すべての高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
前半半分以上は壮絶な生活描写。まったく救いがない。
後半は家の外の世界へ、そして知るのだ。
なぜ母親は外へ出てはいけないと言ったのか。
なぜ母は失踪したのか。
盲目の彼女が知らなかった母の一面が語られる。
母がオットさんとよんでいた人の正体。
家の外に出た彼女の存在が社会に大きな衝撃を与える。
人生を取り戻すかのように生き直していく時間が美しかった。盲目なのでとわの庭の音が彼女の世界に色を与える描写もいい。
出会った人たちとの交流や絆もすてきだった。
不幸な生い立ちだけど良き出会いに支えられて生き直していく。
人生を受け入れ肯定する強さ。
地に足をつけて生きていくたくましさ。
10歳だった盲目の少女が30になり自分を捨てた母親の死を知ったとき何を思い何を語るのか。
1人の少女の成長の物語。
ふと水車小屋のネネを思い出した。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ良い本だった。
考えさせられる話。心が沈み込みそう。てか沈んでるわ
優生保護法というものがあったということは知っていた。ただそれが1996年まであったということは今まで聞き流していた気がする。調べてみると不妊手術をされた最年少は9歳。それがもし1996年であれば、今39歳。昔の事なんかじゃ全然ないな。
本としては、文体も読み易く、入り込めるような面白さ。ハルの父親以外は皆んな心優しく、上手いこといくなぁと思わないでもないが、そうでもないと最後まで読めなかったかも。桜介や優しい刑事がいてくれて良かった。
ただ阿久津は...人殺しになり結局優生保護法が正しかったんじゃないかと考えてしまって、そう考えてしまった自分がなんとも醜く感じて吐きそう。 -
Posted by ブクログ
「私たちが日本の社会に受け入れてもらうために、どんな苦労を乗り越えてきたか、おまえにわかるか?少しずつ積み上げてきたものを同じ国の仲間が蹴り崩していく、そのくやしさがわかるか?」
様々な国にルーツを持つ人が住む巨大な団地で暮らす、中学2年生の女の子とその母、
そしてクラスメイトでベトナム人の男の子の物語。
団地や学校の閉塞感、
多国籍な環境で過ごす中学生の鬱屈としたままならなさ、外国の人が日本の学校で学んだり働いたりすることを難しくする貧困や差別。
細やかな描写に、胸が苦しかった…
国籍の違いはもちろん、
学びに来ている人、働きに来ている人、
移民として海を渡った人、
二世三世として日本で生まれ育った人、
帰る国がある人ない人。
「日本に住む外国人」とひとくくりに言っても
抱えているものは、その人の数だけある。
分断が深まっていくなかで、
少しの想像力を働かせて、
背景や構造を見ることを
自分はサボっていないか?
省みずにはいられない本でした。
今、読む意味のある1冊だと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本の屈服を目論むアメリカが仕掛けるマリアナ諸島攻略作戦と、それを阻止しようとする日本軍による最終決戦が描かれる巻。
読んでて手に汗握る最終決戦だった。
鳴り物入りで登場した陸奥と信濃が集中攻撃食らって沈んでしまうのは残念ではあるが、仕方ない。
あと、長門の活躍ぶりが熱い。大和を完全に食ってしまった。
講和条件もまた、要求されてた無条件降伏から考えると納得いく内容。
それにしても、この世界の米海軍、日本海軍との大きな海戦に一度として勝てないんだよなぁ。
そこを思うと、反発する連中の気持ちもわからなくはないが、しかし史実と比すれば無茶苦茶マシな状況なのには違いない。 -
Posted by ブクログ
もっと有栖川さんを読んでから…そう思ってずっと楽しみに温めていた一冊。
気付けば33作品読んでたので、そろそろいいかなと解禁。
■夕木春央『有栖川有栖嫌いの謎』
タイトルがすごい。勇気がすごい。引きつける力がすごい。途中でやめられない。
「なぜ有栖川有栖をそこまで嫌うのか?」が気になって気になって、一気読みで止まらなかった。そしてセリフが強烈すぎて何度も笑った。夕木さんってこういう作品も書くんだ。
「三部作」と「蓮野シリーズ」の作風の違いにも驚いたけど、この作品でまた違うテイストに驚く。まだまだ引き出しがたくさんありそう。
そして、これはさすがに有栖川さん怒ってないかなと心配したけど大丈夫そう笑。
優しい有栖川さんだから、こういう自由な作品も書けるんだろうな。
■青崎有吾『縄・綱・ロープ』
途中で何度か青崎さんの作品だということを忘れてしまった。アリスと火村の性格も、セリフも文体も展開も、すべて見事に完コピされていて楽しかった。
■一穂ミチ『クローズド・クローズ』
普段の火村とアリスなら言わないようなことを言っているのが新鮮だった。
女子高に少し戸惑っている感じも面白い。
火村ワールドに一穂さんの個性が出ていて、それもまた良かった。
■阿津川辰海『山伏地蔵坊の狼狽』
火村でも学生アリスでもない、マイナー?な山伏地蔵坊の安楽椅子探偵を使うところがさすが。『ブラジル蝶の謎』も出てきてニヤリ。
最後にそれぞれの作品を有栖川さんがどう読んだのか、その感想まで読めるのが嬉しい。
有栖川さんが楽しんで面白がっていて、それを読んでまた温かい気持ちになった。
最高な企画。またこんな企画があったら嬉しい。ここに出てきた未読の作品も読みたくなった。
表示されていない作品があります
セーフサーチが「中・強」になっているため、一部の作品が表示されていません。お探しの作品がない場合は、セーフサーチをOFFに変更してください。