川内有緒のレビュー一覧

  • ロッコク・キッチン

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    仕事になるかならないかまだわからないような段階だったけど、福島の復興に関する仕事をすることになるかもしれなかったので、実際に浜通りに行ってみた。
    この本は、その浜通りエリアをタテに走る国道6号線こと、ロッコクを舞台に、今浜通りに住む人が何を食べているのかを取材した本だ。
    読み終わって、明るいとも暗いともちがう、強いて何か言葉を当てはめるなら切ない、というような気持ちになっている。
    実際にみた光景もいくつか描かれていて、そこの空気感もなんとなく想像できて、余計に胸に迫る。色々な想いを抱えた人が当たり前に存在していて、何かを一つに決めきれないことの難しさを、そして決め切らないでいいと、それをゆった

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    2025年12月14日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    前評判はあまり読まず、装丁だけでホラーとすら思っていた。

    初めて行くキャンプ地で、この本を読む。

    何という巡り合わせなのだろう。
    旅であり日常であり行動力の賜物である筆者。
    思ったことをどんどんやってみるバイタイリティ。
    あぁこんな風に歳をとっていきたい。
    今自分の人生を生きているか、問うてくれる。

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    2025年11月29日
  • わたしの名店

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    これはいいものを読ませていただきました!
    読んでいて幸せになれる本。

    やっぱりおいしい食べ物にまつわるエッセイが大好き。
    28人の著名人が実在する名店の思い入れのあるメニューを紹介してくれていて、すべての作品からその食べ物への愛が感じられて最高でした。

    初めて読む作家さんも何名かいらっしゃって、この方の文章好きだな、他の作品も読みたいなと思える作家さんに出会えるのがアンソロジーの好きなところです。

    同じくポプラ文庫さんから出版されている
    『3時のおやつ』も読みたくなりました!

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    2025年11月23日
  • 空をゆく巨人

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    現代美術のスーパースターである蔡國強は駆け出しの頃に福島のいわきに住んでいたので、現在もいわきと交流がある…という一般的な説明では全く不十分で、両者の関係は想像以上に密接だった。世界的アーティストになってさえ蔡はいわきの人々のサポートを求め、やがていわきの人々もまた、震災を乗り越えるために蔡の想像を超えた万本桜プロジェクトというアート活動を始めた。単純な地域交流ではなく、互いに切磋琢磨する盟友同士と呼ぶべきかもしれない。
    大人物の器に素朴な人柄を込めた蔡國強と、現実世界の困難を器用に解決する才に恵まれた志賀忠重。人を感動させる行為そのものがアートならば、これほどアートの神様に愛された人はなかな

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    2025年11月08日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    自分とは違う誰かの日常のはずなのにその中に自分と似た何かがあったり、新しい世界や気づきを与えてくれたり…
    そんなエッセイが大好きです
    川内さんのエッセイはまさにそんな作品
    楽しくておかしくて、そしてほろ苦い
    癖になります

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    2025年11月07日
  • 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

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    (まだ途中)
    【本文より】
    ・その日、そのときにしか出せない言葉というものがある。
    (中略)飲み込んでしまった数々の言葉を、胸の奥にある引き出しにしまい込みながら生きるしかない。でもこうして旧友に話したことでほんの数グラムだけ引き出しが軽くなった気がした。

    ・いつだって作品を見にいった先には新たな発見があり、人間同士の出会いがあり、一緒に過ごした時間の手触りはお互いの中に残っていく。

    ・「優生思想を考えるうえで、いま障害があるひとに対してどう接するのかという『差別』の問題と、それ以前に生まれてくる障害者を減らそうという優生思想的な考え方、そのふたつは切り離して考えないといけないと思うんだよ

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    2025年11月04日
  • パリでメシを食う。

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    パリで暮らす10人の日本人の話。それぞれの人の写真が良くて誰が撮ってるのかなーと思ったら、あとがきを読んで納得!

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    2025年10月19日
  • パリの国連で夢を食う。

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    エッセイであることを忘れてしまうぐらい物語性があって面白かったです。
    あまりにも自分とは違う環境の話なのに、すらすらと読めてしまいました。

    日本人目線で、パリの魅力的なところも不便なところも書かれていて勉強になるし、国連という、国としての偏りがない立場からの文化や習慣の捉え方のようなものについても考えさせられるものがありました。

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    2025年10月13日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    川内さんの行動力が並外れてすごいから、周りの人たちの行動力も影響を受けるのか
    周りの人たちの行動力がすごいから、川内さんもそれに影響されたのか
    それくらい、川内さんやその周りの人たちが主体的に自分の人生を生きている感が伝わってくるエッセイでした。

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    2025年10月11日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    タイトルに惹かれて手に取った。
    なんだろう、ちょっと違う視点で物事を見ているというか、シャッターを切るタイミングがすごくいいというか。

    まえがきにも書かれているが、エッセイというのはおもしろい。このエッセイ集は、書かれた時も場所も内容も違うけれど、全て川内さんの人生で、全編に通底するパターンがあって、それはフラクタルなのだと。こういう視点もおもしろいーと思う。

    イザベル・アジェンデの『精霊たちの家』の原稿を知人から託され出版社に持ち込んだ教授の話とか、教習所の話とか…

    『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』を書いた方でした。

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    2025年10月07日
  • 空をゆく巨人

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    最初は懐疑的にページをめくり、最後には胸熱で少し涙が滲んで本を閉じた。
    自分がいかに強欲に生きているか身に染みた。
    今日は今日の分だけ慈しむように生きている人々の話。
    「明日のことを思い悩むな野の百合のように生きよ」という聖書の一句を思い出した。

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    2025年10月05日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    エネルギッシュな人に憧れがあります。
    チャレンジ精神が旺盛で、良い意味で我が道を行ける人。

    「新しい海に無計画にダイブする癖がある」という著者の川内有緒さん。
    仕事も日常の生活も、自分ならではの生き様を追い求めている。
    そんな姿勢が伺えて、最高に魅力的でした。
    彼女の緩さとストイックさのバランス、すっごくいいなぁ。

    第一章の「コスタリカのバスのなかで」から、私の好奇心は煽られっぱなし。
    私の全然知らない国、全然知らない人たちの「マジーー?!」と思うような日常のひとコマひとコマが読んでて楽しかった。
    印象に残った話はいくつかあるけど、今の私にちょっと響いて、好きだと感じたのが「真夜中の演奏会

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    2025年09月13日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    色鮮やかな日常が保存されてた。
    最後の章は、少し苦しくなるものも多かったけれど、「未完成な人生」という考え方は新鮮でホッとする部分もあった。
    いつの間にか時間は過ぎていって、この一瞬が二度と訪れないと思うととても怖くなる。こんなふうに人との出会いや大切な人との思い出をもう少し意識して自分なりに保存したいと思った。

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    2025年09月07日
  • パリの国連で夢を食う。

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    素敵な方だなぁ

    この方が優秀なのはもちろんなんだけど、
    この本に出てくるひとはみな、自分で決めて、自分で切り拓いた人生を生きていて、そこが飛びきり眩しかった そして、当たり前なんだけど世界は多様性に富んでいて面白い

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    2025年09月04日
  • 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

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    ネタバレ

    目が見えないのにアートは見えるのか?この疑問も差別発言かもしれない。
    このエッセイは現実に今を切り取って目が見えなくても目が見えても楽しく今を生きてる人々のお話でした。
    見えていたものは脳が勝手に解釈した幻かもしれない
    楽しく過ごせるかは目が見えていても見えなくても人による
    楽しんだもん勝ちだ

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    2025年08月25日
  • 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

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    めっちゃ面白かった!全盲の人と美術鑑賞というイベント的な楽しみ(普段見るよりディテールに関心がいき、深く作品を捉えることができるとか。)をより超えて、時間や存在への哲学的な問いへ、他者への眼差し(それはイコール自分への眼差し)へと広がっていく。見えるとか、見えないとかを超えて(いろんなものを越境することで)見えてくるものを、芸術作品と絡めながら、個人的、普遍的な解釈へと至る過程を熱量を持って見せてくれる。白鳥さんはもちろん、登場する友人たちもみな素敵。
    やっぱ芸術ええよなぁ。美術館へ行きたくなった。

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    2025年08月14日
  • 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

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    目が見えなくてどうアートを見るんだろうと興味を惹かれて読んだ。
    この本は、アート鑑賞を導入にした哲学書だと私は思う。

    白鳥さんとのやり取りをきっかけに
    ・アートをみるとは?
    ・障害を持つとは?
    ・優生思想
    など、著者の川内有緒さんが考えたこと・気付きが書かれていて、通常の思考の下にある自身の価値観を揺さぶられた。

    読みながら考えることが多くて、ゆっくりじっくり読んだ。

    痺れたのは「誰かの立場になって想像したとしても、ほかの誰かの人生や感覚まで体験することは決してできない」というフレーズ。

    エンパシーが大切だというのは広く知られるようになってきているが、その前提としてこの知識が大切だと感

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    2025年08月11日
  • 自由の丘に、小屋をつくる

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    筆者の本、白鳥さんに続いて二冊目。自分たちの手で、小屋を作ろうというプロジェクト(?)のもと、全くの素人だった筆者夫婦が、友人達の手をかりながら、小屋を完成させていくお話。どうしてこう、困ったときに救世主のように、ある種の力を持った友人が現れるのだろう。筆者のこれまでの素敵な生き方が透けて見えるようだ。もちろん、そんな簡単な話ではなく、トラブルもあり、大変な道のりなのだけど、いつも作業のそばにはお嬢さんのナナちゃんがいて、このエピソードもとてもかわいい。そして332頁のナナちゃんへの愛のメッセージに、なぜか涙があふれてしまった。強烈にうらやましいぞ。子育ては、結局自分の生き様の先にしかないのだ

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    2025年07月27日
  • パリでメシを食う。

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    ずっと読んでみたくてやっと読めた本

    パリに住んでるとか関係なく素敵な人たちだなと思いつつ、でもおそらくパリの土地に合うからこそ輝ける人たちなのだろうなと感じました。

    個人的には、この本を読んでいる途中で新聞を読んでいると、気になっていたエツツの絵がエッセイ欄の挿絵として掲載されているのを発見!
    とっても素敵な絵でした。

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    2025年07月27日
  • エレベーターのボタンを全部押さないでください

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    大好きな川内有緒さんの本。
    川内有緒さんのレンズを通してみる世界のおもしろさと、人生の思い出というか豊かさを与えてくれるひとに囲まれてるその交友関係といい、いつ文章を読んでも惹かれるなと。
    西荻とか中央線沿い、『急に具合が悪くなる』、不妊治療について、などなど、タイムリーに親近感のあることに触れてるところもまたキュンとしてしまうポイント。
    普段はあんまり本を2周することがないけどこの本は線を入れたり付箋を貼ったり、別のノートに心に響いた文章を写したりと内省のためにしっかり読み直したいなと思った!

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    2025年07月24日