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社会人1年生・梶本大介の平和なオフィスに起こる、8つの事件。首をおとされたぬいぐるみ、会社にひよこ…頭をひねる大介を尻目に、あざやかに事件を解決するのは、20歳そこそこの掃除スタッフ、キリコ。ビル1棟をたったひとりで担当、しかも「歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない」という掃除の天才・キリコは、ミニスカートにポニーテールが似合う、キュートな女の子でもある。いったい何者? と大介は惹かれていくが…スイートなミステリー。
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Posted by ブクログ
タルトタタンに続いて近藤史恵。 相変わらず読みやすい。 キリコちゃんも可愛い。 人が死ぬ話がひとつあったけど、それ以外は軽い話なところもよい。
軽めの日常ミステリー。 サクサク軽快に読めてお疲れ気味の最近には程よい読み心地でした。というわけで、いずれ続編に進みます。 バグダッドカフェ、見てみようかな。
シリーズ第1弾 オフィス内で起きる事件の謎を解いていく連作短編集。 書類の紛失やロッカールームでの盗難事件から殺人事件!?まで幅広い事件が起こり、最後まで楽しく読ませてもらいました! 「史上最悪のヒーロー」では大介のことを嫌いになりかけたけれど…まさかの展開で安心しました❁⃘*.゚ 続編もあるとの...続きを読むことなので、読み進めたいと思います。
女性の多い職場で可愛がられる?いじられる?草食男子な新入社員。 強気でマイペースな掃除の女の子とは、正反対で良いコンビなのかも。 それぞれ短編になっていて、スポットがあたる人物もいたりして、わかりやすいかと思いきやミスリードされていて。 軽く読めるけど読み応えもありました。 掃除の人って、その建...続きを読む物で働く人からすると、いてもいないような存在なのかな。 いなくなって初めて気付くような。 綺麗なオフィスであることの有り難さ、当たり前に思ってはだめですね。 公共の施設でもそうですけど、誰かが掃除してくれてるから綺麗なんだってこと、忘れてはいけない。 掃除の仕事に熱意や誇りを持ってる彼女は、モップを持つ姿もきっと輝いている。 仕事に対する姿勢とか思いとか、とても素敵だなと思いました。 ラストの短編は、しっかりトリックにひっかかって驚かされました。 ま、終わりよければ全てよしです。
あなたは今日ゴミを捨てましたか?何を捨てたかを覚えていますか? さて、簡単そうでとても難しい問題です。”今日”を”昨日”と変えたなら、果たしてスラスラと答えることができる人はいるのでしょうか?私たちが生きていく中では、日々夥しいゴミを出さざるを得ません。ゴミの回収日にパンパンに膨らんだゴミ袋を頑張...続きを読むって閉じて、と繰り返す朝を思い浮かべる方も多いでしょう。この国では、ポイ捨ても減り、外国に比べて街も随分綺麗だと思います。でも、それはそれぞれの人が街を綺麗にしようという思いの結果なのでしょうか?未だ人里離れた山奥に粗大ゴミを不法投棄する例は後を絶たないとも聞きます。結局、”誰かに見られている”、その目が怖いが故に街は一見綺麗に守られている、もしかするとそれが現実なのかもしれません。一方で人の目に見られないゴミには、ルールに反したものを詰め込まれる例も多いようです。『掃除をしていると、見たくないものまで見えてきてしまう』というその現実。『ゴミの中からも、その人のプライベートが透けて見える』という私たちが出したゴミ。それは、『まだ、ゴミになっていないものには気を払っても、ゴミ箱に捨ててしまえば、もうその先は消えてしまったも同然だと思っている人が多い』という現実の行き着く先にあるものです。『ゴミ箱の中身は、無防備にその人をさらけ出す』と、思わず自分の出したゴミを再確認したくなるその言葉。さらには『心がすさんでくると、部屋やトイレは汚れてくるし、汚し方から、その人の精神状態が透けて見えることもある』という言葉には、思わずごくりと唾を飲み込まれる方もいるかもしれません。 この作品は、他人が出したゴミを整理し、オフィスを、トイレを日々綺麗にし続けるビルの清掃作業員が主人公となる物語。『掃除』をするその先に、人の色んな生き様が浮かび上がってくるのを見る物語です。 『ぴっかぴかなのは、小学一年生だけではない。可愛らしさの点では劣るが、社会人一年生だって、それなりにぴっかぴかだ』と新卒入社し『社内のオペレータールーム』に配属されたのは主人公の梶本大介。『まあ、梶本くん、のんびりやりなさい』と言うのが口癖の宮下課長、『仕事もできるし、おまけに親切だ』という富永先輩、そして『いつも三人で行動している』という三人の女性で全てというその部署で『ぼくの社会人生活ははじま』りました。そんな大介は『入社してから半月ぐらいが経った頃』に『奇妙な女の子と出会』います。『ぼくはいつもより一時間早く、会社に出た』というある日、『ロビーの横を通り過ぎたときに、ぼくは強烈な違和感に襲われた』というその運命の出会い。『業務用掃除機の強いモーター音が』し、『真ん中の大きな柱の陰から、ワゴンのような巨大な掃除機が現れた』というその光景。『押しているのは掃除のおばちゃんだろう』と思った大介の目に『半端な若さではない。十七、十八歳くらいだろうか。赤茶色にブリーチをした髪を高い位置できゅっとポニーテールにし、耳には三つも四つもピアスをぶら下げている』という女の子の姿が映りました。『まじまじと見つめる』大介に『おじさん、なあに。なにか用?』と声をかける女の子。『いや、なんでもないです』と逃げるように離れた大介は、『彼女はどうやら社内の名物』で『「キリコ」という名前』、『夕方以降に現れ、朝までひとりでこのビルの清掃を全部やっている』ことを知りました。そんなある日のこと、『机を整理していて気がついた。今日の午後に届けるはずの書類ができていない』と慌てる大介。『昨日中にあげて、大ちゃんの机の上に置いた』と同僚の二宮に言われるも見つけられない大介。『誰もが自分の机や、他の場所を探しはじめた』という大騒ぎ。結局、富永先輩が夜の八時半までかかって仕上げてくれたその書類。そして誰もいなくなった部屋に『失礼します!』と元気のいい声がして、キリコが清掃に入ってきました。ふと気がつくと大介の真後ろに立っていたキリコ。『あの、なにか…』と訊くも『ううん、別に』と、掃除機をかけ始めたキリコ。『だが、事件は一度では終わらなかった』とそれから五日後『またぼくの机の上から、書類袋が消えた』という展開。『とりあえず、少しおちつこう』と部屋を出て非常階段に座り込む大介。そんなところへ『これ、おじさんの?』とキリコが現れました。『まさになくなった書類と、フロッピー』を目にし『どどどど、どこでこれを!』と興奮する大介。しかし返そうとしないキリコは『今、返してもいいけど、そうすると、また書類がなくなることになるよ。それって、もっと困るんじゃない』と言います。そして『ぼくの耳元に唇を寄せて、ごにょごにょ』とあることを囁くキリコ。そんなキリコの囁きに従って向かった先で書類紛失事件のまさかの真相が明らかになっていきます…という最初の短編〈オペレータールームの怪〉。大介とキリコという主人公の位置付けを物語の中で巧みに描きながら”書類連続紛失事件”を鮮やかに解決していく、とても上手く構成された好編でした。 八つの短編それぞれで主人公の梶本大介とキリコが大活躍する様を描いていく連作短編の形式をとるこの作品。新入社員として入社したばかりの梶本大介視点で会社組織の中の様子が描かれていきます。そんな大介が勤める会社は『まあ、梶本くん、のんびりやりなさい』という宮下課長の口癖から感じられるように、どこか現代とは時間の流れが違うように感じる描写の数々。『袋に入っていたのは、まさになくなった書類と、フロッピー』、『セクハラも仕事の潤滑油くらいにしか考えていない』、そして『「今日の星占い」を書いた自作のペーパーを配ってくる』生命保険の営業のおばさん等々、えっ?何?という表現に溢れています。それもそのはず、この作品が刊行されたのは2002年と今から20年も前の時代のこと。オフィスの当たり前の日常を描いた作品だからこそ見えてくるその時代感は、なんとも異物感を感じざるを得ません。そのことを古臭いと指摘される方もいらっしゃるのもわかります。しかし、これは20年前のオフィスの様子を垣間見れる貴重な作品と思って読めば、そこには全く違う世界が見えてきます。古臭いと切り捨てるのではなく、近藤さんの代表作の一つとして、読み方を変えて楽しむ、そんな読書があってもいい、まずはそんな風に思いました。 そして、そんな大介の会社の中に清掃作業員として登場するのがキリコこと、峰川桐子でした。このキリコの設定についても先程提示した考え方同様に、あくまで20年前の作品であることをわかった上で読まないとミスリードになりかねない表現が頻出します。『ビル掃除のおばちゃんと言うには若すぎる十代後半』、『白いかっぽう着など着た掃除のおばちゃんを想像してもらっては困る』といった表現で紹介されるキリコ。このあたりは『差別的表現と受け取られかねない表現が…』と作品冒頭に注意書きがあるこの作品の時代感を感じる部分、この20年、たった20年で世の中がいかに変化したかを感じる部分でもあります。しかし、時代が変わっても、どんなオフィスであっても清掃が入らないオフィスはありません。そして、勤めていらっしゃる会社によって、その清掃に携わられる人のイメージも変わると思います。掃除をする人を『おばちゃん』と一括りにするのが時代を感じる一方で、キリコの清掃の際のスタイルは、そんな時代感をも超越していきます。『トンボの羽根みたいに薄い素材のワンピースを着ている。短いスカートから形のいい膝小僧をのぞかせて、勢いよくモップを動かしている』、『栗色のベロアのカットソーは胸元が大きく開いていて目のやり場に困る』、そして『きてれつなサンバイザーをかぶって、ショートパンツから長い脚を覗かせている。日焼けした肌と、くるくるとよく動く丸い目、ほうきとちりとりさえ持っていなかったら、ハワイやどこかのマリンリゾートが似合いそうな格好だ』といういでたちのキリコ。これが例え現代であってもあまりにかっ飛びすぎているキリコという強烈な存在。そんな清掃作業員のキリコは、一見軽いと感じるその印象からは別物の鋭い感覚を発揮して、数々のプチミステリーを解決していきます。 そんな主人公である大介とキリコが直面していく事件は見かけのどこか軽い雰囲気から一変して非常にディープで重いものです。”セクハラ”、”不倫”、”マルチ商法”、”摂食障害”、”夫の母親の介護”など重厚とも言える問題が短編ごとに主人公たちの前に『事件は次の日に起こった』と、唐突に巻き起こっていきます。そして、それを鮮やかに解決していく探偵のようなキリコと、時に助手のように、時にただの立会人のように登場する大介という役割を演じながら物語は進んでいきます。取り上げられる内容が如何に重くとも、大介とキリコの軽い設定もあって極めてライトにテンポ良く進んでいくその物語は、読後感もサッパリ、アッサリ、そしてスッキリといった印象で、気軽に手に取るにはもってこいというそんな作品でもあります。この辺りは、同じくプチミステリーとも言える近藤さんの「タルト・タタンの夢」と同じような印象だと思いました。 ビルの清掃作業員を主人公にするという、他に例を見ないこの作品。その理由を『ビル清掃の仕事をしていたことがある。小説家になったはいいけど、まだそれだけでは生活できなかった時期のことだ』と語る近藤史恵さん。まさに実体験を元に書かれたこの作品にはそんな『清掃』という普段あまり光の当たらない仕事に光が当たります。そしてその仕事の何たるかを童話を題材にこんな風に例える記述が登場しました。『掃除ばかりやらされていたシンデレラは、王子様のお眼鏡にかない、お城で着飾って暮らすことになった』という誰でも知っているシンデレラの物語。そんな物語に『けれども、シンデレラがやっていた仕事が泡のように消滅したわけではない』と指摘する近藤さん。『シンデレラがいなくても、日々を暮らせば家は汚れる。シンデレラの住むお城だってそうだ。お伽噺は、都合の悪いところはすべて見ない振りをしている』とまさかのシンデレラの物語に切り込むこの一文。シンデレラの物語はもちろん知っていますが、シンデレラの後任としてその仕事を引き継いだ人が確かにいるはず、というその指摘。普段私たちは華やかな舞台ばかり見て、その舞台を作り上げる仕事に目が行くことはありません。しかし、そんな裏で支えている無数の人たちの存在があってこそ、その舞台はいつまでも美しく輝き続けることができます。しかし、そんな仕事も、人によってその輝きは変わってきます。『キリコがいなくなって、会社は灰色になった』とキリコが仕事を休み出して、他の清掃員に交代したことで、如何にキリコが心を込めて隅々まで清掃を行っていたかがわかります。それを描いた〈ロッカールームのひよこ〉という短編では、いなくなって初めて気づくキリコという存在の大切さに気づいていく面々の姿が描かれていきます。これはもうなんでもそうでしょう。仕事というものは、どんな仕事であっても、人が全てです。どんな仕事であっても、最後は人という部分がそう簡単に変わることはありません。こな短編で、それまでに見えていたキリコの印象が大きく変わるのを感じるとともに、キリコのファンになっていく自分を感じました。 『でもね、掃除をやっていれば見えるものもあるのよ。だれも掃除をしている人なんて存在しないと思っているからね』と語るキリコが、そんな仕事の中にヒントを見つけて数々のミステリーを解決していくこの作品。それは、『掃除の天才で、キリコちゃんが歩いたあとには、1ミクロンの塵も落ちていない』と、常に真摯な姿勢で心を込めて掃除に向き合っていくキリコだからこそ、そこにヒントを見つけることができるのだと思いました。 気軽に、サッパリとした読後感が楽しめるこの作品。続編も引き続き読んでいきたい、そう感じた作品でした。
人が良いと考えることが気持ち悪い、ということもあるのだと感じました。人間心理をよく知っている作家さんだと思います。 お掃除のプロ・キリコちゃんのキャラがとても好きです。 仕事に誇りを持っているのは素敵なことです。
キリコちゃん良いなあ。 読んでると掃除が苦手な自分も汚いこの部屋をどうにかしたくなる。 次作を先に読んでたから、ラストの話も安心して読めてしまいました笑 続編読まなきゃと思うけど、真夜中よりこっちの方が面白かったなー。
清掃員と会社員の話。清掃員にしては若く可愛い女の子が会社中を全て掃除します。掃除する事によってどんなひとがゴミを捨てたか性格などもわかってしまうので、何かトラブルがあると、見当がつくのもはやいキリコさん。そんなキリコさんにひっぱられながらもだんだんと惹かれて行きます。掃除は苦手ですが、読んでると掃除...続きを読むしている姿が楽しそうで、私もしようかなという気にすこしなってきます。
オペレータールームに配属された新入社員の梶本大介。 この会社には一風変わったキリコという女性の清掃作業員がいた。 ミニスカートや、ピアスをいくつもつけた派手な外見。 それでいて彼女の掃除後には塵一つ残らないという一流の腕。 彼女は社内で起きた様々な謎を次々と解決していくが・・・。 ホームズ役のキリ...続きを読むコとワトソン役の大介が、オフィスで起こる様々な事件をキリコの職業柄身についた洞察力と情報収集力で次々と解決していくという、テンポの良い流れに乗ってさくさく読めちゃうミステリ短編集です。 謎も小粒で一見ライトなのですが、その動機や背景にはシビアで重いものが隠されています。 女性社員活躍を阻む保守的な会社組織、不倫、セクハラ疑惑、摂食障害、マルチ商法などなど、見本市のごとく女性社員を巡るありとあらゆるトラブルが陳列されています。 女性が働く上でのトラブルが事件のカギとなっているのですが、キリコを通してあらわになる作者の女性たちへの視線は優しく、さりげないエールを贈ってくれているようで温かい気持ちになれました。 やはり会社組織って未だに男性中心の論理で動いているので、女性はその中で働いていると思うようにいかないことも多く忸怩たる思いを抱えたり諦めも感じることも多いんですよね。 すごくわかります。 その上、女性同士の僻み嫉みにさらされ、ままならない状況につき動かされて事件を起こしてしまったり歪みを他人にぶつけてしまうこともあるかもしれない。そんな気持ちもわかります。 でも作者は、単純明快な解決には至らないものの僅かでも希望の道筋を登場人物たちに用意してくれるのです。 受け止めてくれる安心感をもって読むことができました。
女の園みたいな部署に配属になって戸惑うばかりの大介 男子には分からないだろうけど、そういう事って分かる!分かる!・・と 共感出来る所があり親近感が湧きました。 ちょっと頼りない大介を助けてくれるのが お掃除スタッフのキリコちゃんでとってもお洒落なうえにお掃除の天才 さばさばした性格でとってもかわい...続きを読むい♪ そんなキリコちゃんがお掃除を通して事件の真相を 解き明かしていく過程はお見事! 最終話に意外な展開があり 大介もキリコちゃんもとても優しくて心温まりました。
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近藤史恵
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