近藤史恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
猿若町捕物帳シリーズ5作目。期間はこれが最後であるが,出版されたのはもう7年も前のことで,これで打ち止めと考えたほうが良いだろう。メインの登場人物たちの先行きについては気になることが多いので続きがないことは残念だ。こういう時よく読者が各自の想像力で考えれば良いというようなことを言うが,自分で考えたって面白い話にはならないから読者に徹しているのであって,全く見当違いと言って良い。
「むじな菊」
「だんまり」
「土蛍」
「はずれくじ」
しかし実際,事実上の最終話で話をまとめるようなことはしておらず,しかも「はずれくじ」に至っては書籍化のためページ数を合わせるために書いたようなおまけ的小品であり,近藤史恵さん自身は続きを書くつもりでいたのかもしれない。出版社が変わったり,未だ電子化されていないことを考えるとセールス的にあまり成功していなかったのかもしれない。十分面白んだけどなぁ。千蔭の嫁取りがどうなるのかくらいは書いてほしかったな。 -
Posted by ブクログ
アミの会(仮)のアンソロジー。書き下ろしが毎度のことながら嬉しい。
11人の11の話。きっとお好みがあるはず。
私のおすすめは、「猫への遺言」「十年日記」「青い封筒」。
「猫への遺言」は、亡くなった夫からの手紙。
知りたくなかった秘密が明かされて、胸が痛む。
それは妻の側からの痛みだが、一方で夫の心も少しわかる気がする。
夫の方の胸の痛みは、甘やかな痛みと、突き刺さるような痛みの2種類。
生きていれば、そういうこともあろうか、と思ってしまう。
最後に伝えられる愛の言葉は、明かされた秘密への悲しみを癒してくれるだろうか。
それとも、それはそれ、なのだろうか。
わたしは、それも含めて、やっぱり夫を愛している、という意味だと思いたい。
「十年日記」は、最後にひっくり返されて嬉しい驚きだった。
これは文章だからこそ、だなぁ…
そして、無くした指輪が収まるべきところへ収まったのは、実に胸熱。
初っ端からいきなり日記が途切れるのでどうなることかと思ったが、綺麗な着地で、こんな文が書いてみたい、そんな野望がむくむく。
「青い封筒」は、亭主関白な父親と、思春期真っ只中の息子と。
夕飯を食べていくのに睨め付ける流ような目で見る息子の友達。
これ、嫌な方向にいかないといいなぁ…とドキドキしていたが、涙あふれる展開。
あんまりにも感動して、寝ている子供を抱きしめたり撫でたりしていた。
嫌なこともいっぱいあるけれど、子供って良いなぁ、いい子に育っていてくれているなぁ、世界で一番可愛いなぁと胸がいっぱいになった早朝のこと。