講談社作品一覧

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  • ステレオjct
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    「遊ばなきゃ――それが無意味な人生に対する復讐にもなるわけだ」▼神※を探して秋葉原を彷徨うミウラハジメ。処女崇拝の是非を池袋で問うアラシヤマシズエ。楽園を目指して山道を分け入るアニサキホズエ。三人の「私」と一人の「僕」が語り交わす三編のオムニバス。交差しぶつかりあう会話、会話、会話!(※ただしネトゲ上に限る。)▼講談社BOXから“隠れ”本好きに贈る、新人賞Powers受賞作家コタニ夕多の初小説。
  • 北のライオン(1)
    完結
    5.0
    人生に上質(ヘビーピート)な余韻を。オールカラーで描く「善き人のための」スコッチ・バー。亡き妻を育んだ国にやってきたバーテンダーの“Mr.ライオン”。強面だけれどお人好し、屈強だけれど寂しがり。そんな彼が400本のウイスキーとともに夜ごと織りなす、スモーキーでちょっとオトナな物語。
  • 秘録 核スクープの裏側
    4.0
    日本における核密約を詳細に暴き、アメリカの核政策の最前線をレポート。「核持ち込み密約は外務官僚が管理――歴代四次官が証言」など核密約に関する一連の報道で、2009年度平和・協同ジャーナリスト基金賞(大賞)受賞のジャーナリストが、スクープの全貌を初めて明かし、「核なき世界」への未来を展望する。
  • 秘録・日韓1兆円資金
    3.3
    1巻1,540円 (税込)
    元韓国大使の回想が明らかにする驚愕の現代史! 1兆円を日本からむしり取った韓国の交渉は、いかに傲岸不遜で、かつ貪欲だったか!? 瀬島龍三、中曾根康弘、竹下登、渡辺美智雄、安倍晋太郎など、現在よりもずっと骨太だった国士たちが、全斗煥政権の異常な圧力を受け止め、外交官たちが必死に国益を守った交渉の舞台裏を全公開――そこでわかることは、韓国民族は必ず、竹島の次は対馬を要求してくるということだ!!
  • ひとりでもやる、ひとりでもやめる 「良心的軍事拒否国家」日本・市民の選択 【小田実全集】
    -
    1巻1,540円 (税込)
    戦後日本の常識としてあった平和主義と民主主義がなぜ侵食されていったか。阪神大震災から5年間、全ての虚飾がはがれた震災を機に、戦後的価値を問い直す。憲法と平和主義の空洞化、経済大国のひずみ、社会全体の劣化現象はなぜ起ったかを解明。世界から尊敬される日本・市民の斬新な選択を「良心的軍事拒否国家」に見出す。付和雷同しない、一人でもやる、一人でもやめる、成熟した市民から全てが始まる。「人間は殺されてはならない」は、平和主義の原点、小田文学の出発点である。
  • 『資本論』を読む
    4.0
    経済学の最高の古典ともいえる『資本論』は、夥しい人々に読み継がれ、世界を大きく動かしてきた。マルクスは当時の社会の現状と人々の生活を見据え、資本主義経済の原理とその運動を体系的に分析した。本書では、厖大かつ難解な叙述の続くこの名著の講読を長年行ってきた著者が、エッセンスとなる章句を選び出し、懇切な解説を施し、その魅力と豊かな内容を引き出す。(講談社学術文庫)
  • 実録 朝日新聞水滸伝
    -
    好漢か悪漢か。正義か商売か。右翼か左翼か。群像劇で一気に綴る、新聞メディアの近現代史。渾身の書き下ろし決定版! 「朝日」は御用新聞なのか、それとも大衆迎合新聞なのか。巨大紙の相反する歴史を、個性豊かな記者たちの熾烈な戦いぶりから再現!
  • 戦闘破壊学園ダンゲロス
    3.8
    「魔人」と呼ばれる異能力者たちが存在する、とある世界。私立希望崎学園・通称戦闘破壊学園ダンゲロスでは、対立する2つのグループの抗争が激化していた。邪賢王ヒロシマ率いる、暴力で学園を支配する「番長グループ」。ド正義卓也を擁する、魔人校則の遵守により治安を保つ「生徒会」。ハルマゲドン勃発の日、一般生徒の両性院男女は幼馴染の保護と引き換えに番長グループに協力することになる。
  • 福島原発 現場監督の遺言
    4.0
    福島原発の危険性を26年前から警告していた元現場監督・平井憲夫氏。一級配管技能士の資格をもつ配管のプロとして各地の原発工事と定期点検をした平井氏の告発を取材した著者が、原発の危険性を、平井氏へのインタビュー、平井氏と高木仁三郎・原子力資料センター代表との対面、大量被曝した作業員への取材を通じて根本的に問い直す。原子炉と、その冷却のための膨大なパイプの集合体としての原発は、地震にこんなにもろかった。
  • 円いひっぴい(上) 【小田実全集】
    -
    1~2巻1,540円 (税込)
    主人公の安井は、52歳で会社の中間管理職。戦中も戦後も保身のためには「うるさいやつ、いやなやつにならんことや」が口ぐせ。ある日、前妻ミツ代の養子“円いひっぴい”が次々ともち込む事件に巻き込まれていく。“円いひっぴい”は日本人と米兵の混血児で人気歌手。秀れた才能と人間らしい心をもつが、社会の仕組みとぶつかり、グアムに世界中の少数者のためのコミューンをつくろうとする。庶民の中心をなす、保守的中間層の心理と感覚、倫理と思考をくらしの言葉、大阪弁で精密に描く。
  • 戦後を拓く思想 【小田実全集】
    -
    1巻1,540円 (税込)
    本書にある「難死の思想」は、戦争を体験していない人にも、戦争の本質を想像力によって思想的に体験させてくれる戦後文学論だ。作者は、「散華」に対して「難死」、「特攻機の出発」に対して「特攻機のゆくえ」といった、戦争の出来事がもつ時間と空間の流れのゆくえに想像力をもつことで、人間や世界のしくみ、戦争の本質を見抜こうとした。極限における戦争の死を、観念や情緒に流れることなく、徹底した事実に基づき書いた本書の名評論の数々は、時代を越えて読み継がれている。
  • わが人生の時 【小田実全集】
    -
    1巻1,540円 (税込)
    この小説は、敗戦後の占領期、朝鮮戦争下の講和と安保が締結された激動の時代を背景に、20歳の著者が、5年をかけて当時の大学生たちの魂の彷徨と愛、闘いを描いた。3人の主人公のひとりは、優柔不断な性格で弟の恋人を愛して彼を悲劇へ追いやり、自分の立身出世のために活動家仲間を裏切る。もうひとりは、医学生で、回復不可能なほどに傷ついた日々を送っている。あとひとりは、自らの出自を〈朝鮮人〉と宣言し、血のメーデーに参加して牢獄へとつながれる。著者の青春の墓碑銘。
  • なっとくする統計力学
    値引きあり
    2.0
    統計は数式だらけの本でしか勉強できないと思っていませんか。式は少なく、式の間の「ものの見方」を手とり足とり教える統計力学入門書。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 播磨国風土記 全訳注
    -
    ◇土地の名前、不思議な説話。そのすべては、古代びとの生きた確かな証◇ 奈良時代の初期、『古事記』や『日本書紀』とほぼ同時期に編述された、官撰の地誌『風土記』。 地方に律令政治による統治を行きわたらせようとした朝廷が、令制国の国庁にそれぞれの地理、産物、文化、歴史についての調査を命じ、その記録を献上させたものである。 各国ごとに編纂された『風土記』だが、その多くは散逸してしまい、現在まで遺されているのは、ごく数ヵ国のものに限られる。 『播磨国風土記』はその一つであり、本書は兵庫県南西部の地名の由来、大国主の伝説や景行天皇求婚譚などの説話、古代人の生活・習俗などを生き生きと伝える最重要史料である。 本書は漢文で書かれた原文からの訓下し文に、詳細な訳註つき。 さらに懇切な解説も加えた、「風土記」の世界を味わいつくす全訳注! 【本書「まえがき」より】 〈国家神話〉として再構成されたものではなく、在地に生きる古代の人々の、生きた神話や伝説、また習俗・社会などのありさまが、断片的ながらも窺える……本書は日本古代の人々の、生きた姿を、少しでも明らかにしようと努めたものである。 【本書の内容】  まえがき  凡例 一 賀古郡(一) 二 賀古郡(二) 三 印南郡  補説「印南郡」の存否 四 餝磨郡(一) 五 餝磨郡(二) 六 餝磨郡(三) 七 餝磨郡(四) 八 揖保郡(一) 九 揖保郡(二) 十 揖保郡(三) 十一 揖保郡(四) 十二 揖保郡(五)  補説「言挙げ」について 十三 揖保郡(六)  補説『万葉集』と播磨 十四 揖保郡(七)  補説 天日槍 付、粒丘銅牙石 十五 讃容郡(一)  補説 鹿の話 十六 讃容郡(二)  補説「異剣」伝説について 十七 宍禾郡(一)  補説「大神」「伊和大神」について 十八 宍禾郡(二)  補説 葦原志許乎神について 十九 神前郡(一)  補説 大汝神少比古尼神 二十 神前郡(二)  補説 百済人 二十一 託賀郡(一)  補説 盟酒 二十二 託賀郡(二)  補説 女性神 二十三 賀毛郡(一)  補説 地名起源記事の種類と性格 二十四 賀毛郡(二)  補説 根日女の話 二十五 賀毛郡(三)  補説 延喜式と風土記 二十六 美なぎ郡  補説 於奚袁奚天皇と「詠辞」  解説 鉄野昌弘  播磨国風土記地図 *本書は訳し下ろしです。訳者の遺稿に補遺を施しました。
  • 資本主義の本質について イノベーションと余剰経済
    5.0
    〔それでも、究極的に資本主義は受け入れなければならないシステムなのである。〕 冷戦下ハンガリーにあって社会主義経済の非効率性を明晰に論じ、その後は新古典派経済学に痛烈な批判のメスを入れたコルナイ・ヤーノシュが、 世界経済危機を経験した世界に向けて、満を持して問うた「システム・パラダイム」に焦点を当てる圧倒的論考! 資本主義と社会主義の境界が再び問い直される今こそ読まれるべき、「異端派」の巨峰が遺したメッセージ!  【本書「日本語版への序文」より】 「私は資本主義を「良い社会」だとは思っていない。多くの点で「悪い」と思っているが、それはちょうどチャーチルの民主主義にかんする見方と同じである。つまり、私は資本主義を、あらゆる実現可能な選択肢のなかでもっとも悪くはないものと見なしているのだ。より重要なことに、私は資本主義を、実際に行われた唯一の選択肢である社会主義よりもずっと良いと判断している。」 【本書の内容】  日本語版への序文  英語版への序文 第I部 イノベーションとは何か  第1章 はじめに  第2章 資本主義、社会主義、技術進歩  第3章 技術進歩の転換と加速  第4章 人は歴史的事実をどう受けとめるか  第5章 おわりに 第II部 不足経済と余剰経済  第1章 はじめに  第2章 財とサービスの市場―余剰の再生産メカニズム  第3章 財とサービスの市場―概念装置と測定手法  第4章 労働市場―余剰再生産のためのメカニズム  第5章 実証的な説明と因果分析  第6章 余剰経済の効果とその評価  第7章 一般的図式からの応用  第8章 おわりに 補論1 自由、平等、博愛―社会主義体制崩壊以後の変化の考察 補論2 一人の東欧知識人の目に映るマルクス  訳者あとがき  参考文献  索引  訳者略歴 *本書の原本は、2016年にNTT出版より刊行されました。文庫化にあたり訳文を改訂しました。
  • ニホンザルの生態
    -
    サルの社会に分け入り、文化を見出し、人間性の起源に迫る―― 世界をリードした日本の霊長類学(サル学)の原点がここにある! 今西錦司・伊谷純一郎らとともに日本の霊長類学のオリジネーターの一人として活躍した河合雅雄。意匠を凝らした筆致でもって生き生きと描かれる、サルの群れのリーダー交代劇、メスの巧みな繁殖戦略、イモ洗い行動の伝播などのありさまに、読者はきっと「息をのみ、眉をひそめ、思わず膝を打って微笑むことになる」(山極壽一氏解説より)でしょう。 加えて強調すべきは、何より研究者本人たちが実に生き生きと、楽しそうに研究に没頭している様子が紙面からありありと伝わること。ゆえに本書は、日本の学問が一番元気だった時代の「生きられた記録」でもあるのです。 解説:山極壽一 [目次] ○ニホンザルの生態 1 ニホンザル/2 ニホンザルの生活/3 ポピュレーションの動態 ○社会構造 1 社会構造/2 群れ社会の諸形態/3 社会構造の変容 ○社会構造を支えるもの 1 幸島の群れ/2 順位制/3 社会関係の調整機構/4 駆け落ちしたリーダー候補 ○クラスとグループ 1 リーダークラス/2 サブリーダー/3 ナミオス/4 ヒトリザル/5 メス/6 母と子/7 社会的成長 ○性 1 その生理/2 性行動 ○ニホンザルの文化[カルチュア] 1 一般に見られるカルチュア的現象/2 幸島の群れのカルチュア/3 知能とカルチュア ○コミュニケーション 1 音声によるコミュニケーション/2 行動による伝達 ○日本のサル学 ○あとがき ○再版にあたって ○解説 ニホンザル研究の一里塚――河合さんのやり方 山極壽一
  • 憲法と国家の理論
    4.0
    偉大なる憲法学者・清宮四郎(1898-1989年)、初の文庫版にして、重要論文を収録したアンソロジー。 宮沢俊義(1899-1976年)とともに戦後日本の憲法学を主導し、その屋台骨を作った清宮四郎は、東京帝国大学を卒業したあとヨーロッパに留学し、オーストリアの公法学者ハンス・ケルゼン(1881-1973年)の講義に接しました。これを機に、広い領域に及ぶ関心と深い学識に裏打ちされた独自の理論を紡ぎ始めた清宮は、京城帝国大学、東北帝国大学などで教鞭を執ったほか、1958年には我妻榮、宮沢俊義、大内兵衛らと憲法問題研究会を組織し、憲法に関する啓蒙活動に注力したことでも知られています。 しかし、宮沢とは異なり、一般向けの著作を多く残さなかった清宮の名は、専門家を除けば、ケルゼンの『一般国家学』(1925年)の訳者として知られているのが実情でしょう。日本の憲法学の厚みと深みに接する機会がない現状は、理想とは程遠いと言わざるをえません。 本書は、そうした状況を打破するべく、東北大学で清宮の薫陶を受けた樋口陽一氏が、清宮が残した二冊の論文集『国家作用の理論』(1968年)と『憲法の理論』(1969年)から重要な論文を精選し、刊行するものです。憲法とは何か、国家とは何か――その重要な問いに答えるために、過去の思想家に遡り、最先端の知見と照らし合わせつつ根源に迫っていく筆致は、他の誰にも真似できない凄みを感じさせます。美濃部達吉(1873-1948年)とケルゼンという二人の師、そして宮沢という友の思い出を語った貴重な記録「私の憲法学の二師・一友」を併載し、樋口氏による懇切な「解説」を収録しました。 文字どおり「決定版」となるアンソロジーを、佐々木惣一『立憲非立憲』、尾高朝雄『国民主権と天皇制』、恒藤恭『憲法問題』に続く、学術文庫・憲法シリーズの1冊として、満を持してお届けいたします。 [本書の内容]  I 日本国憲法の思想と原理 権力分立制序説 日本国憲法とロックの政治思想 憲法の法的特質 憲法の前文 国民主権と天皇制 天皇の行為の性質 数と理 多数決の前提条件 わが憲法上の解散 憲法の変遷について  II 憲法理論の基礎 法の定立、適用、執行 違法の後法 憲法改正作用 ブルクハルトの組織法・行態法論  III 憲法学の二師・一友 私の憲法学の二師・一友 解 説(樋口陽一)
  • アステカとインカ 黄金帝国の滅亡
    4.0
    一六世紀、スペイン人によるアメリカ大陸征服史が始まる。黄金を探すコロンブス、ピサロ、コルテス……。抵抗する、モクテスマ、トパック・アマルなどのインディオたち。栄華を誇った帝都と文明は、いかに滅ぼされたのか? 西欧と非西欧の壮絶なる戦いの記録を、既存の、スペイン人主体の史料では触れられなかった「敗者の視点」から再検証、植民地時代から現在へ続くラテンアメリカの被征服史を辿る。 プロローグ 黄金の夢 第一章 コロンブスの目指したジパンゴ 第二章 冒険者バルボア 第三章 メキシコの発見 第四章 首都の攻防 第五章 対決 第六章 「悲しき夜」 第七章 英雄の敗北 第八章 太平洋と中央アメリカ 第九章 南の海の探検 第一〇章 カハマルカの悲劇 第一一章 クスコ占領 第一二章 征服者たちの争いとインカ 第一三章 アラウコの国とパンパ 第一四章 ムイスカの黄金 第一五章 エル・ドラードとアマゾンの国 エピローグ 征服者たちの黄昏 あとがき 年表 民族と地域 人名検索 2002年小学館より刊行されました
  • 興亡の世界史 大英帝国という経験
    4.8
    アイルランドから、アフリカ、インド、香港まで、世界にその足跡を残した大英帝国。大陸の片隅の島国は、いかにして大帝国へと発展し、女王ヴィクトリアが治める最盛期へと至ったのか。「アメリカ植民地の喪失」をステップとし、多くのモノと文化と娯楽を手に入れ、女性たちが世界を旅したこの国は、なぜ、他国に先んじて奴隷制度を廃止することができたのか。解体と再編の歴史から、EU離脱に揺れるこの国の現代をも読み解く。
  • 有閑階級の理論 増補新訂版
    -
    有史以来、格差は存在した。近代以降、上流階級が自らの力を見せつけるために、余暇や服装・家具・住宅・美食などの代行消費をするようになる。その虚栄心が消費の本質である。有閑階級は消費を牽引するので、社会的に保護される一方、下層階級の消費を減少させ、新しい思考や適応に必要な努力を削ぐ。消費社会に内在する格差の構造を見事に抉りだした社会経済学の古典です。読み易い訳文、充実の訳注、「附論」付き増補新訂版。(講談社学術文庫)
  • 言葉のトランジット
    4.4
    言葉と世界は、再発見に満ちている。 旅に出かけ、見えてきた景色。 2つのレンズを使って英語と日本語の間を行き来する、芥川賞候補作家の初エッセイ集。 +*+*+*+*+*+*+*+*+* 英語を母語としながら、日本語で創作する著者だからこそ見えてくる24の景色 「俺を使わない僕」・・・相手との距離で変わる日本語の〈一人称〉の不思議とは? 「轍」・・・英語と日本語の相互作用が創作に与える影響とは? 「言葉の出島」・・・日本にいながら英語を期待されるプレッシャーとは? 「マイジャパン症候群」・・・日本在住の英語話者コミュニティー独特の症状とは? 「Because Plants Die」・・・この英語、ちょっとおかしい? 言葉が持つニュアンスとは?  and more…
  • ソロ・エコー
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    この街の光景を、僕と誰かが見つめていた――。 失踪した父が残したカメラを手に、僕は横浜の街を歩き始める。幕末の遊女の逃亡譚、焼失した二代目横浜駅、戦後の闇市と再開発……。街の歴史とささやかな生の軌跡が交差する、新鋭作家の飛躍作!
  • 二十四五
    3.6
    1巻1,562円 (税込)
    第172回芥川龍之介賞候補作! 大事な人が、かつてここにいた 確かなしるしを何度でも辿る── 喪失を抱えたまま生きていく、祈りの記録。 ロングセラー『旅する練習』の著者がはなつ待望の新作。 「これは、叔母がどんなに私を思ってくれていたかということを、その死後も巧妙なやり方で繰り返しほのめかされ時には泣かされたところでぴんぴんしている、根深い恨みである。」 実家を出て二年、作家になった二十四五の私は弟の結婚式に参列するため、仙台に向かっている。 五年前に亡くなった叔母の痕跡を求めて、往復する時間の先にあるものとは。
  • カメオ
    3.9
    1巻1,562円 (税込)
    第171回芥川賞受賞「バリ山行」に先行する著者デビュー作。第64回群像新人文学賞・優秀作が待望の単行本刊行。 本社からの命令で何としても期日までに倉庫を建てなければならないのに、犬を連れた隣地の男・カメオがたちはだかる。不条理な可笑しみに彩られたデビュー作。
  • 撮るあなたを撮るわたしを 自撮りとスクショの写真論
    4.7
    1巻1,562円 (税込)
    気づけは猫の写真ばかり撮ってしまうのは、なぜ? 高性能化するスマホのカメラ、SNS、生成AIの登場。 まったく新しい視点を私たちに授け、 存在そのものも変化し続ける 「写真」とはそもそも何なのだろうか。
  • 月ぬ走いや、馬ぬ走い
    4.2
    1巻1,562円 (税込)
    第67回群像新人文学賞受賞!新たな戦争の時代に現れた圧倒的才能!21歳の現役大学生、衝撃のデビュー作。 先祖の魂が還ってくる盆の中日、幼い少年と少女の前に、78年前に死んだ日本兵の亡霊が現れる――。時空を超えて紡がれる圧巻の「語り」が、歴史と現在を接続する! 島尾敏雄ほか先人のエコーを随所に響かせながら、沖縄に深く堆積したコトバの地層を掘り返し、数世代にわたる性と暴力の営みを、『フィネガンズ・ウェイク』的な猥雑さで、書きつけた作品。Z世代のパワフルな語部の登場を歓迎する。 ―― 島田雅彦 十四章の構成で沖縄の近現代史を描き切る、しかも連関と連鎖、いわば「ご先祖大集合、ただし無縁者も多い」的な賑わいとともに描き切る、という意図はものになった、と私には感じられた。/この小説はほぼ全篇、ある意味では作者自身のものではない言葉で綴られていて、だからこそ憑依的な文体を自走させている。つまり、欠点は「長所」なのだ、と私は強弁しうる。要するにこの「月ぬ走いや、馬ぬ走い」は小さな巨篇なのだ。 ―― 古川日出男 「読んだものを茫然とさせ、彼のいままでを氷づけにし、そのうえで、読むことをとおしてあたらしい魂を宿らせる、そんな小説でありたい……テクストでの魂込め(まぶいぐみ)とでも呼ぶべきところが、ぼくの目標です。」豊永浩平(受賞のことば) ぼくがここにいて、そしてここはどんな場所で、なによりここでぼくはこうして生きてきた、ってことを歌って欲しいんだ、ほとばしるバースはライク・ア・黄金言葉(くがにくとぅば)、おれらは敗者なんかじゃねえぞ刻まれてんのさこの胸に命こそ宝(ぬちどぅたから)のことばが、月ぬ走いや、馬ぬ走いさ!
  • なめらかな人
    4.5
    1巻1,562円 (税込)
    たとえこの地球に散り散りに住むことになったとしても家族でいられるように、わたしたちは将来の約束をしない-ー群像の好評連載がついに単行本化。新進気鋭の美術家による清冽なエッセイ。 「実際のところ別に名前自体はどうでもいいとは思うが、必ずしも恋愛にもとづかない関係をときどき家族と名乗ることができたりする社会になったらいいのにな、とは心から思う。  けれど、わたしの中にある「家族」への固執は、おそらくもっと身勝手で、ままならない何かに紐づいている。自分の心と体が誰にも支配されることのない家を、安心して帰れることが約束された家を、わたしはこの手で作り直したかったのだと思う」(本文より) 目次 なめらかな人             ママと娘               骨が怖い               交差点                ビオランテ              カラオケ日和    ねじれたヌード            底意地の悪い             ドクメンタの夜            晋吾のスカート            肉を噛む             バッド・ゲームの向う側        見ない、見えない、見なくていい   身籠り                あの銅鑼が鳴る前に          石に歯                ぬいぐるみたちの沈黙         労働と蕩尽              マイホーム              続・マイホーム            白い塀                遥かなるゾーニング          秘密の融点              砂のプール              あとがき
  • トラディション
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    かつて街から出て別の場所で働き、五年前から兄を頼って再び街の片隅で金勘定をしている私から見ると、街の外の変化に比べれば、この街の変化など微々たるものに過ぎない。もうずいぶん前に、夜と心中するような女はいなくなったし、今では男と心中するような女も少なくなった。表面だけ明るく、少し退屈になった街で、みんながごく個人的に病んでいく。 群像8月号掲載の中編を単行本化。 ホストクラブの受付で働く「私」、ホストにハマる幼なじみ。夜の世界を「生き場所」とする彼女らの蠱惑と渇望を描く傑作小説。
  • 共に明るい
    3.4
    1巻1,562円 (税込)
    \『この世の喜びよ』で芥川賞受賞、待望の受賞後第一作!/ その瞬間、語られないものたちがあふれ出す。 早朝のバス、公園の端の野鳥園、つきあってまもない恋人の家、島への修学旅行、バイト先の工場の作業部屋――。 誰もが抱える痛みや不満、不安、葛藤。 目に見えない心の内に触れたとき、「他人」という存在が、つながりたい「他者」に変容する。 待望の芥川受賞後第一作、心ふるわす傑作小説集。 「共に明るい」 早朝のバス、女は過去を語り出す。 「野鳥園」 産後の母親と少年が過ごす、仮初のひととき。 「素晴らしく幸福で豊かな」 出会って一ヵ月、恋人と過ごす不安定な日常。 「風雨」 台風で足止めをくらった修学旅行生たちの三日間。 「池の中の」 電池の検品バイトでの会話、起こる揺れ。
  • #Z世代的価値観
    3.8
    1巻1,562円 (税込)
    マーケティング用語じゃない。これはまったく新しい「世代論」 絶望的な世界に生まれた“Z世代”が 「愛」と「連帯」で価値観の革命を起こす! 「Forbes JAPAN 30 UNDER 30 2023」受賞! メディア・SNSで話題騒然!『世界と私のA to Z』の著者による画期的エッセイ お金、健康、人間関係、SNS、仕事―― Z世代的価値観で分析する“私たちのいま” ・「ホットガール」とセルフラブ ・セラピーは心の必需品 ・「リアル&楽しい」食に夢中 ・エブエブ旋風の奇跡 ・さよなら「インフルエンサー」消費 ・つながりが広げる読書 ・ブランド価値より「今」の価値 ・「仕事≠人生」的な働き方
  • ジューンドロップ
    3.0
    1巻1,562円 (税込)
    わたしたちには家族をめぐる秘密がある 母の不妊治療の失敗、凶暴な白い光と共に襲ってくる片頭痛。 しずくとタマキは、持て余した心を抱えて 縛られ地蔵に会いに行く――。 傷つき、傷つけ、思いあう。痛切な家族の愛のかたち。 「ふと脳裏に、幼い未発達の実が木から落下する光景が過りました。 どうして自分は彼らと同じ道をたどらなかったんだろう」 第66回群像新人文学賞受賞作!
  • 我が手の太陽
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    第169回芥川賞候補作。 鉄鋼を溶かす高温の火を扱う溶接作業はどの工事現場でも花形的存在。その中でも腕利きの伊東は自他ともに認める熟達した溶接工だ。そんな伊東が突然、スランプに陥った。日に日に失われる職能と自負。野球などプロスポーツ選手が陥るのと同じ、失った自信は訓練や練習では取り戻すことはできない。現場仕事をこなしたい、そんな思いに駆られ、伊東は……。 “「人の上に立つ」ことにまるで関心がった。 自分の手を実際に動かさないのなら、それは仕事ではなかった。” ”お前が一番、火を舐めてるんだよ” ”お前は自分の仕事を馬鹿にされるのを嫌う。 お前自身が、誰より馬鹿にしているというのに” 腕利きの溶接工が陥った突然のスランプ。 いま文学界が最も注目する才能が放つ異色の職人小説。
  • 旋回する人類学
    3.7
    文化人類学ってどんな学問? 黎明期の先駆者たちから、ラトゥール、インゴルド、グレーバーまで。 繰り返されてきたパラダイム・シフト(=転回)と研究者たちの「格闘」の跡をたどり、現在地を探る。 6つのテーマ(人間の差異、他者理解、経済行動、秩序、自然と宗教、病と医療)を取り上げ、 ぐるぐるめぐり歩きながら考える、文化人類学の新しい入門書。 【「はじめに」より】 「文化人類学ってどんな学問ですか?」そう聞かれると、いつも言葉に詰まる。「昔は未開社会といわれた民族を研究していたんですが、いまは病院とか、企業とか、軍隊とか、現代的な場所も対象になっています」。そんな言い方をして顔色をうかがう。納得いかない様子なら、「ただフィールドワークという現場に深く入り込んで調査する手法は一貫しています」などと言葉をたす。 うまくストレートに説明できないのは、文化人類学が何度も大きなパラダイム・シフト(=転回)を経験してきたからだ。研究対象が変わるだけでなく、学問の前提となる理論的枠組みがたびたび入れ替わってきた。その変化は、かならずしも連続的な「発展」ではない。むしろ「断絶」や「亀裂」でもあった。そこには、人類学者たちが先人の築いた基盤やその時代の支配的概念を批判的に乗り越えようと格闘してきた足跡が刻まれている。 (中略) 私たちはいったいどんな世界をつくりだそうとし、現実にどう世界を変えてきてしまったのか。それは、人類学という一学問に限らず、いまの時代を生きるすべての人にとって切実な問いである。人類学の一筋縄ではいかない旋回の軌跡をたどりなおす過程は、その問いへの向き合い方がいくつもありうることを確認していく作業でもある。 【目次】 1章 人間の差異との格闘 1 「差異」を問う 2 構造のとらえ方 3 未開と近代 2章 他者理解はいかに可能か 1 他者理解の方法 2 揺らぐフィールドワーク 3 存在論へ 3章 人間の本性とは? 1 社会から個人へ 2 形式主義と実体主義 3 近代への問い 4章 秩序のつくり方 1 法と政治の起源 2 国家と政治 3 国家なき社会 5章 自然と神々の力 1 宗教とアニミズム 2 神の概念 3 自然と人間 6章 病むこと、癒やすこと 1 災いの原因 2 医療人類学の地平 3 ケアの視点 7章 現在地を見極める 1 二分法の問い直す 2 変革と実践の学問へ
  • ごっこ
    3.6
    1巻1,562円 (税込)
    こんなことに付き合ってあげられるのは、自分だけだと思っていた。 夫婦ごっこ、恋人ごっこ、友達ごっこ……。曖昧な関係に振り回される女たちの、不器用すぎる恋。 野間文芸新人賞候補作『春、死なん』につづき、注目作家が「ままならない恋愛」を描く最新小説集。 ・「ごっこ」 六つ年下の恋人の浮世離れした逃避行に付き合って、あてのないドライブを続けるわたし。そろそろ逃亡資金が底をついてきた。 ・「見知らぬ人」 友人の結婚式に集う客たちの中に、夫の不倫相手が混じっているのではないか。あの女を探す那月が出会ったのは――。 ・「はこのなか」 田舎町の中学で出会った奔放な女友達タクボに思いを寄せる戸川。今の願いは、結婚したタクボの隣室に住むこと。
  • パレードのシステム
    3.7
    1巻1,562円 (税込)
    鮮明で美しく、静謐かつ余韻に満ちたレクイエム、芥川賞作家の新境地。 人生はパレード、荘厳な魂の旅路。台湾と日本、統治と戦争の歴史に及ぶ記録と記憶の軌跡――。 祖父の自死をきっかけに実家のある地元に帰った美術家の私。祖父が日本の植民地だった戦前の台湾に生まれ育った「湾生」と呼ばれる子どもだったことを知り、日本統治下の台湾について調べ、知人からも話を聞き、誘われるまま台湾を訪れることになる。祖父の自死の原因、理由を探り、自身のルーツ・アイデンティティを確かめるための台湾訪問だが、何かに導かれるように台湾先住民の系譜にある人物の葬儀に参加することになる。日本とは全く違う儀式や儀礼、風景に触れるうち、戦争や生と死・祖父の思い出・美大時代唯一の友人の死、様々なイメージが想起され喚起されていくのだった。
  • カプチーノ・コースト
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    しんどいときほど、周りに頼れない。 早柚(さゆ)は、会社を休職中の26歳。 ふとしたことから、地元の海岸のゴミ拾いを始めた。 自分を見つめ直す、ひと月の物語。
  • 平成転向論 SEALDs 鷲田清一 谷川雁
    3.0
    選考委員からレベルが高いとの指摘があった第65回群像評論新人賞候補作、その中から優秀作に選ばれ、「群像」誌上に発表されると大反響と共に話題となった傑作批評に大幅加筆した増補改訂完全版。シールズの運動とその後を総括、我々と鷲田清一の平成における転向の軌跡、後続する臨床哲学の担い手たち。日本社会のひずみに鋭く切り込み、コロナ禍に顕在化したケアの問題にまで発展する極めてアクチュアルかつクリティカルな論考である。 目次 序 論駁するということ 射影の方法をめぐって 第一章 二〇一五年の鷲田清一 第二章 〈戦前〉から〈戦後〉へ 第三章 〈ふれる〉ケアと加害の反転 第四章 平成の転向者たち 第五章 〈戦中〉派としてのSEALs 第六章 鷲田清一から臨床哲学へ 第七章 軸と回転 谷川雁vs.鶴見俊輔 第八章 〈地方〉と〈中央〉 第九章 〈旗〉と〈声〉 臨床哲学再論 第十章 SEALsとその錯誤 終論 待兼山の麓から――エッセイストたちの実践
  • どこか或る家 高橋たか子自選エッセイ集
    5.0
    すべて素顔の私。私らしい文章40篇を厳選――小説の中に表われる作家の分身……。自身そのように小説を書いてきたけれど、それは、<私>という人間そのものでは、決してない。おさない頃の京都の記憶、日々の生活を楽しんだ鎌倉、親しい友との旅、出会い、そしてパリでの霊的体験……。書きつづってきた文章の中から、40篇を選び出してみた、ほんとうの<私>をわかっていただくために。 ◎高橋たか子「今、人生の最終段階にいる私は、私という者が大体どういう者であったかを、すくなくとも、すでに書いたエッセイをざっと並べる形において、わかっていただきたい、と思う。大体、と書いたが、全体は神のみぞ知る。<「著者から読者へ」より>
  • 私たちは空になれない
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    「時は確実に、私を大人へ押し出そうとしている。」 衝動的に、姉の形見のペンダントを、川に放ってしまった「育音」。 そんな時に声をかけてきたのが、青年「沖田」だった。 レンタル役者を生業としている彼に、「育音」は「共犯者」を演じてもらいたいと願う。 「沖田」の仕事を手伝い、かかわるうちに、「育音」の想いは次第に変化して―― 「俺に演じてほしいのはどんな役?」「共犯者」 切ない衝撃が胸を打つ、メフィスト賞作家快心の傑作青春ミステリー!
  • 視えない線を歩く
    5.0
    2011年3月11日。あの日から続く非常事態を人々はどう生きたか。何を考えたか。 論争の中で塗りつぶされていく多様性、忘却されていく過去を、ていねいに見つめ直す。 第1回PEPジャーナリズム大賞受賞のノンフィクションライターが綴る傑作。 第1章 先取りされた「緊急事態」の記録 第2章 人に会いに行く 第3章 理解、その先へ 第4章 トモヤの10年 第5章 何も知らない 終章  家族の時間
  • 鴨川ランナー
    4.0
    日本という異国に住まいながら、日本人と外国人の間をさまよう人々を巧みな心理描写と独特の文体で描いた短篇2本。 「鴨川ランナー」第二回京都文学賞受賞作。選考委員の満場一致で選出された。日本から京都に仕事に来た西洋人の日常や周囲の扱い方に対する違和感を、「君」という二人称を用いた独特の文章で内省的に描く。 「異音」・・・福井の英会話教室を突如やめる羽目になった外国人の主人公は同僚の紹介で結婚式の神父役のバイトを始める。
  • 対談・文学と人生
    -
    独自の創作理論を打ち立てた、二大巨人による実践的文学論。文学の<現在>はここから始まる――独自の文学世界を打ち立てた二大巨人=小島信夫&森敦による長篇対談。昭和20年代半ばからの知己である二人が、これまでの交遊を振り返りつつ、創作理論の<現在>を縦横に語り合う。悲劇と喜劇、内部と外部、小説におけるモデル問題、夢と幻想、演劇論など、多岐にわたるテーマを通して、二人の文学の根柢に迫る、スリリングでアットホームな試み。幻の未刊長篇対談、待望の文庫化。 ◎小島信夫「この対話は色々の問題をもってきて、互いに論じるというようなものとは大分ちがう。問題も材料も互い自身である。これは息苦しいものであるし、空を切ることもあるので、ときどき散歩をすることもある。ときには、自分自身をダマす必要もある。(略)今月、悲劇、喜劇という言葉が出現して、私は刺戟をうけた。まどろみかけた目がひらいた思いがした。(略)今回のような談話の中での文脈の中でおどり出たのだから、これは生きた言葉である。生きた言葉であるだけに、今後何度も俎上にのぼり、たのしまなければならない。」<「第四回・追記」より>
  • ケアの倫理とエンパワメント
    4.5
    1巻1,562円 (税込)
    自己と他者の関係性としての〈ケア〉とは何か。 強さと弱さ、理性と共感、自立する自己と依存する自己……、二項対立ではなく、そのあいだに見出しうるもの。ヴァージニア・ウルフ、ジョン・キーツ、トーマス・マン、オスカー・ワイルド、三島由紀夫、多和田葉子、温又柔、平野啓一郎などの作品をふまえ、〈ケアすること〉の意味を新たな文脈で探る画期的な論考。 本書は、キャロル・ギリガンが初めて提唱し、それを受け継いで、政治学、社会学、倫理学、臨床医学の研究者たちが数十年にわたって擁護してきた「ケアの倫理」について、文学研究者の立場から考察するという試みである。(中略)この倫理は、これまでも人文学、とりわけ文学の領域で論じられてきた自己や主体のイメージ、あるいは自己と他者の関係性をどう捉えるかという問題に結びついている。より具体的には、「ネガティブ・ケイパビリティ」「カイロス的時間」「多孔的自己」といった潜在的にケアを孕む諸概念と深いところで通じている。本書は、これらの概念を結束点としながら、海外文学、日本文学の分析を通して「ケアの倫理」をより多元的なものとして捉え返そうという試みである。(本書「あとがき」より)
  • 暗夜遍歴
    -
    月子の父親が陥れられることによって登場した小田村大助。奪われるようにして小田村と結ばれた月子。政治と実業の世界の鬼であった小田村は、また、奔放な性を生き、女性遍歴を重ねていく。運命にもてあそばれた月子は、短歌に道を見出すことで、傷を癒し、自らを支えようとする。――息子・由雄の眼を通し、母・月子、父・大助の愛憎の劇を冷徹に描いた自伝的作品。亡き母への痛切なる鎮魂歌。
  • 田村俊子
    3.0
    明治17年、浅草・蔵前に生まれ、昭和20年、上海の路上に死んだ作家・田村俊子。みずからを信ずるままに、奔騰する愛を生き書いた先駆者・田村俊子に、深い愛惜とただならぬ共感を寄せる著者が、故人を知る人を尋ね、俊子の足跡を辿り、知られざる生涯を掘り起こした、決定版評伝。「田村俊子補遺」及び「田村俊子年譜」を付す、瀬戸内晴美の文学的デビュー作。第1回田村俊子賞受賞作品。
  • さようなら、お母さん
    3.5
    1~3巻1,562~1,826円 (税込)
    島田荘司選 第9回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作! その女は「毒」だ。身体を蝕み、心を壊す――。原因不明の奇病を患った兄は激痛に耐えかね、病院の窓から飛び降りて死んだ。兄の症状に納得がいかない妹の笹岡玲央は看護師から、義姉の真奈美が兄の腫れた足に巨大な蜘蛛を乗せていたと聞く。美しく聡明で献身的な義姉の「本当の顔」とは? 玲央の幼なじみの天才毒物研究者・利根川由紀が乗り出す!
  • 二人がいた食卓
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    良かれと思ったことが、押しつけがましさに。理想を追い求めるあまり、頑なになる。相手への気遣いが、裏目に出る。一番わかってほしい相手に限って自分の努力が伝わらない……。そんな夫婦関係の迷宮に迷いこんだ泉と旺介、きっかけはまさか、食の好みの違い……! ドリア、生姜焼き、ハンバーグ、キッシュ……出てくる料理は、「食の検定」1級を持つ著者だからこそ表現できる、読むだけで美味しそうなものばかり。だからこそ、夫婦のすれ違いのきっかけとして、鋭く鮮やかな物悲しさを湛えています。 おいしさは恋で栄養は愛? 家族として、好きを越えた関係を築いていく覚悟を持てるのか。泉と旺介、二人の選択とは。
  • 坂口安吾と中上健次
    4.0
    闘う知性が読み解く、事件としての安吾と中上――日本の怠惰な知性の伝統の中で、「事件」として登場した坂口安吾と中上健次。二人は、近代文学の根源へ遡行しつつ、「自然主義」と「物語」の止揚を目指す。安吾は、自らを突き放すような他者性に文学の「ふるさと」を見出し、中上は、構造に還元することなく、歴史の現在性としての「路地」と格闘する。闘う知性としての安吾と中上を論じた、74年から95年までの批評を集成した、伊藤整文学賞受賞作。 ◎「文学」とは、どんな秩序にも属さず、たえず枠組を破ってしまう荒ぶる魂であった。文学をやっている人がすべてそうなのではない。むしろその反対である。文学という枠組を吹き飛ばすようなもの、それが「文学」だった。私と中上は文壇において暴風雨のような存在であった。そして、われわれがともに敬愛していたのが坂口安吾である。(中略)私は安吾を高く評価していた。しかし、小説家としてではない。私にとって、彼の作品は、哲学であり、歴史学であり、心理学あり……、それらすべてをふくむ何か、要するに、「文学」であった。<「著者から読者へ」より>
  • 畏怖する人間
    4.0
    その出発以来、同時代の「知」に、圧倒的な衝撃を与えつづけて来た著者の、秀れた光芒を放つ第一評論集。群像新人文学賞受賞作「意識と自然――漱石試論」をはじめとし、その後の『マルクスその可能性の中心』『日本近代文学の起源』『探究1』『探究2』など、柄谷行人のその後の力業を予告する、初期エッセイ群。
  • ある女の遠景
    -
    愛慕する年若い叔母・伊勢子の、自裁の謎を追ううちに、維子は、不実な男・泉中紋哉との官能の罠に、みずから墜ちていく。性愛に囚われた維子の現在、ミステリアスな伊勢子の過去、さらに情熱の歌人・和泉式部の生きた遠い昔……時空を隔てた3人の女人像を、巧緻な遠近法でとらえ、王朝文化と戦後風俗という「聖」と「俗」のあわいに、独得の官能美の世界を現出させた、筆者晩年の傑作。毎日芸術賞受賞作品。
  • 無駄花
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    ある日、死刑囚・中村は、出版社の社員から、これまでの半生について手記を書くよう手紙で促される。そこで中村は自身の半生と、因縁の男・島田との関係を綴り始めることになった。困窮した家庭に育った中村と、地元でも有数の実業家一族の島田の二人は、一度は中学で同じ不良グループに属していたが、島田の度重なる裏切りに業を煮やした中村が殴り合いの喧嘩の末、島田と縁を切ることに。  その後、上京して会社員となり、結婚して幸福な生活を送っていた中村は、父の重篤の報を受け、看病のため久しぶりに帰郷する。そこに一族の経営会社を引き継いだ島田が現れ、二人は十数年越しに再会を果たす。直後に襲った株価暴落もあり、過去の蟠りを払拭して彼の会社に入社することを決意した中村だったが、そこにはなんと犯罪や不貞が横行する世界が待ち受けていたのだった。島田に妻を寝取られ、またしても裏切りにあった中村は、遂に怒りを爆発させ凶行へとひた走る。 29歳、戦慄のデビュー。第14回小説現代長編新人賞奨励賞受賞作。
  • プレカリアートの憂鬱
    3.9
    1巻1,562円 (税込)
    めくるめくプレカリアートの世界へようこそ!  活動家・雨宮処凛が、17人の「プレカリアート」な人々を徹底取材。彼らに希望は?? 社会は変わるか? 生きること、働くことの根源を問う、渾身のルポルタージュ! ――俺たちの魂の叫びを聞いてくれ! これは、明日の見えない「プレカリアート」たちの自由と生存のための闘争史だ。月収10万円のフリーター、ロスジェネ世代のニート、「派遣切り」におびえる非正規雇用者、「債務奴隷」さながらの新聞奨学生、高学歴ワーキングプア、「ネットカフェ難民」の日雇い派遣……「雇用崩壊社会」の現実に迫る懇親のルポルタージュ!!
  • 常識的文学論
    -
    歴史小説、推理小説は「文学」に値するのか? ――大衆文化の隆盛とともに、文学の世界においても、大衆小説や中間小説が文壇の主流へと登場しつつあった1960年代初頭。こうした流れを、純文学にとってかわるものとして擁護する批評家の言も含め、歴史小説や推理小説の実体を根底的に批判した、ポレミックな文学論。<『蒼き狼』論争>となった井上靖への批判、深沢七郎の『風流夢譚』批判、松本清張批判など、スリリングな文芸時評16篇。 「昨年中から大衆文学、中間小説の文壇主流進出を認容する論調があった。現象自体は現代の大衆文化進展の一環であり、別に不思議もないが、われわれの伝統や世界文学史に基いた文学の理念をこわしてまでこれを擁護しようとする批評家が一部にあった。(略)私はそれらに対して、文学の原理を争うのではなく、諸君の礼拝している淫祠邪教の実体はこれなのだ、と摘発する方法によった。」(「序」より)
  • 飆風
    3.0
    1巻1,562円 (税込)
    作家になることは悪人になることだ。生きることで他人を傷つけ、小説を書くことで自らをも痛めつけてゆく。すさまじい作家が、己の精神を追い込み、崩壊していく様を曝した、最後の私小説――「靴と下駄とスリッパが空中を飛んでいるんだ。ほら、そこに。」「くうちゃん、何言ってるの。何も飛んでいないじゃない。」「いや。飛んでいるんだ。階段も廊下も流れているし。」「変ねェ。何も流れていないじゃない。いつもの通りじゃない。」「ああ、俺は気が狂った。アロエの毒を呑まされた。」「誰に。」「誰だか分からない。俺の頭の中を風が吹いていくんだ。」「風?」(本文より)
  • 暗い絵・顔の中の赤い月
    3.8
    新人・野間宏、戦後日本に颯爽と登場――初期作品6篇収録のオリジナル作品集 1946年、すべてを失い混乱の極みにある敗戦後の日本に、野間宏が「暗い絵」を携え衝撃的に登場――第一次戦後派として、その第一歩を記す。戦場で戦争を体験し、根本的に存在を揺さぶられた人間が、戦後の時間をいかに生きられるかを問う「顔の中の赤い月」。ほかに「残像」「崩解感覚」「第三十六号」「哀れな歓楽」を収録する、実験精神に満ちた初期短篇集。 ――草もなく木もなく実りもなく吹きすさぶ雪風が荒涼として吹き過ぎる。はるか高い丘の辺りは雲にかくれた黒い日に焦げ、暗く輝く地平線をつけた大地のところどころに黒い漏斗形の穴がぽつりぽつりと開いている。その穴の口の辺りは生命の過度に充ちた唇のような光沢を放ち、堆い土饅頭の真中に開いているその穴が、繰り返される、鈍重で淫らな触感を待ち受けて、まるで軟体動物に属する生きもののように幾つも大地に口を開けている。
  • うるわしき日々
    4.0
    『抱擁家族』の30年後の姿 老いと家族をテーマの長篇――80を過ぎた老作家は、作者自身を思わせて、50過ぎの重度アルコール中毒の息子の世話に奮闘する。再婚の妻は、血のつながらぬ息子の看病に疲れて、健忘症になってしまう。作者は、転院のため新しい病院を探し歩く己れの日常を、時にユーモラスなまでの開かれた心で、読者に逐一説明をする。複雑な現代の家族と老いのテーマを、私小説を越えた自在の面白さで描く、『抱擁家族』の世界の30年後の姿。
  • 男

    4.0
    男は黙ってよく働いている だいじにしなければなあと思う 歿後30年。 「男」をめぐる初の随筆選。 羅臼の鮭漁、森林伐採、ごみ収集、救急医療、下水処理、少年院、橋脚工事―― 日常の暮らしを支える現場で働く男性たちに注ぐ、やわらかく細やかな眼差し。 現場に分け入り、プロフェッショナルたちと語らい、自身の目で見て体感したことのみを凜とした文章で描き出す、行動する作家・幸田文の随筆の粋。 (収録作品) 男(濡れた男/確認する/切除/火の人/傾斜に伐る/都会の静脈/まずかった/ちりんちりんの車/救急のかけはし/並んで坐る/橋) ちどりがけ 当世床屋譚 植える 出合いもの いい男 男のひと 素朴な山の男 男のせんたく 男へ
  • 藤枝静男随筆集
    4.0
    自伝的随筆から骨董論まで、創作と人生の全てを語る――旧制八高時代からの親友、平野謙、本多秋五との交友、生涯の師となる志賀直哉を訪ねた奈良旅行、最初の作品を「近代文学」に発表する経緯など……小説家・藤枝静男の誕生から、医師であり作家であることの心構え、骨董へのこだわり、晩年の心境まで――私小説に特異な新境地を切り開いた藤枝文学のエッセンスとともに、剛毅木訥なるひとがらとその人生を知るための精選随筆集。
  • 鳴滝日記・道 岡部伊都子随筆集
    -
    「美の巡礼者」岡部伊都子の京を巡る随想集。いとはん育ちの著者は、婚約者を戦争に送った慚愧を胸に戦後を生き、暮しの細部に宿る美、哀歓を美しい言葉で綴った。土地の精霊との交感から生まれた清々しい初期随筆集! ――ふしぎなめざめにうながされて……、凍てつく土中から虫たちが這い出すように、女ひとり、戦後をつよく生きる想いを綴る「四季採譜」。大阪のこいさん育ちの著者が生涯の地・京に移り住み、暮らしの中から紡ぎ出す美しい言葉で古都の魅力を語り尽す「鳴滝日記」。古の道、ふるさとの道、露地の道を行き交う人の運命を哀切に描く「道」など4篇。豊かな感性と強靭な志の1冊。
  • 北愁
    4.0
    幼くして母を亡くし、継母と文筆家の父に育てられた才気煥発な娘あそぎ。そのまっすぐな気性は時に愛され、時に人を傷つける。婚家の没落、夫婦の不和、夫の病――著者・幸田文自身を彷彿とさせる女性の波乱の半生を、彼女を取り巻く人々とのつながりの中でこまやかに描きあげた長編小説。
  • 上海・ミッシェルの口紅 林京子中国小説集
    4.0
    戦争の影迫る上海の街で、四人姉妹の3番目の「私」は、中国の風俗と生活の中で、思春期の扉をあけ成長してゆく。鮮烈な記憶をたどる7篇の連作小説「ミッシェルの口紅」と、戦後36年ぶりに中国を再訪した旅行の記「上海」。長崎で被爆して「原爆」の語り部となる決意をした著者が、幼時を過ごしたもう一つの文学の原点=中国。
  • 月夜の記憶
    5.0
    人間の根柢へ、文学の原理へ、深まりゆく作家精神の軌跡! 死を賭して受けた胸部手術、病室から見た月、隣室の線香の匂い、そして人間の業……。終戦からほどない、21歳の夏の一夜を描いた表題作をはじめ、人間の生と死を見据え、事実に肉迫する吉村昭の文学の原点を鮮やかに示す随筆集。自らの戦争体験、肉親の死、文学修業時代と愛する文学作品、旅と酒について、そして家族のことなど、ときに厳しく、ときにユーモラスに綴る。
  • 可能性としての「在日」
    -
    在日2世作家として、少年期のサハリン越境の原体験をもとに、南北朝鮮の政治体制や日本のナショナリズム、さらにパレスチナ問題に対し、そのつど問題提起と行動をおこしてきた著者の、思想・文化・人間観が開示されている。21世紀を生きる「在日」の新しい可能性を追求した表題作ほか、単行本未収録の「韓国国籍取得の記」を含め、30余年の文学的営為を示す講演・エッセイを精選した。
  • 黙阿弥
    5.0
    黙阿弥の真の姿と心の奥の風景を描く曾孫からの鎮魂の評伝。 ――坪内逍遙に“明治の近松、我国のシェークスピア”と称された河竹黙阿弥。その78年の生涯を、秘蔵の原稿や手記をもとに、曾孫にあたる著者が心をこめて描いた評伝。幕末から明治への激動の時代を生きた黙阿弥の作者魂と、江戸作者の矜持。それは現代にも通じるひとつの「生」の記録でもある。 ※本書の初出は、「別冊文藝春秋」(1991年夏~1992年秋)に「孤影の人」という題で発表され、単行本は、文藝春秋より1993年2月に『黙阿弥』と改題され刊行しました。底本は、文春文庫『黙阿弥』(1996年)を使用し、著者により若干の訂正をいたしました。
  • 書林逍遙
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    かくも深遠なる本の世界。太宰治・江戸川乱歩・柴田錬三郎・宇野千代・岡本綺堂・川口松太郎・三島由紀夫・舟橋聖一・幸田文・芥川龍之介・川端康成・夏目漱石・柴田翔・吉行淳之介・伊集院静・吉村昭・山田風太郎・小沼丹・向田邦子・近松秋江・武田泰淳……急逝が惜しまれる、稀代の読書家・久世光彦がこよなく愛した文学のかたち、そして初版本との出逢い! 〇書は<時代>を映し、かつての数々の<恥>を呼び覚ます。特に若い日に読んだ書は厄介だ。1冊1冊に恥が纏い付いている書の記憶は、突然蘇って、いまもこの身を苛んで離れない。「右大臣実朝」の顰みに倣うなら、《歳月トハ、怯懦ノ姿デアロウカ》――。<本文より>
  • ヒューマニズム考 人間であること
    3.5
    「それは人間であることとなんの関係があるのか。」フランス・ルネサンス文学の泰斗が、宗教改革をはじめさまざまな価値の転換に翻弄されながらも、その思想を貫いたユマニスト(ヒューマニスト)たち――エラスムス、ラブレー、モンテーニュらを通して、「人間らしく生きようとする心根と、そのために必要な、時代を見透す眼をもつこと」の尊さを平易な文章で伝える名著。●大江健三郎氏による、本書の底本(講談社現代新書版、1973年)への推薦の言葉より〈この平易な小冊子にこめられているのは、先生が生涯深められてきた思想である。「人類は所詮滅びるものかもしれない。しかし、抵抗しながら滅びよう。」という言葉を見つめながら、先生はその抵抗の根本の力を明らかにしてゆかれる。〉  【目次】      1 ヒューマニズムということば2 ユマニスムの発生3 宗教改革とユマニスム4 ラブレーとカルヴァン(一)5 ラブレーとカルヴァン(二)6 ユマニスムとカルヴィニスム7 宗教戦争とモンテーニュ8 新大陸発見とモンテーニュ9 現代人とユマニスム
  • 〈危機〉の正体
    -
    暴発するテロ、迫るファシズム、広がるインターネットの闇、底なしの格差と貧困。世界を覆う「見えない危機」の正体を見抜き、現代を生き抜くための最強の読解力を指南する。〈危機とは、もともとギリシア語で峠とか分かれ道を意味する「クリシス」に由来する概念だ。分かれ道に関しては、選択を間違えると、とんでもない方向に進むことになり、目的地に到達することはできない。従って、われわれが危機について語るときは、単に危機という現象について、分析し、認識するだけでは不十分だ。危機から抜け出す処方箋についても考えなくてはならない。〉――佐藤優(まえがきより)同時多発テロ/オウム真理教/官僚の不正/トランプ現象/北朝鮮の脅威/ヘイト言説/日米同盟/沖縄基地問題/外国人労働者受け入れ/相模原事件/子どもの貧困…… 現代の危機を神学の知恵で読み解き、希望への処方箋を提示する。(目次より)1見えない危機の到来2資本主義の暴走3国家の本質4格差社会を超えて
  • 箱庭
    3.0
    戦後20年、経済的にも物質的にも豊かになった日本社会。東京山の手を舞台に、一つの屋敷内に住む、父母、長男夫妻、次男夫妻の世代の異なる3カップルが繰り広げる悲喜劇。主人公の長男・木俣学と、弟・修の妻・百合子の情事をきっかけに、「箱庭のようにせまく、息苦しくそのくせ形だけはととのっている」家族が、ゆっくりと、静かに崩壊してゆく姿と、その荒涼とした心の風景を描く力作。幸福な「家族」の静かな崩壊を描く長篇小説。
  • 夜逃げ町長
    -
    出馬予定の県会議員選挙の前夜、町長が行方をくらました。地方の平和な田園風景の中にくりひろげられる滑稽な人間模様の数々! 事実に基づく題材を、鋭利で、しかも軽妙な文体で活写した、記録文学の傑作。他に不可抗力として著者を襲った「落第について」、「幻、夢、うつつ。」など8つの作品集。哄笑・傑作小説集。
  • 私の長崎地図
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    生まれ育った町を振り返りながら書き綴った「私の長崎地図」を中心に、筆者の長崎へ対する思いが溢れる小説、随筆を編纂した作品集。――生まれ故郷・長崎。しかし、そこは再訪するのに四半世紀の時を必要とした地でもあった。強い郷愁と訪れることへの不安が、町の色や海の香に彩られた過去から、現在に至る心の風景を紡ぎ出す。長崎を舞台にした「私の長崎地図」「歴訪」「色のない画」などの小説や随筆を精選したこの作品集は、『私の東京地図』と対をなす著者の魂の彷徨である。※本書は『佐多稲子全集』(講談社・昭和52年11月~昭和54年6月刊)、『小さい山と椿の花』(講談社・昭和62年10月刊)、『思うどち』(講談社・平成元年6月刊)を底本としました。
  • 詩集「三人」
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    反骨の詩人金子光晴と妻・森三千代、息子・森乾が綴った詩を、光晴が手書きで私家製の詩集にまとめあげた、家族愛と戦争への嫌悪に満ちた、貴重な戦中詩集。 戦争よ。/破砕くな。/年月よ。/もつてゆくな。 父とチヤコとボコは/三つの点だ。/この三点を通る/三人は一緒にあそぶ。 (中略)三本の蝋燭の/一つも消やすまい。/からだをもつて互いに/風をまもらふ。(「三点」より)
  • 今夜、笑いの数を数えましょう
    3.6
    倉本美津留、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、バカリズム、枡野浩一、宮沢章夫、きたろう。いとうせいこうが、「笑い」の世界の第一線で活躍中の6名と、その本質を語り明かす対談集。平成の「笑い論」決定版! 「死ぬ前に一度は気になる人物と「笑い」の種類について話しあってみたい。そして自分が考えてきたことを伝えてみたらどうだろう、と考えるに至りました。」(前口上」より)
  • 未成年・桃 阿部昭短篇選
    5.0
    敗戦で失職した元海軍大佐の父。時代に背を向け不器用に生きた父と家族の「戦後」を、激情を内に秘めた簡潔な表現で描いた「未成年」(「父と子の連作」の一)。幼年期の記憶のヴェールに揺曳する一情景を、繊細な筆致で甦らせる「桃」。阿部文学の通奏低音である湘南の大自然と朽ちていく人の家を対比、早過ぎた晩年の心境を刻む「水にうつる雲」。澄明な文体と深いユーモアで人生の真実を描いた、短篇の名手の名篇10篇を精選。
  • 死の影の下に
    -
    無意識の記憶の突然の喚起をきっかけとして、主人公の城栄は、静岡県の田舎で伯母に育てられた牧歌的な日々の回想に誘いこまれる。早くも「喪失」の意味を知った少年は、伯母の死後、冒険的実業家の父親と暮らし始め、虚飾に満ちた社交界をつぶさに観察することになる。新しいヨーロッパ文学の方法をみごとに生かした、戦後文学に新たな地平を拓き、戦後文学を代表する、記念碑的長篇ロマン。
  • 現代詩人論
    -
    大正末期から戦後まで、混迷の時代の中で輝かしい光を放った詩人たち――西脇順三郎、金子光晴、中野重治、中原中也はじめ、「四季」の三好達治、立原道造、戦後「荒地派」の鮎川信夫、田村隆一さらに清岡卓行、谷川俊太郎に及ぶ、23人の魅力の源泉に迫る。「詩」と「批評」という二筋道を、一筋により合わせ得る道を自らの内に探求してきた著者の、刺激に満ちた詩人論。現代詩を語る上で、必読の詩人論が誕生した!
  • アメリカと私
    4.0
    著者20代最後の年、1962年より2年間のプリンストン滞在記。この間、公民権運動の高揚、キューバ危機、ケネディ暗殺など、激動期を迎えていたアメリカ社会の深部を見つめ、そこに横たわる自他の文化の異質性を身をもって体験する。アメリカという他者と向き合うことで、自らのアイデンティティの危機を乗り越え、その後の「国家」への関心、敗戦・占領期研究への契機ともなった、日本文化論の歴史的名著。
  • ゲイだけど質問ある?
    4.3
    1巻1,562円 (税込)
    すぐそばにある『LGBT』が身近になる世の中への入門書!「カミングアウトは必要じゃない。だけど、隠す必要だってないでしょ?」最近よくきく「LGBT」だけど、まだまだ知らない人が多い。「知らない」より「知ってる」ほうが、きっといいーーそんなソボクな疑問に「オープンリーゲイ」の歌人として活躍する鈴掛真が答えます!
  • 108

    108

    3.7
    1巻1,562円 (税込)
    108ーーそれは煩悩の数。妻からの思いもかけない告白。脚本家・海馬五郎が挑む悪夢の決算!松尾スズキ自らが、監督・脚本・主演・小説に挑む、一大プロジェクト始動。映画『108~海馬五郎の復讐と冒険』2019年秋公開予定映画同名小説を先行発表!!苦悩と笑いの痛快長編!松尾スズキ&「大人計画」30周年記念作品。
  • サーラレーオ
    3.3
    1巻1,562円 (税込)
    ひょんなことから手に入れた大量の大麻の種子。落ちぶれた男にとって、それはギフトかトラップか? 金もツキも度胸もない、逃げ足だけは速い究極のダメ男が、タイと日本を疾走する。『狭小邸宅』『カトク 過重労働撲滅特別対策班』著者による、圧倒的悪漢小説(ピカレスク・ロマン)。
  • 秒速11.2キロの熱情
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    JAXAの新型ロケット・JIN-1の打ち上げが妨害された。何者かが施設内のコンピュータをハッキング、ウイルスを送りこんだことが原因だった。JAXAのセキュリティシステムを構築し、JIN-1に搭載する人工衛星にも技術協力を行うAI技術者の天野は、調査を開始する。次々に放たれる犯人の謀略に翻弄されつつも、奮闘する天野だったが、水面下では新たな陰謀――ロケット爆破へのカウントダウンが進行していた!
  • マサコの戦争
    -
    私は、本書を21世紀を生きる若い人たち、子供たちや、孫たちを戦争に行かせたくないと願っているお母さんやお父さんに、ぜひ読んでいただきたい。戦争にまきこまれたあとでは遅すぎるのである。――著者/私たちは時代の流れの中で、私たちの足もとにせまっていた見えない硝煙、地を這って響いていたにちがいない砲声、芳香の中にまぎれていたきな臭いにおいに、どうして気づかなかったのだろうか。――<「はじめに」より>
  • 現代日本の批評 1975-2001
    -
    1~2巻1,562~1,672円 (税込)
    「批評とはなにか。それは戦後日本固有の病である」(東浩紀)。〈批評史の屈曲点〉から日本の批評はどう変容したか。「批評新時代」を希求する、気鋭批評家による格闘の記録!
  • 瘡瘢旅行
    3.6
    1巻1,562円 (税込)
    何故その私小説家のみ尊しであるのかと云う質問を、誰かから気まぐれに投げつけられたとしても、彼には、「知るか」と答えるより他はない。(中略)当事者が本気で行ない、身銭を切り、人生を棒に振るつもりでやっているのならば、たとえそんな理由なぞ皆目分からなくとも、自身では一向にかまわぬことである。――<本文より>
  • 夜更けの川に落葉は流れて
    4.3
    1巻1,562円 (税込)
    稀代の無頼、西村賢太の原点を炙り出す、新たな代表作。憬れだった築地市場での仕事をたった一日で失うことになった若き日の北町貫多を描く「寿司乞食」。すべてに無気力で受動的だった貫多を、やや向日的な世界へ引き戻したのは梁木野佳穂という女性だった――「夜更けの川に落葉は流れて」。後ろ髪を引かれる思いでいた"あの店"。貫多と店主の20数年にも及ぶ蟠りがある深夜に最高潮を迎える「青痰麺」。表題作含む三篇収録。
  • 獄中十八年
    -
    敗戦直後の、あらゆる価値が崩壊したかに見えた世相にあって、徳田球一と志賀義雄の「獄中十八年、非転向」がどれほど眩しく見えたか。それは多くの若者や文学者が続々と入党したことからも明らかです。共産主義者としての来し方を述べた本書は、親しみやすい語り口もあってベストセラーとなりました。多分に政治的文書であると同時に、ある時代の息吹を伝えるすぐれた文学的回想として文芸文庫に収録するゆえんです。
  • 鉄塔おじさん
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    神崎あたりは田舎の役場の生活相談課でクレーム対応をしている。あたりを目の敵にする教育係の杉田さんからは、毎日暴言を吐かれる。あたりに好意を寄せる同じ職場の三浦からのアプローチを受け、付き合うことになりそうだった矢先、食堂で話す二人の姿を見つけた杉田から、信じられない告白をうける。あたりは混乱し、休職願いを出す。そしてあたりが逃げ込んだ先は、町の人々から疎まれているある人物の家だった。
  • シェイクスピアの面白さ
    -
    木下順二、丸谷才一らが師事した英文学者にして名翻訳家として知られる著者が、シェイクスピアの芝居としての魅力を縦横に書き尽くした名エッセイ。人間心理の裏の裏まで読み切り、青天井の劇場の特徴を生かした作劇、イギリス・ルネサンスを花開かせた稀代の女王エリザベス一世の生い立ちと世相から、シェイクスピアの謎に満ちた生涯が浮かび上がる。毎日出版文化賞受賞。
  • 建築探偵桜井京介 館を行く
    3.2
    1巻1,562円 (税込)
    建築探偵の名の通り、桜井京介が建築探訪!著者初めてのエッセイは、建築探訪記。安藤忠雄の現代建築からフランク・ロイド・ライトまで、建徳探偵シリーズの主人公・桜井京介と著者が訪ねて語り合う。
  • 光二郎分解日記 西郷さんの犬
    4.3
    1巻1,562円 (税込)
    西郷さんの銅像から、愛犬ツンが盗まれた!?手がかりは残された尻尾と、高級ホテルの石鹸。愉快犯か、それとも政治的意図が……?前代未聞の盗難事件に、再び"ふたりで一人の迷探偵"が大活躍!分解の天才光二郎(75)×浪人生かける(20)+元警察犬ジュン(10)が巻き起こす、やきもき、ドキドキ、ハートフルミステリー!「猫弁」の著者が贈る新シリーズ待望の第2弾。
  • おともだち できた?
    4.0
    少女が引っ越してきたのは、縁もゆかりもない見知らぬ街。お母さんは少女に言います。「おともだち さがしてらっしゃい」お父さんも少女に言います。「だれかと あそんだかい」近所のおばさんも少女に言います。「おともだち できた?」少女は答えます。「うん できたよ」その瞬間、世界は反転する。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 三木清教養論集
    4.0
    「教養といわれるのは単に専門的乃至職業的知識のことでなく、人間が真に人間らしくなるために必要な知識のことである。」ファシズムが台頭する昭和初期の日本社会で、のびやかに思考し時代と共に息づく教養の重要性を説いた孤高の哲学者、三木清。読書論・教養論・知性論の三部構成で、その思想の真髄に迫る。
  • 明日なき身
    4.5
    離婚を繰り返し、生活に困窮して生活保護と年金で生きる老人の日常の壮絶。高齢化社会を迎えた今、貧困のなかで私小説作家は、いかに生きるべきか……。下流老人の世界を赤裸々に描きつつも、不思議に悲愴感はない。自分勝手なダンディズムを貫き哀感とユーモアを滲ませる、二十一世紀の老人文学。
  • 天空の詩人 李白
    3.0
    1巻1,562円 (税込)
    絶筆となった評論エッセイ「天空の詩人 李白」と、作家として忙しい日々を過ごしていた頃のほぼ未発表の詩集「澄懐集」を合わせ、漢詩という切り口で作家・陳舜臣を再発見できる一冊です。
  • 神様ドライブ
    4.1
    1巻1,562円 (税込)
    就職活動がうまくいかない休学中の大学生・みつるは、亡き父親そっくりの男・紡に声をかけられ、全国の神社を巡る旅に出る。途中で出逢った看護師ほのかも加わり、旅はいよいよ賑やかに。旅を続けるうち、紡が神社を巡るとした驚くべき理由を聞かされる。神社は全国に8万以上あり、コンビニより多い。全国の神社は何のために、どんな神を祀っているのか? お参りの仕方から鳥居の由来まで、神社のことが好きになります。
  • あの頃トン子と
    4.0
    1巻1,562円 (税込)
    東北地方の農村で養豚業を営む洋一、39歳独身。その幼馴染で、東京で夢破れ故郷に舞い戻ったマナブ、バツイチ。二人は暇しのぎに、子豚のトン子に芸を仕込み始める。だが、そのトン子が、呼びかけられると「トン子!」と返事をするようになったのだ! 「しゃべる子豚」としてテレビ局の取材が相次ぎ、ついには豚骨ラーメンのCMに出演、トン子は日本中の人気者になる。ついに二人はトン子を擁して、上京するのだが……。
  • コズミック 世紀末探偵神話
    3.7
    本格ミステリ史上、最もバッシングを受けた鬼才のデビュー作。メフィスト賞の性格を決定づけ、後の作家に絶大な影響を与えた超問題作。1200の密室で1200人が殺されるという、密室卿を名乗る正体不明の人物からの犯罪予告が届く。1200年間、誰にも解けなかった密室の秘密を知ると豪語する密室卿の正体とは何か。JDC(日本探偵倶楽部)きっての天才にして、名探偵をも超越したメタ探偵・九十九十九が挑む!
  • 木菟燈籠
    4.0
    そこはかとないユーモアやはにかみを湛えたかざりのない文章でどこか懐かしいような風景を描き上げて多くのファンを持つ"小沼文学の世界"。季節や時代の移ろいに先輩の作家や同僚の教員、学生時代の友人など愛すべき人々の風貌を髣髴とさせる、この著者ならではの好短篇集。
  • 諷詠十二月
    5.0
    「この書は詩歌の理解に熱心な、あるいは熱心ならんと欲せらるる、比較的年少の初学の読者を聴者として、著者の素懐を仮りに題を設けて説かんと企てたもの……」。昭和17年9月、太平洋戦争のさなかに書下された本書は、万葉から西行、子規、晶子の短歌、菅原道真、新井白石、頼山陽の漢詩、芭蕉、蕪村、虚子の句、朔太郎、犀星の詩等々、秀作を鑑賞し、美と真髄を明かす、詩歌入門の不朽の名著。
  • 地鳴き、小鳥みたいな
    3.5
    1巻1,562円 (税込)
    子ども時代の記憶を確かめようと訪れた、母の実家の町。土地の描写のなかに、「あなた」と呼ぶ女性とのやりとりが綴られる。(「地鳴き、小鳥みたいな」)夏。K先生の訃報。若い友人の死。20代で出会ったある先生との忘れがたい対話。枯れて見えたその先生から聞かされた性欲をめぐる話が意外で、20代の私はただ驚いた(「夏、訃報、純愛」)。他に2篇を収録。
  • スエデンボルグ
    -
    「禅」を世界に広めた近代日本を代表する仏教者・鈴木大拙が、その思想形成において多大な影響を受けたスエデンボルグの神秘主義神学の精髄を広く一般読者に向けての概説書。併せて同じく大拙が訳した「新エルサレムとその教説」(スエデンボルグ著)などを収録し、宗教界のみならずゲーテやバルザックを初めとする後世の文学者にも深い影響を与えたその思想の全容、および鈴木大拙自身のスエデンボルグ理解の本質に迫る一書。

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