近藤史恵のレビュー一覧

  • ほおずき地獄~猿若町捕物帳~

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    ネタバレ

    猿若町捕物帳シリーズ第2弾。
    幽霊騒ぎに乗じて茶屋の主人夫婦が殺された。下手人は夫婦を恨んでいる幽霊だと噂が立つ。
    幽霊が出た後には必ず縮緬細工のほおずきが落ちているという。
    女性が苦手な“二枚目同心”玉島千蔭はじゃじゃ馬娘との縁談話に悩む傍ら、事件の解決に乗り出すが…。

    人の昏い部分に光を当てた、心を抉ってくる話ですが、とても良かったです。

    前作同様、通常の千蔭の捜査とお玉という少女のモノローグの二つの物語が同時並行で進み、それらがひとつに融合した時に見えてくる悲しい真実に胸が締め付けられました。

    お玉の一途に慕う想いの向かう先に恋の成就はなく、『安珍清姫』の清姫の心境になぞらえたお玉

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    2016年11月20日
  • 胡蝶殺し

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    歌舞伎役者・市川萩太郎は、急逝した先輩役者の息子、7才の少年の後見人を任される。
    後見人と言っても世間一般のそれとは違い、名ばかりではなく、実際に歌舞伎役者として育て上げることも意味する。
    萩太郎には、少年と同じ学年の息子がいた。

    梨園という特殊な世界では、伝統芸能を後世に伝えていくために、男子は生まれた時から、役者として生きることを運命づけられ、幼児の頃から、必要な稽古をみっちり仕込まれる。
    学校よりも家業が優先されるという、これも今時特殊である。
    そこに生まれた男子に、芸能の才が無かったら?
    向いていなかったら?

    実の息子と、託された「義理の息子」を抱え、萩太郎はさまざまに悩むこととな

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    2016年11月13日
  • 天使はモップを持って

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    オペレータールームに配属された新入社員の梶本大介。
    この会社には一風変わったキリコという女性の清掃作業員がいた。
    ミニスカートや、ピアスをいくつもつけた派手な外見。
    それでいて彼女の掃除後には塵一つ残らないという一流の腕。
    彼女は社内で起きた様々な謎を次々と解決していくが・・・。

    ホームズ役のキリコとワトソン役の大介が、オフィスで起こる様々な事件をキリコの職業柄身についた洞察力と情報収集力で次々と解決していくという、テンポの良い流れに乗ってさくさく読めちゃうミステリ短編集です。

    謎も小粒で一見ライトなのですが、その動機や背景にはシビアで重いものが隠されています。
    女性社員活躍を阻む保守的な

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    2018年01月11日
  • 土蛍~猿若町捕物帳~

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    ネタバレ

    2016/10/8
    安定の。
    今回は千蔭さんに新しい許婚は現れなかったけど妹にデレデレする千蔭さんはいい!

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    2016年10月16日
  • シフォン・リボン・シフォン

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    近藤さんの書く本に出てくる「母」や「介護」っていう存在っていうのは、すっごく身近で、逃げたいけど逃げられない。関係を切ったら、自分もその傷口がふさがらない。だけど、、、すごく、悩ましい存在として描かれていて、そんな中でも自分の人生を生きていく人のお話がちりばめられている。ほっとするな。
    こういう下着。ほしいな。それとパジャマもね。

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    2016年10月15日
  • 昨日の海は

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    一緒に暮らすことになった伯母と従妹の存在は、
    これまで普通に平凡に暮らしてきたと思っていた
    高校生の光介の生活に風を起こす。

    光介が祖父母の心中の真相に迫る。

    とても衝撃的なことだと思うのだけれど、
    意外と淡々とことに当たっていくように思うのは
    光介が祖父母に会ったことがないからなのか。

    真相を知ることは心の澱みをクリアにすることなのか、
    もっと澱んでしまうことなのか
    それでも調べずにはいられない、

    そいういう若い光介の心情はよくわかるし、
    伯母の気持ちもよくわかる。

    高校生の目線で書かれているので必要以上にドロドロせず、
    彼が大人に成長してく様が伝わってきた。

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    2016年10月01日
  • 昨日の海は

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    ドロドロもいじめもない爽やか近藤さん。それだけに光介が思い至った華子の苦悩が痛々しい。芸術家が家族に理解を求めることはあっても、その逆が受け入れられることは少ないのだろう。夫が自分の芸術に無関心なのがありがたいという葉に納得。『象は忘れない』をちょっと連想した。

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    2016年09月30日
  • 演じられた白い夜

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    なんでこんなにも小説の中の男女は入り乱れるんでしょう
    現実でもこんなに簡単に殺意と愛情が入り乱れるんでしょうか
    リミッターが振り切れればそうなるのかな

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    2016年09月19日
  • 賢者はベンチで思索する

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    近藤史恵の賢者はベンチで思索するを読みました。

    七瀬久里子は服飾の専門学校を卒業後、希望する職種に就けなかったためファミレスのアルバイトをしています。
    そのファミレスに来てコーヒー一杯で数時間ねばっている老人国枝さん。
    国枝さんは久里子と一緒に犬の虐待事件やファミレスの業務妨害事件などを解決していきます。
    そして、国枝さん自身にも謎が隠されていたのでした。

    この物語には二匹の犬も登場します。犬好きの気持ちがちょっとわかりました。

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    2016年09月10日
  • シフォン・リボン・シフォン

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    自分を大切にすることは人に大切にされることとは訳が違う。
    自分の体に合った素敵な下着を着けるとき、外の世界でも私自身を失わず私でいられると言ったら大袈裟だろうか。
    特別な日を生むのは自分だ、そう思うと自分を大切に名一杯可愛がってあげたい気分になる。

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    2016年08月24日
  • カナリヤは眠れない

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    ネタバレ

    2016/7/27
    この人の書くお店はなんでこうも行きたいのか。
    この接骨院めっちゃ行きたいわ。
    前のフランス料理より行きたいわ。
    マジどこにあんの??

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    2016年07月27日
  • ほおずき地獄~猿若町捕物帳~

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    ネタバレ

    2016/7/7
    読みやすい。
    時代劇推理小説ってなんか新鮮。
    意外となくない?
    私が忘れてるだけ?
    推理小説要素が結構濃いのでなんか新鮮なのかな。
    千蔭さんはどんなお嫁さんもらうんだろうね。

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    2016年07月10日
  • シフォン・リボン・シフォン

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    栄えてない町にできる、下着店の話。
    誰にでも悩みはあるし、それをわかってくれる人がいたり、いなかったり・・・。
    少し避けたがる、”下着”をモチーフにして展開される話が新鮮だった。
    自分に合った下着を見つけるように、その人に合った人生があるはず・・・・

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    2016年07月01日
  • ふたつめの月

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    「賢者はベンチで思索する」の続編ということで読んでみた。第一作の展開と比べ「おっと」ということはなく、「ああ、そうなんだ」という展開だが楽しく憂さが晴れる。

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    2016年06月11日
  • 賢者はベンチで思索する

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    近藤史恵は、「天使はモップを持って」「サクリファイス」に続き3作目だ。いずれもジーンと心に沁みる。心が開かれる。

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    2016年06月10日
  • エール!(1)

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    ネタバレ

    働く女性が苦労するも、頑張る姿を描く短編集。
    それぞれの作家がそれぞれの職業を描きます。
    平山さんの通信教育の英語講師の話と
    近藤さんのツアコンの話が好きです。

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    2016年06月05日
  • ダークルーム

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    短編だけど一作毎に練られた内容で、テンポよく読むことが出来る。物語の設定も凝っていて、どんな結末になるか想像がつきにくく、楽しんで読めました。
    SWEETBOYSが好みかな。

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    2016年06月03日
  • エール!(1)

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    「お仕事小説アンソロジー」ですが、主人公は女性です。働く女性へのエール、なのでしょうか。
    自分の才能を頼みに仕事すること、プロフェッショナルとしての技術をもって臨むこと、女性だからといってできない仕事は少なくなったけれど、それでも女性だから悩んでしまうことや、心細い事が、正直あると思います。
    作中の彼女たちを知ることで、少しでも共感できれば、気持ちが楽になることがあるかもしれません。そして、明日も仕事頑張って!だから、絶望的なラストはありません。
    他の作品に、あの漫画家が登場したり、ちょっとしたお楽しみがあるのも嬉しい。

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    2016年04月29日
  • ふたつめの月

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    久里子シリーズ二作め。
    やっと就職できた職場をすぐに首になってしまった久里子。しかし職場では自己都合で辞めたことになっていた。
    イタリアに修行しに行った弓田くんとの関係も変わる。
    そしてあの赤坂老人が交通事故に。犯人は?

    赤坂さんの親身になって話してくれる言葉はいつも心に響く。頑張ろうって思えた。ミステリーなのに。(笑)

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    2016年04月09日
  • 土蛍~猿若町捕物帳~

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    久しぶりの続編嬉しい!
    相変わらず読みやすく、するりと本の世界に入ってしまえるのはさすがだな。
    梅の枝がどうなるのかと思ったけど、良かった。

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    2016年03月12日