近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
だいぶ前に友人にお勧めされた一冊。軽やかな読み心地でありつつも、胸に刺さる部分もあり、ずっと本棚にさしておきたいと思った。
主人公・遥は、新人の旅行添乗員。海外の地でツアー客の安全を守るポジションなのに、派遣社員であるという事実に驚く。物語では一章ごとに現場をかさねていくのだが、ツアー客がなんというか、現代人の坩堝で遥の悩みに心底同情する。困った人にため息をつきつつも、その裏側も知ることで印象が変化することもあり。旅に出て「知らなかった側面を知る」というハッとする場面が、人間模様にも当てはまって、遥と一緒に成長していく気分にさせられるのだ。
この、「無知を知る」っていうこと、とても大事なのに現 -
Posted by ブクログ
猿若町捕物帳シリーズを読みたくて何冊か購入♪
近藤史恵さんの物語は好きで何作か読んでいるが、時代ものも現代ものも両方書けて、尚且つ面白いというのは才能豊かで凄いなぁと感心するばかりです。
感想は面白い!です。
登場人物像もわかりやすく、主人公は同心である玉島千蔭であり、その小者である主に語りの八十吉であり、でも歌舞伎役者の巴之じょうや花魁の梅が枝もなくてはならない。
千蔭の両親もまた大切なエッセンスであり…と書き出すと盛りだくさんな気がしますが、読んでいる時はそれを感じさせない近藤さんの筆力で私の脳裏に記憶されていきます。
今年の大河ドラマべらぼうを観ているせいか文中の町並みや吉原なども想 -
Posted by ブクログ
ネタバレずっと読んでいたいくらい好みの話だった。
世界は広いし私は自由だし、どこにだって行けるんだ!と気付いたときの幸せな気持ちって私にも覚えがある。
大人になれば、子供のようになんにもでなれるような希望はないけれど、私は私だけのものなんだ、自分の気持ちを大切にしたいと思えると一気に世界がキラキラするんだよね。
ただ眞夏さんがいい人すぎて、こちらの心が削られそう。
元夫最低だし、なんだかいい人に書かれている初音さんもなかなかのどす黒さをもった人だよね。
佐那ちゃんが、なんというか複雑な家庭で育ったが故のちょっとずれた物分りの良さというか…
元夫家庭の話題を極わずかにして、ただただ風待荘の日常の続