近藤史恵のレビュー一覧
-
購入済み
題名や装丁の雰囲気からホラーかなと思いましたが、ミステリになるのかな。
殺人ミステリですが、関係者の行動が少々荒唐無稽で、ともすると違和感ありまくりのストーリーになる所が、すっと自然に入ってきて先が気になりどんどん読み進んでしまいます。
近藤史恵さんの作品は、突拍子のない要素が含まれていても違和感を感じさせずスッと入ってくる作品が多いなと感じます。そこが好きです。
本作の主人公は 1960 年代後半生まれのようですが、同世代でなくても十分楽しめると思います。
-
ネタバレ 購入済み
教師をしています。今の学校の描写とあまりに違い、驚きました。では、内容の感想を書きます。
クラスの子には「彼氏はいない」って言う。悪いことじゃないんだけどめんどうくさいから。学区内のスーパーに行って、クラスの子にだけは会いたくないって思っていると、何故か会ってしまう。なぜだろう。
この本はそんな感覚です。何十年にわたる話ですし、舞台も団地・大阪・東京・福岡と点々としているのに、ずっと3人が絡み合っていく。3人と『死』というものが、ですね。人間、意識しているとだめです。普通に生きていれば、そう簡単に『死』に直面することないと思うんです。1回目の死だけで済んだんじゃないかって思ってしまいます。はじめの殺人から、異常ルートに運命が傾いてしまったような気がします。殺人ですから当たり前かもしれないですが。でも、最初の殺人だけでしたら、正当防衛で済みましたよね?
わたしは、本当にあった話として、読ませていただきました。話に出てくる人殺しをした子よりも、よっぽど団地で噂話をしているだけの大人が醜く感じてしまいました。
夜中1時から、一気読みでした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白くてスラスラと読み進めた。
女性の三角関係を描いた物語は初めてだったので新鮮でドキドキした。
作家の才能に溢れいるのに、自分の容姿に自信がない初芝は、咲子というアバターを利用して本当の姿を隠しながら作家活動をしている。自分の姿を曝け出せずにいる蛹だった。
物語が進むうちに、咲子も自分の容姿のせいで辛い人生を送ってきたことが明らかになる。美しい容姿を有しているが他に才能なさがないと思っている彼女は、誰かに依存(寄生)しないと生きていけない。自分がしたいことをする、自由な生き方がわからない蛹だ。
一方主人公の妙は容姿端麗、本も売れ続けていて作家として活躍している。彼女の目線で蛹たちがどう変化していくかが描かれている。そして読み手からすると、この3人の対比が面白かった。
個人的には妙に本当に愛せる人が見つかって、幸せに生きてほしいと思う。 -
ネタバレ 購入済み
満足
3作目も安定の面白さで満足しました。ラストのお嬢様の話はヴァン・ショーはふるまわれるものの もう少し救いが欲しかったけれど。逆にタルタルステーキは想像していた結末と違ってびっくり。そうか…そういったこともあるよな…という誰が悪いとかいう結末じゃなく優しい着地点をもった筆者の作品らしくて好きでした。 次作も待ちどおしいです。あとがきによればパ・マルもテイクアウトを始めるそうな
-
購入済み
タイトルが気になって購入。
ちょっとモヤモヤする内容だったけど、近藤史恵さんの文章ってほんと読みやすい! だから次から次に手を伸ばしちゃうんだよな~。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ※登録したのは文庫版だけど読んだのはカッパノベルス版(2002.10.25)
すごくグサグサと刺さる話だった。今は結構客観的に読めたけど、登場人物たちの年代の頃、学生時代〜20代って1番色々苦しかった気がするし、出版された時に読んでいたらかなり辛かったか、逆に救われたかもしれない。
作中の言葉「愛情という形で押しつけられるものは、拒むことができない」ってその頃一番言って欲しかったような気がする。
カバー見返しの「著者のことば」
どんなに平凡に見えたり、幸福そうに見える日常にも、
痛みは必ず潜んでいるものだと思っています。
それをうまくやりすごせることが、
大人になることなのかもしれません。
だから、この小説は、その狭間にいる人たちの話なのです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレシリーズ第4作。
手にする時間を完全に間違いました。
読み始めたらやはり止まらない。
結果、読み終えたのは平日の深夜3時です...
もちろん明日(正確にはすでに今日)ももちろん朝から仕事です^^;
でも仕方ないって思えてしまうぐらい本作もしっかり取り憑かれてしまいました。
巻末に寄せられた川西蘭さんの解説がまた素晴らしく本シリーズを纏め上げてくれています。
シリーズ第1作から主人公は白石誓。
でもそれは白石の視点で語られた物語だということで、本シリーズ「自転車ロードレースの物語」。
本作の舞台であるツールドフランスのレースを通じ、私自身も身近でレースを観戦するかもだけでなく、そこに渦巻く選手やチーム関係者の心の中を見通す不思議な力を得ていた。
本当にステキな作品です。
しかも本作で登場したチームメイトの妹であるヒルダの登場によってきっとこの先も白石視点での自転車ロードレースの物語は語り継がれていくのだろうと思えました。
近藤先生、まだまだ続編を期待していますよ。
説明
内容紹介
あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った、ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。
内容(「BOOK」データベースより)
あの男が戻ってきた。三度の優勝を誇ったもののドーピングで全てを失った。ドミトリー・メネンコが。ざわめきの中、ツール・ド・フランスが開幕。墜ちた英雄を含む集団が動き始める。メネンコの真意。選手を狙う影。密約。暗雲を切り裂くように白石誓は力を込めペダルを踏む。彼は若きエースを勝利に導くことができるのか。ゴールまで一気に駆け抜ける興奮と感動の長篇エンタテインメント。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
近藤/史恵
1969(昭和44)年大阪府生れ。’93(平成5)年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞し、作家デビュー。2008年『サクリファイス』で大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) -
Posted by ブクログ
ネタバレ演劇でミステリをやることの困難の一つは、役者の格で犯人が分かってしまうことだ。そう考える小劇場界の鬼才・匠は畑違いの人材ばかり集めた劇の稽古を人里離れた山荘で始めた。名前ばかりだが、彼の妻で名の知れた女優の麻子も彼に命じられて稽古に参加する。しかし劇の中の孤立した島で殺された女役の女優が山荘でも怪死を遂げる。山荘自体も雪に閉ざされて、孤立してしまった。そして劇の内容をなぞるような連続殺人が始まった……。
二重のクローズドサークル、劇を見立てるかのような実際の殺人、鮮やかな(雪の)密室トリック。ミステリとしても完成度は高いけれど、それより作者の関心はすれ違う愛の悲劇を描くことにある(はず)。
クローズドサークルものの多くに現れる、定番と言ってもいい神様気取りとは真逆の、傷ついてばかりいる、ひ弱な犯人像が新鮮。