近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
年老いたり、病気を持っていたり、飼い主が
様々な事情で飼うことができなくなった時に
預ける有料の老犬ホーム。
そういう存在を初めて知った。
働き始めたばかりの智美は、亡くなる時にすら会いに来ない飼い主に対し腹を立て、そんなの犬が可愛そうと発する。そんな智美に麻耶子は
可愛そうと思うのは勝手だけど、それはあなたの感情に過ぎない。それで人を裁かないで
と叱咤する。
背景を知るうちに、さまざまな事情があり
預けることを選択したことを受け止めていく。
もちろん、自分の勝手で預ける人もいれば、
親の介護、自分自身の闘病などさまざま。
だけど、犬にとっては大好きな飼い主と一緒に居られなくなったことしか分からない。
物語中盤からは、先の読めないミステリー感もあり
とても面白い。
それぞれが抱える恋愛、親子関係
に対して向き合い、成長していくところは、
水を縫う、西の魔女が死んだ、雲を紡ぐ
に共通するところがある。
共感したところ
『無謀かどうかは意志の力で正しい選択に変えることができる』
心に残る文章
『傷ついた子供はずっと胸の中にいる。
子供のまま、泣きそうな顔をして。
表面だけ大人のふりをしたって、その子はずっと傷ついたままだ』
物語の中心軸は
人に可愛がられ守られなければ生きていけない運命を持つペットを通して
責任とは、仕事とは、お金とは。
ということを問いかけてくる。
犬も人間も同じ。
年老いて、1人で生きていけなくなった時
親は親の責任があり、子は子の責任がある。 -
Posted by ブクログ
テーマと、澤村伊智さん松原タニシさんの対談に惹かれて、過去号をお迎えしました。
タニシさんの事故物件が13件目の時に対談されたらしく、先日聞いたラジオでの状況(その時は27件目とか言ってた、うろ覚え)との違いに感慨深くもなったり。
タニシさんをいくつかの媒体で追っていても、全然知らなかったことがこの対談でいくつも明かされていて、お迎えしてほんとに良かったなぁってなってます(事故物件価格設定とその裏事情とか)
あと、タニシさん、お話を引き出すのが相変わらず上手いですよね~ 澤村さんの黒い部分(笑)が引き出されてて、興味深く読ませてもらいました(笑)
そして、2025年現在、ピンピンしておられますし。なんてことはなくてほんとに良かった(^^)
他に、辻村深月さんと大島てるさんの対談、押切蓮介さんと泉朝樹さんのオンライン対談も掲載されてて、「闇祓」「見える子ちゃん」を読んでる自分にはどちらも興味深い内容でありがたかった(「見える子ちゃん」は電子で途中までだけど)です。
対談以外にも、連載やら読み切りの小説や漫画、色々盛り沢山で、お値段はそこそこの設定(私は中古をお迎え、すみません)だけど、この号をタイムリーに知っていたら定価でお迎えしていたと思う。それくらい個人的にはハマる内容でした。
中でも、とびきり怪談実話3編の印象が強め。
特に最後の岡利昌さんの「呪いの矛先」の読後感が…(泣)
4ページ分の内容だけど、衝撃が強すぎて… ホラー読んでる方々に読んでもらいたい、普段そんなことあんまり思わないけど、これはちょっと読んでもらいたい、そんな気持ちに駆られてます。
ただ一つ、巻頭のイラストが怖い〜(泣)
初めに開いていきなり怖いのが目に入って来るのは辛い(泣)
掲載漫画もそっち系なら読むのやめようかって思ってしまうくらいだった…大丈夫だったけど。。
小説とか映画は積極的になれるけど、アニメとかコミックとかの怖いのはほんと苦手(「見える子ちゃん」も実はキツイ)なんで、星4にしました(泣) すみません -
Posted by ブクログ
旅先で偶然出会った人と食べ物を通して、人生観が変わり、前向きになれる話を集めたアンソロジー。トラブルと偶然は旅につきもの。毎回すぐに「禍転じて~」になるとは限らないが、ターニングポイントとして意識されている。
全7話の中で、私は「夢よりも甘く」が最も気に入った。育ててくれた亡き祖母の思い出話。少女はそれが作り話であると薄々気づくのだろうが、大人になっても大事に温め続けている様子(例えば身近な人に指摘されてムキになる場面)が胸に刺さる。現実を知ってしまい、旅行中はコレといった良い出来事もなく、疲れ果て打ちひしがれて、旅が終わりに近づく。このまま静かに物語が終わるのかと諦めかけたところで、帰国後に急展開があり、少女時代の思い出が、大人の女性として歩んでいくためのスパイスに昇華されていく。
まさに、出発直前からトラブル続きで辛かった旅行が、その後の人生におけるターニングポイントになったのだろう。本人は「あんな旅行は二度と行きたくない」と思っただろうが、人生にとって決して無駄な時間ではないはず。自分にとって「最悪な旅行」はどんなものだったのか、振り返ってみたい。