Posted by ブクログ
2021年09月24日
K2登頂から、シリアの砂漠地帯で生活を営むベドウィンの生活の様子、それから起きたシリア内戦の様子やまたその渦中の人々、そしてベドウィンの旦那さんとの結婚までの筆者のストーリーと彼女が経験したことがつづられていた。
この本を読んで筆者の小松由佳さんは本当にタフな人だなあと思った。自ら危険と隣り合わせ...続きを読むの環境(K2登山やシリア内戦下での取材)に入っていけることがすごいと思った。なかなか普通の人が経験できないこと本を通して知ることができてよかったと思う。特にシリア内戦の悲惨さ、またそれに翻弄される人々の悲しみや絶望の気持ちをより自分と近くに感じることができたと思う。
やはりこのような戦争の状況をなるべく自分と近く感じて、戦争を起こしてしまわないように、日々学び、人間性を磨いていかなくてはと思った。
私は普段イスラム教徒の人と関わることが多く、由佳さんが書かれていたことと似たような場面に遭遇したことがあった。例えば、自分の宗教観を明確に相手に語ることや伝えることができないことや、イスラムの正しさを主張し、ほかの宗教を否定する人の主張を聞いて、もやもやすることがあった。
海外の人と接すると、宗教観について考えさせられることは避けて通れないことだと思う。またそのトピックを海外の人と共有する場面も出てくると思う。その時に自分の宗教観やアイデンティティを相手に伝えられる人てありたい。それでいてこそ海外の人と対等な立場で話し合えると思うし、常に自分の軸を持って様々な場面に対応していくことができると思う。由佳さんがイスラムに対して彼女自身が持っていた違和感や疑問を率直にベドウィンのお父さんに打ち明けていた場面があった。彼女のように、自分の相手に関するもやもやした思いも怖がらず、伝えることも大切だと持った(相手を傷づけることはよくないが)。こうやってお互いに聞きあって話し合っていってより相手のことを理解していこうと努めていこうと思った。
パルミラのベドウィンの家族みたいに、自分たちの生活の営み方や生き方に誇りを持ち、満ちた心をもっていることは本当に素敵なことだと思った。
私も、今いるところに感謝し、その時にできることをやって、その生活の中から、自分が満たされることを探していくのも幸せになれるかなと持った。どんな時でも幸せを見つけられる人になれたらそれは素敵だなぁ。
人間の「自由」は本当に重要なものなんだ改めて考えさせられた。ラドワンが難民キャンプで最低限の生活と、安全を手に入れても、そこを離れ、またシリアへ向かい、そこで戦争で貢献する選択を自らするように、自分で考え自ら選択し、決定する自由と権利があることは尊いことだ。