近藤史恵のレビュー一覧
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購入済み
夢を失うところ
読む前に予想してた感じとは少し違ったけどこれはこれで良かったです。北緯60度の恋が印象的。過去の絵、の中の芸大や美大は、夢を持った若者が集まるところではなく、若者がそこで夢を失うところだ。という一文にハッとした。
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ネタバレ表紙のタイトルが気に入って読んだ。短編物は一般小説を読んでいるとどうしても物足りなくて、かといって短編だけど、一つ一つが最後につながって..といったものもそろそろ読み飽きてって思ってましたが、いい意味で裏切られました。一話一話はボリュームがないはずなのに奥深くていろいろ考えさせられる、それでいて、結末に驚かされる。決して小粒ではない短編なのに読み応えのある大粒の傑作集でした。女性作家が集まって作られた作品ということもあり、優しく包み込まれるような話ばかりで、一気に読むよりは一日一話づつちょっとづつ読むのがいいのかもしれません。
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Posted by ブクログ
ミステリー小説家のアンソロジー。
長編にできそうなネタを惜しげもなく短編に仕上げている作品もあり、とても楽しめた。
特に下記三作品が面白かった。
近藤史恵「未事故物件」
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
新津きよみ「女の一生」
●近藤史恵「未事故物件」
引っ越したアパートの上の部屋から午前4時に洗濯機の音が聞こえてくる。しかし部屋は空き家だという。騒音に悩まされた主人公は音の正体を探り始めるが…。
●福田和代「迷い家」
泥酔して他人の家に上がり込んだ主人公。食卓に用意された鍋を食べ、食器を1つ持ち帰る。後日、その屋敷の住人が行方不明になったと耳にする。しかも主人公が迷い込んだ日だと -
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ネタバレ近藤史恵「未事故物件」
一人暮らし始める前に読まなくてよかった。
ホントに怖いのは生きてる人間。
でも、毎日4時に洗濯機回されたら発狂しそう……
福田和代「迷い家」
舞台は現代日本だけど、導入はほんのり日本昔話テイスト。
優しいお出汁のお鍋食べくなっちゃった。笑
最後のオチはちょっと強引な気もするけど……。おちょこに指紋ついてるくらいなら、他のものにもベタベタついてるでしょって。
乙一「沈みかけの船より、愛をこめて」
自分の両親も主人公と同年代くらいの頃に離婚しているからか、感情移入がはんばない。しかも4つ下の弟がいるのも一緒!
両親のどっちについていっても良いよって、子供の気持ちを尊重し -
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女性の多い職場で可愛がられる?いじられる?草食男子な新入社員。
強気でマイペースな掃除の女の子とは、正反対で良いコンビなのかも。
それぞれ短編になっていて、スポットがあたる人物もいたりして、わかりやすいかと思いきやミスリードされていて。
軽く読めるけど読み応えもありました。
掃除の人って、その建物で働く人からすると、いてもいないような存在なのかな。
いなくなって初めて気付くような。
綺麗なオフィスであることの有り難さ、当たり前に思ってはだめですね。
公共の施設でもそうですけど、誰かが掃除してくれてるから綺麗なんだってこと、忘れてはいけない。
掃除の仕事に熱意や誇りを持ってる彼女は、モップを -
Posted by ブクログ
目覚めたら病院、記憶喪失になっている主人公。何も思い出せないところに夫が現れるけれど、ピンと来ない。日々を過ごしても、上手く記憶が戻らない。でも何かが強く心に残っていて、時に蘇る。
あのひとは誰なのか。このひとは本当に味方なのか。すべてが不確かで、何もかも疑わしく思えてしまう。
わからないことだらけの中、少しずつ真実の切れっ端のようなものが見えてくるので、読む手が止まらなかった。
思いもかけないからくりもあって、楽しめた。最初から最後まで面白かったな。
読み終えてから冒頭の序文のようなページを読み返したんだけど、最後の一文だけ何のことを言っているかわからなくて今も気になってる。