川内有緒のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まだ学生だった時に川内有緒さんの「パリの国連で夢を食う。」を読んだことがあった。ノンフィクション分野の「国連の仕事話」がこんなに興味深いなんて(´゚д゚`)って刺さったのを覚えている。そこからしばらくの間に、「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」や「ロッコクキッチン」などフットワークの軽さはそのままにライター活動しつつ、映像制作したり、娘さんが生まれて母親になり、恵比寿にはギャラリー山小屋(?)を営んだり、この人を表す肩書きはどんどん増えていた。
『立つ鳥あとを濁さずの真逆もいいものだ。それは最後の最後まで往生際悪く羽をばたつかせ続けたかっこいい人生。そうして人生を未完成なままにしておくことで、残された者たちは、閉じなかった生の痕跡を発見し、もう会えない、触れることができないその人と共に生きていく手がかりを握りしめるのである。-第六章 未完成な人生に花束を-』
色んな媒体へばらばら寄稿になっていた部分が1つにまとまったエッセイ本。代表作にもなった、ノンフィクション本大賞も受賞の「目の見えない白鳥さんとアートを見に行く」の最終章執筆中の様子もあり、エレベーターのボタンの話は幼少期、比較的最近に親が他界したことで感じた死生観など、雑多に混ざっていた。ちょっとずつ読んでいくほうがよいと思う。
2026.4 -
Posted by ブクログ
こちら、本のタイトルから小説かと思ったら、エッセイだった。
本のタイトルはエッセイの一つからとってる。
こういうことをされたら急いでる人には迷惑、、、いたずらな人がいるもんだ。
さらに読み進むと、著者が「目の見えない白鳥さんとアートを見にいく」を書いた人、
とわかる。
道理でなんだか肩の凝らない、読みやすいエッセイだったわけだ。
白鳥さんとの急な韓国旅、高齢出産への挑戦、京都で彗星を見るツアー、、、
安心して読めました。
第一章 コスタリカのバスのなかで
夢見る島のハンモック
精霊たちのしわざ
走れ! シエラ・タラウマラ
第二章 エレベーターのボタンを全部押さないでください
ブックス海があった頃
二匹の猫
第三章 レモンを置きに京都まで
ただ本屋に寄っただけ
向田邦子を追いかけて
太陽の塔と危険な読書
第四章 午前四時の試写室から
天国よりも奇妙な場所
女にも名前はある
初めての家出記念日
第五章 声枯れるまで叫ぼう
深夜の奇妙な演奏会
画面の中の孤島
ママ、パスポートはどこ?
冒険家になる人生とならない人生
第六章 未完成な人生に花束を
曇り空の流星観測会
心臓の音を保存する島
アイラブユーと言われたい
荒れた海で愛を叫ぶ -
Posted by ブクログ
食べるということは命に直結すること
この当たり前なのだが日常に埋もれてしまうこと
その「食事」を通して、また出来事の間を繋ぐものとして書かれている。
食べ物が出てくるとほっとする。
どんなに内容がハードでも、「味噌汁」とかでてくると気が抜ける。
なんだろうこれ。
食事にはアイデンティティの確認という要素もあるだろう。
しかし、チャイの話には突っ込まずにはいられなかった。そういうこともあるんだ、と。
読み進めて気づく、だから「食事」なんだと。
川内有緒さん。
ノンフィクション作家として、日常に起きるすぐ隣の出来事を書いてくれる。
その視点がありがたい。
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Posted by ブクログ
ネタバレ2年前にタイトルに惹かれて借りたけど、忙しさもありなかなか読み切れず3回くらい借りた。今回は改めて最初から読み直す。
いかにアートを正確に伝えるかではなく、白鳥さんは各自いろいろな受けとめ方をしているその場の様子を一緒にいて楽しんでいる、ということだった。
作中の白鳥さんの言葉がいくつかささった。
・「差別や優生思想はダメだ」っていうのではなく、「少なからず自分の中にもある」と気づくこと。この2つは切り離して考えないといけない。どんな人にも優生思想はあるのでは。
・「できる」という能力ばかりに人間の価値を置いて来たことが、人間社会にひずみをもたらしている。が、「できる」人も「できない人」も「バックする人」も、いていいんだ。常識や「するべき」論を他者や社会全体へむけると、差別や分断、生きづらさに変わる。そこに気づくと視野が広がる。