【感想・ネタバレ】昨日の海はのレビュー

あらすじ

いつも通りの夏のはずだった。その事件のことを知るまでは……。海辺の小さな町で暮らす高校生・光介。夏休みに入ったある日、母の姉・芹とその娘の双葉がしばらく一緒に暮らすことになった。光介は芹から、心中と聞かされていた祖父母の死が、実は「どちらかがどちらかを殺した」無理心中事件であり、ここで生きていくために事実をはっきりさせたい、という決意を聞かされる。カメラマンであった祖父とそのモデルも務めていた祖母。二人の間にいったい何が起こったのか。残された写真が語るもの、関係者たちの歪んだ記憶、小さな嘘……。そして真相を追う光介が辿り着いた、衝撃的な事実とは……。『サクリファイス』『タルト・タタンの夢』などで話題の著者が、海辺の町を舞台に、青年のひと夏の冒険と成長を描く、切なくてさわやかな青春ミステリー。

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感情タグBEST3

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ネタバレ

滅茶苦茶面白かった。
近藤さんの作品の中で一番心が揺さぶられ、傑作だと思った。

私は白黒ハッキリする考えが好きである。
が、このミステリーに関しては、真実を知った時、どちらでもいいように思えた。本当に。
どちらが殺して心中に見せた、でも、いいと思った理由付けが本当に美味いと思った。

最終的には、真実をハッキリさせたのも良かった。

すごく良かった。
いやーやっぱり近藤さんの作品は最高です

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2025年01月20日

Posted by ブクログ

田舎に暮らす主人公の家に母の姉と八歳の娘がやってきて一緒に暮らすことになる。
叔母により写真家であった祖父とそのモデルをしていた祖母の死の謎を知らされ、それを主人公が紐解いていくミステリー。

祖父母の死の真相は少し重たいのですが、作者の文章や視線、登場人物達がとても優しいので読み終わると暖かい気持ちになれました
主人公の成長も良かった。
優しい人間になりたい。

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2018年09月11日

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東京から叔母と従姉妹がくることになった。一緒に暮らすという。戸惑いながら暮らす高校生の光介は、叔母から祖父母の死の真相を知らされる。

面白かったです。
光介目線で話が進むため、ドロドロしたものにならず、爽やかな青春物語風にまとまっていて、良かったです。

真実のさらに先にあった本当の真実、それを乗り越えてきた光介の母の気持ちを思うと胸が苦しくなります。

掘り出してしまった真実は、光介が大人になる過程では大事なものだったとは思いますが、それを知ったしまったことは、苦しんだであろう夢には知られないでいて欲しいと思います。

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2017年02月05日

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『騒ぎ立ててなにもかも明らかにすることが正しいやり方ではない。口をつぐんでら知らなかったふりをすることだってできる。正しいということがなんの力を持たない時だってあるのだ』

田舎で暮らす高校生・光介の亡き祖父母の死の真相を探るミステリー。
光介が初めて1人で東京へ行き、真相を探ろうとしに行くシーンが良かった。

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2025年06月16日

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切なく重い
とある1人の高校生の人生が変わる瞬間
そんな日々を覗き見させてもらった感覚

幸せなのだろうか
高校生だから、大人になる手前だから、
受け止めきれたのかもしれない

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2025年04月18日

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ネタバレ

・「どちらかがどちらかを殺して、一緒に死んだの」

・「あれは心中事件であり、もしかすると殺人事件だったかもしれない。でも、わたしと妹はあの日、父と母に捨てられたの」

・「心中だとしたら、わたしと夢ちゃんはふたりから捨てられたことになる。でも殺人ならば、どちらかはわたしたちを見捨てたわけではないと信じられる」

・華子は娘を守ろうとして、プリントを水没させた。夫が命よりも大事にしていた作品よりも、娘の未来を選んだ。

無理心中ではなく殺人事件だった。でもこれは娘を思って行ったもの。愛する娘を守るために母は犯罪者になったと思うと悲しい。それにしても夫はそこまでしてヌードを撮り見てもらいたかった理由がわたしには分からなかった。なぜヌードなのか、ヌードではなければふたりは死ぬことは無かったのに。

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2024年11月06日

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母&伯母 天海祐希&石田ゆり子
息子 水沢林太郎
ドラマ化してほしい。NHKさんかWOWOWさんでお願いします!

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2024年03月11日

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高校生男子が祖父母の死の真相を調べて成長していく物語。
母として、そうせざるを得なかったということかな、と。

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2023年09月23日

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これ、青春ミステリーなのか?
主人公の高校生男子の成長ってわけでもないしなあ。
もっと成長するのかなと思ったけど、
意外と変わらず。

ミステリーとしては、なるほど、そこに着地するんかあって感じ。

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2023年06月06日

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海と写真って相性がいいよなあ
ザワザワしながら読んでた。。結局荒れた展開がなくて安心したけど終始不安な気持ちで

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2022年08月13日

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銀盤写真を撮りたくなる。光介の祖父が思いを込めて撮った写真を私も見たいと思った。ぐいぐい読ませてひねりをひとつ。良かった。

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2019年12月24日

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祖父母の死の真相を追い求める少年のお話。好きな作者の一人。テーマは軽くないけれど、少年の日常がゆっくり変化していく様子が自然に表現されている。読みやすかった。

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2017年06月25日

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ネタバレ

自分の祖父母の心中事件の真相を追う高校生。飛行機に乗って東京に行ったり、凄いなーって思った。アクティブ!そして真相を知ってしまったあとの対応が大人で感心しました。
近藤史恵さんの本はやっぱり好きだなー

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2017年04月26日

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一緒に暮らすことになった伯母と従妹の存在は、
これまで普通に平凡に暮らしてきたと思っていた
高校生の光介の生活に風を起こす。

光介が祖父母の心中の真相に迫る。

とても衝撃的なことだと思うのだけれど、
意外と淡々とことに当たっていくように思うのは
光介が祖父母に会ったことがないからなのか。

真相を知ることは心の澱みをクリアにすることなのか、
もっと澱んでしまうことなのか
それでも調べずにはいられない、

そいういう若い光介の心情はよくわかるし、
伯母の気持ちもよくわかる。

高校生の目線で書かれているので必要以上にドロドロせず、
彼が大人に成長してく様が伝わってきた。

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2016年10月01日

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ドロドロもいじめもない爽やか近藤さん。それだけに光介が思い至った華子の苦悩が痛々しい。芸術家が家族に理解を求めることはあっても、その逆が受け入れられることは少ないのだろう。夫が自分の芸術に無関心なのがありがたいという葉に納得。『象は忘れない』をちょっと連想した。

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2016年09月30日

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近藤さんはこのようなテイストの本も書くのか、と思った。ゆっくり静かに、感情の動きを思春期ならではの歯痒さと共に描いている。田舎ってたいへんだな、とも思いつつ、自然と共に暮らすことの尊さに対する憧れも抱く。お祖父さん、強烈な人だな。残された者として、どのように感情の整理をつけるべきか、悩むのは尤もだ。

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2025年11月04日

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四国の海辺の小さな町で暮らす高校生光介。母の妹の伯母さん芹、その娘双葉が一緒に暮らす事になる。
芹は、心中で亡くなったという祖父母の真実を知ろうとして、光介もいつのまにか、巻き込まれてしまう。

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2024年03月26日

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 最近こういう「は」止めタイトル多いが、内容にぴったり嵌っていないとよりダサいと感じてしまうのは私だけだろうか。シングルマザーの伯母とその娘が帰ってきたことをきっかけに、祖父母の心中事件の謎を追う高校生の光介。自分のルーツにも関わる真実を追求したい気持ちも、誰かを守るために真実を明らかにせず隠す気持ちも、どちらもわかる。真実に辿り着く過程で一つ大人に成長し、秘密を抱える選択をした光介が頼もしい。どうしても心中しか選択肢はなかったかという疑問が残る上、心中を選びそうな気性や不安定さも見受けられなかった点がモヤモヤ。

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2024年03月04日

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ホームドラマ系?って思ってたけど、そんなはずはなかった。近藤史恵さんだもの、ミステリーに決まってる。
芸術のセンスがない自分には、芸術家はよく分からない。よく分からない物はちょっと怖い。それなりに理解は出来る結末だけどモヤモヤする。

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2023年09月02日

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カメラマンの祖父とモデルだった祖母が無理心中を図った。そして、東京から叔母さんが娘を連れて田舎に戻ってきて、少し話を教えてくれたことから、真相を知りたいと思い東京へむかった。色々わかってしまえば、そんなものだったと思える事もある。海は昔も今も同じように波しぶきを上げていた。

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2023年03月26日

Posted by ブクログ

静かな青春ミステリー作品ですね♪
四国の鄙びた海辺の町で、進学校の高1になった光介は母の両親だった祖父母の旧家に両親と3人暮らしだったが、夏休み中に不意に母の姉という女性が8歳の娘連れで東京からやって来て同居することとなる。
四十代の若さで亡くなった祖父母が実は心中だったという噂も小さな町なので耳にするが実感が湧かない光介だったのに、ひょんなことから祖父母や伯母や母の知らなかった事実を掘り起こして行くことになる。
終盤の二転三転の展開もなかなか良くて一気読みでした。
知らなかった家族の真実を探ることが光介の成長する糧にもなっていくさまが良いです。この著者の他の作品も読みたくなりました♫

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2022年06月15日

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四国の海沿いの街で生まれ育ち、生きているごく普通の(と本人が思っている)高一の青年が、伯母と従姉妹がやってきたことから、次第に自身の祖父母にまつわる事件の真相を知ることにより、大人になっていくという成長の物語。大きな事件も想定外の人物も出てこない、何か身近な知り合いの話のような親近感の持てる小説でした。別作も読みたくなる作家です。

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2021年02月10日

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近藤史恵さん、こういう話も書くのかー。最初に読んだ本が、ほっこり系だったので、度肝を抜かれました。表紙の海が夏っぽくていいなーと思って手に取った一冊。読み終わってから見ると、色合いがダークで内容を表しているかに見えます。田舎に住むと閉鎖的でしんどくなることもあるだろう。また、芸術に没頭する人とその周りの家族も時にしんどく、その芸術が周りの人を傷つけたりする。内容は衝撃的だったけど、写真家の庸平も被写体の華子もどちらも憎めないような気がした。☆3

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2020年08月31日

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四国の磯ノ森の海辺の小さな町で起きた、祖父母の心中事件の真相を、孫である高校生の光介が成長しながら突き止めていく。

芸術家ならではの、プライベートや常識を越えるといった、境界線の危うさ。
高郷カメラで起きた、各々の家族の考え方の違い。
大人にならざるを得なかった子どもたち。
時に真実を明かさない優しさ。
悲劇は、一体どこで起きてしまったのだろう。

文章から、写真の美しさや力強さも伝わってきたし、光介が初めて一眼レフカメラを手にする描写とか、芹が時間が止まった写真店を復活させようとしている描写とか、それぞれの家族の思いが交差するところか、とても良かった。

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2020年08月12日

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サラリとしたミステリー。
四国の片田舎、昔は写真館だった家に住む高校生の男の子が主人公。
なんとなく以前読んだ宮部みゆきの小暮写眞館をイメージしながら読みました。

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2018年08月05日

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ネタバレ

近藤史恵さんも好きな作家さんの一人。
この本は27冊目。

四国の南側にある磯ノ森が舞台。
進学校1年生の大江光介は旅館で働く父、専業主婦である母の夢と三人暮らし。
古い自宅の表はシャッターが下りたまま。
祖父が写真展を営んでいたらしいこと、祖父母が海で心中したことは母から聞いていたが、それ以上のことは知らない。
ある日、母・夢の姉である芹とその娘双葉が東京から引っ越してくる。
祖父母の心中事件の真相を探ろうとする芹。
光介も祖父母のことを調べ出す。
そこで明らかになったこととは…

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2018年02月10日

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四国の海辺の町に両親と暮らす光介。その地方では優秀な高校の1年生。演劇部にスタッフとして所属する平凡な高校生である。夏のある日、ほとんど記憶に残っていなかった東京の伯母が小学生の従妹とともに帰ってくる。光介の家は、母親の実家でもあり伯母の実家でもある。伯母と従妹は光介の家の2階で暮らすことになる。
母と伯母の両親、つまり光介の祖父母は、母たちが十代のころに亡くなっており、光介は会ったことがない。祖父は写真屋をやっていたようだが、家の店の部分は長らくシャッターを下ろしたままになっている。祖父母は、心中だったという。
伯母が引っ越してくるまで、その事は何も知らなかった光介。伯母が心中の謎を知りたいと思っているらしいことから、光介も自分の存在を知るために祖父母について調べ始める。

思春期の高校生らしい光介の正義感のようなものに引き込まれて読んだ。光介と従妹のこれからが楽しみなエンディングだった。

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2018年01月14日

Posted by ブクログ

「真実」の取り扱い。

これは、究極のテーマの一つかもしれない。

知らなくてもよい真実はあるのだろうか。
それとも、真実を知らねば、本当の幸せは得られないのだろうか。

海辺の町で両親とともに暮らす高一の光介。

交流が殆どなかった叔母と小学生のいとこが東京からやってきて同居することになる。

分が生まれる前に、祖父母は無理心中をしたという事実を、光介は初めて知るのだが、その真相を知りたいという叔母の願いに寄り添っていく。

真相を追う旅の中で、子どもから大人へと成長していく光介の姿、家族や友達とのつながりに共感を持てるが、
ミステリーの結末としては、背中のかゆいところに手が届かない感が多少あった。

光介の純粋さが、やけにまぶしい。

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2018年01月12日

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ネタバレ

祖父母の死の真相を探る高校生。真相は、そうなのかなぁと感じる。そんなことで子ども2人残して心中するか?って感じが離れない。展開的には面白い。

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2017年09月01日

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海辺の町で生まれ育った高校生の光介の家に、母の姉とその娘が同居することになる。突然の話に困惑した光介だったが、やがて祖父母にまつわる「事実」に彼女たちとかかわっていくことになり…

ときにはゆったりとたゆたい、ときには一変して暴れ恐怖を招く海のように、人もまた知られざる一面を隠し持っているものだ…、ということが静かに語られる物語。

身近な人びとの過去を知るために行動した光介が、結局知り得た真実のようなものを、ひけらかすこともなく己の胸にしまいこんでいく。

その姿はなんだかやたらリアルなように感じられて、そういった秘密を持つという行動はやはり「大人」のかけらが育まれていることでもある、と改めて思いもしたのでした。

どこか皆諦めや生きる範囲を狭めて決めているような人々が多くて、地に足のついた(言い換えれば夢のない)人間くささが、シンプルな描写にひときわ引き立っているように感じました。

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2016年12月08日

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