近藤史恵のレビュー一覧

  • さいごの毛布

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     年老いたり、病気を持っていたり、飼い主が
    様々な事情で飼うことができなくなった時に
    預ける有料の老犬ホーム。
    そういう存在を初めて知った。
    働き始めたばかりの智美は、亡くなる時にすら会いに来ない飼い主に対し腹を立て、そんなの犬が可愛そうと発する。そんな智美に麻耶子は
    可愛そうと思うのは勝手だけど、それはあなたの感情に過ぎない。それで人を裁かないで
    と叱咤する。
    背景を知るうちに、さまざまな事情があり
    預けることを選択したことを受け止めていく。
    もちろん、自分の勝手で預ける人もいれば、
    親の介護、自分自身の闘病などさまざま。
    だけど、犬にとっては大好きな飼い主と一緒に居られなくなったことしか分からない。
    物語中盤からは、先の読めないミステリー感もあり
    とても面白い。
    それぞれが抱える恋愛、親子関係
    に対して向き合い、成長していくところは、
    水を縫う、西の魔女が死んだ、雲を紡ぐ
    に共通するところがある。

    共感したところ
    『無謀かどうかは意志の力で正しい選択に変えることができる』

    心に残る文章
    『傷ついた子供はずっと胸の中にいる。
    子供のまま、泣きそうな顔をして。
    表面だけ大人のふりをしたって、その子はずっと傷ついたままだ』
    物語の中心軸は
    人に可愛がられ守られなければ生きていけない運命を持つペットを通して
    責任とは、仕事とは、お金とは。
    ということを問いかけてくる。
    犬も人間も同じ。
    年老いて、1人で生きていけなくなった時
    親は親の責任があり、子は子の責任がある。

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    2025年10月02日
  • 凍える島

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     孤島、クローズドサークル、密室殺人、連続殺人など本格ミステリーの要素と閉鎖空間で過ごす登場人物が疑心暗鬼になっていく心理描写の鮮明さが合わさった味わい深い作品で、終盤の解決編は意表を突くもので驚かされた。

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    2025年10月01日
  • 南方署強行犯係 狼の寓話 〈新装版〉

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    お母さん、とか呼ばれたらね。なんか、きちんと毎日、あんたらのそばにいて、おやつと晩ごはん作って、きちんとアイロンかけたシャツ着せて……って全部やらなあかんような気分になったの。それが全部できへん自分が、母親失格みたいに思えたのよ。たぶん、肩肘張ってたんやろうね。『美紀ちゃん』って呼ばれてたら、不思議にそんなこと気にしなくても、自分でできることを頑張ったらええような気になった

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    こっちがシリーズの最初だったのね。
    こっちの方が好みかも。
    近藤史恵にしては珍しく犬が出てこない。笑

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    2025年09月18日
  • 眠れぬ夜のご褒美

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    バイト帰りに読んで、コンビニに吸い込まれました。お腹空いちゃう短編集怖い。暗号を知る人だけが神社でひっそりいただくお鍋、冬森 灯「ひめくり小鍋」がお気に入り。ラーメン話が多いけれど、ラーメン食べないので深夜ファミレスの大沼紀子「夜の言い分。」方が分かる!

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    2025年09月17日
  • サクリファイス

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    サイクルロードレースの醍醐味がわかる小説だ。
    主人公がレース事故に遭うのかと思わせる入りだが、終盤でしっかり掴まれていることを実感した。
    サイクルロードレースのルールや考え方が、他のスポーツとは異なることを、この小説を通しても学んだ気がするが、物語の展開の面白さもそうだが、レースそのものの面白さを押し図ることができたように感じる。東の展開は衝撃的だが、現実にはあり得そうもないようなことなので、フィクションとしての面白みを感じた。本の題名だあるサクリファイス(献身的なアシスト)が、世界の舞台と駆け上がらせる根幹となっている。

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    2025年09月16日
  • マカロンはマカロン

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    好きなシリーズ再読。今回ちょーっとトゲのあるというか、人の暗い部分にフォーカスした短編が多かった気がする。もちろんそれだけではなくて、いい話もあり。でも優しいけど辛辣な三舟シェフにはどっちかというとブラックな感じが似合うかも。

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    2025年09月15日
  • 怪と幽 vol.009 2022年1月

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    テーマと、澤村伊智さん松原タニシさんの対談に惹かれて、過去号をお迎えしました。
    タニシさんの事故物件が13件目の時に対談されたらしく、先日聞いたラジオでの状況(その時は27件目とか言ってた、うろ覚え)との違いに感慨深くもなったり。
    タニシさんをいくつかの媒体で追っていても、全然知らなかったことがこの対談でいくつも明かされていて、お迎えしてほんとに良かったなぁってなってます(事故物件価格設定とその裏事情とか)
    あと、タニシさん、お話を引き出すのが相変わらず上手いですよね~ 澤村さんの黒い部分(笑)が引き出されてて、興味深く読ませてもらいました(笑)
    そして、2025年現在、ピンピンしておられますし。なんてことはなくてほんとに良かった(^^)

    他に、辻村深月さんと大島てるさんの対談、押切蓮介さんと泉朝樹さんのオンライン対談も掲載されてて、「闇祓」「見える子ちゃん」を読んでる自分にはどちらも興味深い内容でありがたかった(「見える子ちゃん」は電子で途中までだけど)です。

    対談以外にも、連載やら読み切りの小説や漫画、色々盛り沢山で、お値段はそこそこの設定(私は中古をお迎え、すみません)だけど、この号をタイムリーに知っていたら定価でお迎えしていたと思う。それくらい個人的にはハマる内容でした。

    中でも、とびきり怪談実話3編の印象が強め。
    特に最後の岡利昌さんの「呪いの矛先」の読後感が…(泣)
    4ページ分の内容だけど、衝撃が強すぎて… ホラー読んでる方々に読んでもらいたい、普段そんなことあんまり思わないけど、これはちょっと読んでもらいたい、そんな気持ちに駆られてます。

    ただ一つ、巻頭のイラストが怖い〜(泣)
    初めに開いていきなり怖いのが目に入って来るのは辛い(泣)
    掲載漫画もそっち系なら読むのやめようかって思ってしまうくらいだった…大丈夫だったけど。。
    小説とか映画は積極的になれるけど、アニメとかコミックとかの怖いのはほんと苦手(「見える子ちゃん」も実はキツイ)なんで、星4にしました(泣) すみません

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    2025年09月14日
  • 歌舞伎座の怪紳士

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    舞台ものが読みたくて購入。
    本書を通して、歌舞伎のいろはを学べた。歌舞伎は格式高いと思っていたが、どうやらそうでもないらしい。一度歌舞伎を観に行きたくなった。

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    2025年09月13日
  • おいしい旅 しあわせ編

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    旅先で偶然出会った人と食べ物を通して、人生観が変わり、前向きになれる話を集めたアンソロジー。トラブルと偶然は旅につきもの。毎回すぐに「禍転じて~」になるとは限らないが、ターニングポイントとして意識されている。
    全7話の中で、私は「夢よりも甘く」が最も気に入った。育ててくれた亡き祖母の思い出話。少女はそれが作り話であると薄々気づくのだろうが、大人になっても大事に温め続けている様子(例えば身近な人に指摘されてムキになる場面)が胸に刺さる。現実を知ってしまい、旅行中はコレといった良い出来事もなく、疲れ果て打ちひしがれて、旅が終わりに近づく。このまま静かに物語が終わるのかと諦めかけたところで、帰国後に急展開があり、少女時代の思い出が、大人の女性として歩んでいくためのスパイスに昇華されていく。
    まさに、出発直前からトラブル続きで辛かった旅行が、その後の人生におけるターニングポイントになったのだろう。本人は「あんな旅行は二度と行きたくない」と思っただろうが、人生にとって決して無駄な時間ではないはず。自分にとって「最悪な旅行」はどんなものだったのか、振り返ってみたい。

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    2025年09月09日
  • 南方署強行犯係 黄泉路の犬 〈新装版〉

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    動物を飼う、命への責任を感じさせるお話でした。物語の中でもユウヤくんがそれを現していて、本質は繋がってるんだなと。ソウジお兄ちゃんが好きです。

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    2025年09月09日
  • 南方署強行犯係 狼の寓話 〈新装版〉

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    近藤さんの刑事物ということで読んでみました。読みやすい文体なのも良かったですが、圭司刑事の兄弟や母親のキャラクターも好きでした。

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    2025年09月07日
  • ヴァン・ショーをあなたに

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    この本の魅力については、あとがきに完全同意です。
    前作「タルトタタンの夢」から、謎も、視点も、さらに広がっています。

    ビストロ・パ・マル・シリーズの魅力は、1話1話がちょっと一息つきたいときに読める分量と重さであることと、フランス料理にちょっと詳しくなった気分になれることです笑
    ちょっと癒されたいなという気分のときに、ヴァン・ショーがわりに、この本を手に取ってみることをお勧めします。

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    2025年09月06日
  • 間の悪いスフレ

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    コロナやウクライナ侵攻などの昨今の情勢が反映されてる〜と思っていたら3作目を飛び越していたみたい。ヴァンショーは今作でも出てきていて、ほっとする味なんだろうなと思わず飲んでみたくなる。料理教室のイライラした男性や、スタッフが定着しないレストランのシェフなど、今までよりもなんだか辛口な話も多かったかな。

    モンドールのチーズ、初めて知ったので今年の解禁を楽しみにしていよう。

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    2025年09月06日
  • みかんとひよどり

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    ___ヒヨドリの有名な料理に、みかんと一緒にローストするというものがある。みかんをソースにしたり半割にした果実を添えたり。
    ↑
    この一文が私の空腹をますます刺激する。
    しかし、ひよどりの姿がピンと来なかったためにYouTubeでみかんを啄む動画を検索し、すこし複雑な気持ちになった。

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    2025年09月01日
  • 迷 まよう

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    色々な迷うがありますね、良い短編集でした。
    好きな作家さんが参加しているという理由で読みましたが、読んだことのない作家さんの作品を読める良い機会でした。

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    2025年09月01日
  • ふたつめの月

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    賢者シリーズ第二弾。なお、第一弾は読んでおりません。

    謎の老人赤坂と、人生迷子の20代くりこ。
    片想い相手の男性はイタリアにシェフ修行へ行ってしまい、仕事は解雇され、それを家族にも言えない。

    後半は、赤坂を追う警察官も登場。
    赤坂は何者なのか?一作目読めばわかるのかな?
    読まなければ。

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    2025年08月28日
  • サクリファイス

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    この薄さでこの満足感はすごい。ロードレースというスポーツが紳士のスポーツというのは全く知らなかった。久しぶりの一気読みでした。

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    2025年08月17日
  • おはようおかえり

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    曾祖母がのりうって出てくるのは現実味がもちろんないけど、それは小説だから、あんまり気にならなかったかな。
    小梅ちゃんを中心に、考えさせられるトピックがたくさんあって、興味深く読み進められた。ふくら雀の練り切りは見てみたくなった!

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    2025年08月10日
  • 間の悪いスフレ

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    またまた軽くよめるのにでも次が読みたくなる本だった。今作はコロナという背景がありつつ、女性はおしゃべりが長いという時事ネタもありつつ。(←これは三舟シェフに拍手したくなった。)
    地域的なハンディや現実にある差別に悩む若者たちにエールを送ったような作品だったり。
    正面きって問題提起しているわけではないけれど、パマルの美味しそうな料理とやりとりを読んでいるうちに必要な人にはなんらかの気づきが届くような話たちが詰めあわされている本。

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    2025年07月29日
  • おはようおかえり

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    面白かった〜
    和菓子とちょっとミステリーとファンタジーがミックスした、なんとも不思議でほんわかするお話だった
    肝心の手紙は見つかるのか気になって読み進めたけど、見つかったら見つかったでそれはそれでどうでもいいようにも思えた
    人にはいろんな事情があって生きているんだなあ
    自分には、そういう心の機微がわからない
    何にも考えずに生きてきたからかも

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    2025年07月28日