川内有緒のレビュー一覧
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東日本大震災で大きな被害を受けた「国道6号線」、いやゆる浜通り沿いの町々で、人は何を食べて暮らしているのか。
話を聞き、映像に残していったそう。
映画にもなっている。
「避難っていうのは、自分のアイデンティティから強制的に離れてしまうことだと思うんです。でも、多くの人が、土地を離れたあとも、なんらかの方法で自分のアイデンティティを大切にしてきた。それを知って、なんというか、感動しました」というインドから来て双葉町で暮らすスワスティカさん。
大熊町で、小学校の特別聴講生として学び、手紙を書き続けている中国出身の大竹さん。
大熊町で「読書屋 息つぎ」という本屋を営む武内さん。
などなどなど。
「人類が光を求め続けた先にあったのが、この暗闇の地だ。」
「闇が深い分、小さな光でも見える。遠くの星を見るためには、私たちは灯りを消さなければならない」
私たちは、震災や戦争やジェノサイドにあっている人たちを見て、悶えているばかりだ。
「悶えてなりとも加勢(かせ)せんば」(石牟礼道子) -
Posted by ブクログ
川内さんのドキュメンタリーはやっぱりすごい。
取材の視点、情報量、そして川内さん自身がその中に入り込むからこそ描けるタッチがあると思う。
客観的で「結論ありき」の文章と全く違うことを読みながら噛みしめることができる。
川内さん自身は福島県いわき市にもゆかりがあり、土地勘があることもそれを増幅させているかもしれない。
川内さんの福島県浜通りをベースにした著書や記事をいくつか拝読したが、いつもそう思う。
ここに描かれているのは、中国人の天才アーティストである蔡國強の成功物語じゃない、
いわき市の実業家、志賀忠重さんの人生ストーリーでもない
アートとはアーティストが創るものではなく関わる全ての人がいることで成立することがあると、強烈に印象付けられた物語だ。
本書の中で一番印象的な言葉
「人生に必要なのは希望と夢」
登場人物は誰が言わなくても、そこに心が寄ってくる
無償の精神でやり遂げることだけに気持ちを前へ向けてくる
読み終えて「なんて気持ちのいい人たちだんだろう」と感じた
そんな人たちが実際にいわきに居ると思うと、自分自身にも勇気が湧いてくる
そんな爽やかさだった。
来年はいわき(志賀さん)の万本桜を観に行ってみよう、もしかすると本当に飛行機からも見えるようになっているかもしれないですね。 -
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国立新美術館で購入。
私は美術館に対して、苦手意識のようなものがある。正直、どんな作品を見ても、「よくわからない」からなのかも。特に現代美術と呼ばれるものや、何かの造形みたいなものは本当によくわからない。
でも、目の見えない白鳥さんとアートを見に行くと、その「よくわからない」ものを説明しなければならなくて(←表現が誤っているかな?)、でも白鳥さんはその「よくわからない」説明を聞いて美術鑑賞を楽しんでいる。目が見えていようとなかろうと、この鑑賞の仕方は誰でもできるんじゃないかな?と思うし、楽しいだろうな、と思う。美術館は静かにするところ、というような傾向があるけども、そういう鑑賞のワークショップに参加すればできるんだ、と思うととても気になる。
自分の業界?会社?では、解説が科学的に正しいかどうかみたいなところが重要視されているけど、「なんかよくわからないけど、〜みたいなこういう形をしている」とかっていうことも、印象に残るし興味のないことに興味を持ってもらうきっかけになるのかも。
この本の途中途中に、著者の障害者に対する偏見に関する話も出てくるけど、誰の感覚にも当てはまるものだと思った。
「優しさや気遣いも、いきすぎてしまえば偏見や差別になる。」
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福島原発事故から14年
みんななに食べて、どう生きてるんだろう?
食べてるものから 今 どう生きてるか 考える本なんて いいなあ!
と思いました。
作者の有緒さんは ご主人と娘さんを置いて 福島に
取材に来ています。
なかなか子供を置いて しょっちゅう福島に行くのも 大変なんだろうなあ!
と思います。
このロッコク街道が取材の場所
最初は なんとインドの女の子
チャイを作ってくれました。
私は インドの人が いるなんて想像もしていませんでした。
東京電力と関連会社の人が多い
だから しっかり食べられる量の多いご飯を出すお店が多い
地元の人はまだ少ない
1人住まいで 大きなお家に住む渡辺さん
おばあさんです。
東京やカナダで暮らしていた。
一人暮らしをしていたお父さんが亡くなって帰ってきた。震災はその11年後
東京電力の副社長をしていて 震災後 福島に戻った人 原子力は大丈夫だと言ったので 住民の人たちに土下座した。
なんか読んでると
私は新潟に住んでいるので
最近 活動を始めた 柏崎原発は大丈夫なのかしら?
と思った。
おばあさんのうちの後に 本屋を作った若い男性
地元の人 外から来る人 外国の人
みんな文化の香りを運んでくる
みんなで 生きるエネルギーを作り出している。
乗り越えるエネルギーは素晴らしい
見上げる星空の美しさも素晴らしい
しっかりとご飯を食べて生きてってください。
いい街になりますように。 -
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p198 「一ここには100人いたら100人の経験や現実がある一
その通りだった。考えれば考えるほど、誰かと話せば話すほど、それが身に迫ってきた。ひとつにまとめることなんかできない。とほうもない
現実に打ちのめされそうになる。結局のところ、私が見てきたもの、記録してきたものは地域の縮図なんかではなく、あくまでもモザイクの断片に過ぎない。それもよくわかっている。
断片、断片、断片。
だとしても、ひとつひとつが、大切な断片である。」
テレビで、毎年3月11日にニュースで、「震災から13年が経って、どんな気持ちか教えて下さい」みたいなインタビューをするのを見るけれど、それだけでは決して見えてこない一人ひとりの生活が確かにあるんだということを思った。
マイクを向けられたインタビューより、何か食べながらお喋りする方が、気持ちが緩んだり、本音がポロっと漏れたりするよな…と思う。その点でこの本のテーマは良かったと思う。
それでも、ちょっと読んだくらいじゃやっぱり何もわからない。わからないんだということがわかっただけでもよかった。映画も観たいし、住民の方から集めたエッセイ集の方も読んでみたい。 -
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ネタバレ夢を見るためにハンモックで寝る海外の島や、『夢の家』と呼ばれる新潟県のお宿が興味深い。
しかも『夢の家』は古民家全体が夢を見るための巨大装置。そこで見た夢は芸術作品だと言う。凄い。それとホテルを作る夢を持ったおっちゃんの話を掛け合わせているのがまた、お洒落だなーと思いました。
遮るものがなければ風が無音なのも知らなかった。
人生経験、体験が豊富で読んでいて面白いし表現力も凄い。文章、感性も美しい。
アート作品や旅、何事にも、
知識は初めは入れず、自分の感情や驚きを一度体験する的なところが凄い良かった。年齢を重ねると知識をすぐ入れたくなる。初めは自分の目で見て感じること、初めに知識を知って見るとその自分の想像力が失われる、といったところ、なるほどなーと。
素敵な解釈がとても多かった本で癒される1冊でした。 -
Posted by ブクログ
毎日、大熊町と広野町を往復する。ロッコク(国道6号)を通っている。
この道で困ることは、食べるところがないことだ。2011年以前にはあったのだと思うが、現在はあまりにも食べるところがない。なぜか、コンビニばかりが目立つ。
テレビでも報道されたことがある、夜だけの本屋さん。その撮影が、実にいいなぁと思ったら、この本が、ネタ元なんだね。いい企画だ。
故郷を追われ、そして、故郷を想い、そして故郷に戻る。しかし、故郷は記憶の中でしかない。自分の故郷は、消されてしまった。そして、再び故郷をつくる。それを淡々と、ありのままに伝える。
故郷を、食で綴り、食の記憶を思い出しながら、おばあちゃんの味、母親の味、そして、自分の味につなげていく。
わずかな文章だけなのに、心に引っかかる言葉が、濃縮されて存在する。
2011年のことを風化させないというけれど、決して風化しない現実がある。
ロッコクには、物語が、通る人の数だけある。