近藤史恵のレビュー一覧
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アミの会(仮)のアンソロジー。書き下ろしが毎度のことながら嬉しい。
11人の11の話。きっとお好みがあるはず。
私のおすすめは、「猫への遺言」「十年日記」「青い封筒」。
「猫への遺言」は、亡くなった夫からの手紙。
知りたくなかった秘密が明かされて、胸が痛む。
それは妻の側からの痛みだが、一方で夫の心も少しわかる気がする。
夫の方の胸の痛みは、甘やかな痛みと、突き刺さるような痛みの2種類。
生きていれば、そういうこともあろうか、と思ってしまう。
最後に伝えられる愛の言葉は、明かされた秘密への悲しみを癒してくれるだろうか。
それとも、それはそれ、なのだろうか。
わたしは、それも含めて、やっぱり夫 -
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ネタバレ友だちとはなんなのか
女同士は年齢を重ねるにつれて環境の似た人と
親しくなっていく
それはもしかしたら自分にないものを
羨ましく思って苦しくなったり、妬ましくなったり、本来のその友人自体をみなくなってしまうのかもしれない
そんな自分も嫌になるから自然と距離が出来てしまうのかも。
この本を読んで、正直嫌な気持ちにもなった
家にお邪魔することが当たり前かのように
自分の不幸はみんなのせいであるかのように
振る舞う姿も、それを嫌と思いながら中途半端な優しさで自分が優越に浸りたい姿も。
結局みずえは何を思ってどんな人物だったのか
2人がそれっきりになってしまっては分かりようもない。 -
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サクリファイスシリーズ4作目。
今度の主人公はキアズマ君なんやと思ってたら、”キアズマ”は生物学の用語らしい。染色体が交差するところ。僕、生物工学専攻やったんやけどなぁ、覚えてへんなぁ。授業ほとんどサボってだからなぁ。それはさておき、
サクリファイスシリーズは毎回、ロードレースの熱狂をもたらしてくれるが、初心者を主人公とした今作は、主人公と共に、改めてロードレースの魅力を発見していく喜びを体験できる。
舞台は大学の自転車部だ。大学のちょっと面倒臭い人間関係とかも思い出してしまった。いるよね、こういうセンパイ。
主人公の正樹はトモスと言うモペットに乗って登場する。モペットとは、初期の原付。自転 -
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ネタバレ目次
・深夜の歌姫
・先生のお気に入り
・重なり合う輪
・ラストケース
清掃員キリコシリーズの最終巻。
実は清掃員というのは、人が捨ててしまったものを拾ったりして、その気になれば個人情報なども得ることができるので、このままシリーズを続けるとキリコにそこまでやらせなくてはならないと考えての終了なのかな、と思ったり。
このシリーズにずっと感じていた違和感も、その辺にある。
地に足の着いた仕事をしている、若くて可愛くて頭の回転の良い人妻のキリコの前に、殺人事件が多すぎる。
「殺してやりたいほど憎い」と思うことはあっても、実際に人を殺す人はそれほどいない、はず。
今回の事件でも殺意はなかったとは