近藤史恵のレビュー一覧
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ネタバレ友だちとはなんなのか
女同士は年齢を重ねるにつれて環境の似た人と
親しくなっていく
それはもしかしたら自分にないものを
羨ましく思って苦しくなったり、妬ましくなったり、本来のその友人自体をみなくなってしまうのかもしれない
そんな自分も嫌になるから自然と距離が出来てしまうのかも。
この本を読んで、正直嫌な気持ちにもなった
家にお邪魔することが当たり前かのように
自分の不幸はみんなのせいであるかのように
振る舞う姿も、それを嫌と思いながら中途半端な優しさで自分が優越に浸りたい姿も。
結局みずえは何を思ってどんな人物だったのか
2人がそれっきりになってしまっては分かりようもない。 -
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サクリファイスシリーズ4作目。
今度の主人公はキアズマ君なんやと思ってたら、”キアズマ”は生物学の用語らしい。染色体が交差するところ。僕、生物工学専攻やったんやけどなぁ、覚えてへんなぁ。授業ほとんどサボってだからなぁ。それはさておき、
サクリファイスシリーズは毎回、ロードレースの熱狂をもたらしてくれるが、初心者を主人公とした今作は、主人公と共に、改めてロードレースの魅力を発見していく喜びを体験できる。
舞台は大学の自転車部だ。大学のちょっと面倒臭い人間関係とかも思い出してしまった。いるよね、こういうセンパイ。
主人公の正樹はトモスと言うモペットに乗って登場する。モペットとは、初期の原付。自転車にエンジンをくっつけた様な小型バイクだ。僕も以前,トモスに乗っていたので、早々に親近感を覚えてしまった。しかし、そのトモスが無茶苦茶重いことも良く知っている。エンジンを切ってペダルだけで漕ごうなどと決して思わない代物だ。ガソリン代を浮かすためとは言え、正樹の筋力と体力の異常さに驚かされる。化け物並みだ。
しかし、今回もっとも魅力的な登場人物は先輩の櫻井。粗野にして繊細、横暴だけど親切。そして秘められた思い。ちゃんと弱点があるところも良い。アニメだったら、主人公を差し置いて人気が出るタイプ。友達にはなれないけど、友達の友達くらいにはなりたいよ。 -
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ネタバレ目次
・深夜の歌姫
・先生のお気に入り
・重なり合う輪
・ラストケース
清掃員キリコシリーズの最終巻。
実は清掃員というのは、人が捨ててしまったものを拾ったりして、その気になれば個人情報なども得ることができるので、このままシリーズを続けるとキリコにそこまでやらせなくてはならないと考えての終了なのかな、と思ったり。
このシリーズにずっと感じていた違和感も、その辺にある。
地に足の着いた仕事をしている、若くて可愛くて頭の回転の良い人妻のキリコの前に、殺人事件が多すぎる。
「殺してやりたいほど憎い」と思うことはあっても、実際に人を殺す人はそれほどいない、はず。
今回の事件でも殺意はなかったとはいえ、同僚に罪をなすりつけるような偽の証拠をでっち上げたり、親切を装って虎視眈々と復讐の機会を狙ったりと、度を越した悪意が頻発する。
それなのに、いつも明るく元気なキリコ…だったらそれは鈍感すぎるでしょ。
人の気持ちのすれ違いが事件を生むのはしょうがないけれど、人の気持ちのすれ違いが殺人に直結するのはなあ…ってずっと思っていた。
近藤史恵は殺人に頼らなくてもミステリを創り出すことのできる作家だと思っているので、このシリーズはこれでいいや。 -
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嬉しいお久しぶりの『サクリファイス』ロードレースシリーズ、その4作目『キアズマ』
今作品は前3作品と違って、プロではなく大学生自転車部の話
そして登場人物はみんな初出演(一部レギュラー出演有り)
シリーズを読んでいない人でも、全く問題なく読める
しかも主人公がロードレース初心者であるので、読む側も経験や知識がなくてもスイスイ話に入っていける
主人公は、友達や先輩との関係、ロードレースを続けるのかやめるのか、自分と葛藤し続ける
命をかける覚悟、誰かを傷つける恐怖、もう傷つきたくない自分――。
でも潜在能力がある事を知り、どんどんロードレースにハマっていく
ただ走りたい、自分自身と向き合うために
助けられなかったアイツのために――。
そういえば、最後のアイツのメールにはなんて書いてあったんだろう。。。
良い事の様な気がする
次の『スティグマータ』に出て来る?? -
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「近藤史恵」の連作短篇時代小説集『猿若町捕物帳 土蛍』を読みました。
「近藤史恵」作品は、一昨年前の8月に読んだ『タルト・タタンの夢』以来なので、約1年半振りですね… 「松本清張」作品に続き、時代小説・捕物帳が続いています。
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南町奉行所の定町廻り同心「玉島千蔭」は、猿若町の中村座から三階役者が首を吊ったと知らせを受ける。
早速かけつけた「千蔭」は、骸があった場所でその死に不審を抱く。
調べを進める「千蔭」の前に明らかになってきたのは、芝居の世界に横たわる漆黒の「闇」だった(表題作『土蛍』)。
人気シリーズ、待望の第五弾は、珠玉の短編四編を収録。
読者を唸らせる時代推理小説の大傑作。
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2013年(平成25年)に刊行された猿若町捕物帳シリーズの第5弾作品で、現時点では最新作のようですね… 本シリーズ、初めて読みましたが、平易な文章で読みやすく、さらっと軽く読めて良かったですね。
■むじな菊
■だんまり
■土蛍
■はずれくじ
■解説 門井慶喜
『むじな菊』は、身重の「良江」が、自分を捨て芸者の元に行った夫「長六」を取り戻すため、自分に気のある差配人の「銀治」に手にかける物語、、、
「良江」は、賭け事が好きで荒くれものの兄「作二郎」の犯行に見せかけようとするが、「千蔭」は、そのトリックを解き明かします… 女の嫉妬、愛憎の恐ろしさを感じましたね。
『だんまり』は、不出来で博打狂いの兄「権三(利十郎)」と振り回される妹「お鈴」の物語、、、
頻発する髷切りの犯行と、兄の借金を返済するために吉原に売られていく覚悟を決めた「お鈴」のエピソードがひとつの事件としてつながり… 「権三」にとっては人生をやり直す、良いきっかけになったんじゃないですかね。
『土蛍』は、妻の心中に気がつかず遊女を見受けしようとする武家「小野外記」の物語、、、
中村座の役者「新八」が首吊自殺に見せかけられて殺害された事件とあわせて物語は展開… 美しい女をいくら抱いても幸せになれない男、他の男の子どもであっても受け入れて幸せな男、年を重ねた女の男を思う気持ち・業の深さ、男女の機微や相剋を背景に「千蔭」の名裁きが愉しめる内容でした。
『はずれくじ』は、不幸にまみれた男「直吉」が、富くじ購入を頼まれたことから運命を狂わせてしまう物語、、、
「直吉」は、再起を思いながら、富くじを買うために預かったお金で隣に住む若者のために翡翠の根付けを買い、結局それで原因で殺されてしまうことに… もう少し人の気持ちがわかれば、もしくは、あっさり富くじを買っておけば、こんなことにはならなかったのに と思わずにはいられない展開でした。
なかなか面白かったです… 本シリーズ、機会があれば別の作品も読んでみたいですね。 -
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ネタバレシリーズ初の長篇です。
誰もが羨むイケメンと結婚した地味な女性・真琴から、夫が浮気をしているか調べてほしいと頼まれるキリコ。
あまり現実的ではない導入部だけど、キリコを動かさなくては話が進まないので、まあしょうがないか。
その後イケメン夫の友也が大介の目の前でひき逃げされ、直近三年間の記憶を失うという事態になり、キリコと大介は夫婦ごと、真琴と友也に関わっていくことになる。
が、キリコがおせっかいというかお人好しなのはシリーズ通して知ってはいたけど、最近知り合った夫婦にあそこまで頼り切る真琴がちょっと不可解だった。
だってキリコの方が年下だし、普通はもう少し遠慮すると思うんだけど。
浮気を疑ったのは、夫の帰りがいつも遅いから。
イケメンで性格が良くて高給取りの夫に対して引け目を感じていた妻は、「残業だから」という言葉を信じていたが、その会社は社員に極力残業をさせないことで有名な会社だった。
では夫はいつもどこで何を?
ところが肝心の夫が記憶喪失で、謎は最初から突き当りにぶつかってしまう。
夫が隠していた秘密は確かに重たいものだけど、結婚する前に話をするのがフェアだったのではないか。
二匹のアルマジロとは友也と真琴夫婦のこと。
互いの体温を感じることもできないくらいの厚い皮で覆われた心。
全てが明かされた後、二人はその皮を脱ぎ捨てて寄り添い合うことができるのか、それとももう手遅れなのか。
その判断は読者にゆだねられる。
私は寄り添い合うと思いました。 -
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ネタバレ目次
・水の中の悪意
・愛しの王女様
・第二病棟の魔女
・コーヒーを一杯
相変わらずキリコが夜間清掃をする場所での謎解きの話なんだけれど、作品の中で時間が流れているのがわかる。
シリーズ一巻目の最後に結婚して、二巻目の最後の話でその後の結婚生活がちょっと出たけれども、このまま出先での謎解きがメインなら、結婚した意味があまりないかなあと思ったけれど、今回はよかったな。
キリコの家庭が見えてくることで、キリコが悩むこともあり、人物が立体的になるので。
でも、何度も言うけど、日常の謎系に殺人はいらんのじゃ。
『第二病棟の魔女』は、自分が小学生の頃に入院した時のことを思い出して、複雑な思いに。
難病に苦しむ娘に「将来結婚できなかったら、お母さんのせいだ」という母親。
自分を責める気持ちに嘘はないと思うけれど、その言葉が娘を傷つけていることには気づけない。
私も「将来子どもを産むことはできないかもしれないと覚悟しておきなさい」と言われたな。
子ども好きだったから後にショックを受けないようにという親心だったのだけれど、根拠のない脅しでしたね。
幸い私に感受性がなかった(母の言)ため心の傷にはならなかったけれど。
看護師も人間だからいろいろあるだろうけれど、患者の子どもたちを傷つけるのは許せない。
体の傷も、心の傷も。 -
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ネタバレ目次
・悪い芽
・鍵のない扉
・オーバー・ザ・レインボウ
・きみに会いたいと思うこと
最初の話『悪い芽』も読後感がよろしくはなかった。
「駄目な人間は、いくら管理して教育しても無駄だよ」
「自分には人を振り分ける権利があると思っているのかしら」
いるよね、こういう人。
自分は一段上にいると勘違いしている人。
そして、自分の感覚・意見が絶対正しいと信じて疑わない人。
その自信はどこから来るのだろう。
少し分けていただきたい。
しかし『鍵のない扉』と『オーバー・ザ・レインボウ』は駄目だ。
「死ねばいいのに」と思うのと、「死ぬかもしれないことをやる」のは全然違う。
『鍵のない扉』は、それっほっちの理由でそんなことする?って思う。
未必の故意かもしれないけれど、製薬会社の広報誌を作っているような人が、アレルギーについて知らないわけがない。
『オーバー・ザ・レインボウ』もなぜそっちに舵を切ったのか?
不都合な存在は目の前からいなくなればいいって、あまりにも短絡的。
そしてそんな会社に残って夢をかなえようとする気持ちもわからん。
と、文句を言いながらも読んでしまう。
キリコのキャラクターがいいんだなあ。
”相手に自分の考えを押しつけるのではなく、自分が考えを曲げて相手に従うのではなく、それ以外の解決法を見つけている。”
服装は奇天烈でも、中身は大人だよね。