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った。ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
近藤/史恵
1969(昭和44)年大阪府生れ。’93(平成5)年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2020年10月06日

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ネタバレ

白石誓
オランジェフランセ所属。

パトリシア
白石が住む家の大家。六十代の女性。会計士。

伊庭和実
白石とは日本で二年間同じチームで走った。今年、イタリアのコンチネンタルチームに移籍したが、フランスの新しいチーム・ラゾワルに移籍。

ドミトリー・メネンコ
ソ連が残した最後の至宝と呼ばれた選手。ドーピングで告発され、全ての記録の剥奪と、二年間の出場停止処分を受けた。ラゾワルで復帰。

ピヴォー
ラゾワルの監督。

ニコラ・ラフォン
オランジェフランセに移籍。三年前のツールで衝撃的なデビューを果たし、新人賞を目と前にしながらトラブルでツールを去った。

トラマ
オランジェフランセの監督。

アイトール
オランジェフランセの選手。ベテラン選手。

ジュリアン
オランジェフランセの選手。今年プロになったばかり。

イバイ
オランジェフランセの選手。

アンリエッタ
オランジェフランセの女性マッサー。

アントニオ・アルギ
オランジェフランセの選手。三十五歳。

ミッコ・コルホネン
以前、白石と同じチームだった。サポネト・カクト。

レナ
ミッコの妻。

アキ
ミッコの息子。

ラス・ウィルソン
メネンコがドーピングをしていると告発した。チーム・ラゾワル。

マルティン
オランジェフランセの選手。

ジェレミー・イェン
香港出身の若いプロ選手。チーム・ラゾワル。

里中幸太
ジャーナリスト。

ヒルダ
アルギの妹。

ハビエル・レイナ
アルギの妹。

オリビエ
オランジェフランセのメカニック。

アルチュール
オランジェフランセの選手。ニコラとは前のチームでも一緒だった。

ドニ・ローラン
ニコラのチームメイトであり、親友だった。三年前のツールの最中、事故で命を落とした。

モッテルリーニ
イタリア人選手。何年か前まではエースとして優勝争いに何度も絡んだ選手。今はアレジオ・ネーロでアシストをやっている。

セルゲイ
オランジェフランセの選手。

ヨナス・ハーマン
ITTレーシングチームの選手。

ニック
オランジェフランセの選手。

マーシェル
メネンコのチームメイト。

ダロワ
ベルギーのスプリンター。

アンドレア・ベレンソン
サポネト・カクトの若手選手。

ジェフリー
オランジェフランセのマッサー。

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2025年03月05日

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ネタバレ

サクリファイスから読んでると、チカが大人になってるー!もう何年もヨーロッパにいるのすごい!とかいう身内気分に(笑) ステージ優勝目前にしても、徹底してアシストでいられることに尊敬する。エースのアシストとして覚えられる存在ではないけど、ニコラの物語もミッコの物語も体験できる、アシストのチカの物語にわたしたちは夢中にさせられました!

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2022年10月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

謎解き(?)の最後、というか答えが、あまりに突然来た上にあまりに短くて、「エッ?」と声が出た。
驚くほど嫉妬心がなく、いい人の典型だった誓が、ピークをすぎつつある中で、元チームメイトの登場に心を乱していて、人間そういうものだよなー、と思わされた。
女っ気がなかった誓。今回はうまくいくといいな。
そして、メネンコには天罰を。

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2021年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 近藤史恵「スティグマータ」、シリーズ№5、394頁、2016.6刊行、2019.2文庫。クライマー白石誓(ちかう)(通称チカ)は30歳に。オランジュフランセに所属。今回はアントワープからスタートするツール・ド・フランス。ドーピングで失格になったドミトリー・メネンコ37歳と誓のチームメイト、アントニオ・アルギ35歳の確執がテーマ。メネンコはドーピングだけでなく、アルギの妹ヒルダへの薬使用と強姦の「汚名」が。

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2023年11月25日

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