川内有緒のレビュー一覧

  • 晴れたら空に骨まいて

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    本書はさまざま形で散骨をされた遺族の方のルポ。
    ご本人が望んで…というケースが多いけれど、全体通して残された方の気持ちの整理という意味合いが強いと感じた。

    身内を亡くした時、深い悲しみって消えないんだなと気付いた。
    日々の暮らしの中で、薄れたと思ってもちょっと奥に移動していただけで突然生々しい感じで襲ってくることがある。

    遺骨はお墓に納めて土に還すのがよいとお坊さんは言っていたけど、ちょっぴりいただいているのでいつか私も天気の良い日に故人の好きだった場所にサッと撒いてみたい。


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    2023年01月11日
  • 空をゆく巨人

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    夢を忘れない二人の男の物語。
    特に滋賀忠重という人の行動力に圧倒される。
    夢を見続けるには一歩踏み出す勇気が必要。
    でもまず自分を突き動かす夢の見かたを見つけるにはどうすればいいのか?
    小心者の私は戸惑う。

    蔡國強という偉大なアーティストを通して
    理解しがたかった現代アートの見方を教えてもらえる本でもある。

    二人の男性の話だけれど
    川内有緒さんも夢を忘れないもう一人の主人公。

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    2022年12月25日
  • 目の見えない白鳥さんとアートを見にいく

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    全盲の白鳥さんと出会ってからの著者の物語。

    自分と関わる人が、障害を持つ持たないに関わらず、誰かに関心をもち、その世界を知りたい、理解したいという気持ちで接していくことで、寛容さが育まれ、人生を豊かにしていくことにつながるのかなと思いました。

    また、時間を共有できる人がいることに幸せを感じる部分は白鳥さんと私の共通項のようです。

    2025.3追記
    この本をきっかけに大原美術館へ
    充実した時間を過ごせました

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    2025年03月11日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    川内有緒さんの文章って、自然体で、優しくて、どこか包み込むような印象を与えてくれる気がします。

    重い題だなと思いながら手には取ったものの、良い意味で先入観を打ち砕いてくれました。

    死者との向き合い方のあるべき論でも、ただ悲しみを書き連ねるでもなく、5組の家族の愛する人の死との向き合い方や、故人の生き様が優しい文章で綴れていました。

    別れは、避けては通れない道。

    頭では分かっていても、いざ対面するまで向き合い方を考えるのって難しいと思うんです。でも、この5組は、突然愛する人の死が差し迫った時、誰に聞くでも相談するでもなく、自然とそれぞれのやり方でベストを尽くして、それぞれの方法で弔ってい

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    2024年07月14日
  • 空をゆく巨人

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    この本を開いたとき、強烈な違和感があった。
    今まで川内有緒さんの書く文章は、川内有緒さん自身が体験したこと(とりわけ旅に関すること)しか読んだことがなかったからだ。
    その意味では、この本は初体験なのである。何しろ、そういう文章は「文庫版あとがき」にしか存在しない。

    その違和感故に、一度本を閉じてしまい、再び開くのに時間がかかってしまった。
    しかし、開いてみると、“なぜ閉じてしまったのだろう?”と思うほど、興味深く面白い内容だった。

    私自身は、アートにあまり興味はない。
    とりわけ現代美術となると“訳のわからないもの”という感がある。だから、蔡國強の名すら知らなかった。
    中国人の蔡國強と、いわ

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    2022年07月15日
  • 空をゆく巨人

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    国境を越えた友情と人生を力強く生きる人達の話。なんとなく生きているのが勿体無い、精一杯生きようとパワーを登場人物にもらえる。ニュースの中でしか見なかった原発問題についても、深く考えさせられた。
    川内有緒さんの作品は、人生って面白いんだな。素敵だなぁ。といつも再認識させてくれるので大好きです。

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    2022年02月18日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    散骨を選んだ5人の遺族・近しい人への
    インタビュー。
    私も散骨とつもりで、葬儀社から情報ももらっているので、同志のような気持ちで読み始めた。

    散骨に至るまでの人生がすごい。
    型にはまる人はいない。
    2016初版ながら、インタビューは00初頭から
    はじめられたそうなので、
    散骨は特別なものだったのかもしれない。

    それが今や、私のような平々凡々な人間も選択する。

    生死についての意識も変わってきているのだろう。

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    2022年01月22日
  • 空をゆく巨人

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    蔡さんと志賀さん、そして、いわきチームが紡ぎ出す友情と作品たち。
    「見える壁は壊し易いが、見えない壁を崩すのは難しい」
    彼らの挑戦は、そのような見えない壁に切られた繋がりを結び直そうとしているようだ。
    いわき また訪れたい。前とは違うふうに映るだろうな。

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    2022年01月16日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    著者と同じく、死んだら、、、、ということを時折考える。
    死を考えることは、生を考えることだと思ってるから。
    原真さんの話はちょっと圧倒されたなー

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    2021年05月24日
  • 空をゆく巨人

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    私の周りにはこのようなひとはいない。東京では皆人生がいっぱいいっぱいで人を批判的にしか見れない。この漢、志賀のような人に会っていない俺は不幸だ。

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    2021年02月07日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    故人の骨を撒いた人たちの話。
    私は死んだら骨を撒いてほしくて、この本を読んだ。
    でてくる人たちはみんな違う人生だけど、好きなことやって、生きぬいた人たちだなって思った。

    1.世界中を旅した夫の骨を、世界の様々な場所へ
    (パリのポンデザール、大連の海、アメリカの友人の墓etc)
    2.妻の骨を、20年共に過ごした南の島(ロタ島)の珊瑚の海へ
    3.旅先のチェコで客死した父の骨を、チェコへ
    4.山に行きた夫(本職は医者、原真さん)の骨を、ヒマラヤへ
    5.インドで共に暮らした人を、インドのチトラヴァティー川へ

    悔いのないように、好きなことをして生きようと改めて思った。
    死者は、自分の重なっていくとい

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    2020年09月11日
  • 晴れたら空に骨まいて

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    いろんな人生があるもんだなあとしみじみ思った。テーマが散骨だけに、読んでいて悲しくなる部分もあったが、それよりも死を受け入れて生きている人の生き様に感じるものがあった。

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    2020年05月23日
  • 空をゆく巨人

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    現代美術は好きだけど、蔡さんについて初めて知った。いわきとの繋がりを知り、いわきチームとの作成で作品が出来上がるくだりが、私も信じられる。

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    2020年02月29日
  • バウルの歌を探しに バングラデシュの喧噪に紛れ込んだ彷徨の記録

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    バングラデシュで言い伝えられている伝説の吟遊詩人・「バウル」を求めに旅に出た著者の話。

    記録もない。歴史的資料もほぼない。口伝で伝わる世界無形文化遺産であるバウルの歌。「本物のバウルの歌」を聞くためにバングラデシュの街から村、祭りや聖者廊をカメラマンの友人と、現地の仲間と旅をする。旅をする中で、バウルはただ歌い手なのではなく、その裏の哲学を伝える人であることに気づいていく。

    文面からバングラデシュの喧騒、香り、ほこりっぽさ、カレーの味などが事細かに伝わってくるリアルさに取り憑かれて、一気に読み進められた。「バウルはどんな人たちなの?」「なぜ子供を作らないの?」など色々な疑問をひとつずつ解決

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    2019年11月04日
  • 空をゆく巨人

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    スケールの大きい人たちの話だった。空間も時間も人間関係もお金も大きく広く捉えている。
    著者の川内さんも私は大きい人と思っているので、このお二人への取材はピッタリだった。
    最後の方は原発に話がいかないわけにはいかず、気持ちもそちらに引きずられた。


    "「一歩を踏み出したら、それが冒険なんでねえの?川内さんはもう冒険をしてんだよ」 " 12ページ

    "学芸員の平野は、そんな蔡の仕事の進め方をこう評している。

    蔡のプロジェクトは様々な矛盾と混乱を内部に保留
    したまま進行していく。それは一つ一つ整

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    2019年09月03日
  • 空をゆく巨人

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    二人の人物をおいながら、自然と二人がつながっていく流れがお見事です。知り合いの紹介で読んだのですが、読みやすく引き込まれました。
    知らなかった人の生きてきた過程を知ることができてよかったです。

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    2019年03月02日
  • 空をゆく巨人

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    アーティスト蔡國強といわきに生まれ育った志賀忠重というふたりの男性の人生とその友情を描いたノンフィクション作品。
    1人にフォーカスするのでなく、それぞれの人生とその交わりが描かれていたのが良かった。
    蔡國強がいわきでアートプロジェクトを実施するにあたって掲げたフレーズ「この土地で作品を育てる/ここから宇宙と対話する/ここの人々と一緒に時代の物語をつくる」は、彼にとってアートがどういうものかをよく表している。ふつうに生活をしている中で、宇宙と対話するというスケール感を持つことは難しいけれど、それを可能にするのがアートなのだと思う。ことばにできないことや、ことばになる前のなにかを、身体で感じ取るた

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    2019年02月22日
  • 空をゆく巨人

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    現代アートの本だと思ってたら、大場さんが出てきてビックリした。
    アーティストよりも強烈な志賀さんという人ほんとすごい。

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    2019年02月11日
  • 空をゆく巨人

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    蔡國強の個展を横浜で見た時の圧倒される迫力を思いながら読んだ.あの時の「夜桜」の背景にこのような物語があるとは,いわきの人々と芸術家の強い絆に感動した.そして何より素敵なのは志賀忠重さん.彼の存在感,人生哲学に脱帽である.

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    2019年02月09日
  • 空をゆく巨人

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    現代美術界のスーパースター・蔡國強さんと
    いわきの会社経営者・志賀忠重さんの三十年の交流を追った、ノンフィクション。
    蔡さんといえば、北京オリンピックの開会式では
    芸術監督として壮大なスケールの花火パフォーマンスを行なった方。
    あー、あの花火、素敵だったな。

    冒険家の大場満郎さん、いわき市民など
    この本に登場した人たちは、みなさん、すごいパワーを持っている。
    肩ひじ張らずに自然体だ。

    2011年、東日本大震災による
    福島第一原発の原子力事故。
    p276
    「福島はフクシマになった」

    山に桜を植える「いわき万本桜プロジェクト」
    p337
    志賀さんの言葉。
    「お客さんに来てもらうためではないん

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    2019年01月26日