わたし、わかんない

わたし、わかんない

1,430円 (税込)

7pt

3.8

「ここはいやだとおもう気もち、わたし、ちょっとだけわかる。」野間児童文芸賞、小学館文学賞、産経児童出版文化賞大賞、IBBYオナーリスト賞など数々の賞を受賞する岩瀬成子氏の最新長編作品。

校舎を見上げると、二階の窓から女の子が体を半分のりだして、いまにも飛びおりようとしていた。またあの子だ。
〈あー〉
声にはださずにさけぶ。
〈飛んじゃだめ〉
髪に黄色いリボンをむすんでいるその子にむかってさけぶ。ーー

学校で、みんなのなかにまじりこんでいるとおもっていても、気がついたら、いつもみんなの外にいる。

校舎からでて、ふりむいた。そして、あの二階の窓を見あげた。窓はあいているけれど、あの女の子のすがたはなかった。
ーーー

「そんとき、いやだ、いやだ、いやだ、って声が体のなかからきこえたんだ。その言葉がわたしの体をぐるぐるまきにしているのがわかったの」
「ぼくね、中ちゃんのそういうとこ、うらやましいよ。ぼくだって、いやだなあっておもうことはあるよ。だけど、どうしても、いわれたとおりにしてしまうんだ」


本文より。

あらすじ
教室で「わかんない」といつも答えてしまうから学校で「わかんないちゃん」と呼ばれている少女の中はいつも学校の校門へ着くと、大きなため息をつく。
校舎をみあげると二階の窓から女の子が体をのりだして、いまにも飛び降りようとしているのだ。でも、目をつぶって二階をもう一度見ると窓はしまっている。

ある日、犯罪研究に興味があるという仲良しの幼馴染のセンくんから、近所であやしい動きをしている人を見つけ、中も一緒に見張り調査をすることに。

わからないことを抱えて生きる子ども達、大人達がそれぞれのいるべき場所と答えを探していく。

装画は日本絵本賞、講談社出版文化賞、ブラチスラバ世界絵本原画展金牌、オランダ銀の石筆賞など受賞の酒井駒子氏。

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  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / よみもの
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    224ページ
  • 電子版発売日
    2025年04月22日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    3MB

閲覧環境

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わたし、わかんない のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    岩瀬さんの作品は、こころの奥にずっとある。大切なおまもりのようでもあるし、静かに抵抗するための力のようでもある。

    0
    2025年08月08日

    Posted by ブクログ

    うちの娘も何を聞いても「わかんない」というので、そんな彼女に読んでもらいたいのと、私も彼女を理解したいと読んだ一冊
    主人公の中ちゃんのお母さんがきちんと娘の気持ちを受け止めてて反省
    小4の子なので、がっぷり四つというわけじゃないけど言葉の選び方が優しくてさすが童話作家
    小学生が学校に行きたくない気持

    0
    2025年06月23日

    Posted by ブクログ

    桜林直子さんの、「つまり、“生きづらい”ってなんなのさ?」と併行して読んでいるのだけど、
    まさに、中とセンくんが、
    「社会に合わせられない生きづらさと、社会にあわせられるがゆえの生きづらさ」の例だなと思って、納得してしまった。
    私は後者だけど、同じものさしで相手の辛さをわかったつもりになってはいけな

    0
    2025年08月08日

    Posted by ブクログ

    小4の中は、両親が別居した為、今はハハと2人暮らし。
    隣りに住んでいる一つ上のセンくんと学校へ行くけれど、本当は行きたくない。
    いやだ、いやだと思うからなのか学校はつまらない。
    いろんなこと考えているけどわからないことは、わからないと言うからみんなに笑われる。

    わからないことの多い中だけどちゃんと

    0
    2025年05月26日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    チチとハハは別居した。
    チチは生まれ育った王子島に帰って喫茶店を開くことにし、ハハは童話作家の仕事を続けながらも、新聞記者として働き始めた。
    となりに住んでいるセンくんは一つ年上の五年生で、毎朝一緒に登校する。学校は行きたくない。たくさん考えて考えて、考えた先に出てきた「わたし、わかんないです」を言

    0
    2025年06月15日

わたし、わかんない の詳細情報

  • カテゴリ
    小説・文芸
  • ジャンル
    児童書 / よみもの
  • 出版社
    講談社
  • ページ数
    224ページ
  • 電子版発売日
    2025年04月22日
  • コンテンツ形式
    EPUB
  • サイズ(目安)
    3MB

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