近藤史恵のレビュー一覧

  • [新版]天使はモップを持って

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    近藤史恵さんの作品を続けて読んでいる。怪事件、お悩み解決のちょい軽ミステリー。
    とある会社の新人社員と掃除人キリコが事件を追う。他作品同様に短編オムニバス形式でとても読みやすく面白い。
    最後の介護の話は少し考えさせられる。
    シリーズになっているようで続きが楽しみ。

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    2021年08月29日
  • わたしの本の空白は

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    主人公の一人称の視点で語られる物語です。
    とても面白かったですが、私は初読み作家さんなので、他の作品も全部こういう感じなのかどうかはよくわかりません。

    三笠南は病院のベッドで目覚めますが何も思い出せません。
    看護師さんに呼ばれて初めて自分の名前を知り、26歳で夫の慎也と今年の四月に結婚したばかりであり、夫の家に夫と義母と義姉の祐未と同居していたことを知ります。

    だけど、南は妹の小雪のことは思い出せますが、夫ではない他の男性のことを思い出してばかりで、本当に夫とは愛し合って結婚していたのか疑問を持ちます。

    何とか妹の小雪と二人で過ごす時間を作り、昔自分が他に好きだった男性はいなかったのか聞

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    2021年07月16日
  • サヴァイヴ

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    私は、好き。
    これまで読んだシリーズの中で一番好きな「サクリファイス」に出てきた石尾さんの若かりし時代が知れたことが嬉しい。
    赤城さんとの知られざる友情、石尾さんがエースとしての自覚に目覚めた瞬間は、サクリファイスファンとしては嬉しかった。

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    2021年07月04日
  • [新版]天使はモップを持って

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    ネタバレ

    清掃人探偵シリーズ
    この短編集で大介とキリコが結婚まで辿り着くとは思わなかった。
    登場人物に可愛い又は綺麗な女性の比率が高いことにも驚いた。

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    2021年06月29日
  • カナリヤは眠れない

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    自分を粗末にしないこと。

    自己肯定感の低さからか依存症に苦しむ女性たちが、整体師などが契機となり再生していく物語。この中にミステリーが…本当に素敵なお話でした。シリーズの他の本も読んでみようと思います。

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    2021年06月16日
  • 三つの名を持つ犬〈新装版〉

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    ネタバレ

    ほんの少し望みすぎたせいで歯車が狂い始め、ジェットコースターのように犯罪を重ねていく姿が、妙にリアルでスリリング。
    ルッキズムや若者の貧困などイマドキな問題をさりげなく織り込みながらも、これは自分に起こりうることかもという微妙なラインを超えないところがすごい。「罪と罰」を読んでいるとき自分が当事者になったような気持ちで胃がきゅぅ~っと痛くなった、あの感じを思い出した。

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    2021年05月23日
  • インフルエンス

    購入済み

    題名や装丁の雰囲気からホラーかなと思いましたが、ミステリになるのかな。
    殺人ミステリですが、関係者の行動が少々荒唐無稽で、ともすると違和感ありまくりのストーリーになる所が、すっと自然に入ってきて先が気になりどんどん読み進んでしまいます。
    近藤史恵さんの作品は、突拍子のない要素が含まれていても違和感を感じさせずスッと入ってくる作品が多いなと感じます。そこが好きです。
    本作の主人公は 1960 年代後半生まれのようですが、同世代でなくても十分楽しめると思います。

    #切ない

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    2021年05月06日
  • ふたつめの月

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    今回も面白かった。前作では国枝老人が謎を解いてくれたイメージだけど、今回は久里子が国枝老人のヒントをもとに自分で答えを見つけていった印象が強い。久里子の素直さがかわいい。読みおわったときに前向きな気持ちになれる良い作品でした。

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    2021年04月26日
  • 賢者はベンチで思索する

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    初めてこの方の作品を読んでみたけど、すごく面白くてあっという間に読み終わった。ミステリーだけど家族愛や恋愛など色んな要素が入っているのもよかったし、おじいさんの正体や誘拐の理由など、謎自体も面白かった!

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    2021年04月23日
  • 三つの名を持つ犬〈新装版〉

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    ほんわかした内容の小説かと思って読み進めてみると、あらぬ方向へ向かって物語は進行していく。
    とても気になる展開で、どんどん読み進めていった。

    犬と暮らす者として、都の感情や行動が理解出来る反面、何で…と疑問視してしまう面もあった。
    橋本や、橋本の妻には、軽蔑しかない。

    江口くん、都が出会ったことで、またササミが悲しい思いをする事なく、物語は終わったので良かった。

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    2021年04月17日
  • インフルエンス

    ネタバレ 購入済み

    教師をしています。今の学校の描写とあまりに違い、驚きました。では、内容の感想を書きます。

    クラスの子には「彼氏はいない」って言う。悪いことじゃないんだけどめんどうくさいから。学区内のスーパーに行って、クラスの子にだけは会いたくないって思っていると、何故か会ってしまう。なぜだろう。

    この本はそんな感覚です。何十年にわたる話ですし、舞台も団地・大阪・東京・福岡と点々としているのに、ずっと3人が絡み合っていく。3人と『死』というものが、ですね。人間、意識しているとだめです。普通に生きていれば、そう簡単に『死』に直面することないと思うんです。1回目の死だけで済んだんじゃないかって思ってしま

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    2021年04月11日
  • 夜の向こうの蛹たち

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    ネタバレ

    面白くてスラスラと読み進めた。
    女性の三角関係を描いた物語は初めてだったので新鮮でドキドキした。

    作家の才能に溢れいるのに、自分の容姿に自信がない初芝は、咲子というアバターを利用して本当の姿を隠しながら作家活動をしている。自分の姿を曝け出せずにいる蛹だった。

    物語が進むうちに、咲子も自分の容姿のせいで辛い人生を送ってきたことが明らかになる。美しい容姿を有しているが他に才能なさがないと思っている彼女は、誰かに依存(寄生)しないと生きていけない。自分がしたいことをする、自由な生き方がわからない蛹だ。

    一方主人公の妙は容姿端麗、本も売れ続けていて作家として活躍している。彼女の目線で蛹たちがどう

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    2021年04月04日
  • 三つの名を持つ犬〈新装版〉

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    人間、犯罪者になるならないなんて紙一重で、一歩踏み外したら簡単に落ちるとこまで落ちてしまうんだろう。取り返しのつかない、救いようのない展開……その割に読後感は悪くなかった。

    読みやすい文章。というか読ませる文章。
    表紙の犬が可愛いくてつい買ってしまったのだけれど、この作家さんの他の作品も読んでみたい。

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    2021年03月18日
  • アンソロジー 捨てる

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    全て描き下ろし作品と言う点も嬉しいですが、普段から読んでいる新津さん、松村さん、柴田さん、近藤さん以外の初読みの作家さんもいて新鮮でした。

    負けた人が秘密をバラして行く永嶋恵美さんの「ババ抜き」 終始ゾワゾワする松村比呂美さんの「蜜腺」 女の本音が描かれた近藤史恵さんの「幸せのお手本」など どの短編も切れ味が良く、印象に残りました。

    表紙の花と物語がリンクしていたり、フォントも少し大き目で読みやすかったです。

    新しいメンバーも加入されて今後も出版予定との事ですので楽しみが増えました。

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    2021年02月27日
  • 夜の向こうの蛹たち

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    こんな話だったとは。レズビアンサスペンスだった。レズビアンである小説家の妙は、美貌の新人小説家さなぎを紹介される。妙は、美しいさなぎよりも朴訥とした彼女の秘書、祐に一目惚れする。祐と親しくなりたい妙だが、やがて彼女たちに違和感を持ち始める。期待していたミステリー要素は途中で雲散霧消してしまったものの、かなり好きな話だった。妙・さなぎ・祐の3人の女性陣の対比に惹きつけられたし、始めは存在感の薄いさなぎが、最後まで読むとしっかり巻き返してきたのが意外で意表をつかれた。人を選ぶかもしれないが私は面白く読めた。

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    2021年02月22日
  • マカロンはマカロン

    ネタバレ 購入済み

    満足

    3作目も安定の面白さで満足しました。ラストのお嬢様の話はヴァン・ショーはふるまわれるものの もう少し救いが欲しかったけれど。逆にタルタルステーキは想像していた結末と違ってびっくり。そうか…そういったこともあるよな…という誰が悪いとかいう結末じゃなく優しい着地点をもった筆者の作品らしくて好きでした。 次作も待ちどおしいです。あとがきによればパ・マルもテイクアウトを始めるそうな

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    2021年02月15日
  • 夜の向こうの蛹たち

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    小説家2人とその秘書との女3人の恋物語。
    主人公、妙の素直な心情が痛く切ない。

    「いつも、わたしが誰かを本当に愛しはじめるのは、すべてが手遅れになってからなのだ」

    この気持ちはすごく分かる。

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    2021年01月11日
  • 私の命はあなたの命より軽い

    購入済み

    タイトルが気になって購入。
    ちょっとモヤモヤする内容だったけど、近藤史恵さんの文章ってほんと読みやすい! だから次から次に手を伸ばしちゃうんだよな~。

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    2020年12月19日
  • 青葉の頃は終わった

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    ネタバレ

    ※登録したのは文庫版だけど読んだのはカッパノベルス版(2002.10.25)

    すごくグサグサと刺さる話だった。今は結構客観的に読めたけど、登場人物たちの年代の頃、学生時代〜20代って1番色々苦しかった気がするし、出版された時に読んでいたらかなり辛かったか、逆に救われたかもしれない。

    作中の言葉「愛情という形で押しつけられるものは、拒むことができない」ってその頃一番言って欲しかったような気がする。

    カバー見返しの「著者のことば」
    どんなに平凡に見えたり、幸福そうに見える日常にも、
    痛みは必ず潜んでいるものだと思っています。
    それをうまくやりすごせることが、
    大人になることなのかもしれません

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    2020年11月10日
  • スティグマータ(新潮文庫)

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    いやー面白い、ツールを観戦している気になる。
    自転車走らせながら動く選手たちの心理描写や表現が巧くて柔らかい。自転車乗りでなくても楽しい。
    さらにこのシリーズは、タイトルや人物を絡めて作中で謎がもたげるためミステリー要素もある。

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    2020年10月07日