あらすじ
散骨という葬送は、「スタイル」ではない。
死者とともに生きようとするときの大きな支えになり得る。
――平松洋子
愛する人を喪った人々がたどりついたそれぞれの自由な弔いの形とは――。セーヌ川、珊瑚の島、ヒマラヤへの散骨の旅、絶句するようなハプニング、そして新たな出会い。涙と笑いで彩る、「別れ」の先に生きる人々を深くユーモラスに描く爽快ノンフィクション。著者自身の体験を描いた文庫書下ろし新章収録。
注目の著者が描く「誰かがいない世界」の歩き方。
感情タグBEST3
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ずいぶん前に買って、置いておいた本。
ふっと立ち昇る死の匂いにつられて読み始めた。
散骨というスタイルは共通しているけれどそれぞれ異なる人生を送った人たちのお話。残された人の語り口が必ずしも重く暗いものではないことに少し驚き。
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『目の見えない白鳥さん〜』『パリでメシを食う。』に続き3作めの川内作品。
愛する人を散骨という形で送ることにした人たちのお話。
川内さんの書くさっぱりした文章が好きです。
パリの話を読んだときからすごい人だなと思ってたけれど、
今作の描き下ろしのお父さんの話を読んですこし納得しました。
悲しみのない世界は愛や喜びのない世界と同じ、て言葉がすーっと胸に入ってきました。
いつか自分の周りの大切な人を見送ることになったときに、またこの本を手に取りたいと思います。
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文庫本にしか載っていない著者のお話が載っていたので、また再度読み返す形になりました。何度読んでもココロ熱くなるお話ばかり。また、少し先に読んでみたいと思える本です。
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散骨をされた6つのものがたり。
「誰かが愛した誰かの話を聞き、その記憶を自分の中に取り込んだ時、世界と自分の境界は限りなく曖昧になる。そして、その無数の見知らぬ人々も、いつしか〈私〉になるのかもしれない。」
そして、川内さんを通したものがたりが自分の中に取り込まれた感覚になりました。
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私も散骨して欲しいな
自然に帰りたい
いつか散骨が主流になっちゃったりするんだろうか
でもみんなが散骨したら、それはそれで環境問題になったりするのかな
っていうか違法じゃないんだ!
など、色々なことが次々に思い浮かぶ本だった
死についての話なのに、なんだか清々しいのが不思議
著者のことは、もっと恵まれた環境の人だと思っていたので、借金の話が出てきて、驚いた
Posted by ブクログ
6つのドキュメンタリーに共通している散骨というテーマに惹かれて読みました。大事な人を失った痛みよりも、散骨に至るまでの当人、周囲の人生観に焦点が当てられていました。出てくる人、出てくる人、みんな良い意味で「規定外」。オーダーメイドの人生を貫いています。死よりも生き方について考えさせられました。
余命を宣告されたらどうしたいかという私の理想をそのままに実行された方( ロタ島に住む日本人夫婦の奥さん)の話は、「出来た方がいるなら私も出来るかも」と励みになりました。
インドで暮らすちょっと変わった上野さんや、ストイックな登山家とその奥さんが印象深かったです。
初めに刊行されたものに新たに加えたという書き下ろしの章は、個人的な家族の思い出感が強くて、無くても良かったかな〜。
ジョン・アーヴィングの本、今度読んでみよう。
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ゆっくりゆっくりと読み進めました。
書店員さんからオススメされた一冊。
正直、凄く惹かれて決めた本ではありませんでした。でも、自ら手に取ることはないだろうと思われるジャンルだったので、勧められるがまま手元に招きました。
とても良かったです。
「散骨」や「弔い」という言葉から連想するような悲壮感や重々しさはあまりなく、むしろ清々しさや前向きさを感じるところもありました。
私は、人に会いたくなりました。
今、この世界で会える人たちに。
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本書はさまざま形で散骨をされた遺族の方のルポ。
ご本人が望んで…というケースが多いけれど、全体通して残された方の気持ちの整理という意味合いが強いと感じた。
身内を亡くした時、深い悲しみって消えないんだなと気付いた。
日々の暮らしの中で、薄れたと思ってもちょっと奥に移動していただけで突然生々しい感じで襲ってくることがある。
遺骨はお墓に納めて土に還すのがよいとお坊さんは言っていたけど、ちょっぴりいただいているのでいつか私も天気の良い日に故人の好きだった場所にサッと撒いてみたい。
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川内有緒さんの文章って、自然体で、優しくて、どこか包み込むような印象を与えてくれる気がします。
重い題だなと思いながら手には取ったものの、良い意味で先入観を打ち砕いてくれました。
死者との向き合い方のあるべき論でも、ただ悲しみを書き連ねるでもなく、5組の家族の愛する人の死との向き合い方や、故人の生き様が優しい文章で綴れていました。
別れは、避けては通れない道。
頭では分かっていても、いざ対面するまで向き合い方を考えるのって難しいと思うんです。でも、この5組は、突然愛する人の死が差し迫った時、誰に聞くでも相談するでもなく、自然とそれぞれのやり方でベストを尽くして、それぞれの方法で弔っていました。
死との向き合い方に正解はないし、十人十色で良いんだなと思え、勇気をもらえました。
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著者と同じく、死んだら、、、、ということを時折考える。
死を考えることは、生を考えることだと思ってるから。
原真さんの話はちょっと圧倒されたなー
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いろんな人生があるもんだなあとしみじみ思った。テーマが散骨だけに、読んでいて悲しくなる部分もあったが、それよりも死を受け入れて生きている人の生き様に感じるものがあった。
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散骨をした遺族に話を聞くノンフィクション。
一緒に過ごしていた時の想いがあるからこその散骨だと感じられた。死んでもある場所に想いが残せるような生き方があって、墓という形式が残された人にとって意味がなくなるんだなと思った。
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家族や友人を失い、自由な方法で見送った五組の人々をドキュメントしたものだ〉。
どのご家族も明るい。
散骨の旅へ同行しているようで楽しかった。
登山家で医師の原真さんとエリザベスさんのエピソード『マカルーで眠りたい』が印象深い。