近藤史恵のレビュー一覧

  • おはようおかえり

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    近藤史恵の日常ミステリ家族小説。和菓子屋の姉妹の話だった。
    近藤史恵の作品には多いけれど、さらっとゲイの人が出てきたりするんだよな。そういう描写が嬉しくなる。
    作中で明かされる主人公と主人公家族のある事柄に私は自分のフィルターをべりっと剥がされた感じがした。
    曾祖母のことについて探りながら主人公が自分と家族に向き合っていく話なのだけど、最終的には心があたたかくなれる、優しい読み口だった

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    2024年01月29日
  • 間の悪いスフレ

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    第4作。
    このシリーズは何度も読み返しているので、ビストロ・パ・マルは実際に訪れたことはないけれど馴染みのフレンチレストランのような気持ちになっている。
    なので、コロナが蔓延し制限が課される中、「あの人々はこの時期にどうなっているんだろう?」と思いを馳せた1作だ。
    営業時間を短縮したり席数を減らしたり、テイクアウトメニューを模索したり、料理教室を開いたり、その時の最善を尽くしていてほっとした。

    ギャルソンの高築君の視点で語られている物語だが、彼はあまり感情の起伏がない。
    ビストロ・パ・マルの他の面々も仲がいいが、あくまで仕事上でよいものを引き出すための関係という感じが心地よくも淡々としている

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    2025年02月15日
  • おいしい旅 初めて編

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    「アミの会」のアンソロジー。
    『初めて編』ということで、七編のストーリーは、初めて訪れる旅先での初めての食べ物が登場する。

    料理が美味しそうだったのは、乗り鉄・食べ鉄にも嬉しい「下田にいるか」坂木司さん。なんと言っても下田なら行けそう!と思えるのが嬉しい。観光も楽しそう。

    もうひとつは、サハリンでのロシア料理がたっぷりの「地の果ては、隣」永嶋恵美さん。初めて読む作家さん。作中では、既にロシアとウクライナの戦争の気配が描かれていて、今は…まだ、いつになったらロシアに旅行に行こうと思えるのかわからないけれど。

    コロナ禍のあと、旅に出る物語が描きにくくなっただろうと思うけれど、むしろ、だからこ

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    2024年01月27日
  • 夜の向こうの蛹たち

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    誰もに勧めるものではないけれど、私は面白く引き込まれた。
    レズの話だけれど、生々しさはなくサクッと読める。主人公に北川景子か菜々緒、主人公が好きになる赤ちゃんみたいな白いぷくぷくした初芝は富田望美、美人過ぎて薄幸な速水は今田美桜かなぁ。トリリオンゲームに引っ張られてるかなぁ。

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    2024年01月24日
  • さいごの毛布

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    人もペットも高齢化社会。老犬ホームという施設が本当にあるのだと知って、確かにこれから需要は増えていくのだろうと思った。
    登場人物たちが皆少しずつ訳アリで、時々不穏なものが漂い、事件も起こるが、お話が進むにつれて静かに解けていく。
    性格のコンプレックスなどは誰もが抱えているだろうけれど、他人から救われる一言が発せられる場面があったりして優しい気持ちになる。

    ところで兵庫県が舞台らしいし主人公も奈良出身だというが、関西弁がまったく話されていないのが不思議。関東人の自分には読みやすくてありがたいけれど。

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    2024年01月15日
  • 二人道成寺

    匿名

    購入済み

    タイミングが良かった

    奇しくも今月歌舞伎座では、娘道成寺がかかっており、前半と後半で二人の役者がそれぞれの娘道成寺をやる。
    女形の根底の一部が見えたような気さえする作品だった。
    早く歌舞伎座で娘道成寺を見たくなった。

    #切ない #エモい #深い

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    2024年01月15日
  • 夜の向こうの蛹たち

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    小説家である織部妙は、新人小説家の橋本さなぎという綺麗な女性を紹介される。
    織部は、橋本さなぎの本に夢中になるが、紹介された橋本本人が、本の印象とは違うことに違和感を抱く。この人がこの本を書くのか?という違和感、わかる気がする。
    暗く不条理な、そんな小説を書いている女性がホステス風だと、なんかイメージ違ったなってなりそうだ。この本では、織部以外の人は橋本さなぎに違和感を抱いていない様子なのは、単に「美人だからいっか」と美人は許されるということなのか、橋本さなぎの文体を初芝祐のような太った女性が書いていることを笑うのが主流だからなのか…。私には分からない。
    でも確かに、小説家について見た目と作風

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    2024年01月15日
  • [新版]モップの精は旅に出る

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    モップシリーズ最新刊、久々に出た!と喜んだら最終巻とは寂しい。
    英会話スクールの講師人気ランキングの話はよく聞きますね、大人になってもイジメして相手を追い込んで加害者は罪を意識せず過ごしてる、て現実でもよくあって気分悪い。軽い気持ちのイタズラ、「そんなつもりなかった」て言ってもそれで済まないことがある、男女の認識の差。最終話、大介登場。外では快刀乱麻を断つキリコも実生活では色々ある、でも絶対的な味方がいて良かった。

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    2024年01月11日
  • 11の秘密 ラスト・メッセージ

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    大好きなアミの会(仮)のアンソロジー。ラストメッセージという副題でなんとなく遺書を思い浮かべたけど、そうかぁこんなに色んな最後のメッセージてのがあるもんだ、としみじみしてしまった。近藤史恵さんの久々にゾワッとする怖い話も、福田和代さんのカッコいい刑事さんの話も、楽しんで読めた本。

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    2024年01月06日
  • はぶらし

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    昔の友人から突然連絡があり、居候させて欲しいという、しかも子連れ。少しならと受け入れるとなんだかんだで長引くのでイライラさせられる。恐らくほとんど読者は居候されている側の気持ちで、どうしてくれるんだみたいなザワザワしたまま物語の先を追いかける。
    作者が女性だから書けるだろうというところもあり、ある部分で居候側の気持ちもわかったりして、最後まで読んでいくらか納得して高い評価となるのか。まあ、そういう話かというエンディング。先が気になって一気に読んだから星4つにしたが、感想を書いていて星3かなというところ。
    自転車レースの推理小説がとても面白かったので何冊か読んでいるが、それに並ぶような快作がない

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    2023年12月27日
  • 私の命はあなたの命より軽い

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    身内って家族ってなんだろうね。相性もあるのだろうしどこまでも信じられるって思えるか正直不安。自分と相手の幸せが交錯すればそこに言葉にはしないが憎しみも生まれるかもしれない。

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    2023年12月24日
  • おいしい旅 しあわせ編

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    読みに行くいものは飛ばして。
    海外の内容も多かった。
    個人的には国内の短編が読みやすい。
    食べ物はハンバーグ、サンドイッチとか
    挟まれる系が多かったかも

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    2023年12月17日
  • おはようおかえり

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    自分は逆に外に出たがる妹に、お姉ちゃんも家業に縛られなくてもいいと思うと言われた時に
    「この世の中で、なにか特別できらきらしたものを見つける人なんて、少ししかいないのではないのだろうか。
    それを見つけないと充実した人生と言えないのなら、自由でいることだって抑圧的だと思ってしまう。」

    「たった一度の人生だから、やりたいことをやった方がいいという人だっているけど、たった一度の人生だからこそ、よく考えて行動したいのだ。」
    というところに共感した。

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    2023年12月16日
  • おいしい旅 しあわせ編

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    ネタバレ

    全体的に少しビターテイストなアンソロジーでした。

    お気に入りは柴田さんの「夕日と奥さんのお話」

    突然旦那さんが実家の田舎に早期退職して終の住処としたいと言い出した。反対すると、自分に有利な条件で離婚を言い渡されて…

    浮気をされたわけでもなく、価値観の違いが生じてしまったけれど、石垣島への旅で和解の道が開けたのは救いでした。
    旦那さんの言っていた石垣島の「浜崎の奥さん」の正体がビックリでした。

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    2023年12月15日
  • エデン

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    前作よりもミステリー的な驚きは少ない印象でしたが、自転車レースの過酷さはより伝わる内容でした。
    ニコラを優しく説得するチカの言葉には、チカがこの舞台でアシストとして走っている理由が詰まっていると思いました。

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    2023年12月15日
  • さいごの毛布

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    ネタバレ

    老犬ホームを舞台にした小説で、このタイトル…てっきり動物好きの涙腺をダイレクトに刺激してくるべたな連作集でないかな…と勝手に推測していたが、まったくそんな作品ではなかった。
    もちろん犬ネタでうるうる来そうになる場面はあるにはあるが、あくまで物語の主人公は人間であり、描かれるテーマも人と人との絡みにまつわるあれこれである。
    例えば、身勝手な犬の飼い主たちはつまることろ、身勝手な不倫男のメタファーであり、そこに共通して見えるのは、相手の気持ちや立場を慮らず利己に徹する未熟で歪な愛情だ。
    厳然と横たわる様々な社会問題を、老犬ホームというギミックを使って巧みに読者に提示している、とも換言できる。
    そし

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    2023年12月12日
  • モップの精と二匹のアルマジロ

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    キリコ日常の謎シリーズ

    日常の謎だけど今回は複雑だった。
    何がアルマジロなんだろうと思っていたけど
    最後の最後になるほど…となった。

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    2023年12月06日
  • エール!(1)

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    お仕事小説アンソロジー。
    大崎梢さんの漫画家のお話と、近藤史恵さんのツアーコンダクターのお話がすごく面白かったです!短編だから読みやすい。「エール!」は3巻まであるみたいなので、全部読んでみたいです。

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    2023年12月02日
  • スティグマータ(新潮文庫)

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    もう続編は出ないのかな。
    こんなに面白くてドキドキさせてくれるスポーツ小説に出会えて良かった。
    レース中の駆け引きや疾走感溢れる描写には興奮させられる。
    敵でありながら協力し合う関係性も良い。
    あと何といってもキャラが良い。
    白石、伊庭、ミッコ、ニコラ、アルギ、メネンコ。
    それぞれの思惑や背景がこの作品に奥行きを与える。
    自転車ロードレースに魅了された男達の物語には、毎度のことながら胸が熱くなる。

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    2023年11月30日
  • キアズマ

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    どうして彼らはここまで熱くなれるのだろう。
    自身の体を酷使してまで危険で過酷なレースに挑むのだろう。
    スポーツにのめり込んだことの無い自分には、到底理解できない感情。
    なのに、読めばいつでも胸が熱くなる。
    カッコイイと思ってしまう。
    ひょんなことからロードレースの楽しさに目覚めた正樹と、並々ならぬ思いで挑む櫻井。
    大学生ならではの青さと二人の関係性が良い。

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    2023年11月12日