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  • 早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか
    値引きあり
    4.8
    1巻924円 (税込)
    生誕100年に紡ぐ、「理論物理学の巨人」の初めての本格的伝記!   ――南部理論の前では、2012年に発見され「質量の起源」として喝采を浴びた     ヒッグス粒子も、巨象にひれ伏す小さなアリでしかない。――(本書より) 日本が生んだこの途方もなく大きな才能は、常人には理解しがたく、そのため、彼の生涯最高傑作 「自発的対称性の破れ」にノーベル物理学賞が授けられたのは発表後50年近くがたってからだった。 いつしか彼は、人々から「魔法使い」とも「予言者」とも呼ばれるようになった。 これまで語られなかった天才の実像を浮き彫りにし、「南部マジック」と呼ばれる数々の新理論は どのように生まれたのか、そこに彼の「人間」はどう関わったのか、彼はなぜ米国に移ったのか、 などを解き明かす。 〔成功と失敗が交錯する南部陽一郎の生涯〕 ・素粒子物理を志していたのに、物性物理の講座しかない東大にうっかり入学してしまったことが、  のちの「マジック」の種になった。 ・留学したプリンストン高等研究所では成果が出せず絶望状態に陥り、日本では教授職にあったのに、  「ポスドク」扱いでシカゴ大学に移った。 ・シカゴ大学で出会った物性物理の新理論が気に入らず、いらだち、しかしやがて恋に落ちたことで  生まれたのが「自発的対称性の破れ」の理論だった。 ・発表前に新理論の内容を明かしてしまい、ほかの研究者に先に論文に書かれるという痛恨のミスを  犯した。 ・90歳になっても、宇宙を記述する理論として流体力学に関心を寄せ、その研究に情熱を傾けていた。 「自発的対称性の破れ」「量子色力学」「ひも理論」などの新理論のなりたちを理解しながら、 生涯、現役の科学者を貫いた生き方に心打たれる、「科学」を忘れつつある日本人必読の書! (目次) 第1章 福井の神童 第2章 東大理学部305号室の住人 第3章 天国か地獄か、米プリンストン 第4章 自発的対称性の破れ 第5章 南部理論が生んだヒッグス粒子と電弱統一理論 第6章 クォークめぐるゲルマンとの対決 第7章 ひも理論VS量子色力学 第8章 「予言者」南部とノーベル賞 第9章 福井新聞記者が見た南部の素顔 第10章 生涯、現役の科学者

ユーザーレビュー

  • 早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか

    Posted by ブクログ

    理論の話も面白かったけど、南部先生の研究者としての歩み、挫折とか不遇の日々とか奥さんとの生活や他の研究者との交流とか、そんな人間の姿が見えて、歴史上の教科書に載る偉人じゃなくて、人間南部陽一郎が感じられる。

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    2025年02月28日
  • 早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか

    KKN

    購入済み

    天才物理学者南部先生の生涯

    個人的な意見だが、日本歴史上一番偉大な科学者は南部陽一郎先生だと思う。
    日本人なら誇りに思うべき偉人。

    この本は誕生から東大時代、プリンストン高級研究所時代、そしてシカゴ大時代、と先生の人生の詳しく書かれている。

    東大時代のハイライトは南部先生が約10人の朝永グループとラム・シフトの計算で競争し、善戦したことだった。
    ラム・シフトは世紀の大天才と言われたアメリカのファイマンとシュウインガ―も一人で計算した
    込み入った計算なのだが、南部先生の実力はこの世紀の大天才と同じレベルにあったと言うことである。
    この下りは感動ものだ。

    この他にも南部先生の大きな業績、自発的対称の破れ、紐の理論などに

    #感動する #深い #タメになる

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    2024年09月27日
  • 早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか

    Posted by ブクログ

    雑誌、Newton(ニュートン)2024年2月号「永久保存版、科学の名著」に紹介されていたのをきっかけに手に取りました。素粒子や、クォークという名はよく聞きますがその概要はよく分からないまま何となく知ったかぶりをしていたが、やっとその本質を理解できた。また、南部陽一郎氏という稀代の物理学者の人生を垣間見ることができ、ますます物理学への興味をそそられる至極の一冊であった。

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    2024年07月10日
  • 早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか

    Posted by ブクログ

    早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか。中嶋 彰先生の著書。才能あふれた天才研究者は時代の先の先をいくから周囲から理解されにくい。才能あふれた天才研究者は時代の先の先をいくから周囲から変人扱いされてしまうこともある。でも才能あふれた天才研究者は本当に優れた研究成果を出すためには周囲の理解も周囲の偏見も気にしない。凡人にできることは才能あふれた天才研究者の邪魔をせずに見守ること。

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    2022年12月16日
  • 早すぎた男 南部陽一郎物語 時代は彼に追いついたか

    Posted by ブクログ

    尊敬してやまない南部先生の一生について深く知ることが出来た。今までは南部先生の研究成果ばかりを見ていて、南部先生ご自身のことについては深く知らなかったし、研究成果か凄すぎて本当に同じ人間なのかと疑いたくなっていたが、この本を読むことでごく普通の人としての側面が見えてとても良かった。
    研究内容については一般向けに簡単に書かれていたので、これから専門書でより詳しく調べていこうと思う。特に場の量子論を勉強していく上でとてもやる気が湧いてくる内容だった。
    この本に出会えてよかった。

    0
    2022年10月25日

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