近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
商店街にある小さなフレンチレストラン「ビストロ・パ・マル」を舞台にした連作短編集。カウンター越しに交わされる何気ない会話やお客様の仕草から、三舟シェフが小さな謎を解いていく。
一話完結でテンポよく読めるのに、どの話も温かく、登場人物たちが少しずつ幸せになっていくのが心地いい。悲しい結末が一つもなく、読み終えるたびにこちらまで優しい気持ちに包まれる。
料理やワインの描写も絶品で、まるで店の扉を開けた瞬間に漂う香りまで感じられるよう。特に三舟シェフの作るヴァン・ショーは、読んでいるだけで身体まで温まりそうだ。
7編のなかでは「割り切れないチョコレート」が印象的。人の心の揺れを繊細に描いたやわらかい -
Posted by ブクログ
ネタバレ久しぶりに近藤さんの小説を読んだ。そして、どうなっていくのだろうとストーリーの先が気になってしまい、最後まで一気に読んでしまった。
主人公の友梨たちとまさに同じ世代なので、彼女たちの幼少からの時代背景が手に取るようにわかり、当時のことを懐かしくも思い、自分もその中に生きて存在しているうちの1人のような感覚におちいってしまった。
本当に、小学校、中学校時代の当時の大人や先生たちの価値観が、いい面も悪い面も、とても忠実に描写されていたと思う。
また、女友達の関係も成長につれて変化していく、その一言で表せない不安定さもすごく共感できた。
予想外の結末に、彼女のことを思うとちょっぴり悲 -
Posted by ブクログ
ネタバレ「ビストロ・パ・マル」第4弾 7話の短編集
パ・マルもコロナ禍の影響をうけ、営業の縮小やテイクアウト、料理教室とスタイルの変更を余儀なくされる。
外食どころか外出も制限されていた、あの時期の閉塞感を思い出す。
そんな中だからこそ、パ・マルに集まる人々の悩みや心に溜まった澱は、おいしい料理とシェフの言葉で洗い流される。そして勇気づけられ、少し前を向けるようになる。
どの話も、どこかで感じたことがあるような気がして、少し心がざわざわする。思い込みや一方方向からしか物事が見えなくなった時に、すっと視界を広げてくれる感じがとても心地よかった。
「モロッコのタジンのようだ、と僕は思った。少ない