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Posted by ブクログ
ネタバレ以前町田そのこさんの作品で読んだことがある、「宙ごはん」が家族についてのストーリーだったので、それに似たようなものを最初感じたが、全く違ったものだった。
主人公のキナコの壮絶な過去は、最初の村中へのビンタからの始まりから想像し難いほど、絡まりあって深いものがあったことがとても印象的。
縛られていた両親から離れて、そのままハッピーエンドかと思いきや、そうはいかないのが現実なんだと感じることができた。正直、キナコの過去に関しては美晴がいなければ読み進められなかったと思う。
もちろん不倫は断じて許されるものではないが、アンさんによる手紙や噂を広めたシーンでは、主税の行動力による心強さに頼ってしまい、 -
Posted by ブクログ
ネタバレ震災時の朝鮮人虐殺事件は、風化し忘れ去れろうとしているし、今も多くの人にとっては、忘れたいのだろう。日本人がいかに愚かな民族であることの証明でもあるのだから、歴史の改竄の厭わない政党も出てきている。
「日本人一般が日常の教養において如何に浅薄だることを暴露した」「人種的偏見というものは、人が自覚するよりももっと深い所に根を持っていて、想像以上に凶暴なものだ」
遠い過去の話ではなく、今やSNS、フィルターバブルを起点として、民衆の日常思考の劇症的な毒性化が至る所で起きている。煽る参政党。
教養が敗北し、民主主義が崩壊しつつある。
多くの人に、読んでもらいたい。 -
Posted by ブクログ
4時間ひたすらページをめくった。詩を綴ることで、自分を保ち、解き放ち、戦い、守ろうとするシオマラの言葉が纏っている力に圧倒され続けた。厳格で信心深いクリスチャンの母は、もはや恐怖をおぼえるモンスターのような存在だったが、シオマラは最後まで屈せずに自分を捨てなかった。
大人たちに抑圧され、誰にも言えない悩みを抱えながら、人知れず必死に生きている中高生にずどんと力強く響くような作品なんじゃないかな。言葉にするのは憚られる本音も、大人が語ろうとしないことも、シオマラはときにストレートに、ときに婉曲にこの本に綴る。だから心がえぐられる感覚にもなるし、心の奥底にゆっくりと降りていっているような感覚にも