近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
主人公の一人称の視点で語られる物語です。
とても面白かったですが、私は初読み作家さんなので、他の作品も全部こういう感じなのかどうかはよくわかりません。
三笠南は病院のベッドで目覚めますが何も思い出せません。
看護師さんに呼ばれて初めて自分の名前を知り、26歳で夫の慎也と今年の四月に結婚したばかりであり、夫の家に夫と義母と義姉の祐未と同居していたことを知ります。
だけど、南は妹の小雪のことは思い出せますが、夫ではない他の男性のことを思い出してばかりで、本当に夫とは愛し合って結婚していたのか疑問を持ちます。
何とか妹の小雪と二人で過ごす時間を作り、昔自分が他に好きだった男性はいなかったのか聞 -
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自分を粗末にしないこと。
自己肯定感の低さからか依存症に苦しむ女性たちが、整体師などが契機となり再生していく物語。この中にミステリーが…本当に素敵なお話でした。シリーズの他の本も読んでみようと思います。
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題名や装丁の雰囲気からホラーかなと思いましたが、ミステリになるのかな。
殺人ミステリですが、関係者の行動が少々荒唐無稽で、ともすると違和感ありまくりのストーリーになる所が、すっと自然に入ってきて先が気になりどんどん読み進んでしまいます。
近藤史恵さんの作品は、突拍子のない要素が含まれていても違和感を感じさせずスッと入ってくる作品が多いなと感じます。そこが好きです。
本作の主人公は 1960 年代後半生まれのようですが、同世代でなくても十分楽しめると思います。
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教師をしています。今の学校の描写とあまりに違い、驚きました。では、内容の感想を書きます。
クラスの子には「彼氏はいない」って言う。悪いことじゃないんだけどめんどうくさいから。学区内のスーパーに行って、クラスの子にだけは会いたくないって思っていると、何故か会ってしまう。なぜだろう。
この本はそんな感覚です。何十年にわたる話ですし、舞台も団地・大阪・東京・福岡と点々としているのに、ずっと3人が絡み合っていく。3人と『死』というものが、ですね。人間、意識しているとだめです。普通に生きていれば、そう簡単に『死』に直面することないと思うんです。1回目の死だけで済んだんじゃないかって思ってしま -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白くてスラスラと読み進めた。
女性の三角関係を描いた物語は初めてだったので新鮮でドキドキした。
作家の才能に溢れいるのに、自分の容姿に自信がない初芝は、咲子というアバターを利用して本当の姿を隠しながら作家活動をしている。自分の姿を曝け出せずにいる蛹だった。
物語が進むうちに、咲子も自分の容姿のせいで辛い人生を送ってきたことが明らかになる。美しい容姿を有しているが他に才能なさがないと思っている彼女は、誰かに依存(寄生)しないと生きていけない。自分がしたいことをする、自由な生き方がわからない蛹だ。
一方主人公の妙は容姿端麗、本も売れ続けていて作家として活躍している。彼女の目線で蛹たちがどう -
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満足
3作目も安定の面白さで満足しました。ラストのお嬢様の話はヴァン・ショーはふるまわれるものの もう少し救いが欲しかったけれど。逆にタルタルステーキは想像していた結末と違ってびっくり。そうか…そういったこともあるよな…という誰が悪いとかいう結末じゃなく優しい着地点をもった筆者の作品らしくて好きでした。 次作も待ちどおしいです。あとがきによればパ・マルもテイクアウトを始めるそうな
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購入済み
タイトルが気になって購入。
ちょっとモヤモヤする内容だったけど、近藤史恵さんの文章ってほんと読みやすい! だから次から次に手を伸ばしちゃうんだよな~。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ※登録したのは文庫版だけど読んだのはカッパノベルス版(2002.10.25)
すごくグサグサと刺さる話だった。今は結構客観的に読めたけど、登場人物たちの年代の頃、学生時代〜20代って1番色々苦しかった気がするし、出版された時に読んでいたらかなり辛かったか、逆に救われたかもしれない。
作中の言葉「愛情という形で押しつけられるものは、拒むことができない」ってその頃一番言って欲しかったような気がする。
カバー見返しの「著者のことば」
どんなに平凡に見えたり、幸福そうに見える日常にも、
痛みは必ず潜んでいるものだと思っています。
それをうまくやりすごせることが、
大人になることなのかもしれません