中嶋彰のレビュー一覧
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天才物理学者南部先生の生涯
個人的な意見だが、日本歴史上一番偉大な科学者は南部陽一郎先生だと思う。
日本人なら誇りに思うべき偉人。
この本は誕生から東大時代、プリンストン高級研究所時代、そしてシカゴ大時代、と先生の人生の詳しく書かれている。
東大時代のハイライトは南部先生が約10人の朝永グループとラム・シフトの計算で競争し、善戦したことだった。
ラム・シフトは世紀の大天才と言われたアメリカのファイマンとシュウインガ―も一人で計算した
込み入った計算なのだが、南部先生の実力はこの世紀の大天才と同じレベルにあったと言うことである。
この下りは感動ものだ。
この他にも南部先生の大きな業績、自発的対称の破れ、紐の理論などに -
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主人公である南部陽一郎がノーベル賞を受賞したとき、日本人でありながら米国国籍ということが気になったことを覚えている。本書はそんな南部陽一郎の伝記で、彼が米国国籍を取得した理由についても解き明かしている。そして、彼の卓抜した思考力・洞察力を称賛するだけでなく、その穏やかな人柄、苦労したエピソードなども盛り込み、研究者としてだけでなく、人間としての南部陽一郎を描き出している。
素粒子物理は、目に見えないこともあり、理解が難しいが、物理学ことばはじめと称するコラムでの解説を含め、何となく分かったような気にさせてくれる。難しい本かと思ったが、読みやすい伝記であり、面白かった。 -
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一流の物理学者の伝記を読むのが三度の飯より好きです(笑)。南部陽一郎は最近まで存命だった理論物理学者ですが、彼の人生については初めて知ることばかりでした。シカゴ大学に赴任したときは有名な研究者ではなかったのですね。論文の数も少なかったけど、彼のボスが彼の才能を見抜いてすぐに准教授にしました。世界に知られた大きな仕事をしたのはそのあとです。スタンフォードやMITから声がかかったけど、シカゴ大学に奉職し続けます。シカゴという場所が住みやすかったようです。
奥さんとの馴れ初め、初めての米国留学(プリンストン高等研究所)での挫折、次男の早世などとても興味深く読みました。シカゴ時代の彼の周りに集う綺羅 -
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ノーベル賞まで最短の距離にいると思われながら、どれほど長く待たされたことだろう。
そんな思いを確信させられるドラマのような人生。
自発的対称性の破れ、量子色力学、ひも理論、どれも時代の先を行き過ぎた思考、その難解さに理解が追随されず、孤高の研究を重ねたことだろう。
最先端の素粒子物理学をたどるとともに、南部さんの人間性を感じられる伝記の進め方に、全編をとおして暖かさが感じられた。奥さんとの出会い、家庭の雰囲気、長男との葛藤や次男の不幸が重なりながらも、充実した人生を全うされたことが伺える。
南部チルドレンと呼ばれる弟子たちが、その功績を纏め上げた注力の先に、ノーベル賞受賞の重き扉がようやく開い -
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読みやすくとても良い本だった。
南部先生というと、天才というイメージだが、怠け癖があって朝家を出て出勤せず映画館で映画を見ていたり、プリンストン研究所時代は成果が出ずうつうつとしていたり、人間味ある一面がわかってよかった。
南部先生というと、私は素粒子論の方というイメージだったが、実は東大の学生時代は東大では当時素粒子の研究室がなく物性物理を学んでおり、当初はイジングモデルの研究などをしており、これが後の成果にも繋がったというのが意外だった。そして物性理論を素粒子論に持ち込み成果をあげたとのこと。そして90を過ぎた晩年は流体力学を研究しているという幅広い分野に興味を持っている方というの -
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2008年ノーベル物理学賞を受賞した南部陽一郎さんの評伝です。受賞テーマは「自発的対称性の破れ」だったのですが、当時いくらニュースでかみ砕いて説明を聞いても良く分かりませんでした。そのテーマを正面から扱った本を読破する自信がなく、南部先生の評伝なら何とかなるかなと思って読んでみました。
「自発的対称性の破れ」に関しては結論としては理解できなかったのですが、南部先生という人が物理学界でいかに突出した存在であって、本来ならもっと早くノーベル賞を受賞すべき存在であったことが良く分かりました。また、実績を上げるまでに大変苦労をされた経緯や、自らの功績を論文で発表する前に公表してしまい、その功績が他の研