小説の検索結果
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恐怖の冥路
恋におち、ハバナへ逃れた人妻イヴと放浪者ビルの二人には、過酷な運命が待っていた。イヴが場末の酒場で何者かの手で刺殺され、証人がビルが犯人と名指ししたのだ。彼は追手をのがれ、迷路のような貧民窟へと逃亡した。たったひとりで、奪われた恋の復讐を誓いつつ! サスペンスの名手が描く恋と復讐の逃避行。 -
蜘蛛の藤兵衛
蜘蛛の巣編みの達人である独身中年蜘蛛の藤兵衛の下に、ある日伝助と名乗る若蜘蛛が訪ねてきた。弟子入りを志願する伝助は、実は藤兵衛の奥義である「六角亀甲紋」の編み方を盗みに来たスパイだった。縄張りを移動し生計を立てる二匹は、旅の途中で様々なトラブルに見舞われる。カマキリ、キイロスズメバチ、セアカコケグモと次々と強力な敵達が藤兵衛と伝助の前に立ちふさがるが、二匹は知恵を使い、トラブルを乗り越えていった。旅を続けるにつれ二匹の絆は深まっていった。別れた妻と娘の情報を手に入れた藤兵衛と、スパイであり弟子である立場の狭間で悩む伝助。旅の末に二匹に待ち受ける結末とは? -
バーゼン・マターシュ―雨上がり―
ダグルア星の裕福な家庭に生まれ育ったウンジェールは、治療を重ねるうちに主治医のジャヴァードイルハムに恋心を覚え始めていた。しかし、ジャヴァードイルハムは“マスター”と呼ばれるウンジェール一族の所有者に背くことができない。ウンジェールは泣く泣くマスターが決めた婚約者と結婚することに。しかし星を挙げての結婚パレードの最中、目の前にジャヴァードイルハムが現れる。さらに、マスターが差し向けた追っ手の影が迫り……。ウンジェールとジャヴァードイルハムは二体のロボットの応援のもと、地球を目指してダグルア星を飛び出した!ロボットに追われる二人は、無事に地球にたどり着くことができるのか!? -
女委
鵜飼見習いの太助は偶然立ち寄った村が兵士達に襲われているのを見つけ、村の小作人・おりんを助け小さな洞穴に逃げ込む。おりんは三十路を過ぎても子供ができず、亭主に「石女≪うまずめ≫」と罵られ捨てられたばかりだった。 真っ暗で狭い穴の中、女性に触れたことのなかった太助は、おりんと密着せざるを得ず…… -
まちあい
31歳、独身女のハルは、自分の現状に迷いを抱いていた。仕事は楽しいがキャリアアップの見込みは無し。三年間不倫交際している間山修との将来は望めず、気持ちは冷めつつある状態。人前で弱音を吐くのを嫌うハルが、素の顔を晒せる相手は、幼なじみの美容師・アキだけ。 ある日、地元雑誌にアキの紹介記事が載っていることを知ったハルは、同じ立ち位置にいたはずのアキに差をつけられたような焦りを覚える。 そんな中、修から「会いたい」という連絡が入る。今の気持ちを確かめるために、ハルは修との待ち合わせ場所に向かう。 -
タマさん、拾いました。
三十一歳、結婚に少々焦りの出てきた香澄が目覚めるとベッドに見知らぬ美貌の男性が。酔うと拾い物をする癖のある香澄が拾ってきたのは本名も素性もわからない歳下の男。 タマと名乗って捨て猫や捨て犬達と一緒に香澄の家に住み着く勢い。 普通の人が知っている事を何も知らない「タマさん」はどうやらすごい人らしいけど…… 独身女性と歳下の男性と動物達の普通じゃないのにゆるやかな日常は? -
いのち短しサブカれ乙女。
お母さん、サブカルって知ってますか? そうです。わたしの周りにいる寮生みんなが、サブカルな乙女たちでした。場所は世田谷、住まうは女子寮。北海道から出てきたわたしの初めての友達である、隣人のノアちゃんは『サブカル上級者』だった。偏愛と偏見と偏重があるが、サブカルに対する愛は誰にも負けず、広く深い。そして、とっても可愛い。ベレー帽がとくに。リア充さんやサブカル糞野郎さん?を押しのけて、わたしは今日もノアちゃんとヴィレヴァン探検に向かうのだった。ビバ、わたしのシモキタサブカルチャーライフ。 -
アンリ三世とその宮廷
一般に日本でのフランス・ロマン主義の研究は手薄だが、なかでもアレクサンドル・デュマについての研究は皆無に等しい。デュマと言えば『三銃士』や『モンテ・クリスト伯』といった大衆娯楽作品の印象が強く、また数知れない代作者を使ったという理由で悪名も高い。また、その作品の全体について正確な総数すらわからないほどのいわば濫作者であったからよけいに始末が悪いのかもしれない。いったいどれだけ作品を出版したのだろうか。 カルマン・レヴィー出版社が1920年に出したアレクサンドル・デュマ作品総カタログによる作品分類は以下の如くであった。 (1)歴史小説および歴史研究128作品218冊 (2)小説、短編、個人伝 41作品、64冊 (3)回想録、閑談九作品、11冊 (4)少年少女物語五作品、6冊 (5)旅行記十八作品、35冊 (6)戯曲66作品25冊。以上合計271作品、359冊 アレクサンドル・デュマ協会のウェブサイトでは325作品がリストされている。また、個人のデュマ愛好家が作っているサイトによれば、すべての作品を取り混ぜて688作品としている。 「誰もが皆デュマの話は聞いたことがあるし、彼の作品の何冊かは読んだことはあるが、彼の才能の大きさを意識している人はごく少ない。『アンリ三世』から一夜明けた日の彼の栄光はたくさんの妬み屋のしつこい中傷をひき起した。彼らの言を信じれば、デュマは先人を剽窃し、代作者たちに自分の作品を書かせた無知無学の人間ということになるだろう」(フェルナンド・バッサン) 「『アンリ3世とその宮廷』を研究した人間はデュマの公式が一挙に分かる。彼はまことに多様な戯曲を書く。ところが本質的なものは最初の戯曲『アンリ三世』にある。つまり、民衆的な登場人物、地方色、変化、アクション、情念があるのだ。」(イポリット・パリゴー)この戯曲は、デュマ最初の本格的な五幕散文ドラマであり、スタンダールの理想の実現でもあり、ヴィクトル・ユゴーの『エルナニ』に先立つこと1年、ロマン主義演劇の最初の勝利を獲得した記念碑的作品でもある。 時は1578年7月20日のことである。フランス国王アンリ3世の母、フィレンツェから亡き国王アンリ2世に嫁いだカトリーヌ・ド・メディシスと占星術師ルッジェリは、アンリ3世の寵臣サン=メグランがギーズ公爵の夫人に恋い焦がれていることを利用して、サン=メグランとギーズ公爵の両方から気弱な国王への影響力をそごうと画策する。カトリックとユグノーの殺し合いの宗教戦争の只中で、後にアンリ4世になるナヴァール王アンリを加えて3アンリの戦いと言われる時代である。ルッジェリは眠り薬で眠らせたギーズ公爵夫人とサン=メグランを引きあわせて二人が両思いであることを悟らせる。 新教徒に対抗するカトリック同盟の盟主に自らなって、次期国王の座も狙おうとするアンリ・ド・ギーズのカトリック同盟に盟主の任命という性急な要求に、ブロワの三部会まで待てと諭すアンリ三世。事態は切迫していると反論するギーズ公。甲冑で登場したギーズ公が弾丸が飛んで来ても正面で受けてみせようと豪語するのを、サン=メグランが吹き矢筒でボンボンを命中させる。怒りに燃える両者の間で決闘が決まる。 怒りに任せたギーズ公爵は鉄の籠手で青癒ができるほど夫人の腕を締め上げ、無理強いにサン=メグラン伯爵をギーズの館におびき出す偽手紙を口述させる。 一方、宮廷ではカトリック同盟の盟主の任命決議に入り、「余の権威において余自身を盟主と宣言する」と自ら盟主になることを宣言したアンリ3世。ギーズ公爵はカトリーヌ・ド・メディシスに何事か訴えようとするが、アンリは早く署名せよとダメ押しをする。第1の企みは失敗に終った、埋合せはつけてやる、憤怒のなかで署名するギーズ公の前で会議の閉会が告げられる。 半信半疑でギーズ公爵夫人の元に忍んできたサン=メグラン伯爵は来ないようにと祈る夫人の声を手がかりに部屋までたどり着く。危機一髪で部屋から逃げ出したサン=メグランは待ち伏せした手のものに暗殺される。公爵が最後の台詞を吐く。「よし!さあ、家来の始末はつけた、今度は主人の番だ!」 劇場が興奮のるつぼであった。臨席していたオルレアン公爵は名前も知らない自分の使用人が詩人として聖別されるのをきいたのである。こうしてアレクサンドル・デュマはフランス演劇史にみずからの名前を深く刻んだのである。
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