講談社作品一覧

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  • 暮らしの年表 流行語 100年
    -
    1巻1,430円 (税込)
    この100年を日本人はどう暮らしてきたか。1911(明治44)年から2010(平成22)年までの、身近な出来事を豊富に盛り込んだ年表と、時代を映す流行語の辞典を組み合わせたユニークなクロニクル。エッセイ・コラム・写真のほか、ヒットした商品・曲・本・映画などのプチデータも充実。「あの頃」のイメージがあざやかに立ち現れる。<永久保存版>※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 鉄道旅へ行ってきます
    3.6
    「鉄道愛の方向性は人それぞれではありますが、三者三様の愛の形が混ざり合うことによって、よく知っている人と行く時には味わうことができない、オリジナルな旅ができてきたのです」(酒井順子氏)。北陸本線を一日で巡り、駅そばを次々に平らげる驚愕の行脚企画「徹底検証 北陸駅そば五番勝負!」を始め、「小説現代」で大反響を呼んだ人気シリーズが遂に電子書籍化。
  • 師匠は針 弟子は糸
    4.0
    名人死して十年。弟子がはじめて綴る鎮魂歌「この人の弟子になる!」と決めたのが18歳の時。以来、師匠が逝くまでの思い出の数々。同時に一年間の日常を記録した「ケータイ日記」を併載。落語家は忙しい。
  • 日本の農業を破壊したのは誰か 「農業立国」に舵を切れ
    4.5
    1巻1,430円 (税込)
    農業村によって安楽死への道を強いられる日本の農業。農業就業者や農家戸数が大幅に減少するのに、なぜか増え続ける農協の組合員数。また、「日本の農業は競争力のない弱者」といった、“作られた”常識は、歪んだ農政を正当化し、食料安全保障についての不安をあおり、TPP反対の論拠とされてきた。日本はこのくびきから放たれてこそ真の農業立国となり得るのだ!
  • 19時から作るごはん
    3.9
    玄関あけて。冷蔵庫あけて。タイムテーブルを見ながら、30分以内にできるおうちメニュー。大きなキッチンも高い材料もいりません。必要なのは小さなやる気と30分。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 英語「なるほど!」ライティング 通じる英文への15ステップ
    -
    伝わる英文に必要なのは3つの「C」。Clear「明解」であること、Concrete「具体的」であること、そしてConfident「自信」に満ちていること。これに加えて、ちょっとしたコツを知っているだけで、あなたの英語は大きく変わります。初級者にもプロにも役立ちます! 本当に伝えたいことを、自然な英語で伝えられるようになることができる1冊。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • あこがれのビーズ刺繍アクセサリー
    4.0
    本邦初公開! ビーズ刺繍で作るアクセサリー。フランスオートクチュールビーズ刺繍のテクニックを応用して作るアクセサリー。繊細で上品、創作意欲をかき立てる作品約40点掲載。基本テクニック、材料図鑑付。エレガントなビーズ刺繍アクセサリーが簡単に作れます。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • まぜて焼くだけ 北欧からのやさしいお菓子
    3.0
    シンプルな暮らしから生まれた簡単レシピ! フードプロセッサーだけでできるセンス溢れる友人マイさんのお菓子を行正流にアレンジして紹介します。マイ&行正さんちのインテリアも必見!※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ハンディ図鑑 散歩道の木と花
    4.5
    都市に住んでいる人が街で目にし、ちょっと足を伸ばした郊外で見かける樹木185と野草179を四季順に配列したポケット図鑑。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 「ものづくり」の科学史 世界を変えた《標準革命》
    3.9
    フランスのオノレ・ブランという技術者による「互換性部品」に始まる近代の標準革命。アメリカでその技術は、困難を乗り越え、「アメリカ式製造方式」として確立された。さらにテイラーによる作業の標準化は、アメリカを製造業大国にする。公的機関が標準を決めるデジューレから市場での占有によるデファクトの時代へ。「標準」をキーワードに、製造の現場のドラマと国家、企業、市場の関係、そして背後に潜む思想を探ります。(講談社学術文庫)
  • のばらセックス
    3.5
    わたしは病気なのだ。『女』という病気なのだ。“男性”しか存在しなくなったはずの世界に発生した“女性”という怪異――。世界で二人目の“女性”おちば様は、最初の“女性”のばら様が世界中にまき散らした災いと幸福の種を拾い集め、いくつもの“性”と対峙していく。軋んでいるのは、破滅の予兆か、新しい社会の胎動か――。
  • 平安残酷物語
    4.0
    働いたら負けかなと思っています。此処は、大人たちがすべて死に絶え、代わりに奇々怪々の異形な虫たちと共存している(せざるをえない)子供だけの世界――。そして、自称<貴族>の引きこもり――こづえと、その<親友>である小春さんに次々と降りかかるのは、可愛くも“残酷”な日常……!?
  • オルファクトグラム(上下合本)
    4.0
    姉を殺害した犯人に、事件現場で襲撃された片桐稔。その後遺症から通常の“匂い”を失い、イヌ並みの嗅覚をもつことになる……。まったく違う世界に戸惑いながらも、失踪したバンド仲間を、嗅覚を頼りに捜し求めてゆく。新たな能力を駆使することで、姉の仇を討てるのか?新感覚の大長編異次元ミステリー。
  • 富士鉄 世界遺産・富士山と列車を撮る 週末ぶらり旅
    -
    都内や関東にお住まいの方がカメラを片手に週末、列車に乗って気軽に富士山を訪ねる旅のビューポイント案内書です。御殿場線や中央線、内房線、江ノ電、京王線などローカル線から私鉄、新幹線まで、厳選した20の鉄道路線の撮影地を徹底ガイドします。併せて撮影地近くで味わえる地元の美味や神社仏閣などの観光スポットもチェック済み!富士山を巡る鉄道旅をより彩り豊かに楽しませてくれます。
  • 入試数学 伝説の良問100 良い問題で良い解法を学ぶ
    4.4
    駿台カリスマ講師が命がけで選び抜いた受験生・大学入試関係者、必読の書! 「円周率が3.05より大きいことを証明せよ。」良問は美しく、時に感動的ですらある。数学の勉強で一番大切なのは、良い問題で良い解法を学ぶこと。本書は、過去30年の大学入試問題を精査し、傑出した良問だけを100題収録。解説は「考え方」に重点を置き、多くの「別解」を掲載。ぐんぐん力がつくうえに、数学の本当の面白さまでわかる。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 百器徒然袋 風【電子百鬼夜行】
    4.5
    調査も捜査も推理もしない、天下無敵の薔薇十字探偵、榎木津礼二郎。過去の事件がきっかけで榎木津の“下僕”となった「僕」は、そのせいで別の事件にも巻き込まれてしまう。探偵を陥れようと、張り巡らされた罠。それに対し、榎木津の破天荒な振る舞いが炸裂する!「五徳猫」「雲外鏡」「面霊気」の3篇を収録。
  • 塀の上を走れ 田原総一朗自伝
    4.5
    「日本初のAV男優」が、首相を3人退陣させた――。驚くべき破天荒さに包まれた78年間。スリリングで、爆笑の連続で、ちょっぴり泣けるエンターテイメント自伝、堂々刊行!田原総一朗がすべてを赤裸々に明かした、前代未聞の半生。作家を志して挫折/ほとんどニートのダメダメ社員/日本初のAV男優に/伝説のドキュメンタリー制作の全貌/恋愛と不倫/首相を次々に退陣させたあとの絶望……
  • オッサンフォー
    3.3
    かつて腕利きの詐欺師だった主人公を含むオッサン4人。ドジを踏み解散。今でもたまに会っている。しかし、主人公の行きつけのスナックのママが経営危機に陥る。「もう死のうと思てんねん」と漏らすママに、主人公は「ワシに任せろ」と請け合う。義憤もあるが、実はホレているのだ。昔とった杵柄。かつての仲間を集め、4人は奇想天外な詐欺を仕掛ける。相手はママの昔の男にして、市政を牛耳る大物!
  • 図解・わかる電子回路 : 基礎からDOS/V活用まで
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 本書には、パーツのリアルな図版と、さまざまな実用回路がいきいきと呈示されている。若者が夢を描き、こういうものを作りたいと発想すれば、それを実現できる、現代にふさわしい電子回路活用事典の登場だ。(ブルーバックス・1995年9月刊)
  • 証言 細野豪志 「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る
    4.3
    首相補佐官として、東電本店に常駐、後に原発事故担当相に就任した政治家が見た原発事故収束までの500日間。菅首相の現地視察、東電の撤退提案、自衛隊による放水、「最悪のシナリオ」作成・・官邸、東電でそのとき、何が起きていたのか。決断の過程で、政治家たちは、東電幹部たち、そして細野氏はどう動いたのか。ジャーナリスト鳥越俊太郎が、原発事故に対峙し続けた男に問う。初めて明かされる「500日」の真実。
  • 漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち
    4.0
    1巻1,430円 (税込)
    再起をはかるソニーの新社長に就任した平井一夫の手腕が発揮されたのは、ソニーSCEにおけるプレーステーション事業であった。そのプレステ展開において、異能を天下に示した久夛良木健との協調、葛藤、相克を通し、ストリンガー体制で失われたといわれる「ソニーのDNA」が平井新社長のもとで復活できるのかどうかを、著者のみが知り得るインサイド情報をもとに解析する。ソニー再建の道標となる一冊。
  • 新訂版 タモリのTOKYO坂道美学入門
    3.9
    「坂道」の世界にようこそ! 日本坂道学会副会長のタモリがTOKYOを激写し、こだわりの「よい坂」を紹介。散策によし、デートによし! これ1冊でいつもの街歩きが断然面白く変わります! タモリが考える「よい坂」とは―― 1. 勾配が急である 2. 湾曲している 3. まわりに江戸の風情がある 4. 名前にいわれがある。(この作品は『TOKYO★1週間』の連載を2004年10月に単行本化したものです)
  • パナソニックの選択 「環境で稼ぐ」業態転換の未来
    3.0
    消滅の危機に瀕して、製造業の雄に唯一残された選択肢とは? 大坪体制6年間は、創業100周年=2018年を世界トップ企業として迎えるための布石だった。「お金が眠っているところ」を探し出す松下幸之助のDNAは、「環境で稼ぐ」道を見出した。二酸化炭素削減量がキャッシュ化速度を加速する。全経営者、全CFO、そして全パナソニック社員必読。
  • 昭 田中角栄と生きた女
    4.0
    なぜ母は、私を生まなければならなかったのか―― 。「越山会の女王」と呼ばれた母・佐藤昭子とオヤジ・田中角栄が、娘の私に遺してくれたことはいったい何だったのか。二年前の3・11に逝った母。その三回忌を前に、「激動の昭和」を懸命に生きた父母の素顔を娘が綴る。
  • 日本中枢の崩壊
    3.8
    1巻1,430円 (税込)
    「日本の裏支配者が誰か教えよう」経産省の元官僚が実名で証言!! 福島原発メルトダウンは必然だった……政府閉鎖すら起こる2013年の悪夢とは!? 家族の生命を守るため、全日本人必読の書。経産省が握りつぶした「東電処理策」を巻末に全掲載。
  • 有限と微小のパン THE PERFECT OUTSIDER
    4.1
    日本最大のソフトメーカが経営するテーマパークを訪れた西之園萌絵と友人・牧野洋子、反町愛。パークでは過去に「シードラゴンの事件」と呼ばれる死体消失事件があったという。萌絵たちを待ち受ける新たな事件、そして謎。核心に存在する、偉大な知性の正体は……。S&Mシリーズの金字塔となる傑作長編。
  • ジャズ・アンバサダーズ 「アメリカ」の音楽外交史
    値引きあり
    4.0
    本書は国際政治史のなかでジャズが果たした特異な機能を考察し、ジャズが国際政治と共振しながら織りあげた歴史の実像に迫ります。戦争、冷戦、デタント、平和運動、イデオロギー、民主化、脱植民地化、人種、異文化対話といった、アメリカ内外の政治的ダイナミズムが交錯するところにジャズはあり、それを問うことはジャズとアメリカとの関係を脱構築することになるでしょう。
  • 古代エジプト動物誌
    4.0
    「あの世の闇」すら光り照らす猫の目を敬い、蛇の脱皮する姿に「復活」を想起し、糞玉を押す黄金虫に太陽を運ぶ神を想う……。ナイルの恵みで農業国として繁栄したエジプト中王国ー新王国時代。時に神と崇め、時に恐れ敵対した動物たちとエジプト人との関係や、動物ミイラの作り方、当時の社会や宗教観まで活写した、異色歴史書! 内容一部紹介 ◎古代エジプト人と猫の暮らし◎ *夢に大きな猫が出たら吉兆。大豊作になる。 *猫女神バステトは出産の神。新婚夫婦は欲しい子供の数だけ、護符に猫の絵を描く。 *火事になったら火を消すよりも猫を助けよ。 *飼い猫が死んだら家族全員、眉を剃って喪に服す…等 序 文  第一章 猫 世界最古の家猫図/オシリス神話/女神バステト/猫の聖地ベニ・ハッサン/パケト信仰/猫のミイラと棺/闇を退治する目/ネフルよ、ネフルよ/ブバスチスの「猫王」/バステトの祭り/猫の墓/エジプト人の愛猫心 第二章 犬 アヌビス信仰/西方の者/絵画と彫像/『二人の兄弟の物語』/エジプト犬のミイラ 第三章 蛇 二つのエジプト/『難破船水夫の物語』/悪蛇アポピス/翼ある蛇 第四章 ライオン 大スフィンクス/王たちとライオン/ライオン狩り 第五章 黄金虫 スカラベと太陽神/『死者の書』の図像/記念スカラベと印章スカラベ/護符スカラベ 第六章 鰐 ナイルの暴れん坊/ソベク神殿/オシリスを救う神 第七章 ハゲワシ 白い女神ネクベト/王冠飾りと棺の飾り/ハヤブサとトキ 第八章 牛 雄牛の神/雌牛の神 第九章 驢馬、馬、駱駝 砂漠と不毛の神/夷狄のもたらしたもの/洗浄の主役/奉仕のみの動物 学術文庫版解説・・・・・・・ 河合 望(金沢大学古代文明・文化資源学研究所所長 金沢大学新学術創成研究機構教) 古代エジプト略年表  本書は『古代エジプト動物記』(文藝春 1984年刊)を改題したものです。 現在では差別的とされる表現が含まれていますが、本書が執筆された時代環境を考え、また著者が故人であることから、そのままにしてあります。差別の助長を意図するものではありません。
  • 古代文字の解読
    4.0
    発音も不明な謎に満ちた文様――エジプト聖刻文字、楔形文字、ヒッタイト文書、ウガリット文書、ミュケーナイ文書。主要古代文字が解読されるまで推理、仮説、検証を重ねた、気の遠くなるような忍耐と興奮の軌跡を、言語学と旧約聖書研究の泰斗が、平易かつ正確に描写。数千年を超えた過去との交流を先人とともに体感できる、心躍る書!(解説・永井正勝) まえがき 第一章 言語と文字 高津春繁 第二章 エジプト聖刻文字の解読 関根正雄 第三章 楔形文字の解読 関根正雄 第四章 ヒッタイト文書の解読 高津春繁 第五章 ウガリット文書の解読 関根正雄 第六章 ミュケーナイ文書の解読 高津春繁 学術文庫版解説 永井正勝(人間文化研究機構人間文化研究創発センター特任教授) 索引 地図 内容紹介 両者の解く古代文字解読の世界は、解読当時の学者達や社会の常識を踏まえつつ、解読者の心境を代弁するかのような語り口でなされている。そこに時折加えられる古代社会の記述も相まって、読者は解読当時の様子をこの目で見ているかの如く本書を読み進めていくことができる。(略)本書の魅力は、文化に対する深い理解と愛を持った卓越した研究者の手になる部分が大きい。         ――――――「解説」より *本書の底本は『古代文字の解読』(岩波書店 1964年10月刊)です。文庫化にあたり読みやすさに配慮して、旧字を随時、常用漢字に置き換え、送り仮名も新字対応とし、ルビの追加を行い、明らかな誤植は訂しています。 経年などにより説明が必要と思われた箇所は、編集部註として[ ]で補足いたしました。「最近」「現在」などの表記につきましては、原本が出版された一九六四年時点の時制といたします。 本書には現在では差別的とされる表現も含まれていますが、著者が故人であることと差別を助長する意図はないことを考慮し、原本刊行字の文章のままとしております。
  • ドラキュラ・シンドローム 外国を恐怖する英国ヴィクトリア朝
    3.8
    急成長を遂げた周辺国からの侵略恐怖、増加する貧窮移民の不安、友好国へのぬぐいがたい不信、新たな感染症の脅威……「ドラキュラ」の恐怖と魅力の源泉には、黄昏を迎えた大英帝国の外国恐怖症があった。ゴシック・ホラーの金字塔に織り込まれた、ヴィクトリア朝イギリス社会の闇を描き出す! 世界でもっとも有名な吸血鬼「ドラキュラ」。 数ある吸血鬼作品のなかでも特権的な地位を得て、現代に至るまで映像化が繰り返され、日本では吸血鬼の代名詞にもなっています。 そのドラキュラの恐怖と魅力の源泉には、19世紀末イギリス社会に蔓延する深刻な外国恐怖症がありました。 「太陽の沈まぬ帝国」、「世界の工場」と謳われた栄光は過ぎ去り、軍事・経済ともに急成長を遂げつつある周辺国からの侵略恐怖、増え続けるユダヤ人など貧窮移民への不安、搾取してきたアジアの植民地から入ってくる新たな感染症の脅威……。 落日の大英帝国に生きる人々は心の奥底で何を恐れ、そしてドラキュラは生みだされたのか。 『パンチ』などに掲載された風刺画をふんだんに使いながら、ゴシック・ホラーの金字塔から読み解く世紀末ヴィクトリア朝の社会!  イントロダクション 第1章 ドラキュラの謎 第2章 ドラキュラの年は西暦何年か  帝国主義の世紀末 第3章 侵略恐怖と海峡トンネル計画の挫折 第4章 アメリカ恐怖と「栄光ある孤立」の終焉  反ユダヤ主義の世紀末 第5章 ユダヤ人恐怖と外国人法の成立 第6章 混血恐怖とホロコースト  パストゥール革命の世紀末 第7章 コレラ恐怖と衛生改革 第8章 瘴気恐怖と細菌恐怖 おわりに――ヴィクトリア朝外国恐怖症の文化研究 増補 もうひとつの外国恐怖症――エミール・ゾラの〈猥褻〉小説と検閲 学術文庫版あとがき 引用史料一覧 コラム 吸血鬼の系譜/シャルコーの催眠術/一八九三年一〇月二日のピカディリ・サーカス/ダイヤモンド・ジュビリー/火星人/海峡トンネル・パニック/ベアリング銀行の投機失敗/ロスチャイルド一族の結婚/ロンドンとテムズ川の汚染……ほか
  • 新視覚新論
    4.0
    「外なる世界と内なる心、という分別は誤りだと思う」 見たり聞いたりする知覚の風景が自分の「心の中」にある心象風景だと感じる人はまずいないだろう。しかし、痛みや気分、悲喜の感情、思い出や希望、空想や妄想、そして意志といわれるもの、これらはまぎれもなく自分の「心の中」のものだ、と人は感じている。 しかしそれは、人が抱く根本的な事実誤認ではないか?  世界そのものが悲しく喜ばしく恐ろしく、回想や希望も現在も、常にひとしく四次元の全宇宙世界の立ち現われなのである。 このことを、光学虚像や幻覚・幻像、時間と空間、幾何学、芸術、自由と意志などさまざまな角度からていねいに論じる。陥りがちな誤解をほぐしながら、日常と科学を重ねながら、「世界の一項目としての私」を「世界のあり方としての私」に組み変える。 世界そのものが、悲しく喜ばしく恐ろしい。 こうして「私」は抹殺され、私が復元されたのである。 解説: 野家啓一 本書の原本は『新視覚新論』(東京大学出版会、1982年)です。 【目次】 1 見ることと触れること 2 見えている 3 何が見えるのか 4 「表象」の空転 5 鏡像論 6 過去透視と脳透視 7 空間の時間性 8 自由と「重ね描き」 9 言い現わし、立ち現われ 10 心
  • 日本冷戦史 1945-1956
    5.0
    〈日本にとって冷戦とは何だったか。冷戦にとって日本とはいかなる存在だったか?〉 1945年8月に崩壊した旧日本帝国の空間をいかに管理するかをめぐる同盟国間の対立が激化、ここにこそ冷戦、とりわけアジア冷戦の起源があるという認識から、本書は出発する。 連合国という同盟関係は、枢軸国という敵の消失とともに内部での齟齬が拡大し、12月のモスクワ外相会議において形式的にも終焉を迎えた。そして同時に、のちのサンフランシスコ条約の規定にいう、旧大日本帝国が「放棄」した台湾、朝鮮半島、千島、満洲といった地域の主導権をめぐって、英米ソ中の各国による主導権争いが始まる。モスクワのケナン臨時大使が、冷戦の開始を告げる著名な電文を送るのに先立つこと2ヵ月前のことである。帝国崩壊後の日本列島やポスト帝国空間の管理をめぐる対立こそ、広島への核兵器投下が核時代への移行を告げたことと並んで、冷戦の文字どおりの第一頁となったのである。 冷戦の起源は、ヨーロッパをめぐる米ソ対立にあるというのが、欧米と日本いずれの歴史学でも自明とされてきた。この場合の冷戦とは、戦後国際政治の中で米ソが覇を争った状況を指している。しかしながら、米ソだけがその過程に関わったわけではない。グローバルな冷戦の起源において日本こそは枢要な現場であり、そしてアジア冷戦においては終始重要な舞台であり主題であり続けた。そうした視角から、本書の論考は展開される。 旧大日本帝国、東欧、そして核。この三要素による多元的利害関係のもとに米ソ中英仏が駆け引きを繰り広げる中、日本政治、とりわけ日本共産党の動向と響き合い、歴史が展開してゆく様を、ロシアはじめ各国の史料から丹念に描き出す話題作、全面増補改訂! 【本書の内容】 序章 第一章 日本占領と冷戦の起源 第二章 日本管理、東欧管理、核管理 第三章 冷戦のなかの日本(一九四六―一九五〇) 第四章 同盟・戦争と講和 第五章 危機の中の日本共産党 第六章 五五年体制―冷戦の再編成 終章
  • 〈イスラーム世界〉とは何か 「新しい世界史」を描く
    4.0
    ジャーナリズムで、また学問の世界でも普通に使われる用語、「イスラーム世界」とは何のことで、一体どこのことを指しているのだろうか? ムスリムが多い地域のことだろうか、それとも、支配者がムスリムである国々、あるいはイスラーム法が社会を律している地域のことだろうか。ただ単に、アラビア半島やシリア、パレスチナなどの「中東地域」のことを指しているのだろうか? 本書は、高校世界史にも出てくるこの「イスラーム世界」という単語の歴史的背景を検証し、この用語を無批判に用いて世界史を描くことの問題性を明らかにしていく。 前近代のムスリムによる「イスラーム世界」の認識、19世紀のヨーロッパで「イスラーム世界」という概念が生み出されてきた過程、さらに日本における「イスラーム世界」という捉え方の誕生と、それが現代日本人の世界観に及ぼした影響などを明らかにする中で、著者は、「イスラーム世界」という概念は一種のイデオロギーであって地理的空間としては存在せず、この語は歴史学の用語として「使用すべきではない」という。そして、地球環境と人類史的視点から「新しい世界史」を構想し叙述する方法の模索が始まる。 本書は刊行当時、歴史学者・イスラーム学者の間に議論を引き起こし、アジア・太平洋賞特別賞を受賞した。文庫化にあたり、原本刊行後の議論を踏まえて「補章」を加筆。〔原本:『イスラーム世界の創造』東京大学出版会、2005年〕
  • 改訂版 神話と歴史叙述
    3.5
    書きのこされた「歴史」は、現実に営まれた事実としての「歴史」とイコールではない。神から人へと直線的な時間で編まれた日本書紀と、神がみと人間の時間が併存する古事記。天皇の婚姻系譜における父系と母系。クーデターの正統性と敗者への視点……。過ぎ去った時間を手中におさめたい意志が歴史を編集する。神話と歴史をともに表現行為ととらえ、古代の世界観を検討する。 ベストセラー『口語訳 古事記』を生み出すことになる、通説への疑義と考察に満ちた一冊を大幅にアップデートして文庫化!
  • 説苑
    -
    「説苑(ぜいえん)」は、中国上代~前漢中期までの故事説話集。前漢の大儒・劉向(りゅうきょう)の編纂になり、皇帝の教育用の書として作られた。先行する書物をもとにして大幅に増補、内容別に整理して各編に序文が付けられている。編者は説話を通して自己の政治的主張を述べようとしたと考えられる。「君道」「臣術」「建本」「立節」「貴徳」「復恩」「善説」「権謀」「至公」「弁物」「修文」など全部で二〇篇からなり、一つ一つの説話は他書と一致するものが多く、諸子百家すべての系統の話が含まれている。そこで説かれている思想内容の基調をなすのは「尊賢論」と「節倹論」であるが、その根底には儒家思想が流れている。収録されている具体的な説話は「君子は争わず」「民に利あり」「陰徳あるものは陽報あり」「虻蜂とらず」「存亡禍福はみな身から出づ」「人の心は金次第」など、人口に膾炙したものも多く、普遍的な知としての有用性は現代人にも大いに役に立つものとなっている。
  • 新版 法然と親鸞の信仰
    3.0
    「信仰というものは、生きるために必要な、日々に欠くことの出来ない、実際に役立つものでなくてはならぬ。心の平和のためにも、また身体をいわゆる肉弾となして、実生活にぶっ突かって行く時にもなくてはならない最後の『拠りどころ』でなくてはならぬ」と考える著者が、法然と親鸞の信仰について、情熱をかたむけて説いた名著。法然「一枚起請文」の奥義、歎異抄の全てを語りきった!
  • 風と雲のことば辞典
    5.0
    日本の空には、こんなにも多彩な表情がある――。気象現象のみならず、比喩表現、ことわざから、季語、漢詩、詩歌、さらに方言や歌謡曲に至るまで、尽きるところのない「風」と「雲」にまつわる語彙を、豊富な引用でお届けする。最先端の気象用語解説、災害への備えにも言及した、充実の「読んで面白い辞書」。ロングセラー『雨のことば辞典』の姉妹編。文庫書き下ろし。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。

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  • 新版 更級日記 全訳注
    -
    平安中期の日記文学。菅原孝標女(すがわらのたかすえのむすめ)作。1060年(康平3)ごろ成立。作者13歳、父の任地上総国から帰京する旅の記録にはじまり、51歳で夫の橘俊通と死別するまでの半生を自伝的に回想した記。冒頭には、『源氏物語』とその世界への少女のあこがれを記す。乳母や姉との死別、宮仕え、家庭生活をへて、夫の急逝にあい、仏への帰依を願う境地にいたる、胸中の遍歴が描かれる。(講談社学術文庫)
  • ソシュールを読む
    4.5
    近代言語学の父、フェルディナン・ド・ソシュール。残された手稿と「一般言語学講義」聴講生のノートから三度の講義内容を復元し、コトバを手がかりに文化や社会の幻想性を解明・告発する、その思想と方法を精緻に読み解く。二〇世紀の諸科学、とりわけ構造主義やポスト構造主義に多大な影響を与えた思想の射程と今日的な可能性が、あざやかに甦る。(講談社学術文庫)
  • 哲学の教科書
    3.9
    哲学は何の役にたつのか。哲学の問いとはどんなものか。哲学者とはどのような人々か。そもそも、哲学とは何か。物事を徹底的に疑うことが出発点だという著者は、「哲学とは何でないか」を厳密に規定することで哲学を覆うベールをはぎとり、その本質を明らかにする。平易なことばで哲学そのものを根源的に問いなおす、究極の「哲学・非――入門書」。(講談社学術文庫)
  • ダンス・ダンス・ダンス
    4.3
    『羊をめぐる冒険』から4年、激しく雪の降りしきる札幌の町から「僕」の新しい冒険が始まる。羊男、美少女、そしていくつかの殺人ーー。渋谷の雑踏からホノルルのダウンタウンまで、「僕」は奇妙で複雑なダンス・ステップを踏みながら、暗く危険な運命の迷路をすり抜けていく。70年代の魂の遍歴を辿った著者が80年代を舞台に、新たな価値を求めて闇と光の交錯を鮮やかに描きあげた話題作。
  • TRYラーメン大賞全国版 ~注目の新店19軒&初登場の実力店52軒~
    3.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 26年の歴史を誇るラーメン業界最高権威の「TRYラーメン大賞」。 通常は、東京、神奈川、千葉、埼玉のお店を紹介していますが、 本書はそれ以外の北海道から沖縄までのラーメンを86杯ご紹介する「全国版」です。 本書は2022年、2024年に次ぐ第3弾。今回も審査員がホントにおいしい店を選出。 7名のTRY審査員がオススメしたいお店10軒+注目の新店をセレクト。 ジャンル・地域に配慮した上で選出をし、これまで紹介していない“初登場”店を52軒ご紹介します。 そのラインナップは審査員をして 「この店は知らなかった」というほど、 隠れた名店が多数掲載されています。 まだ見ぬニッポンのラーメンが、ここにあります。 完全保存版の一冊、ぜひお手にとってご覧ください。 <CONTENTS> 1:TRYラーメン大賞26年の軌跡 2:2023~2025 審査員が注目する新店19 3:審査員が選ぶホントにおいしいニッポンのラーメン67杯 4:TRY的ご当地ラーメンガイド 5:TRYコラボお取り寄せラーメン ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • ぐいぐいジョーはもういない
    4.3
    1巻1,463円 (税込)
    愛とプライドが涙ではじけるベタな青春もありっ。 乙女たちが投げる、打つ! 「キスしてくれたら、頑張れるかも……」 もし、女子野球部で『汗と涙の青春』をスゴしたら? 完全試合達成目前の全国大会決勝戦、ピッチャー城生羽紅衣(じょううぐい)は小駒鶫子(こまつぐみこ)に、なぜか不敵に不吉に微笑んだ。これが豪腕・羽紅衣の見納めか? バッテリーの愛のゆくえは? 許嫁がいる長身美人投手“ぐいぐいジョー”、高校最後の夏!
  • 世界ともだち部(1)
    無料あり
    4.3
    私のはんぶんは、ともだちでできている。 だから私は、前を向いていけるのだ。(本文より) フィンランドを好きになって10年以上。 フルタイム就業+寿司学校通いという修業期間を経て ついに北欧移住の夢を叶えた「週末北欧部chika」。 信じられないくらい忙しくて、 寿司修業先で泣きそうになったり 英会話レッスンで言葉に詰まったり… そんなくじけそうになる瞬間も、 「がんばればできる気がする!」 と謎の前向きさを保てていた理由は、 「世界各国にいるともだちのおかげ……!!」 自分と似たともだちとは同じ楽しみを共有し、 異なる考え方を持つともだちには感化されることが、 また自分らしさのひとつになっていく――。 喜びとひらめきを与えてくれるともだちとのエピソードをつづる、 前向きフレンドシップエッセイ! 『世界ともだち部』に登場するのは、たとえばこんな友人たち! ・「兄」「妹」と呼び合うフィンランド人のともだち・ハリネズミさん ・「こんな人になりたい!」と思い続けている心のヒーロー、ノルウェーの歌手5人組 ・はじまりは一目惚れ!わたしの“はんぶん”だと感じる韓国人のともだち・キツネさん ・大学時代の寮で、眠れない夜に発足した「インソムニア部」 etc… コミックスだけで読める描きおろし漫画も収録! 【大人気SNSアカウント「週末北欧部」とは…】 北欧が好きすぎて、会社員として働きながらフィンランドでの就業を目指して 寿司学校に通い、ついにその夢を叶えてしまった人。 前向きで、何かを愛することが上手な著者のエッセイは優しくてエネルギッシュな読み心地。 (自画像のにこにこしたおもちのような生物は、カモメがモデル。)
  • 日本扇の謎
    3.8
    舞鶴の海辺の町で発見された、記憶喪失の青年。名前も、出身地も何もかも思い出せない彼の身元を辿る手がかりは、唯一持っていた一本の「扇」だった……。そして舞台は京都市内へうつり、謎の青年の周囲で不可解な密室殺人が発生する。事件とともに忽然と姿を消した彼に疑念が向けられるが……。動機も犯行方法も不明の難事件に、火村英生と有栖川有栖が捜査に乗り出す!
  • ちいかわ 47都道府県 クイズで学べる地理の本
    -
    1巻1,463円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 X(旧Twitter)で作品が発表されて以来、つねに人気のイラストレーター・ナガノによる「ちいかわ」シリーズ。登場キャラクター・ちいかわ、ハチワレ、うさぎたちの何気ない日常を描いた作品ですが、ゆるかわな絵柄やほのぼのしたストーリーとともに、たまに垣間見えるダークな世界観のギャップが人気となっています。 そんなちいかわやハチワレ、うさぎなどのキャラクターたちと、日本の地理の基礎知識が学べる本です。都道府県ごとに知っておきたい歴史や産業、文化を紹介。さらにヒントもたっぷり、わからなければ隣のページを読めば答えがわかるクイズに、何度も挑戦することでスルスルっと知識が身に付きます。また海流や気候、農業と畜産など、日本全体で知っておきたいテーマ別の紹介ページもあります。 楽しみながら地理の知識を覚えて、社会科が好きになり、毎日のニュースにも興味が湧いてくる一冊です!
  • もぬけの考察
    3.6
    1巻1,463円 (税込)
    第66回 群像新人文学賞受賞作! この部屋の住人は、みんないなくなる? 都市の片隅にあるマンションの一室、408号室に入れ替わる住人たち――。奇想天外な物語が、日常にひそむ不安と恐怖を映し出す。 同じ部屋で前の時間が見えないまま孤独と恐怖を積み重ねていく構成で細部まで考えられていた。 理不尽さと暴力的な状況がスリリングで、多様な恐怖を描ける人だと思った。――柴崎友香 一連の奇想天外な考察は、インスタレーションと呼ばれる空間芸術の手法とも似ていて、 日常性からの逸脱を効果的に演出するにはうってつけだ。 ――島田雅彦 ある〈部屋〉のみを舞台にすることで、作品の〈空間〉は限定されている。 が、前の住人、その前の……と過去を連鎖的に想像可能で、今後の住人という未来も延々の想像が可で、その意味で〈時間〉が限定されない。そこに越境のポテンシャルが満ちている。――古川日出男
  • 天球回転論 付 レティクス『第一解説』
    -
    地球は動いている――。プトレマイオスからおよそ1400年続く天文学を覆したコペルニクス(1473-1543年)。ケプラー、ガリレオ、そしてニュートンへと続く「科学革命」は、この発見に始まる。それは「革命」という言葉の華々しさとは裏腹に静かに、本人さえその帰趨を自覚しないままに始まった。 コペルニクスはいかにして地動説に至ったのか。『天球回転論』全6巻のうち、地球の運動について記された第1巻と、『天球回転論』の公刊に先立ってコペルニクスの地動説を初めて世に知らしめた弟子ゲオルク・ヨアキム・レティクス(1514-74年)の『第一解説』の本邦初訳をあわせて収録。 コペルニクスが生涯をかけた書物『天球回転論』が、ニュルンベルクの出版社から届けられた1543年5月24日、それを待っていたかのように同日コペルニクスは他界する。「プトレマイオスを模倣しようとした」、「天文学の再興者」と言われるほどに、その構成や研究に対する姿勢は、プトレマイオスの『アルマゲスト』に倣ったものだった。ただ一点、「地球が動いている」ということを除いては――。 1400年の長きにわたって支配的であったプトレマイオスの天文学およびアリストテレスの自然学体系に、『天球回転論』がうがった小さな穴は、やがて大きなひび割れとなって従来の伝統的宇宙観を根本から打ち破り、人間の世界に対する認識を大きく変容させることになった。 神学者や世間の反応をおそれて長らく原稿の公開をためらっていたコペルニクスに、出版を強く勧め最終的に承諾させたのが唯一の弟子レティクスである。かたくなに出版を渋るコペルニクスは、レティクスがまず『天球回転論』を簡潔にまとめたものを世に出すことで妥協した。この『第一解説』の好評に力を得て、コペルニクスはついに公開を決意する。『第一解説』は、その後もコペルニクス説の入門的概説として版を重ねることになった。 コペルニクスはいかにして地動説を導き出し、前代未聞の「地球の運動」をどのように語ったのか。文字通り「世界を動かした」書物の最重要部分と本邦初訳となる『第一解説』を収録!  (『完訳 天球回転論』みすず書房、2017年より第一巻を収録、レティクス『第一解説』は新訳) 【本書の内容】 『天球回転論』第1巻目次より 宇宙は球形であること/大地もまた球形であること/地球の大きさに対する天の広大性について/地球が、いわば中心として、宇宙の真中に静止しているとなぜ古代の人たちは考えたのか/地球に複数の運動が付与されうるか、および宇宙の中心について/地球の三重運動についての論証……など。 レティクス『第一解説』目次より 恒星の運動について/古代の天文学者たちの仮説が廃棄されねばならない主な理由/天文学全体の新仮説……など。
  • 忍びの副業 上
    3.5
    1~2巻1,463円 (税込)
    忍びは再び輝ける? いつの間に我らは、ただの警護になっていたのだ? 滝川弥九郎は甲賀忍びの末裔。かつて戦国の世では、伊賀者と並び勝敗の鍵を握る者だったのに、今や日がな一日、江戸城の警護をするために番所に座っているだけ。忍びの技はひっそりと伝えられているが、それを使って何かをなす機会もない。おまけに上がらない禄を傘張りの内職などで補わなければならぬ始末……。 大人気シリーズ「しゃばけ」の著者による軽快な忍者もの
  • ちいかわ英会話 なんかいつの間にかしゃべれちゃうやつ
    1.0
    本書は、「ちいかわ」に登場するキャラクターたちの「気持ち」や「言葉」について「英語で何と言うか?」を考えることで、使える英語を身につけることができる本です。 ・「英会話フレーズ集を使っても、なかなか覚えられない…」 ・「参考書に載っている例文を勉強したけど、いざとなると使えない…」 そんな経験はありませんか? じつは、せっかく参考書で勉強しても、文字や文を追いかけているだけでは、記憶に残りにくく、学習の効率も悪くなってしまいます。 使える英語を効率的に学ぶ秘訣は、 ・「ストーリーやシチュエーションとリンクさせて覚えること」 そして、 ・「このフレーズを言ってみたい! という気持ちをもつこと」 です。 この本には、みなさんの感情を揺さぶるような、ちいかわたちの魅力的なセリフが詰まっています。 もちろん本書で取り上げているのは、日常生活でも使えて応用も利くフレーズばかりです。本書の流れに沿って、ちいかわたちの「気持ち」や「言葉」を、「英語でどう言うか?」を考えてみてください。 この本を楽しく読み、音声を聞いて、声に出して話すことを繰り返していけば、いつの間にか英語でしゃべれるフレーズが増えているはずです。
  • ぶらりぶらぶらクレヨン王国
    -
    1巻1,463円 (税込)
    児童文庫のロングセラー「クレヨン王国」シリーズ。その著者が綴ったエッセイ集、第2弾! 「クレヨン王国」を生んだ、熱海の四季の美と、著者の豊かな教養とが織りなす、至福のエッセイ&短編が48編。 <48編のタイトル> ■新年の部 ●つらゆきさん●悪夢良夢●へあがる●カッパのお鏡●ものまね●あわれな犬●病室にて●ゆく川の流れ●翻訳●金色夜叉●古い暦●寿命の壁 ■春の部 ●ありがたや帰化植物●相撲今昔●石碑も年とる●群発地震●新芽のころ●男子の思春期●キジも鳴かずば●花見酒●しだれ柳を見に●女性の時代●なんにも変わらない●コジュケイの家族 ■夏の部 ●バードウィーク●雨靴●カエルどん トンボくん●華道教室●あかん学校●空襲下のアナウンス●名古屋弁●月見草●百代の過客●百足シーズン●湖畔の宿●アヒルのゆめ ■秋の部 ●動物愛護週間に●カマキリ●腕時計●耳を動かす●先駆者●訪問者たち●山の鹿●秋の黄樹●風の町●清澄な空間●空のかあさん●冬の鳥
  • クレヨン王国虫鳥花獣四季彩々
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    児童文庫のロングセラ―「クレヨン王国」シリーズは、 著者が暮らした、熱海や伊豆の豊かな自然を背景に生まれた作品です。 その著者によるエッセイ集、第3弾。自然への感謝、文学への造詣、昭和のできごと……。 作家の目で見つめ続けた興味深いものを、縦横無尽に語り尽くします。
  • クレヨン王国を求めて
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    児童文庫「クレヨン王国」シリーズを生み出した著者エッセイ集。 著者を魅了してやまない小さな生き物たちの世界や、熱海の自然。 さまざまな人物との出会いや日々のことを縦横無尽に綴った心の軌跡。
  • 歴史の屑拾い
    4.7
    1巻1,463円 (税込)
    歴史をどう語るのか。 こぼれ落ちた断片の生が、大きな物語に回収されないように。 戦争体験者の言葉、大学生への講義、語り手と叙述……。 研究者である自身に問いかけながらの試行錯誤と、思索を綴るエッセイ。 【目次】 プロローグ ぎくしゃくした身振りで 1章 パンデミックの落としもの 2章 戦争体験の現在形 3章 大学生の歴史学 4章 一次史料の呪縛 5章 非人間の歴史学 6章 事件の背景 7章 歴史と文学 エピローグ 偶発を待ち受ける
  • 春馬くんとの”未来の雑談” ~三浦春馬の勉強ノート~
    4.0
    2020年7月18日に30歳の若さで逝去した三浦春馬さん。 彼のボイストレーナーとして7年間を共に歩んた斉藤かおるさんが綴った『春馬くんとの”未来の雑談″~三浦春馬の勉強ノート~』を講談社から9月16日に発売します。 エンターテインメントを愛し、音楽や演劇、日本の伝統、そして自分自身の可能性にときめき続けた“青年・三浦春馬”さんの姿がいきいきと描かれています。 「ひとりの青年の夢と努力、彼の繊細さ、素直さ、頑固さ、真面目さ、ユニークさ……私が感じた春馬くんの姿を知ってください」(歌唱の師・斉藤かおる) ◎目次 はじめに 第一章 出会い  出会いと縁  はじめてのレッスン  『キンキーブーツ』への想い  恋人との朝   失恋、犬とアレルギーとお母さんの愛と  新しい出会いと別れ 第二章 『キンキーブーツ』  『キンキーブーツ』での友情   『キンキーブーツ』での体づくり  ゴスペルへの憧れ  ハイヒールへの憧れ  英語の勉強   留学への憧れ   ダンサーとの恋  読売演劇大賞 第三章 音楽の勉強  音楽の実家  歌謡曲への憧れ  音楽の実家を作る その1  音楽の実家を作る その2  セッションで遊ぶ 第四章 素顔  藍染への興味  鯖江のメガネとの出会い  カメラで遊ぶ   バイクに乗ること その1  バイクに乗ること その2  ギターへの興味  骨董市とプレゼント 第五章 舞台への憧れ  『地獄のオルフェウス』  『罪と罰』で学んだこと  『ホイッスル・ダウン・ザ・ウィンド』  『天外者』の出演者選びと準備 第六章 歌手活動  ファーストシングル『Fight for your heart』  セカンドシングル『Night Diver』  You & I  『YOU』Studio ver.  作詞作曲への想い  パフォーマンスのスタイル 第七章 2019年と2020年  自粛期間  バッシング  理想の大人像  30代の夢   最終章 春馬くんとの約束  ご近所での食事  相棒のバイクが必要だった訳  未来の雑談 あとがき
  • かもめニッキ
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 「いつかフィンランドに住みたい」 10年以上温めていた夢を実現するために、 フルタイムで働きながらお寿司の修業を始めた会社員。 東京の小さなアパートで過ごした、 大変だけど学びがあって、不安と同じくらいワクワクを感じる、 夢に近づきつつある日々の絵日記を当時のままにフルカラーコミック化! たとえばこんな日々↓ ・会社が終わってから握りの自主練。ベーコンが魚の代わり!? ・推しキムチに出会う! みつまめにハマる! ・寿司店で包丁を握る! 築地&豊洲デビュー! ・ラーメンも好きだ! ラーメンを作りに行く! ・猫が我が家にやってきた etc… 大変な一日も、なんでもない一日も、同じように愛して綴られた絵日記たち。 元気いっぱいにトライし続ける、夢を叶える途中の毎日をぜひ一緒にお楽しみください。 ほがらかな人柄と驚異的な行動力を併せ持つ著者の記録が、 暖かな刺激になりますように! 【収録内容】 2021年冬~夏の絵日記 42エピソード ※SNSで「今日の日記」として発表されたものと同内容となります [描きおろし漫画] ・カルサリキャンニト ・日本最南端への一人旅 ・幻のキムチ工場見学 [描きおろしコラム&コメント] ・2021年冬/春/夏のコラム ・各絵日記への振り返りコメント 【大人気SNSアカウント「週末北欧部」とは…】 北欧が好きすぎて、会社員として働きながらフィンランドでの就業を目指して 寿司学校に通い、ついにその夢を叶えてしまった人。 前向きで、何かを愛することが上手な著者のエッセイは優しくてエネルギッシュな読み心地。 (自画像のにこにこしたおもちのような生物は、カモメがモデル。) ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • マンガでわかる 世界でただひとつの株式投資入門
    4.7
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 資産運用の「正しい知識」をこれまでになく「わかりやすく」解説して、いまやマネー本の定番書となった『マンガでわかる シンプルで正しいお金の増やし方』。 続けて贈る「シンプルで正しいお金」シリーズ第2弾は、株式投資の「正しい知識」を初心者にも「わかりやすく」教えてくれる株入門です。人生100年時代の資産運用として、なぜ株式投資がよいのか? 「個別銘柄の選び方・買い方」から「株の運用法と育て方」まで、ひとつひとつのステップをマンガと文章ですっきり解説します。低成長下の株式投資は、むしろチャンスなのです。
  • 1946・文学的考察
    -
    ここにあるのは若気の過ちではなく、若気の夢、――軍国主義を呪い、詩を愛した日本の青年の知的な客気である。――<「あとがき三十年後」より>。1946年・敗戦翌年、<マチネ・ポエティク>のメンバー 加藤周一・中村真一郎・福永武彦の共同執筆により「世代」に連載された時評は、新しい時代の新しい文学を予告した。時代を超えた評論は日本近代文学史上必読の書となり、なお不動の地位にある。戦後日本文学はここに出発した。
  • レペゼン母
    4.0
    1巻1,463円 (税込)
    マイクを握れ、わが子と戦え! 山間の町で穏やかに暮らす深見明子。 女手一つで育て上げた一人息子の雄大は、二度の離婚に借金まみれ。 そんな時、偶然にも雄大がラップバトルの大会に出場することを知った明子。 「きっとこれが、人生最後のチャンスだ」 明子はマイクを握り立ち上がる――! 『晴れ、時々くらげを呼ぶ』『檸檬先生』などで最注目の新人賞から、今年も文芸界のニュースターが誕生! 第16回小説現代長編新人賞受賞作。 ーーーーーー 選考委員も激賞! こんなにスカッと面白い作品が新人賞なら、いっそ清々しいじゃないか!(中略)おかんのラップが響く今宵、この余韻! ――朝井まかて 「親との戦い」ではなく、親の側から「子との戦い」を力強く描いた、大人の小説であると感じさせられた。 ――宮内悠介
  • 点滅するものの革命
    3.0
    1巻1,463円 (税込)
    第65回群像新人文学賞受賞作!多摩川の河川敷で、五歳の「わたし」の目が映す、ひと夏の奇跡。鮮烈な才能を記すデビュー作。 未解決事件の報奨金目当てに、多摩川の河川敷に通って拳銃を探す父ちゃんと、雀荘のママ鈴子さん、失恋を引きずる大学生レンアイ……。はぐれものたちが集まる岸辺で、記録され得ない時間が立ちあがる。 「なんの意味もない人間が、なんの意味もない場所に、なんの意味もなく集まって、なんの意味もない言葉を発する、という私たちが普段やっていることをそのまま描いておもしろいという稀有な作品」――町田康氏
  • 家庭用安心坑夫
    3.6
    1巻1,463円 (税込)
    日本橋三越の柱に、幼いころ実家に貼ったシールがあるのを見つけたところから物語は始まる。狂気と現実世界が互いに浸食し合い、新人らしからぬ圧倒的筆致とスピード感で我々を思わぬところへ運んでいく。 誌上発表後、新聞各紙絶賛、話題沸騰の受賞作を緊急刊行! 第65回群像新人文学賞受賞作(選評より) 語り手、そして読む人の立つ足下が揺るがされる――柴崎友香 絶望的成長小説である――町田康 最も文章の水準、小説技術の水準の高い作品だった――松浦理英子
  • 孔明に訊け! 負けるリスクを最小化する智絶の思考法inspired by パリピ孔明
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 分かるること久しければ必ず合し 合すること久しければ必ず分かる 第一回の冒頭、その後の群雄割拠を暗示する言葉で始まり、最終回・第一百二十回の末尾は、順番が逆の文章が繰り返される『三国志演義』。次々に登場する数多の英雄のなかでも、義絶(義の極み)・関羽、奸絶(狡猾の極み)・曹操と並び三絶と称された智絶(知の極み)の人、諸葛亮孔明は、超人的な智謀・戦略でいまなお絶大な人気を誇ります。2020年代の渋谷に転生した孔明を描く漫画『パリピ孔明』に想を得て、いまこの時代を生き残るための智慧を孔明の故事、名言を中心に、他の英雄たちの故事、名言とあわせて『演義』のほか『正史』中にも探り、いまならではの解釈を読者に伝える異色の一冊。新解釈で送る令和版三国志に乞うご期待! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • スマートな悪 技術と暴力について
    4.0
    いま、あなたの周りには、いったいいくつのスマートデバイスが存在するだろうか。もしかしたら、あなたのポケットにはスマートフォンが入っているかも知れない。あるいはあなたの腕にはスマートウォッチが巻かれているかも知れない。スマートスピーカーで音楽を聴き、スマートペンでメモを取っているかもしれない。スマートグラスをかけているあなたの家を、スマートロックが守っているかも知れない。そんなあなたはスマートシティに住んでいるかも知れない。  私たちの日常には多くのスマートなものが浸食している。私たちの生活はだんだんと、しかし確実に、全体としてスマート化し始めている。しかし、それはそうであるべきなのだろうか。そのように考えているとき、問われているのは倫理である。本書は、こうしたスマートさの倫理的な含意を考察するものである。 (中略)  もちろん、社会がスマート化することによって私たちの生活が便利になるのは事実だろう。それによって、これまで放置されてきた社会課題が解決され、人々の豊かな暮らしが実現されるのなら、それは歓迎されるべきことだ。まずこの点を強調しておこう。しかし、このようにスマートさに内在的な倫理的価値を認めることは、いささか性急であるようにも思える。なぜならそのとき、スマートさがもたらしうるネガティブな側面が覆い隠されてしまうからである。  ……スマートさがそれ自体で望ましいものであるとは限らないのではないか。むしろ、スマートさによってもたらされる不都合な事態、回避されるべき事態、一言で表現するなら、「悪」もまた存在しうるのではないか。そうした悪を覆い隠し、社会全体をスマート化することは、実際にはとても危険なことなのではないか。超スマート社会は本当に人間にとって望ましい世界なのか。その世界は、本当に、人間に対して牙を剥かないのだろうか。  そうした、スマートさが抱えうるネガティブな側面について、つまり「スマートな悪」について分析することが、本書のテーマだ。 (中略) ……本書は一つの「技術の哲学」として議論されることになる。技術の哲学は二〇世紀の半ばから論じられるようになった現代思想の一つの潮流である。本書は、マルティン・ハイデガー、ハンナ・アーレント、ギュンター・アンダース、イヴァン・イリイチなどの思想を手がかりにしながらも、これまで主題的に論じられてこなかった「スマートさ」という概念にこれらを応用することで、日本における技術の哲学の議論に新しい論点を導入したいと考えている。(「はじめに」より)
  • 港の世界史
    -
    港とは、いつの時代でもその時代の生産力と流通システムの決定的な影響を受ける、いわば「歴史の鏡」である。本書は、横浜で港湾経済史を研究してきた著者が、古代から現代までの世界の港の発達と、それをうながす生産・流通関係などの歴史を、ひとつの「物語」として描いた「港から見た世界史」である。 人類史上、漁労から発生した港は、古代オリエントや地中海、また中国においても、権力者が所有する軍事的・政治的な場であったが、やがて商取引を行う「交易の場」として発展を始める。ビザンチウムからベネチアへ引き継がれた中世の経済的伝統、大航海時代のセビリアやリスボン、オランダ全盛時代のアムステルダムを経て、産業革命期のロンドンに全く新しい時代の港が現れる。内陸の工業都市の発達により、それまでの商人船主は貿易商人と船主に分化し、港は単なる船着き場としての「ドック」から、巨大資本と行政によって多くのドックが統一された「ポート」へと変貌するのである。さらに20世紀後半には、ニューヨークに代表される大港湾で、コンテナ輸送とコンピュータ・システムによる「海運の大革命」が起こっている。 巻末解説を、イタリアの港町や東京など水辺の都市史の研究を深めてきた陣内秀信氏(法政大学特任教授)が執筆。〔原本:朝日新聞社、1989年刊〕
  • 恋する平安京 コミック&小説を楽しむビジュアルガイド
    -
    1巻1,463円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 〈巻頭カラー〉  京都市 VS 大内裏 MAP  平安京の内裏 鳥観図  平安京オールスター1 後宮に暮らす貴族女性の世界  平安京オールスター2 官庁で競う貴族男性の世界            「あさきゆめみし」にみる 女性の装束と襲色目      「あさきゆめみし」にみる 和歌に詠まれた日本の草花    「陰陽師」にみる 平安京に響く楽の調べ         「あさきゆめみし」「陰陽師」にみる 男性の美=舞の姿  〈なるほど平安京1〉  平安女性の正装 裳唐衣(十二単)解剖!  長髪は女の命 平安女性〈髪〉スタイル集  恋歌で知る 平安 恋の作法             宮中の四季を彩るイベントカレンダー(旧暦)   今昔観光案内1 平安京の風水と四神相応            第1章 平安京の光 恋する都  現代人も胸焦がす! 平安ラブストーリー  紫式部・和泉式部・藤原薬子・藤原高子・式子内親王・待賢門院(藤原璋子)  ・常盤御前・在原業平・藤原頼長・西行(佐藤義清)    本郷先生の解説1                    〈なるほど平安京2〉  日記文学にみる 恋歌の世界              平安中期(10世紀頃)の官位相当制        「平安スター」6人の官位レース  今昔観光案内2 王城守護の神社と寺院                           第2章 平安京の闇 怨霊の都   除霊で解決!? 平安京あやしい事件簿  系図1 平安初期&末期の天皇家  桓武天皇・早良親王・安倍晴明・菅原道真・平将門・崇徳上皇・安徳天皇                          本郷先生の解説2                  〈なるほど平安京3〉  娘たちが支えた藤原家の繁栄           系図2 藤原北家から見た天皇家の系譜    年表 平安時代の光と闇             終章 その伝承 コミック&小説ガイド   『あさきゆめみし』大和和紀            『陰陽師』岡野玲子/夢枕獏・原作         『応天の門』灰原薬                 『烏に単は似合わない』『烏は主を選ばない』松崎夏未/阿部智里・原作  おすすめコミック 16作品                   おすすめ小説 26作品                      ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 劇場版 きのう何食べた? オフィシャルブック
    4.0
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 独占取材したインタビュー満載 映画の制作秘話がたっぷり読めるオフィシャルブックが完成! [独占対談] 西島秀俊 × 内野聖陽 [独占対談] よしながふみ × 磯村勇斗 [インタビュー] 田中美佐子 [インタビュー] 梶 芽衣子 さらには、 [スペシャル企画]として、 ジルベールがはじめての袋とじに挑戦! ~大ちゃん待ち顔~を披露しています。 (デジタル版は「袋とじ」ではありませんのでご注意ください) [コラム]も充実。 映画に登場する「シロさんの料理」や、 シロさんとケンジがはじめて旅した「京都ロケ地ガイド」、 撮影現場の雰囲気がわかるオフショットなど。 さまざまな角度から作品を楽しめるような企画を詰め込んだ一冊です。 ※電子版では紙の書籍と内容が一部異なるページがあります。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 公式ガイド&レシピ きのう何食べた? ~シロさんの簡単レシピ~
    4.0
    1~2巻1,463円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2007年より『モーニング』(講談社)にて連載されている、よしながふみの人気漫画『きのう何食べた?』が、西島秀俊・内野聖陽のダブル主演で待望のドラマ化。オフィシャルブックとして、ドラマガイドはもちろん、劇中に登場する料理レシピを収録した一冊を発売する。   几帳面で倹約家の弁護士・筧史朗(シロさん)と、明るい性格で人当たりのよい美容師・矢吹賢二(ケンジ)。恋人同士の二人が2LDKのアパートで暮らす日常が描かれる。一ヵ月の食費を(二人で)25000円以内と決め、特売の食材などで安く、でも美味しい料理を作り上げるシロさん。彼の料理があり食卓を囲むからこそ、会話がはずみ愛情も深まる。 本書では、ドラマに登場した料理レシピを原作漫画のエピソードとともに紹介。どこの家庭にもあるような調味料や食材を使って、時間をかけず手軽に食卓を充実させてくれるレシピが満載。恋人が、そして家族が、笑顔で食べてくれる姿を想像しながら腕を振るいたい。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • お金に愛される 真・投資術
    3.8
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 現在はドバイ在住で、異色の投資家兼個人事業主である与沢翼が、 自ら実践して成功してきた投資のノウハウの全てを初公開!! 「投資といっても何をすればいいの?」 「投資を始めるのは自分の年齢ではもう遅いのでは?」 「会社員を続けたくないけど投資の勉強をする時間はない!」 「投資はリスクがあるからやっぱり怖い」「自分には投資は無縁」 「株を買った後はどうしたらいい?」など、 投資に関する迷える悩みを、 純資産約80億円(時価)かつ不労所得2億円の著者が、 マンガと文章でわかりやすく伝授します。 「現代を生きる人間にとって投資は 『呼吸をする』のと同じようになっていく」 と言い切る著者がサラリーマンの方々にこそ始めてほしい という投資は、ズバリ王道の「株」! 株の中でも「日本株」を強く勧める理由が、 本書を読めばよく分かります。 「何もしない(投資をしない)人にとっては  損失が大きすぎる時代(第2章)」 「個別銘柄こそ、もっとも自身が成長できる投資方法(第3章)」 「人間の視野と世界観を拡張するもの、それが投資である(帯)」 「お金」は、あなたがお金に対して 真剣であるほどに愛情を返してきてくれる。 お金のことを真剣に考えることは、 自分の人生を真剣に考えることと同義である、と著者は言います。 あなたの人生に本気であれ! 〇目次 第1章/CHAPTER1 危機感を最大化し、理想の未来を明確にする 第2章/CHAPTER2 断捨離して時間を捻出し、投資環境を整える 第3章/CHAPTER3 株という種を蒔けば3週間でも未来は動く 第4章/CHAPTER4 追加の仕込みで将来の資産は大幅に増加する 第5章/CHAPTER5 ブログやSNSの攻略が資産増の速さを決める
  • いい人で終わらせない 惚れさせるテンプレ
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 この数か月で脅威のチャンネル登録者数を誇るyoutube恋愛チャンネル「津崎まみチャンネル」の主宰者である津崎まみ。動画によっては100万回の再生を超えるものもある。 恋愛アドバイザーとして多くの男性(30~50代)から悩みを聞き、そこで集められた声をまとめて創案した「絶対女性とつきあえるための、惚れさせるテンプレート」を本舗初公開。いつもいい人で終わってしまうな男性の多くはそもそもポテンシャルを持っているのにもかかわらず、女性との接し方を知らないばかりに恋愛に臆病になりすぎていると痛感。多数男性の恋愛成功体験についての会話の中からいい人男子は5タイプに分かれ、女性と恋愛が成就するまでのテンプレートをタイプ別に創案した。 ●いい人男子を5つのタイプに分けて、付き合うまでのテンプレートを公開 ●職場やマッチングアプリ、夜の商売などで出会った女性の口説き方指南 ●「自己分析」⇒「行動指南」⇒「攻略法」と分かりやすく伝授
  • ふたりソロキャンプ公式はじめてキャンプ まったく新しい“3ステップ理論”であなたもキャンプデビュー!
    4.6
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ソロキャンブームを爆発させた、累計120万部突破の大人気コミック『ふたりソロキャンプ』の作家・出端祐大先生が教えてくれる、経験値ゼロからのキャンプ・ガイド。「キャンプって何すんの?」「どこでやるの?」「なにが要るの?」などなど、カタログやサイトガイドからではわからない、超基本事項から始めて、焚き火、キャンプめしなど、欠かすことができない大テーマまでカバーした、超入門編です。カネはかけなくてもキャンプはできる! 即戦力の一冊! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
  • 幸せ最高ありがとうマジで!
    4.2
    1巻1,463円 (税込)
    第53回・岸田國士戯曲賞受賞作! 気鋭・本谷有希子のパルコ劇場デビュー作! ある日突然やってきた得たいの知れない女によって抉れ出されるある一家の“不幸”。それはまるで、テロだった。
  • 文芸ピープル 「好き」を仕事にする人々
    3.0
    著名な賞の受賞、ベストセラー……、日本の現代文学が、いま英語圏で注目されているのはなぜか? アメリカ、イギリスの翻訳家、編集者、フェス運営者、装幀のデザイナー、書店など、 本作り&文芸に関わる人々=文芸ピープルを取材し、その声と仕事を伝えるルポ・エッセイ! 日本文学が、ここ数年、次々に英訳され、読者を獲得し、そこからまた世界に広く紹介されている。村田沙耶香『コンビニ人間』などベストセラーも生まれ、昨年は柳美里『JR上野駅公園口』が全米図書賞を受賞するなど、読者が広がり、高い評価を受けている。注目されるのは、若い翻訳家や編集者による紹介、独立系の出版社からの刊行、という新しい動きだ。 いま何が起きているのか? 作品はどのように発見され、翻訳出版されているのか? なぜ女性作家が注目されているのか? 「日本」はいまどのように受け取られているのか? 〈目次〉 1章 新世代の翻訳家たちに聞く 2章 新しい「日本文学」を編む編集者たち1――『コンビニ人間』が英語圏の読者に届くまで 3章 新しい「日本文学」を編む編集者たち2――日本語の原体験と編集の仕事 終章 変化の年
  • 日本近代文学の起源 原本
    3.8
    「歴史主義的普遍性」の基盤を大胆に覆す鋭い知性。 新たな思考の視座を極めて丹念に布置・構築して行く、最も現代的な「知の震源」柄谷行人の、鮮やかにして果敢な挑戦。 名著『マルクスその可能性の中心』につづく柄谷思想の原点となる歴史的快著。
  • 意味という病
    4.0
    日本のシェークスピア論のパラダイムを批判し、明晰な論理と思考の下に、新しい「マクベス」像を描く、柄谷行人の初期秀抜エッセイ「マクベス論」をはじめ、秀作『マルクスその可能性の中心』につながる、その明視力の圧倒的展開を収録。
  • 甲州子守唄
    3.8
    「笛吹川」の現代版 庶民の無常の世界を独特の語りで描いた世捨て人の文学 明治末から大正、昭和と三代にわたる日本近代の歩みが、笛吹川のそばに住む貧しいオカア一家を舞台に展開する一大ロマン。生糸の暴落と農村の貧窮、明治天皇の崩御、関東大震災、戦争と出征、空襲と食糧難、敗戦とヤミ商売――その間には息子・徳次郎の二十年近くのアメリカへの出稼ぎがあり、薄情者となって帰国した息子とその一家をオカアの眼差しから描く。土俗的な語りによる時代批判。
  • 転々私小説論
    -
    仏文学が専門の学者・評論家であり、遊びや風俗から日本文化を独自に見つめていた多田道太郎は、私小説をこよなく愛していた。孤高の域にある、その語り口は軽妙かつ深遠で、「葛西善蔵の妄想」「諧謔の宇野浩二」「飄逸の井伏鱒二」「飄飄太宰治」と題された圧巻の文学評論4篇で、新たな視点から日本の私小説の真髄に迫る。
  • 笛吹川
    4.0
    生まれては殺される、その無慈悲な反復。 甲州武田家の盛衰と、農民一家の酸鼻な運命。 信玄の誕生から勝頼の死まで、武田家の盛衰とともに生きた、笛吹川沿いの農民一家六代にわたる物語。生まれては殺される、その無慈悲な反復を、説話と土俗的語りで鮮烈なイメージに昇華した文学史上の問題作。平野謙との<「笛吹川」論争>で、花田清輝をして「近代芸術を止揚する方法」と言わしめ、また後年、開高健をして「私のなかにある古い日本の血に点火しながらこの作品は現代そのもの」とも言わしめる。 町田康 一般の調節された言葉は、一族の多くの者がそのために殺害されたのにもかかわらず、それを、先祖代々お屋形様のおかげになって、と言い換えることができる。しかし、この小説の言葉は、そう言い換えてしまう人間の哀しみを描きつつ、それすらも無言の側に押し流してしまう。そして、その圧倒的で、どうしようもない事態は、始まりと終わりを持たず循環する。――<「解説」より>
  • 金色の死
    3.5
    潜在的な<妻殺し>を断罪 江戸川乱歩の「パノラマ島綺譚」に影響を与えたとされる怪奇的幻想小説「金色の死」、私立探偵を名乗る見知らぬ男に突然呼びとめられ、妻の死の顛末を問われ、たたみ掛ける様にその死を糾弾する探偵と、追い込まれる主人公の恐怖の心理を絶妙に描いて、日本の探偵小説の濫觴といわれた「途上」、ほかに「人面疽」「小さな王国」「母を恋ふる記」「青い花」など谷崎の多彩な個性が発揮される大正期の作品群7篇。 清水良典 『小さな王国』のような政治小説も、探偵小説も、怪奇幻想小説も、足フェチ小説も、母恋い小説も、みんな谷崎文学という偉大な大樹の、大正期の枝に生った果実である。昭和に入って谷崎文学は急速に日本の伝統に近づき、大家として飛躍的な成長を遂げた。(中略)谷崎の大正期は、決して失われた時代ではない。むしろ作家谷崎が、全力を傾けて拡大と成長に努めた時代だったのであり、その土台が彼を「大谷崎」へと押し上げたのである。――<「解説」より>
  • 女ともだち
    -
    二十歳前後の3人の女性たちが織りなす日常の風景――大学夜間部に通う主人公と、二人の女ともだち。私は、10代で書いた小説で賞を受け、嘘のような生活をしていたが、そこに高校の後輩・隆子が転がりこむ。若い女性たちの生々とした光と影を見事に描ききり、「海を感じる時」で衝撃的なデビューを飾った著者の豊かな感性が弾けた中篇小説。短篇「アジアンタム」も収録。
  • アウア・エイジ(our age)
    3.8
    1巻1,463円 (税込)
    第163回芥川賞候補作。 一緒に、塔を探しに行かないか?  生き迷う男。謎を残して死んだ女。…大学教師の私に届いた、学生時代にバイトをしていた映画館からの招待状。映写室の壁に貼られたままの写真に、20年前の記憶がよみがえる。
  • 天国が降ってくる
    4.6
    主人公・葦原真理男は、九州の没落した旧家の末裔。新聞社に勤める父親の転勤によりロシアに暮すが、高校受験のために単身で帰国。父の友人の若い大学助教授・中之島妙子の家に寄寓し、異国からの転校生として特異な日常が始まる。高速回転する真理男の精神は、やがて晩年の感覚を所有し、自己昇華をめざす。パロディを駆使し、自意識を追究した、島田文学の初期集大成。
  • 幼年 その他
    -
    「幼年」は、堀辰雄の『幼年時代』の影響の下に描かれ、福永武彦の「幼くして失った母」という原風景である。そして「母」は、はかなく淡い観念として、この作家に、美しくも深く悲しい旋律を奏でる。意識と無意識、現実と夢の境を行きつ戻りつ、ロマネスクな二重奏組曲。福永文学の輝ける魅力をたたえた、詩情豊かな10編の作品集。
  • 幕が下りてから
    -
    「悪い仲間」「陰気な愉しみ」で芥川賞を受賞、「海辺の光景」で野間文芸賞、芸術選奨両賞を受賞した著者が、新たに挑戦した長篇秀作。敗戦による価値の混乱と青春の惑乱を共にした、一主人公の「やましさ」の根源を、底深く洗いただし、極めてモラリッシュな文学世界を創造した長篇。毎日出版文化賞受賞作品。
  • 愛国者たち
    -
    異能の私小説家の知られざる名作――昭和24年、日本訪問中のロシア皇太子ニコラスへの暗殺未遂事件=大津事件に関わった愛国者たち……。津田三蔵、畠山勇子、明治天皇、児島惟謙らを軸に、歴史の変動の渦中にあつ人間を見つめた表題作、ほか7篇。戦後日本の転換点に直面した異能の私小説作家が、自己の文学的葛藤と追究の痕跡を刻印した、独自の私小説風世界の魅力が横溢する作品集。平林たい子文学賞受賞作品。 ※本書は、『愛国者たち』(1973年11月、講談社刊)を底本としました。
  • 祭りの場・ギヤマン ビードロ
    4.1
    如何なれば膝ありてわれを接(うけ)しや──。長崎での原爆被爆の切実な体験を、叫ばず歌わず、強く抑制された内奥の祈りとして語り、痛切な衝撃と深甚な感銘をもたらす、林京子の代表的作品。群像新人賞・芥川賞受賞の「祭りの場」、「空罐」を冒頭に置く連作「ギヤマン ビードロ」を併録。
  • 希望
    -
    1945年8月9日、長崎に投下された原爆によって、絶望が始まった。しかし、長い時間の末に、被爆者たちにも、一筋の光が見えた。もう悲劇を繰り返さないように。祈りの短篇集。 ――8月9日、長崎で被爆した人たちの苦悩が始まった。生と死の狭間を体験し、未来への絶望との闘いの日々に、彼らは、時の流れで癒されていったのであろうか。自らの足跡を確かめ、振りかえり見つめ続けた著者が、いつかその運命を希望へと繋げていく……。3月11日を経験した、すべての日本の人々に捧げる、林京子の願いと祈りを込めた、短篇集。 ※本書は、『谷間』(講談社刊 1988年1月)『希望』(講談社刊 2005年3月)を底本としました。
  • 珍饌会 露伴の食
    -
    博覧強記の文豪が描く、奇奇妙妙の「食」尽くし。露伴とその周辺の好事家たちをモデルに描く抱腹絶倒の戯曲「珍饌会」、河豚を愛した文人たちの漢詩を読み解く「桃花と河豚」、故事来歴から料理法まで網羅した「鱸」など随筆六篇を収録。稀代の碩学・露伴の「食」をめぐる蘊蓄と諧謔を味わう名篇集。南條竹則・編。
  • 七十句/八十八句
    -
    〈ばさばさと股間につかふ扇かな〉――墓石にこの句を刻み、墓碑銘を俳号である「玩亭墓」とのみ記した小説家は、こよなく句作を愛した。人情の機微を卓抜にすくい取る句を選りすぐり、古希と米寿を記念して編まれた句集2冊に、岡野弘彦、長谷川櫂と巻いた未発表の歌仙を併録。生前の姿が浮かび上がる、知と情とユーモア溢れる句の世界。
  • 鮎・母の日・妻 丹羽文雄短篇集
    -
    幼くして生母と離別し、母への思慕と追憶は、作家・丹羽文雄の原点ともなった。処女作「秋」から出世作「鮎」、後年の「妻」に至る、丹羽文学の核となる作品群。時に肉親の熱いまなざしで、時に非情な冷徹さで眺める作家の<眼>は、人間の煩悩を鮮烈に浮かび上がらせる。執拗に描かれる生母への愛憎、老残の母への醜悪感……。思慕と愛憎と非情な<眼>による、「贅肉」「母の日」「うなずく」「悔いの色」ほか10篇。
  • うるわしきあさも 阪田寛夫短篇集
    5.0
    「サッちゃん」「ねこふんじゃった」などで、世代を超えて愛される童謡詩人・阪田寛夫は、また、片隅のささやかな人生をあえかな情感と上質のユーモアで描く稀有なる小説家でもあった。脳溢血で倒れた作曲家の叔父の滅びゆく肉体を凝視しつつ、その内で鳴り続ける最後の音楽を哀惜こめて書き留めた表題作、ほか9篇。初期作「平城山」から遺稿「鬱の髄から天井のぞく」まで、「含羞の詩人」の知られざるペーソス溢れる、デビュー作から遺稿まで50年に亘る名品を精選。
  • 墓碑銘
    3.0
    アメリカ人の父親と日本人の母親の許に生まれた、トーマス・アンダーソンこと浜仲富夫。日米開戦を機に、日本人として生きることを強いられる。坊主頭で国民服を着て、剣道を習い、国策映画では悪役アメリカ人を演ずる。そして入営。青い眼の初年兵は、異父妹への想いを支えに、軍隊生活のつらさに耐える。だが、山西省から米兵と対峙するレイテ島に転進。極限状況の中でアイデンティティを問う、戦争文学の白眉。異色の戦争文学……日米混血の日本兵、その壮絶な自己喪失の過程を描く。
  • 時の潮
    3.0
    今日、昭和が終った。天皇崩御のニュースをきいて、近くの御用邸に記帳に出かけた。昭和に生まれた私は、私の時代が終わってしまったような気がした。元新聞記者の私は、10歳年下の共同生活者・真子と葉山に暮らし、四季を楽しんでいる。しかし、さまざまに形をかえて潮だまりが出現するように、二人の間にわだかまりがないわけではない。戦時下に生まれ、戦後を生きる男と女を静かに描く、野間文芸賞受賞作。
  • 恋と日本文学と本居宣長・女の救はれ
    4.0
    『忠臣藏とは何か』『日本文学史早わかり』と並ぶ、丸谷才一の古典評論三部作。中国文学から振り返って、『源氏物語』『新古今和歌集』という日本の文学作品を検証した孤立無援の本居宣長の思考を蘇らせ、さらにはその視点で近代日本文学をも明確に論じる。女系家族的な考えから日本文学を俯瞰した「女の救はれ」を併録した『恋と女の日本文学』を発表時の題に戻し刊行。
  • 単線の駅
    3.0
    昭和50年、野間文芸賞を受賞した回想記『あの日この日』に収めることのできなかった、とっておきのエピソードをまとめた「こぼれ話」を中心に、小田原・下曾我の自宅周辺の草木の観察から、公害問題や文明観への言及、また、尾崎士郎、檀一雄、浅見淵、大岡昇平、木山捷平ら文学者の思い出など、随筆57篇を収録。身近な自然を愛し、老いの日々を淡々と生きる著者晩年の、深い人生観照にもとづく滋味深い一冊。
  • 生家へ
    4.0
    生まれ育った生家へ、子どもの頃のままで帰りたい――戦時中、家の下に穴を掘り続けた退役軍人の父が、その後も無器用に居据っていたあの生家へ。世間になじめず、生きていることさえ恥ずかしく思う屈託した男が、生家に呪縛されながら、居場所を求めて放浪した青春の日々を、シュールレアリスム的な夢のイメージを交えながら回想する、連作11篇。虚実織り交ぜた独自の語りで、心弱き庶民の心情に迫った、戦後最後の無頼派の名作
  • 逃げろ、手志朗
    -
    幕末、京の街を守護する会津藩士・古畑手志朗は、父親を何者かに惨殺された。呆然とする手志朗に、会津藩の仲間たちは仇討ちのため新撰組に加盟するよう勧める。そこは、野獣のごとき猛者どもが血の雨を降らせる、とんでもないブラックな集団だった。道場の稽古で叩きのめされ、夜の飲み会は慣れぬ花街。ひとを斬ったこともないのに市中巡邏で浪人と対決。泣きそうになりながら走り回る手志朗の前に、ひとりの少女があらわれた……
  • 東京パパ友ラブストーリー
    3.5
    1巻1,463円 (税込)
    パパ友どうしの恋。きみとなら、地獄も怖くなかった。有田豪と鐘山明人は、同じ保育員に子どもを預けている。互いに顔見知り程度だったが、ある日、明人はLINEで豪を飲みに誘う。「お互いイクメンとして妻の悪口を言い合おうよと」。その晩、ゲイ不倫という地獄の釜の蓋が開いたのだったーー。ミソジニー、嫉妬、仕事ができない焦り、不公平感……ゴーギャンになりきれなかった男たちの思いが炸裂し、疾走する!
  • 玉瀬家、休業中。
    3.5
    1巻1,463円 (税込)
    澪子は41歳、バツイチ。"人並み"の幸せを夢見ていただけなのに、もろく崩れる。家財道具は旦那に持っていかれ、お金もない。そんな中、姉の香波が金の無心にやってくる。香波は澪子の状況を知り、久しぶりに実家で暮らすことを提案する。そして10年ぶりに母親が一人で住む家に戻ったのはいいのだが、娘たちの出戻りを笑い飛ばす始末。がさつな母に傷つく澪子。そしてある日、家で怪しい人影を発見するのだが?!
  • 天帝のみはるかす桜火
    4.0
    古野まほろと峰葉実香が初めてふたりで話したのは、とある夕暮れの教室だった。吹奏楽部員のトランペットが盗まれたと、頼りない同級生に相談する実香。すると彼は、容疑者が誰かをまだ聞かされないうちに、手紙を一通手渡す。犯人がここに書いてある、といいながら。 天帝世界の住人たちが出会う「天帝ゼロ」と、彼らの今を記す「天帝最新」の物語。
  • 橇・豚群
    -
    昭和初期に隆盛したプロレタリア文学運動の潮流の中で、写実的な文章と複眼的想像力による傑作短篇を立て続けに発表して一躍脚光を浴びながらも、肺病による喀血から郷里・小豆島での療養生活を余儀なくされた黒島伝治。官憲の横暴に対する農民の知恵がドラマを生む「豚群」、戦争の悲惨さと裏腹の滑稽な現実を鮮やかに描いた「橇」、「渦巻ける烏の群」など時代を超えた輝きを放つ代表作集。

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