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世界第2の高峰K2に日本人女性として初めて登頂した小松由佳。標高8200メートルでビバークを余儀なくされた小松は、命からがら下山し、自分が大きな時間の流れの中で生かされているにすぎないと知る。シリア沙漠で出会った半遊牧民の男性、ラドワンと恋に落ち、やがて彼の大家族の一員として受け入れられる。平和だったシリアにも「アラブの春」の波は訪れ、百頭のラクダと共に長閑に暮らしていた一家も、否応なく内戦に巻き込まれていく。徴兵により政府軍兵士となったラドワンだが、同胞に銃は向けられないと軍を脱走し、難民となる。しかし安全を手にしたはずのヨルダンで、難民としての境遇に悩み、再び戦場であるシリアに自らの生きる意味を求めようとする。二人の目を通し、戦場を内側から描いたノンフィクション。
...続きを読むPosted by ブクログ 2022年06月17日
世界第2位の高峰K2(標高8,611メートル)に日本人女性として初登頂、その後写真家となり、シリア人と結婚した小松さん。
夫やその家族との出会い、シリアでの暮らしやアラブ文化、価値観・習慣の違いなど描かれてている。もっとシリアやアラブの事を知りたくなった。
「当たり前の日常にこそ人の暮らしの本質があ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年10月21日
10年ほど前のことですが
「アフリカ」方面をお得意とする
旅行会社に勤める友達と語ることがあった
ー
いゃあ 最近の「一人旅」は
断然 女性ですね
荷物一つを背負って
世界の辺境へ旅に出て
面白かったぁ
と 話してくれるのは
今や女性、しかも20代の若い人
いゃあ
いま 世界を股にかけているのは
女...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年08月31日
すばらしい本だった。
おそらく泣き喚きたくなったであろうことも含め、感情的になりすぎず、ただそこに居合わせた観察者としてまっすぐにシリアを綴っている。作者が何かを分析したり価値づけたりすることがなく、自分の存在の小ささを知る者の謙虚さがにじみ出ている気がした。一方で、その小さな人間一人ひとりが悠久か...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年03月08日
まず著者がすごい人。K2登頂だけでもすごいのに、その後の生き方がまたすごい。というか、たまたまシリアに縁ができ、今の夫、夫の家族との付き合いが始まったところにシリアの内戦が始まり、シリアの人々の苦難に沿うことになった。
どう解決するのか、いつ解決するのか、全く見通しが立たない。
遊牧民の大家族の幸せ...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年01月06日
シリア人と結婚した日本人女性の著者が、フォトグラファーとして、またイスラム教に改宗した妻として、シリアの生活や文化、内戦の状況、人々の様子等の体験を記録したノンフィクション作品です。
共生の為には、価値観の異なる相手のことを理解し、認め、尊重することが大切なんだと思いました。
それは、シリアと日本...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年03月28日
小松由佳(1982年~)氏は、秋田市生まれ、高校時代に競技登山に打ち込み、国体やインターハイに出場。東海大学山岳部では海外遠征も行い、卒業後の2006年に同大学山岳部による世界第2の高峰K2登山隊に参加し、登頂に成功する(女性としては、日本で初、世界で8人目)。植村直己冒険賞受賞。秋田県県民栄誉章受...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年06月23日
シリアの内戦は2011年に始まり現在も続き、泥沼化している。
反政府勢力の戦死・犠牲者数は50万人、難民は400万人以上、国内避難民は760万人とも言われている。アサド大統領の政府勢力はロシアの支援を受けている。反政府勢力は、現在では欧米諸国に支持されていたが、一時はISやクルド人勢力が内戦に参加し...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年11月27日
砂漠といえば、同じ景色が果てしなく続き、どちらかというと「死」のイメージが強かったけど、砂漠と共にある人々の営みや、砂漠が場所によって砂の特性などが違うことを知り感動した。
その豊かな日常が、悪化する圧政、ISの台頭に寄ってどんどん壊されていく様子は、生々しく恐ろしい。
すみ慣れた土地、築いてきた生...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月24日
K2登頂から、シリアの砂漠地帯で生活を営むベドウィンの生活の様子、それから起きたシリア内戦の様子やまたその渦中の人々、そしてベドウィンの旦那さんとの結婚までの筆者のストーリーと彼女が経験したことがつづられていた。
この本を読んで筆者の小松由佳さんは本当にタフな人だなあと思った。自ら危険と隣り合わせ...続きを読む
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