無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
世界第2の高峰K2に日本人女性として初めて登頂した小松由佳。標高8200メートルでビバークを余儀なくされた小松は、命からがら下山し、自分が大きな時間の流れの中で生かされているにすぎないと知る。シリア沙漠で出会った半遊牧民の男性、ラドワンと恋に落ち、やがて彼の大家族の一員として受け入れられる。平和だったシリアにも「アラブの春」の波は訪れ、百頭のラクダと共に長閑に暮らしていた一家も、否応なく内戦に巻き込まれていく。徴兵により政府軍兵士となったラドワンだが、同胞に銃は向けられないと軍を脱走し、難民となる。しかし安全を手にしたはずのヨルダンで、難民としての境遇に悩み、再び戦場であるシリアに自らの生きる意味を求めようとする。二人の目を通し、戦場を内側から描いたノンフィクション。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
この本は冒険研究所書店の荻田さんに選書して頂いた中の一冊でした
選書でなくては出会えない本でしたね
本当にありがとうございました
最初は、シリアの内戦等はニュースで耳にする程度で何も知らなかったし、興味が無かったので、果たしてこの本最後まで読み切れるだろうか?と不安だったのですが、世界で最も困難な山K2に日本人女性初登頂した話の冒頭スタートして一気に引き込まれました
しかしネパールの登山とシリアの話にどう繋ごって行くのかというのも疑問だったのですが、小松さんのジャーナリスト精神と地球に生きたいという気持ちがシリアに向かわせ、決して最初から内戦や政治について取り上げたいと思っていた訳では無かったので、シリアに興味の無い私も小松さんの行動に興味をもちどんどん引き込まれました
そしてシリアの現実がどんなに理不尽で酷いもの知る事ができました
警察が市民の為に働かず、例えば盗難があれば本人同士で解決するか警察に言うなら賄賂が必要だと、、、そんな国って現実にあるんだ
日本に、住んでいるから平和ボケという状態なんだろうけど、平和な日本が異常なのかシリアが異常なのか読んでいたら分からなくなってきた
こちらは2020年の本、この続きとして2025年に【シリアの家族】が発売されているので、早く買って読みたいです
そしてつくづく人種の壁、宗教の壁は高く、分かり合えないもんだな
移民受け入れ断固拒否!!!と思った
Posted by ブクログ
とても登頂の難しいK2から帰還したあと、ヒマラヤのシスパーレ登頂を中断してから、作者は写真家として人々の生活を撮るようになった。シリアのオアシス、パルミラには度々足を運び、未来の夫となるラドワンと知りあう。
アブドゥルラティーフ一家は父と母と16人の子供たちとその子供たちによって構成され、家を建て増し、隣にも家を作って、日々ラクダを放牧したり、乳を絞ったり、料理し洗濯し掃除し、さまざまな日常の会話や噂話などをして平和に過ごしている。しかしそこに内戦が起こる。
シリアはオスマン帝国から第一次大戦後にフランス領になった。一応独立したものの、クーデターや軍事政権などの時代を経て、ろくな民主主義を身につけないまま、内戦になってしまったので、目指す民主主義のあり方がみつからないのだ。反政府軍にISも加わり、虐殺まで至る所で行われている。人々は難民となり、トルコや隣国のヨルダンなどに逃げまどっている。
Posted by ブクログ
K2を日本人女性として初登頂した著者による半生の物語。
主にシリアでの取材体験から始まり、その後に勃発するシリア内戦で苦しむ家族とのやりとりや難民の生活の記述が進んでいく。
著者の感性や文章力は素晴らしく、とても頭が良く行動力のある方なのだとわかる。
国際結婚で深まる文化の違い、それをいかにして乗り越えるか、経済的には恵まれていなくとも精神的には豊かに暮らしていたシリア内戦前のアブドュルラティーフ家族、内戦で多くのものを失っても強く生きようとするシリア難民、日本は相対的に経済的には恵まれているが本当に日本人は豊かなのか、多くのことを考えさせられた。
自分の知らない暖かな生活が簡単に破壊されるのだということ、文化の違いをいかに尊重するか、何が本当に幸せにつながるのか、新たな視点や価値観を学ぶことのできる良書だった。
Posted by ブクログ
10年ほど前のことですが
「アフリカ」方面をお得意とする
旅行会社に勤める友達と語ることがあった
ー
いゃあ 最近の「一人旅」は
断然 女性ですね
荷物一つを背負って
世界の辺境へ旅に出て
面白かったぁ
と 話してくれるのは
今や女性、しかも20代の若い人
いゃあ
いま 世界を股にかけているのは
女性です
という言葉を
思い起こしました
小松由香さんが
そうであったかどうかは わかりません
でも
その実行力、思考力、能動性
そして卓越した問題解決能力
には脱帽です
小松由香さんのような方を
ほんとうの国際人と
言うのでしょう
気持ちがいつも
外に開かれている人は
やはり
素晴らしい
Posted by ブクログ
すばらしい本だった。
おそらく泣き喚きたくなったであろうことも含め、感情的になりすぎず、ただそこに居合わせた観察者としてまっすぐにシリアを綴っている。作者が何かを分析したり価値づけたりすることがなく、自分の存在の小ささを知る者の謙虚さがにじみ出ている気がした。一方で、その小さな人間一人ひとりが悠久から脈々と受け継いできた大きなものの存在についても語られる。
シリアの砂漠を愛する人たちの姿が目に浮かび、会ったこともない人たちを愛おしく思った。またISISが地元の人たちにとってどんな存在であったかなど、よく伝わってきた。そして、動乱が内戦ではなく革命と呼ばれることなどを、今ミャンマーで同じ言葉を耳にする者として、衝撃をもって読んだ。
Posted by ブクログ
まず著者がすごい人。K2登頂だけでもすごいのに、その後の生き方がまたすごい。というか、たまたまシリアに縁ができ、今の夫、夫の家族との付き合いが始まったところにシリアの内戦が始まり、シリアの人々の苦難に沿うことになった。
どう解決するのか、いつ解決するのか、全く見通しが立たない。
遊牧民の大家族の幸せな暮らしが一変してしまったのがとても辛い。
シリア人の一族を通して、シリアの人々のことを考えさせてもらったことに感謝する。今後の家族のこともとても気になる。ものすごく逞しく生きていらっしゃるが、逞しくならなければ生きていけないということでもあるだろう。
何かできることがあるはずだが、とりあえず今はシリア内戦について、シリア難民について関心を持ち続けよう。
コロナ禍で、どの国も自分の国のことを考えるのが精一杯という中で、難民でいるということはどれほどの絶望だろう。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。