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幸福の女神
あなたはわたしが生きる意味 あなたはわたしが歌う理由 ママがいるから、わたしは死にものぐるいでがんばれるの―― 過剰に愛し、過剰に生きた、ある美しき母の人生。 衝撃の書き下ろし小説! ねえ、聞かせて。ママがどんなふうに生きてきたのか カリスマ的人気を誇るシンガーソングライターの未来の母・奇世。容姿に 恵まれ、裕福な家庭で不自由なく育つが、彼女の出生には“秘密”があった。 埋まらない淋しさを抱えて、大きな夢も目標もなく、通り過ぎていく男達に 感情を動かされることもない日々。そんな奇世が隆と出会い、初めて人を 愛することを知る。何よりも欲していた愛すべき家族を手に入れ、 しあわせの絶頂にいた奇世だったが……。 -
新編 日本の面影【全2巻 合本版】
代表作『知られぬ日本の面影』から、詩情あふれる新訳で合計21編を新編集。ハーンの描く、失われゆく美しい日本の姿を感じる、文庫オリジナルの新訳決定版。 はじめに 東洋の第一日目 盆踊り 神々の国の首都 杵築――日本最古の神社 子どもたちの死霊の岩屋で――加賀の潜戸 日本海に沿って 日本の庭にて 英語教師の日記から 日本人の微笑 さようなら 弘法大師の書 鎌倉・江ノ島詣で 盆市 美保関にて 日御碕にて 八重垣神社 狐 二つの珍しい祭日 伯耆から隠岐へ 幽霊とお化け 思い出の記 小泉節子 ラフカディオ・ハーン略年譜 ※本書は「新編 日本の面影」「新編 日本の面影 II」の2冊を合わせた合本版です。 -
響きと怒り
フォークナーは全く予備知識を与えぬまま読者を白痴ベンジーの意識のなかに連れこむ。そしてその錯乱の意識を通りぬけた読者は第二部で再び意識の流れの激しい屈折に戸惑う。しかし第三部、第四部では次第にこの作品の主題と意味が明らかにされてゆく。この作品は現在と過去との交錯がいちじるしい。とくに一部、二部はそうであり、たとえば第一部ではベンジーの意識が現在の知覚から過去へ移るときにはたいていイタリック体で書き表わされているが〔訳文では【 】で囲った〕、同じ技法が第二部でも用いられている。そしてこれら錯綜する時間と映像の下に、登場人物の心にとって意味の深い出来事が埋められているのである。米国南部社会の醜悪で陰惨な人間心理を描写し、『響きと怒り』は二十世紀の傑出した小説のひとつと評価される。 -
心は孤独な狩人
舞台はジョージア州のうらぶれた工場町。人々は無気力な状態にある。主人公の唖(おし)で聾(つんぼ)のシンガーは、同じく唖のアントナープロスと共同生活をおくり、思慕を寄せるが報われない。そのシンガーに、多感な少女ミックはほのかな思いを寄せるが、当のシンガーは少女の思慕に気づかない。またそのミックに、ニューヨーク・カフェの主人ビフ・ブラノンは年甲斐もなく愛情を感じているが、ミックは彼を気味悪く思うばかり。作中人物はそれぞれが《報われざる愛》の連鎖関係のなかに生き、そこに解決はない……魂の孤立を透徹するまなざしで描ききった20世紀アメリカ文学の代表的古典。 -
古川柳の名句を楽しむ―柳多留への遊歩道―
川柳のバイブルとされる江戸中期に刊行された「誹風柳多留」。現代にも通じる、江戸っ子たちの生きるための知恵と常識、極上のユーモアが詰まった同書の中でも、とくに名句の宝庫と知られる初代・柄井川柳選の初篇から二十四篇より、どこかで一度は耳にしたことのある、これだけは覚えておきたいベスト五六九句を厳選収録。やさしい解説で読み物としても楽しめる一書。 《是小判たった一晩居てくれろ》 《本降りに成て出て行雨やどり》 《子が出来て川の字形りに寝る夫婦》 《役人の子はにぎにぎを能覚》 《なきなきもよい方をとるかたみわけ》 《孝行のしたい時分に親ハなし》 -
消えた街
成木文が贈る回想風創作小説2編。 <表題作『消えた街』> ・・・、自分の心の中に消えた街を、これからさきふたたび訪れることもない。つとめて、 友里はそれだけを反芻した。もちろん、地蔵のことなど、次女にも長女にも語ってきかせるようなことは絶対にない。 <同時収録『虹色のデッサン』> ・・・、記憶とはあてにならぬものでもある。まるで、夢のように頼りなく事実からは遊離し、ちぐはぐに加工されたり、抜けたりしてやまない。空想虚言みたいに、本人が真偽を意識できないまま虚偽を思いつく場合もある。遠い記憶も近い記憶も、なるべくなら思いおこさないほうがいい、と、相場は最近考えるようになった。 -
風と桜
岡田楽土詩集『さんらいず』に続く二作目の作品。 本作品は、季節をテーマに書き下ろした作品を集め、収録しました。 -
随想集 月と歩いた峠路
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 2015年に生誕100年、没後10年を迎えた串田孫一氏の単行本未収録エッセイ集。 串田孫一氏がおもに晩年に発表した、既刊本未掲載の「山」や「自然」にまつわる随想を収録。 特装愛蔵版として刊行したこの貴重な書籍を電子版として刊行。 串田孫一ファンなら必見の一冊。 ※紙面版の別冊付録「DRAWING BLOCK 1956 Sept. 蓬峠・大源太・巻機山」は、電子版にはつきません。 ※特装愛蔵版の雰囲気を生かすため、固定レイアウト版で電子化をしております。 I 春の情景 山旅の孤独な終り/逢いたくなる木/昆虫の教師との別れ/鳥の内緒話/二度目の勉強/山の春の目覚め/春の小さい命/跳ねる/飛ぶ/泳ぐ/青い鳥/緑と戯れる風/餘韻/夏の情景/森の博物館/闇と光の戸惑い/想い出の薄れない姿/闇の中の声と姿/素朴な知恵の悦び/滝と向き合う時/旅人の悦び/緑の沐浴/雲の歌う晩夏/秋の情景/美しく妖しく咲く/風に与える黄葉ノスリは「◆」を知らず 天気を予告する雲 この夢をいつまでも/月と歩いた峠路/海と山の段々畑/沈黙の歌/休息の冬の前に/冬の情景 終って行くものの美 花を訪れる鳥の心 苦しそうに揺れた藻 料理の要らない御馳走 蕗の薹の小父さん/冬眠/渡り鳥/交歓の美/雪と光の戯び/幻の兎の悦び II 花の迷夢/自然を見ること、自然に思うこと/鳥との附合い/葛の花/月の沈黙 III 切符/小鳥のようなお喋り/波との戯れ/果樹園/画帳紛失/踏切/清泉/街道/障碍/目印/誘惑の道/洞窟/水車 IV 山に逢う悦び/敬虔な挨拶/山の日常 岩山の踊り 夢を誘う水音 風の中の遊び/渓谷/時の流れの旋律/去って行く夏/言葉を失った時/渓谷の秘宝/岩/恵まれた孤独/故郷 V 自分と向き合う山/こころのなかの峠を想う/幻の山上の池/寂しく変る信濃/悲喜こもごもの山/臭いから旨い/山での食べもの 或る川原で VI 郷愁列車/槇有恆さんとの出会い/山への恥らいと感謝/凍る痩尾根/『八ヶ岳挽歌』を書いた人/『山のABC』との歳月/崩れる山 VII 岩手山を眺めた一日/山に向けた思考 月山/山上の楽園に憩う 尾瀬/残雪の豊かなころ 谷川岳/浅間山恐怖症/旋律の聞こえる山 八ヶ岳/四十年前の記憶 御嶽山/心残りの大山への尾根/別々の富士山/富士の表情 山の素顔 無次元界への誘い 碧い無窮 優しく厳しい姿 無言劇 終熄の美 -
死の快走船
論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「三狂人」古い精神病院で起こった殺人事件。犯人は三人の患者たちか。警察は捜索するが犯人と思われる患者は列車にひかれて死んでしまう。恐ろしい結末に思えたとき、松永博士の推理で事件は動く。「三の字旅行会」東京駅の赤帽をしている伝さんが友達からあること聞かされた。しんみりと感動してしまうようないい話。これを誰かに話したくてしようがない。しかしそれは……。「死の快走船」深夜のヨットセーリング中に殺人事件。発見されたのは元商船の船長だった男。岬の先端に建つ白亜の豪邸に移り住んでいたキャプテン深谷。私は水産試験所の東屋三郎と一緒に捜索に向かう。外部の人間の犯行なのか。しかし東屋が意外な着想から犯人へたどり着く。果たして犯人は誰か、またその動機は?※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
香水紳士
論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「銀座幽霊」銀座の煙草屋の二階で女同士のトラブルから殺人事件が発生した。それを向かいのカフェの女給たちが目撃する。駆けつけてみるとなんとも不可解な現場であった。果たして自殺か他殺か?犯人は?「坑鬼」ある炭鉱で発生した火災。逃げ遅れた峯吉が閉じ込められた。そして次々と殺される人々。それは峯吉の復讐なのか。いったい犯人は誰?そしてどうやって殺されたのか。菊池技師の鮮やかな推理。「香水紳士」列車の乗り合わせた紳士は何者?16歳の少女が推理を働かせて大活躍。ハラハラドキドキの愉快な物語。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
支倉事件
本格派探偵小説家。それぞれ趣向が異なる短編三本を収録。「支倉事件」の容疑者支倉喜平。発端は聖書の窃盗容疑で逃亡、指名手配される。ようやく逮捕するも大変な男だった。取調べで一旦は自供するも裁判で翻す。果たして真実は。恐るべき執念と呪いや脅迫。やがて一大疑獄事件に発展する。実際の事件を基に書かれた作品。「ニッケルの文鎮」学者の家に奉公する娘の一人語り。ある晩、学者が殺される。残されていた遺書に浮かび上がる容疑者、しかし……二転三転し最後のどんでん返しは?「罠に掛った人」失業中の友木は借金返済に行き詰まり、高利貸しの玉島を殺害することを決意する。しかしその矢先偶然にも大金を拾う。その時、妻は玉島を殺害するとの置き手紙が……人生にはいたるところに罠がある。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
レ・ミゼラブル 全巻セット
フランスの長編大河小説。1本のパンを盗んだために19年間も監獄生活を送ったジャン・ヴァルジャン。今はマドレーヌと名を変え事業で成功し人格者として市長にまでなっていた。しかし警察官ジャヴェルとの対立、美しいファンティーヌとの出会いと別れ。人違いで逮捕された者のために全てを投げうつ覚悟をする。再び収監されたジャン・ヴァルジャンは不屈の精神で脱走する。彼の使命はコゼットを救うことだった。悪魔のような夫婦から救いだしたものの執念深いジャヴェルからとうとう追い詰められる二人。迷い込んだのは修道院だった。ジャン・ヴァルジャンの決死の作戦によりやっと二人は平安な暮らしを手に入れる。そしてマリユスとコゼットの恋は結ばれるのか。そして感動のラスト。高潔な魂とは、良心とは何かを問う。ジャンバルジャンの生涯。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
全部、教えて? この恋まだ卒業できずにいます
教師に憧れる女子高生。それは淡い初恋だった。卒業して10年。27歳の文具メーカーのOL涼花はいまだに彼氏無しのバージンのまま。今年こそ社内コンテストの社長賞を狙っている。しかし男性社員からはアイデアを欲しいと甘い言葉で口説かれる。そんな時、高岡先生との再会。先生は昔とちっとも変わってない。むしろ大人の魅力でますます好きになってしまう。勇気を出そうとすると美人教師に邪魔され、どうしても好きだとは言い出せない二人。コンテストは男性社員が優勢、恋も美人教師にライバル宣言されてしまう。何もかもうまくいかない涼花は心機一転、海外勤務を希望する。もう二人は会えないのか。ラストは感動の告白で涙が止まらない。渾身の恋愛小説。 -
死体はヨガのポーズ
公私ともに相棒だった夫を、男に奪われて離婚したばかりのAJ。ある朝彼女にニュージャージーの小さな町の警察から電話が入る。ヨガスタジオを営むおばが殺されたのだ!しかも遺体はヨガの型の一つ“死体のポーズ”をとっていた……。財産を遺され警察に疑われたAJは母と二人田舎町へ赴くが!? ジャンクフードを愛する都会派主人公が菜食主義でヨガの精神を体現するおばの死の謎に奮闘するコミカル・ヨガ・ミステリ。 -
「超」怖い話 怪福
それは神か仏か妖(あやかし)か……人はときに説明のつかぬ存在、現象に遭遇する。総じてそれを怪と呼ぶならば、「福をなす怪」と「禍をなす怪」とがある。夢のお告げで思わぬツキを得た、亡き人の霊に窮地を助けられたなど、羨ましいような不思議譚が確かに存在する一方で、怪との遭遇を切っ掛けに恐るべき凶事が次々と降りかかった例もある。祟り、神罰、なにがしかの禁忌に触れてしまった者たちが辿る戦慄の運命……。吉を3とすれば、凶は7。本書はその中でも両極端と言うべき強烈な実体験のみを厳選して収録した。奇跡としか思えぬような幸運から、最悪の惨事に見舞われ、転がるように不幸のどん底に突き落とされた陰鬱な事件まで、怪のもつ二つの側面をリアルに炙り出す。禍福あざなえる縄の如しというが、それは違う。吉の紐を引くか、凶の紐を引くか――怪との遭遇はそのどちらかでしかない。本書を紐とく時はくれぐれもご注意あれ……。 その怪、吉か凶か?怪がもたらす3割の幸運と7割の惨事。まさに戦慄、紙一重の実話怪談! -
ROAD DISCUSSION。大事な試験や商談を前に、気持ちが焦ってどうしようもないあなたへ。
さっと読めるミニ書籍です(文章量12,000文字以上 13,000文字未満(10分で読めるシリーズ)=紙の書籍の24ページ程度) 「役立つ」「わかりやすい」「おもしろい」をコンセプトに個性あふれる作家陣が執筆しております。 自己啓発、問題解決、気分転換、他の読書の箸休め、スキルアップ、ストレス解消、いろいろなシチュエーションでご利用いただけます。 是非、お試しください。 【書籍説明】 ビジネスでも勉強でも本番が近づけば近づくほど焦りを感じて思うように実力を発揮できないという不安に駆られている人はとても多いでしょう。 それは失敗したくないからでしょうか?あるいは負けたくない相手がいるからでしょうか? 今、そう思っているあなたが、今日この本を手にできたのも何かの縁に違いありません。 これからお送りするお話は、運命のいたずらで偶然同じ場所に居合わせることになった、世代も職業も全く違う人達の小さな競争を描いた物語です。 彼らはみんな何かに追われているようですが、はてさて、彼らの珍道中は一体どういう結末を迎えるのでしょうか? 【目次】 朝のひととき 相乗りのタクシー 行き先不定 急がば回れ? 起承転、結! 【著者紹介】 いちたか風郎(イチタカフウロウ) 1991年1月8日生まれ。 2013年愛媛大学法文学部人文学科卒業。 卒業後は地元のスーパーマーケットに就職するが、一身上の都合で退職。 在職中にインターネット上で執筆の仕事の存在を知り、学生時代に勉強した中国史と自分の失敗経験を活かそうと思い執筆活動を開始する。 得意分野は中国古代史。 現在は中国留学に向けて、中国語と英語の勉強、そして中国史の執筆により一層力を入れる日々を送る。 -
ジャック・ザ・リッパー
ジャックは女を殺すたびに一瞬、この生命の神秘に思いを巡らせ、めくるめくような興奮を覚える 19世紀末のロンドンで起こった売春婦5人の連続殺人。その手口の残虐さで、現代に語り継がれる『切り裂きジャック』事件を、著者現地取材により緻密に再現した猟奇のセミ・ドキュメント・ノベル。幽界版ロンドン・ガイドを同時収録。「電子版あとがき」を追加収録して、ついに復刊! ●友成純一(ともなり・じゅんいち) 1954年福岡生まれ。1976年、早稲田大学在学中に「透明人間の定理リラダンについて」が幻影城新人評論部門に入選。映画評などでも活躍したのち、1985年「肉の儀式」で小説家デビュー。官能的でバイオレントな作風が注目を浴びる。以後、スプラッター小説のパイオニアとしてだけでなく、SF、ホラー、怪獣小説などでも鬼才ぶりを発揮し、多くの著作を発表。またロンドン関連の著書も多い。現在はバリ島在住。 -
くりかえす夢
一篇読むごとに、得体の知れぬ恐怖にしびれ、総毛立つ興奮を覚える 鏡に映し出される姿は、ときとして驚くような形になって現れるものだ。私とその女も、何事もなければ、万華鏡のように映る刺激的な人体模様に興奮を募らせながら、相手をむさぼりあっていたはずだ。ところが、ちょっとしたはずみで、そのレールから外れてしまった。そして、快楽のかわりに、こんな悲劇が訪れたのだった。あのとき、私はバスルームに入る女を見送って、ほくそ笑んでいた……。(「永遠の目撃者」より) ミステリの名手が放つ、珠玉のホラー・サスペンス小説5本を収録。電子オリジナル短篇集。 *花いちもんめ――そして誰もいなくなる *くりかえす夢 *悪者(あくしゃ) *永遠の目撃者 *かえらない夜 ●矢島誠(やじま・まこと) 1954年、東京生まれ。中央大学卒業。雑誌編集者を経て、1988年『霊南坂殺人事件』でデビュー。『星狩人』で、第29回江戸川乱歩賞候補。第8回横溝正史賞候補となった『双曲線上の殺人』は火曜サスペンス劇場でドラマ化されている。長編ミステリーだけでなく、ホラー短編集や、最近では、時代小説も手がける。 -
競馬人情
喜びも、哀しみも馬とともに……もし馬に口がきけたなら、何を語りかけてくれるのだろう ダービーへの初出場が決まった騎手が挑んだレースの結末「チャンス」、かつて北海道の牧場で育てた馬がオークスに出走したとき男の恋「アクシデント」、競馬ファンの若者四人組が天皇賞の日に味わったそれぞれの想い「馬券の青春」、名牝馬の子をセリ市に出したその日は予期せぬなりゆきで…「サラブレッド・ビジネス」など、競馬をめぐるさまざまな人間模様を描いた力作短編集。 ●吉川良(よしかわ・まこと) 1937年、東京生まれ。芝高等学校卒、駒澤大学仏教学部中退。1978年『自分の戦場』で第2回すばる文学賞受賞。1979年『八月の光を受けよ』で芥川賞候補、『その涙ながらの日』で二度目の候補、1980年『神田村』で三度候補となった。1999年JRA馬事文化賞、ミズノスポーツライター賞優秀賞受賞。 -
凶逆 おいらん渕殺人事件
婚約者殺害の容疑者にされた女が、警察の捜査網をくぐりぬけて真犯人を追う! 路上放置されたベンツの車内で毒殺死体が発見された。被害者は練馬の歯科医・阿南隼人。被害者の身辺を洗う中野東署は、婚約者である竹越美央と阿南との間の不自然な金の流れに着目。さらに事件の目撃者が現れたため、美央の犯行は確定的かと思われた。一方、事件の背後に自分を陥れようとする者がいることを知った美央は、真相究明のために行動を開始する。美央は目撃者の男に事実を質すべく彼の部屋を訪れるが、そこで彼女が発見したのは、阿南の家系の詳細な調査書と、阿南殺害と同じ手口で殺された男の死体だった。調査書に記された“おいらん渕”という地名の謎を追って札幌に飛んだ美央。だが、彼女はそこで衝撃の過去を知ることに…。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。 -
警視庁殺人課 悪漢(ワル)
殺人現場から逃走した男は刑事!? 次々と証拠があがってきて容疑は固まったかに思えたが… 一人暮らしの看護婦が両手足を捕縄で縛られた上に、鉈で額を割られて殺された。現場から逃走する男の姿が目撃されており、その男とは、被害者の婚約者である林羽刑事だった。捕縄は警官に支給される特殊な紐であることから、彼の容疑は固まったかに思えたが…。やがて、複雑に入り組んだ人間関係、そして金の流れを追ううちに、意外な人物が容疑者として浮上してくる。緊迫感が漂う警察小説の傑作。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。 -
絆 公安刑事
爆弾テロが発生! 公安課の刑事は中東で傭兵をしていたという情報協力者にコンタクトを取ったが… 「みんな俺から離れろ! 俺の体が爆発する。爆弾を抱いているんだ。逃げろ、逃げるんだ!」 白昼の六本木。衆人環視の中、男が爆殺された。彼は警視庁公安課の警部補で、謎のテロ集団『殉教旅団』を調査中だった。テロリストの犯行か? 公安課の都並と水木は、怒りに燃えて捜査を開始する。だが、都並には自殺願望を抱える思春期の娘がおり、家庭に暗い問題を抱えていた…。人間の闇に迫る問題作。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。 -
謀奪
男なんて信用できない、だから今度は私たちが男を利用してやる……女ふたりが計画した復讐とは? テレビ制作会社局に勤める28歳の田川叶は、わずか半年の間に続けて両親を亡くした。父は、借金を苦にして自殺してしまったのだ。だが叶は、父を騙した男・桑野弘康の存在を知っていた。両親のために桑野への復讐を誓った叶だが、女ひとりではどうすることもできない。そんな彼女の前に、高山末有という女性が現れた。末有もまた卑劣な男どもに騙され、復讐の機会を待つ女性だったのだ…。詐欺犯罪の本質を鋭く抉る長篇ハード・サスペンス。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。 -
震撼 首都崩壊
原子力発電所が狙われている!? 警視庁公安部が爆弾テログループの行方を執念で追う! 原発のある新潟・柏崎で、市長が何者かに拉致され、息子夫婦と孫が殺された。一方、東京では、プラスチック爆弾によりテレビ局が爆破され、警視庁には『燃える星』と名乗る組織から「東京が死の海と化す」という犯行声明が届いていた。警視庁は海棠俊、新涼奈津名の二人を特殊チームに任命し、捜査を開始した。警察小説の第一人者が壮大なスケールで描く、卑劣なテロに挑む警察官の壮絶な闘い。 ●龍一京(りゅう・いっきょう) 1941年大分県生まれ。元兵庫県警察、司法警察官として主に公安を担当する。退職後、コンサルタント業等を経て、作家に転身。著者の実体験をふんだんに織り込んだ、リアルな刑事の実態を描く警察小説を得意とする。『偽装捜査』(光文社文庫)、『鬼刑事(デカ)謀殺痕』(祥伝社文庫)など著書多数。 -
気狂い機関車
論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「カンカン虫殺人事件」造船所の作業員が殺された。心臓を一突きされ縛られた挙げ句、身体中が傷だらけの無残な死体。名探偵青山喬介が謎を解き犯人を追い詰める。「寒の夜晴れ」 クリスマスイブの夜、教師の妻と従弟が殺された。やってきたのは悪魔のサンタクロースか。家の周りは降り積もった雪。足跡は一筋のみの密室殺人事件。謎がとけるとき悲しい結末。「気狂い機関車」駅の操車場で連続殺人事件発生。線路に沿って血痕が残されているのはなぜか。機関車の暴走は食い止められるのか。名探偵青山喬介の推理が冴える。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
あやつり裁判
論理的な作風の本格探偵小説家、大阪圭吉の短編三本を収録。「あやつり裁判」際どい裁判のたびに証言台にたつ謎の美女。はたして何者?名探偵の青山の推理が冴える。驚愕の真相を暴く。「石塀幽霊」ある暑い昼下がり、大きな屋敷の家政婦が殺された。逃げていく犯人を二人が目撃するものの、なぜか消えたようにいなくなってしまう。新人巡査が推理するが犯人はわからない。名探偵青山が解決する。「動かぬ鯨群」一年前に沈んだ捕鯨船の北海丸。それは鯨の祟りなのか。沈没した砲手の未亡人の元に現れたのは幽霊か。しかし誰かに殺され本当の死体となってしまう。手がかりを追って大海に乗り出す。水産試験場の東屋の鮮やかな推理。※読みやすくするため現代の言葉に近づけてますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。 -
「超」怖い話 鬼市
著書曰く、本書はありとあらゆる怪異を「雑煮のごとく放り込んだ」救いなき一冊である。目次には、それこそ市のように、極彩色の恐怖が尋常ならざるオーラを放ちながら犇いている。誰かに読まれることを希求し、熱く揺らめきながら並んでいる。そのどれもがおぞましく、ひとたび頁を繰ったならば、ただでは済まされぬ毒気を孕んでいる。それだのに、我々の指は止まらずに禁断の扉を押し開けてしまうのだ……。それが人間の業であり、すべての怪異の大本でもあるように思う。恋も恨みも一線を越えれば鬼となる。理性と良心はいともたやすく侵蝕され、暗い欲望に身を任せる悪鬼となってしまうのだ。実話怪談を読むこと――それは体験者の生涯に素手で触れるようなものだ。その業に、鬼に、触れる……どうか覚悟を持って読んでいただきたい。 -
絹更月怪異録~摩楼館怪奇事件簿~
九段下の裏通りにひっそりと佇むレトロな喫茶店「摩楼館」。珈琲から菓子に至るまでこだわりの逸品が味わえるが、あいにく客はほとんどいない。店を切り盛りするのは謎の雇われ店主・如月翔太郎。彼の客を客とも思わぬ態度が流行らぬ原因であることはまず間違いない。唯一の常連客はフリーライターの一条明。主な仕事である実話怪談の取材に、人の少ないこの店を用いているのだ。厳つい傭兵のような容姿ながら心優しい一条と、シニカルなクールビューティー如月、正反対の二人に共通するのは「怪に魅入られてしまう性質」。今日も摩楼館では終わらぬ悪夢を抱えた体験者が、恐怖からの解放を願って告白にやってくる……。一見小説のような実話、怪を呼ぶカフェを舞台にした新感覚の実録怪奇譚、誕生! -
「超」怖い話 怪賊
悪意が生みだした呪い、“怪”としか呼びようのない何か。それらは容赦なく全てを破壊し、根こそぎ奪っていく。平穏な暮らし、愛しい家族、時には未来をもいたずらに傷つけ、笑いながらももぎ取ってゆく。なぜ自分が――それは体験者の中で気が遠くなるほど繰り返された問いだろう。嘆きと言ってもいい。果たしてあなたはその問いに答えを見出すことができるだろうか。本書を読み、震え、いま一度考えてみていただきたい――。ある家に伝わる壊れた面をめぐる話「シメン」、隣家とのトラブルに始まる恐るべき怪「隣禍」、震災後の町で起きた怪を真摯に取材した「東北より」ほか、土を噛み泥を飲み込むがごとき暗鬱な恐怖譚を収録! -
「超」怖い話 怪罰
些細な事で恨みを買い、とんでもない仕打ちを受けることがある。時には何の非もないのに、逆恨みから地獄に突き落とされることもある。生きている人間が相手ならまだいい(対処のしようもある)が、それが得体の知れない何かであったならば……?この世ならざるモノに因縁をつけられ、家族もろとも、時には数十年にわたって呪われ、執拗に攻撃され続ける人たちの恐怖体験を記録した中編「さる」「住まう人」「半生」の3本に、切れ味鋭い短編を挟んだ究極の実話怪談集。行間からも溢れだすその禍々しさ、果てのない恐怖の連続に、怪談ジャンキーならずとも奇妙な昂揚感にうち震えるだろう。怖ければ怖いほど、忌まわしければ忌まわしいほど、人は魅せられ惹かれてしまう――それが“他人事”であるうちは。 -
「超」怖い話 怪罪
秘めた過去を、隠さねばならない真実を抱えた人たちがいる。彼らが遭遇した怪異の原因がその“閉じ込めたもの”にある場合、その体験談は誰にも語られぬまま、朽ちることもできずに胸底に仕舞われていく。多くは生々しい恐怖といまだ消せぬ未来への不安とともに…。実話怪談、またの名は聞き書き恐怖譚。誰かが体験した恐怖を聞き取り、書き残したもの。今回収録することができた話は、著者・久田樹生の人間性に負うところが大きい。けして秘密を暴くのではない、体験者自らが打ち明けてもいいという気持ちになるのは、彼らが抱え続けた痛みを共に背負う覚悟が久田にあることが分かるからだろう。固く閉ざされた心の禊を久田が解く時、恐怖は堰を切って溢れだす。そう、これは禁忌の解放なのだ。 秘められた過去、匿された因果、噴き出す怪とこの恐怖。禁忌の域に挑む聞き書き実話怪談! -
ぽわんかん:ショートショート
【概略】: あたまのコリをほぐします。 ショートショート73話。 1話10秒から3分ほどで読めます。 総文字数:約5万3千。 【目次】: 【純文学】風変わりなひと/スイート・ハニー/カッチョイイ話/スーパークールビズ/探偵・如月丈一郎/いやし/新語・ことわざ/ライン/海辺の恋/マスオさんの憂うつ/詐欺師/トッピング/ババビバブ国王/人生相談/一文話/ある村で/合併ラーメン/珍棒流毛筆塾/庭/ジョンからのメール/駅まで十分 【小休止の歌1】農業スパイクの歌 【SF・ホラー】イドぼこ星の生態/夢から/ビーズあたま/地理/ひゅるるるぅ~/前衛芸術/一心同体/遠い殺人/不安全食品/終電二本前/朝の出来事/ドアのむこう/ほとけのごらく/スーパーボール/押入れ/へんだ像 【小休止の歌2】玉音ラップ 【ことわざ・格言】無知/先人に学ぶ/自助努力/修行/よそおい/七転び八起き/情熱/道/幸・不幸/満足/信心/横取り/自分の始末 【小休止の歌3】いん きん きん(歌・大沢悠里) 【ファンタジー】分子ちゃん/せまいかにぃ~せまい1/禁断の恋/ゆめ太郎1/ふきさらし~せまい2/赤い女/じいちゃんとタバコ/一畳宅~せまい3/ゆめ太郎2/夢で/散歩~せまい4/キリンとカメ~ヤンデルセン童話/ゆめ太郎3/バトル~せまい5/試験/トースター/ゆめ太郎4/雪の日に/花/坂道自転車 -
泉鏡花 現代語訳集17 日本橋
泉鏡花の小説「日本橋」の現代語訳。 【あらすじ】 雛の節句の明くる晩、宵に少し降った雨上がり、月は潜んで朧―と言いたいところだが、実際は黒雲が滲んで暗い、一石橋の欄干際。 そこに立つのは、遺憾ながら野暮な野郎の影二つ、しかもその一つは警官である。 もう一人の男が、先ほどから流れに臨んで辺りを見回し、新聞紙に包んだかなり重量のあるものを川へ放り込んだのを見て、警官が、今のは何か―と問うと、男は、姉の志としてあるものを流した―と答える。 その説明に警官が納得せず、尋問の続いているところへ、稲葉家の看板芸妓、錦絵のお孝が微酔い加減で姿を現し、わたしも同じことをしに来たんですよ―。 男は大学の生理学教室に籍を置く葛木晋三。お孝と並び称される滝の家の清葉に姉の面影を見て、長年恋い慕ってきたその思いを、今晩打ち明けたが振られたと言う。 その話が心に沁みたお孝は、清葉への対抗心もあり、葛木の手を引いて抱き込んだのであったが… 激しく、悲しく、そして美しい、人の情念の綾を見事に織り上げた傑作。 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし -
泉鏡花 現代語訳集15 陽炎座
【あらすじ】 春たけなわのある日、亀戸天神へ参拝した帰りに、水のぬるんだ、川沿いの通りを陽炎に纏いつかれながら来ると、どこからともなく、遠くで鳴物の音が聞こえ始めた。 「狸囃子というんだよ、昔から本所の名物さ。」「あら、嘘ばっかり。」 ちょうどそこに、美しい女と、若い紳士が居合わせて、こう言葉を交わしたのを松崎は聞き取った。 気をそそって人を寄せる、その囃子に誘われて来ると、ここにも、そこにも、ふらふらと、春の陽を中へ取り込んで、白く点したような行燈を軒に掛けた、木賃宿の並ぶ場所。 周囲とは場違いな、大きく立派な空家が一つあって、それを囲む、二間ほどの高さの古い船板塀の前に、お玉杓子が群がって押し競饅頭しているように、子どもが大勢集っていた。 そこに敷かれた、じめじめした筵の舞台で、飛んだり、跳ねたり、ばたばたばたと演じられていた子ども芝居を何気なく観始めると、先ほどの二人連れが、やはり囃子に導かれて来たらしく姿を現した。 その奇妙な芝居の中で、近頃亡くなった近所の評判娘、忘れ得ぬその娘の名を松崎は耳にする。 そして、美しい女もまた、その名に、帰りかけた足を止めたのであった。 -
泉鏡花 現代語訳集13 化銀杏
【あらすじ】 北陸に旅行して、何かのついでに金沢をお通りになる時、もしあなたが珍しいものを好む心をお持ちならば、「化銀杏の旅館」にお泊まりになるといい。 寝床に入って、夜半の鐘声が森と聞こえ、凄まじい風がざッと吹いて身に沁みる時、長い廊下の最端に、ひたひたと足音が起こり、夜の寂寞を破って近づき来たり、障子の外に黒い影がさッと映って、諸君の寝息を窺うことだろう。 その時、静かにしていなされば、影はすッと障子を開けて、後ろ向きに銀杏返しの髪を見せたまま、諸君の枕辺に近づくはずだ。 諸君が真っ白な細い顔立ちを一目見て、思わずぞッとなさると同時に、影は行燈の火を吹っ消して、闇の中を走り去る… 本作はこの幽霊の謂われを物語る。 【あとがき より】 本書は、明治後期から昭和の初めにかけて活躍した作家、泉鏡花(1873-1939)の作品の現代語訳である。 鏡花の作品世界に満ち溢れる、美妙幽玄な魅力を音に聞き、それを味わってみようと足を踏み入れたものの、特異な文体によって描き出される風景の綺羅のような輝きに目を眩まされ、道半ばで現の世に戻らざるを得なかった人はけっして少なくないだろう。 訳者が目指したのは、現代の一般的読者が、大きな困難を感じることなく、内容を把握しながら読み通すことのできる文章に仕上げることであった… 【訳者略歴】 白水 銀雪(しろみ ぎんせつ) 慶應義塾大学大学院博士課程中退(専攻:数学) システムエンジニア・プロジェクトマネージャー・コンサルタントとして、宇宙分野を中心とする科学技術系システム開発に従事 現在、蓼科にて山暮らし -
今宵、虫食いの喪服で
堕ちてこそ、人生! ゲス街道まっしぐら男の、究極の苦悩を一瞬にしてギャグに転換したのは、欲望の掃き溜めで働く、美しい風俗嬢のひと言だった―― 黄昏迫る大都会・東京。大女優の妖しげな唇から発せられた驚くべき真実。蘇るニューヨーク、パリ、アリゾナの記憶。裏切りと救済、憎悪と恩義。マイルス・デイビスの奏でるアランフェス協奏曲の旋律が、ろくでなし男の胸を掻き乱す。愛なき男の魂の彷徨を描く、ある夏の日の数時間の狂乱の物語。男は果たして恩人の祭壇に辿りつけるのか?! 迸るイメージの奔流。荒々しく、大胆な文体。予測不能の展開。 第121回文学界新人賞3次予選で散った、限りなくエンタメに近い哀しくも「笑える」純文学小説が、オリジナル電子書籍でゾンビのごとく復活 -
ポール・マッカートニーを殺したのは誰?【全訳版】
全世界中の人々に愛された伝説のバンド、The Beatles。 そんなビートルズの衝撃フィクションが登場! 【序文より】 このフィクションであり、歴史関連書である本書を通して、作者のスティーヴン・レイディスは、読者に「1965年に起こった交通事故でポール・マッカートニーは本当に死んだのか?」という疑問を問いかけ、答えを提示した。 60年代半ばから後半にかけて、奇妙な噂が流れた。それは、伝説的ロックバンド、ザ・ビートルズのメンバーであるポール・マッカートニーが実は交通事故に遭い、死んでいたというものだ。その真実を知る手掛かりが、曲の中やアルバムジャケットに隠されているという噂がファンの間で流れ、ビートルズのアルバムは何百万枚と売れ、アルバムセールスは急上昇した。 噂は次第に、ポールが誰かに殺害されたという陰謀説にまで発展し、人々はますます混乱していった。信じがたい噂は真実なのか? ポール・マッカートニーは本当に死んだのか? だとしたら、今も生きて、みんなの前にいるポールは一体誰なのか? …etc。 続きは本編で御覧ください。 【著者】 スティーヴン・レイディス -
恐怖箱 崩怪
実話怪談における神沼三平太のイメージは、おそらく「軽妙」ではなかろうか。すなわち、怖すぎないが不思議で奇異な話を集めてくるのが得意、といったイメージである。が、今回そのイメージは鮮やかなまでに裏切られ、突き崩された。著者自ら「深刻な本」と称する本作は、最初から最後まで重苦しく、陰惨酷悪なガチ怪談で埋め尽くされている。前書きに「読んでいい話だなと思うような話は一つもない」「健康を損なうおそれがあるので読みすぎに注意」とあるが、まったくもって冗談ではない。本気の忠告である。しかしながら、それだからこそ本書は怪談ジャンキー諸君においては垂涎の作となっていること請け合いだ。この際、心優しい忠告など無視して、恐怖を求める本能のまま貪るように味わっていただければ幸いである。きっと、貴方の世界が、変わる――。 -
恐怖箱 怪客
人死にがあったところに霊が出るのはわかりやすい話だが、「店」というのもまた怪とは密接な間柄にあるということをご存知だろうか。人と金が集うところ、怪あり…と言っても過言ではない。食欲、性欲、金銭欲、そこにはありとあらゆる欲が渦巻き、負の念が逆巻いては躍りくねり、訪れる者を飲み込もうと待ち構えている。楽しげに食事や買い物をする我々のすぐ横で、闇はぱっくりと口を開けているのだ……。飲食店から水商売、コンビニからクリーニング店まで、恐怖箱の人気怪談作家陣が「店と客、商売に纏わる怖い話」をテーマに今年も絶品恐怖を集めてきた。真の怖さを競う年に一度の実話怪談アンソロジー! -
「極」怖い話 面妖
アヤカシ、物の怪は実在するか、否か。その答えはいまだ証明されていないが、幽霊、心霊の類よりさらに疑われてきたことは否定しようのない事実である。また、「妖怪は怪談の墓場」とも言われる。怪異が妖怪の仕業だというレッテルが貼られた時点でその怪談は死ぬ…つまり、怪談の命である恐怖が消えてしまうということらしい。だが、本当にそうだろうか? 平安の世からその存在が囁かれている物の怪、アヤカシの類は時代の中で繰り返し誰かに目撃され、同じ恐怖を体験されてきたからこそ、現代まで語り継がれているのではあるまいか。単なる見間違えや勘違いではあり得ない強烈な存在感がそこにある……だからこそ胸底から恐怖が沸き起こるのだ。かつてマイクロマガジン社から出版された幻の傑作「妖弄記」に、今回書き下ろしで新たな目撃譚・体験談を収録して復刻。知る人ぞ知るアヤカシの名著がいま甦る! -
「極」怖い話 遺託
彼岸への旅立ち――帰り道なきその船出に際し、心の旅支度が完全に出来て逝く者がどれほどあろうか。死を予期していても恐怖と未練を洗い流し、心の整理をつけることは難しい。ましてや突然の事故・災害で否応なく旅立った者たちの無念さは計り知れない。残していった者への情愛、そして恨み……此岸を離れてもきつく小指に巻き付いた執着の糸はどこまで行っても切れることはない。この糸が切れるまでは、死んでも死にきれない。けして浮かばれないのだ。無念の炎に抱かれた死者の魂はこの世に舞い戻り、生者に強烈なメッセージを送ってくる。恨みをはらそうとする恐怖の怪現象、愛するものへの吉作用の不思議現象。そして時には、彼らが果たせなかった何かがを遂行してほしいという「依頼」が届くこともある。これはそんな死者からの戦慄の頼み事である……。 数人の怪談ライターの下を渡り歩いた超曰くつきの怪談がついに加藤一の手で成仏する。衝撃戦慄の長編実話怪談『位牌の遺言』収録! -
C★NOVELS Mini 美食学探偵サバラン
有名レストランが企画した、暗闇の中で最高の味覚を愉しむディナー「ヤミレス」。そのテーブルについた有名画家・胡堂佑磨が、食事の最中に刺殺された。護衛のために同席していた新米刑事・大福千晴は、なりゆきで連れてくることになってしまった謎の高校生、佐波乱が繰り広げる名推理に圧倒される。はたしてサバラン少年は、ガストロノミー(美食学)の知識と超人的な味覚で真相を暴けるか。 (「yorimoba」掲載 2012.11.25~2013.4.24) -
里見とん伝 「馬鹿正直」の人生
嘘いつわりが嫌いで、文士仲間から重症の正直病患者といわれ、世渡りが下手だった里見とん。明治・大正・昭和の文学界を悠然と歩み去った大作家初の本格的評伝。作品総覧、人物索引付。 よく、漱石や志賀直哉について、作品以前に人格を褒め称える人がいる。しかし私は、とんこそ、人格において褒め称えられる人だと思うに至った。何人もの女を愛したなどということは、とんの人格にとっての枝葉末節である。馬鹿正直というのが、とんの最も尊い人格である。とんの素行、書いたもの、いずれをとっても、徒党を組んだり、仲間のために嘘をついて作を褒めたり、卑怯な論陣を張ったりしたことはない。(本書「トンよ、トン――あとがき」より) -
【電子完全版】新訳 亡念のザムド
2008年に放映されたオリジナルアニメーション「亡念のザムド」。監督・宮地昌幸が世界観そのままにみずから書き下ろした小説「新訳 亡念のザムド」。2010年、上下巻にて出版された本作をこの度改訂を加え、電子完全版として登場! (あらすじ) 主人公の少年・竹原アキユキは、尖端島(せんたんとう)で母親と二人で暮らす高校生。ある日、爆破事件に巻き込まれてから、彼の人生の歯車が大きく変わる――。 (著者紹介) 宮地昌幸 みやじ・まさゆき/アニメ監督。小説家。劇場アニメ「千と千尋の神隠し」(2001年公開)の助手を皮切りにTVアニメ「OVERMANキングゲイナー」(2002年公開)の演出、その他多数のアニメ作品に携わる。自身の監督作品はTVアニメ「亡念のザムド」(2008年公開)、劇場アニメ「伏鉄砲娘の捕物帳」(2012年公開)。他の著書に「さよならアリアドネ」(ハヤカワJA文庫)がある。
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